2018年12月6日更新

あなたは気づいた?映画『シンゴジラ』に出てくる小ネタまとめ【エヴァとの共通点も】

(C)2016 TOHO CO.,LTD.

ありえないものをリアルに描いた、まさにシン(新・真・神)の言葉に相応しいゴジラ映画『シン・ゴジラ』。映像の勢いに押されて、つい見落としそうなもの中から、幾つか小ネタを拾ってみました。

『シン・ゴジラ』をより深く知る12の小ネタ【ネタバレ注意】

2016年7月に公開された映画『シン・ゴジラ』。ゴジラシリーズ29作目の本作は、「エヴァンゲリオン」シリーズで知られる庵野秀明が総監督・脚本を務め、ゴジラの怪獣造形に関わってきた樋口真嗣も監督として参戦しています。

映画が公開されるや否や、これまでのゴジラ概念を覆す新しいゴジラ像に日本中が沸き、作品が伝えているメッセージの解説や考察が多く囁かれました。

この記事では、知るともっと『シン・ゴジラ』が面白くなる12の小ネタから、ラストの気になる尻尾の意味するものまで、まるっと紹介します。作品のネタバレとなる見出しがあります。未視聴の方はご注意ください。

2018年12月16日に地上波放送決定!

2017年11月、地上波で初放送された『シン・ゴジラ』。なんと2018年の地上波放送も決定しました。1年前に「見逃してしまった」なんて人は必見です!12月16日(日)よる9時より、テレビ朝日系列で放送されます。

1.『シンゴジラ』といえば形態変化!作品考察の糸口にも

新たなゴジラ像の確立に成功

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以前のゴジラ映画では、子供のゴジラとか、成長途中の若者ゴジラなどが登場していました。

それが今回は、謎の尻尾姿から徐々にお馴染みのゴジラの姿になるという、全く新しい概念で姿を現しました。第2形態と呼ばれる幼体は、蒲田に上陸したことから愛称は“蒲田くん”と言います。大きく見開いた不気味な目と、体液垂れ流しの恐ろしいビジュアルなのに、なぜかネットを中心に人気に。

成長したゴジラの目が小さいことに関して、庵野監督は「敵無しの強さだから目があまり必要ないと言ってましたが、では“蒲田くん”のあの目は、敵だらけだからってことなのでしょうか。

この形態変化は、映画で描かれた第5形態以降の存在が噂され、作品考察の糸口にもなっています。

2.総勢329名出演!隠れキャストに気付いた?

『シン・ゴジラ』には329人のキャストが出演しています。片桐はいりが掃除のおばさん役でさりげなく出演していたり、ゴジラの恐怖に逃げ惑う女性の1人として元AKB48の前田敦子も出演していました。

他にも自衛隊の1人として斎藤工や、ラッパーのKREVAらの姿も確認できます。突然の登場に加えて、登場時間が短いため隠れキャストとして話題になりました。

そして、エンドロールの一番最後には野村萬斎の名が。野村萬斎はなんと、“シンゴジラ”を演じていた張本人。『アバター』や『猿の惑星』で使われている、モーションキャプチャで撮影に臨みました。

3.登場人物の役名に隠された小ネタ

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名作医療ドラマとして知られる『白い巨塔』と『シン・ゴジラ』、どう考えても共通点などなさそうです。ところが名前を並べていくと、似たような名前が多く挙がります。

カッコ内が『白い巨塔』に出てくる登場人物の役名です。

財前正夫(財前五郎)、里見祐介(里見脩二),大河内清次(大河内清作)、東竜太(東貞蔵)、花森麗子(花森ケイコ)、柳原邦彦(柳原弘)、関口悟郎(関口仁)、金井光二(金井道夫)、菊川俊介(菊川昇)。

実はこれ、庵野監督が『白い巨塔』のファンだったからなんだとか。

また主役の矢口蘭堂の名前は、庵野監督の妻である漫画家の安野モヨコの作品『ジェリービーンズ』に登場する福田蘭堂からきています。

4.映画のキーパーソンはリケジョの星、尾頭ヒロミ

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(画像左の女性が尾頭ヒロミ)

出てくる女性キャラすべて、単なる飾り物ではありません。米国大統領特使 カヨコ・アン・パタースン、防衛大臣・花森麗子、都のベテラン職員おにぎり差し入れおばさんに至るまで、皆、この非常時に任務をやり遂げてます。

その中でも特に頑張っているのが、環境省自然環境局野生生物課長補佐の尾頭ヒロミ。その鋭い観察眼と洞察力で、ゴジラを追い詰めたのは彼女なのです。

地味なスーツ、化粧っ気もなく表情に乏しい顔、自分だけが分かってる風の早口。女子力とは無縁のような彼女なのになぜか人気沸騰し、ヒロミを演じた市川実日子の名が広がりました。

5.ゴジラといえば伊福部音楽

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1954年に公開された『ゴジラ』の音楽を担当した伊福部昭。彼が作曲したお馴染みの「ゴジラのテーマ」が、『シン・ゴジラ』でも使用されています。

オリジナルは古い録音なので修正バージョンを苦労して作り上げたそうですが、映画本編にはオリジナルがそのまま使用されました。修正バージョンは映画のサントラに入っています。

