2024年11月1日更新

映画『シンゴジラ』の名言集【まずは君が落ち着け】

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シン・ゴジラ
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『シン・ゴジラ』の名言集

1954年に公開され、センセーションを巻き起こした第1作目の『ゴジラ』。以来、東宝が製作してきた同シリーズの29作目にあたり、前作から12年の歳月を経て公開されたのが『シン・ゴジラ』です。 総監督と脚本を庵野秀明が務め、かつてない規模のゴジラがフルCGで誕生しました。2016年7月29日に公開されるや、たちまち大ヒットを記録しました。 舞台は現代の日本です。そこに突如として出現したゴジラに対し、政治家や官僚、自衛隊、民間の企業や人々がいかに立ち向かうのか、その闘いが真正面から描かれます。 中心になるのは、長谷川博己扮する内閣官房副長官・矢口蘭堂、竹野内豊扮する内閣総理大臣補佐官・赤坂秀樹、石原さとみ扮する米国大統領特使カヨコ・アン・パタースンら。その他、総勢328人とも発表されている豪華キャストが脇を固めています。 リピーターが続出し、熱狂的なファンを生み出しましたが、物語の中で放たれる数々の名言も話題になりました。ここではそれら名言を5つのカテゴリーに分けて幾つか紹介します。

名言1:人々の驚き・動揺

「えっ、動くの?」

進化した謎の巨大生物が、多摩川方面に移動したという情報を耳にした金井光二・内閣府特命大臣が思わず呟いてしまったセリフ。短い言葉ですが、驚異に直面した人々の最初の反応を正直に言い表してリアルです。これに対し、柳原邦彦・国土交通大臣は「そりゃ生き物だからな」と冷静に返し、その掛け合いが絶妙でした。

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「あーっ!あーっ!わーっ!こんなんアリかよーっ!」

上記と同じくなまなましい反応のセリフです。放射能の検出と巨大生物の移動が完全に一致していることが判明したときの、安田龍彦・文科省研究振興局基礎研究振興課長の言葉です。「オタク」で知られる安田らしくもあり、一方で研究員らしくない子供のような言い回しがリアルです。

「まずは君が落ち着け」

ゴジラの出現を前に激怒する矢口蘭堂・内閣官房副長官に対し、泉修一・保守第一党政調副会長がこう言ってペットボトルを差し出すシーンは、ファンの間でとても人気があります。 当初、ペットボトルは台本にはなかったのだとか。舞台挨拶で、熱狂する観客を前に、泉を演じた松尾諭が「まずは君たちが落ち着け!」と発言して爆笑を誘うというエピソードもあったそうです。

「今ここで決めるのか!聞いてないぞ!」

東竜太・内閣官房長官から、災害緊急事態の布告及び自衛隊の防衛出動に対する決断を求められた大河内首相が、とっさに放ってしまう言葉です。たとえ首相であっても、生身の人間として動揺している様が明らかに見て取れます。

名言2:勇敢に立ち向かう人々

「いえ、ローテで行きます。皆、入隊したときから覚悟はできています」

名もなき木更津駐屯地の自衛隊員の言葉です。自衛隊による危険極まりない巨大生物駆除作戦がついに決行されることになり、上官に対してこう即答した隊員。思わずその責任感と使命に感動した人が多いのではないでしょうか。

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「礼には及びません、仕事ですから」

「矢口プラン」実行のため、的確な準備と行動をとった自衛隊。そのことに対し「ありがとうございます」と礼を述べた矢口に、財前正夫・統合幕僚長がさらりと答えたセリフです。クールなプロフェッショナルぶりに多くの観客が感動。演じた國村隼の口調が絶品でした。

名言3:失わない冷静さ

「大臣、先の戦争では旧日本軍の希望的観測、机上の空論、こうあってほしいという発想などにしがみついたために、国民に300万人以上の犠牲者が出ています。根拠のない楽観は禁物です」

エレベーターの中、やたらと楽観論で盛り上がる大臣たちに対し、矢口・内閣官房副長官が発するセリフです。油断や想定外というものが、多大な犠牲者を生んでしまった大震災と被ります。

「気落ちは不要、国民を守るのが我々の仕事だ。攻撃だけが華じゃない。住民の避難を急がせろ」

ゴジラを食い止める「タバ作戦」が無残にも失敗。一時退散を余儀なくされた自衛隊の中にあって、西郷・戦闘団長がこう言って民間人の避難支援を命じます。「攻撃だけが華じゃない」という言葉にぐっと来た人も多いのだとか。演じたピエール瀧の冷静な矜持が、とても頼もしく映りました。

「今は攻撃より避難を優先すべきです」

名言4:より大きな視野を持つこと

「避難とは、住民に生活を根こそぎ捨てさせることだ」

ゴジラに対する熱核攻撃を行うためには、数百万人の都民が避難せざるを得ず、そのことは東京という大都市と都民の生活を無にしてしまうこと……。 里見祐介・内閣総理大臣臨時代理のこのセリフは非常に重いものです。東日本大震災で家や故郷を捨てざるを得なかった多くの人々の苦しみを思わず思い出した人も多いのではないでしょうか。

「だからこそ今は戻らない。祖母を不幸にした原爆を、この国に3度も落とす行為は、私の祖国にさせたくないから」

アメリカが、ゴジラへの熱核攻撃が計画していることに対するカヨコ・アン・パタースン米国大統領特使のセリフです。それまではどこかアメリカ寄りだったカヨコが、このセリフを契機に少しずつ変わっていきます。

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「ゴジラより怖いのは、私たち人間ね」

ついに米国など多国籍軍によるゴジラへの熱核攻撃が決定したことに対し、市川実日子演じる尾頭ヒロミ・環境省自然環境局野生生物課長補佐が淡々とこう呟きます。結局、ゴジラを生み出してしまったのも人間であり、核を作り、使用するのも人間であるという、深い意味が込められており、本作の重要なテーマとも言えるでしょう。

「多種多様ですな、人の世は」

早船がいかにもフリージャーナリストらしい視点で、のうのうと発するセリフ。冷めた視線が、他の言葉とはまた違う意味の怖さを感じさせます。

名言5:希望と人の力を信じること

「人間を信じましょう」

ゴジラの分子構造を解析できるスパコンが設置されたドイツの研究施設。そこで働く一人の女性のセリフですが、人間の知能を超えたスパコンの施設であるがゆえいっそう重みがあります。上記「ゴジラより怖いのは、私たち人間ね」というセリフと合わせてじっくり嚙みしめたい言葉です。

「我が国の最大の力は、この現場にある!」

先頭に立つ矢口の力強い言葉ですが、日本という国の持つ底力と希望をも感じさせて、大きな感動を呼びました。

「スクラップ&ビルドでこの国はのし上がってきた。今度も立ち直れる」

赤坂秀樹・内閣総理大臣補佐官の言葉です。このセリフの背景には、戦争による二度の原爆投下、大地震や津波、台風など苛酷な自然災害による大きな被害から何度も立ち上がってきた日本に対する期待と希望が込められているのです。