6.エヴァファンには堪らない!鷺巣詩郎による音楽も

エヴァンゲリオンサントラ

「鷺巣詩郎が音楽担当」と発表された時点で期待したファンも多かったのではないでしょうか?鷺巣詩郎は『新世紀エヴァンゲリオン』の音楽を担当した人物です。

期待に違わず、本作にはエヴァの作戦BGMとしてお馴染みの曲がふんだんに使われています。しかもバージョンを変えなんと6パターンも!ファンならずとも思わずニヤリとしてしまう、小憎らしい演出ですね。

7.明朝体に早口。「エヴァンゲリオン」を彷彿とさせる演出

『新世紀エヴァンゲリオン』最終報告書

市川実日子演じる環境庁職員・尾頭ヒロミを筆頭に、キャストが競って早口でしゃべる本作。専門用語が多い上、長ったらしいお役所の部署名が視聴者を苦しめています。

庵野監督はリアルな災害対策室を作ろうと膨大な情報をセリフに込めたのですが、そのままだと到底放映時間に収まりません。内容は妥協せず時間内に収める、そこで思いついたのが早セリフだったのです。

元来、役人は早口で淡々としゃべるもの。過剰ともいうべき情報を詰め込むこの手法、実は本作に限ったことではないのです。

難解なセリフを早口で喋る、大量の情報を文字で表記する。これらは庵野秀明監督の代表作『新世紀エヴァンゲリオン』でも多用されています。

8.似てるのは名前だけじゃない!?「ヤシオリ作戦」と「ヤシマ作戦」

ヤシマ作戦概要『エヴァンゲリオン』

後半の見せ場となる「ヤシオリ作戦」。エヴァに登場する「ヤシマ作戦」のBGMが戦いを勢いづけてくれます。ヤシオリ作戦、ヤシマ作戦名前や音楽以外にも類似点があることにお気付きでしょうか?

全能を思わせるゴジラに対し、人類が仕掛けたヤシオリ作戦。米軍の協力を仰ぎ、自衛隊、JRの新幹線、ポンプ車、なりふり構わず総動員で挑みました。

一方『新世紀エヴァンゲリオン』のヤシマ作戦の標的、第5使徒「ラミエル」もまた、攻守に優れ弱点の見当たらない敵だったのです。自衛隊から陽電子砲を召し上げ、日本中の電力を集結してラミエルと対峙するネルフ。電力供給が停止し漆黒の闇に包まれた街を背にしながら……。

この2つの作戦は古い伝説や神話をもとに名付けられています。

9.“ゴジラ”と“使途”の共通点

アダム『エヴァンゲリオン』

「エヴァ」との共通点は他にも。

『新世紀エヴァンゲリオン』において第1、第2使徒であるアダムとリリス。生命の源であり、使徒の中でも神に近しいとされる存在です。対する『シンゴジラ』は、新、真、神と複数の解釈を有し、全ての生き物の頂点に君臨する完全生物なのだといいます。

環境に応じて進化する能力を持つゴジラは、両生類、爬虫類と作中形態を変貌させますが、その姿が使徒に似ていると言う意見があるのです。魚の姿をした第6使徒ガギエル、二足歩行の第7使徒イスラフェル……。

人類の脅威でありながら神々しさを備える使徒。『シン・ゴジラ』のゴジラ≒使徒と考えられるのも納得です。

10.鉄道マニアも喜ぶ無人在来線爆弾

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ハリウッドでもゴジラ映画は作られていますが、さすが元祖日本製ゴジラと思わせられたのが、この新幹線から在来線まで爆弾を乗せて、ゴジラを攻撃する作戦。

『シン・ゴジラ』では、現実に作れそうにない新兵器など出てきません。タンクローリーからポンプ車まで、あるもの使って戦っています。

このような演出が、「本当に日本にゴジラが来たら」と考えてしまうようなリアルさに繋がっているのでしょう。

11.ラストで見せたゴジラの尻尾の謎【ネタバレ注意】

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最後に残された謎がゴジラの尾っぽの先です。ゴジラが分裂したのか、はたまたゴジラが飲み込んだ人間なのか、諸説出ていますがまだ正解は出ていません。

ただ、あの分裂はゴジラの第5形態の始まりだったことが分かっています。映画公開から1年後の2017年に、第5形態の雛形が公開され話題を呼びました。そこには分裂が進み、“ゴジラ”の原型をとどめていない姿が。

映画が第5形態の始まりで終わっている、という本作の大きな謎。ここを深堀りすれば本作が伝えたかったメッセージが見えてくるかもしれません。以下の記事では、ラストシーンについてより詳しい考察&解説をまとめています。

12.庵野秀明が「29」という数字に込めた想い

長谷川博己
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『シン・ゴジラ』はゴジラシリーズの29番目の作品です。初代ゴジラ公開年は昭和29年。『シン・ゴジラ』の公開日は2016年7月29日。 特撮作品の大ファンだった庵野監督、初代『ゴジラ』に敬意を払ってこだわったのですね。そして329番目の出演者は『シン・ゴジラ』、野村萬斎でした。

『シン・ゴジラ』は観れば観るほど面白い!

1度の鑑賞だけでは情報量が多く、その勢いに圧倒されてしまうかもしれません。 しかし1つずつ映画を構成している要素を分解して観てみると、そこには監督らが仕掛けた小ネタやメッセージがたくさん隠れていることが分かりました。 何度観ても面白い『シン・ゴジラ』。これを機にもう1度観なおしてみてはいかがでしょうか?