2021年8月18日更新

「シン・エヴァ」はシンジが大人になる物語?完結作をネタバレありで考察

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シン・エヴァンゲリオン劇場版 ポスター
(C)カラー (C)カラー/Project Eva. (C)カラー/EVA製作委員会

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『シン・エヴァンゲリオン劇場版:||』をネタバレありで考察【鑑賞済】

2018年7月20日、全国の劇場で『シン・エヴァンゲリオン劇場版:||』の特報が解禁されました。突然の朗報にエヴァファンは騒然! 「新劇場版」シリーズは2007年に第1作である「序」が、2009年に第2作「破」、2012年に第3作目の「Q」が公開されたのち、長らく沈黙を続けていました。第4作目となる『シン・エヴァンゲリオン劇場版:||』は、ファンにとっては待望の完結編です。 新型コロナウイルスの影響で延期となっていた本作ですが、遂に2021年3月8日から公開が開始されました。今回は、本作を朝イチで鑑賞してきたciatr編集者によるあらすじネタバレと考察を紹介していきます。

そもそも「新世紀エヴァンゲリオン」シリーズとは?

これまでの「エヴァ」シリーズをおさらいしよう

ここで今一度、「エヴァンゲリオン」シリーズをおさらいしておきましょう。 通常「エヴァンゲリオン」や「エヴァ」と略して呼ばれているのは、テレビアニメ『新世紀エヴァンゲリオン』のこと。GAINAX/タツノコプロ制作のオリジナルアニメで、1995年から1996年に全26話がテレビ東京系で放送されました。 アニメ放送が終わった翌1997年には、『新世紀エヴァンゲリオン劇場版』として「シト新生」と「Air/まごころを、君に」が公開。賛否両論が巻き起こったテレビアニメ25話と26話が完全新作として制作されたことで、大きな話題となりました。 それから10年後、2007年になって新たに“リビルド(再構築)”されたのが「新劇場版」シリーズ。最初に公開された「序」から14年後の2021年(予定)に、ようやく最後の第4作目「シン・エヴァンゲリオン」が公開されるわけです。

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「エヴァンゲリオン」と「ヱヴァンゲリヲン」

テレビアニメ版といわゆる「旧劇場版」が“エヴァンゲリオン”と表記されているのに、「新劇場版」シリーズではタイトルのみ“ヱヴァンゲリヲン”と旧字体で表記されています。 これは新旧シリーズが異なるものであることを示していると思われます。事実、テレビ放送版と旧劇場版、そして今回の「シン・エヴァ」それぞれ異なるエンディングとなっているので、リメイクではなくほとんど別作品として捉えても問題ないでしょう。

「シン・エヴァンゲリオン」のあらすじ&ネタバレ

①「0706作戦」始動!パリ復元を目指す

ミサトとリツコ率いるヴィレは、「Q」で大破したエヴァ2・8号機を直すパーツを入手するため、赤く染まったパリの街へ。凱旋門に降り立ち、そこでユーロネルフからパーツを取り出すために、パリ復元作戦を行います。 パリはL結界密度が強く、リツコが指揮するヴィレのオペレーターたちがユーロネルフ第1号封印柱の上で、アンチ-Lシステムを復元して起動させようとしています。作戦のタイムリミットは720秒。 しかしその復元作業を妨害するネルフのエヴァが大勢襲来。マリが8号機を駆使してこれらを撃破しますが、“ボスキャラ”の4444C(フォーフォーシー)が大量の44B(フォーツービー)を伴って登場し、陽電子砲で復元チームを襲います。 まるで以前ミサトが行った「ヤシマ作戦」のような攻撃を仕掛けてくるネルフに、リツコも「冬月副司令に試されているわね」と発言。戦艦6隻を使ってシールドを作り、1発目はなんとか防御します。 すぐに2発目を撃とうとする4444Cに対して、8号機を繰ってエッフェル塔の先端を陽電子砲に突っ込むマリ。復元チームもタイムリミット前に起動を成功させ、パリの街は見事に復元されヴィレは物資の補給に成功します。

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②失語症になってしまったシンジと友人との再会

多くの犠牲の責任が自分にあることを認識したシンジ。心の支えになっていたカヲルを失ったことでシンジは失語症になっていました。「Q」での事件の後、行動を共にしていたシンジ・アスカ・レイの3人は旧友・相田ケンスケの助けもありニアサードインパクトの生存者が暮らす「第三村」で生活を始めることに。 そこには(無免許ですが)医者をしている鈴原トウジや母となった委員長の姿がありました。またミサトと加持の息子・加持リョウジ(cv.内山昂輝)も登場し、苦しい環境ながらも逞しく生き抜く人々の姿が描かれています。 はじめはトウジやアスカに話しかけられても反応を示さず心を閉ざしていたシンジ。しかし村で人や動物と触れ合うことで感情を覚えたレイに感化され、弱さを認め立ち直っていく描写が描かれています。

初めて感情を知ったレイは、自身の体に異変を覚えます。許容範囲以上の感情を制御できなかったレイはシンジの目の前で液体化してしまいます。テレビ放送版や旧劇場版と同じく、アヤナミレイ(仮称)はシンジの母である綾波ユイのクローンであり、プログラムされた存在だったのです。 この出来事がきっかけで、シンジはヴンダーに戻る決心をしたようです。

③エヴァ第13号機と対峙するアスカ

ヴンダーに戻ったシンジは再び隔離されることになります。 一方アスカとマリはゲンドウが引き起こそうとしているフォースインパクトを阻止するべく、エヴァにてネルフへ進撃を開始。アスカはフォースインパクトの引き金となるエヴァ13号機を発見し、機能を停止しようと試みますが自身のATフィールドに阻まれてしまいます。 「裏CODE999」を発動し、リミッターを解除したアスカ。自分の命と引き換えにATフィールドを突き破ろうとしますが、寸前でエヴァが起動してしまいます。

回想シーンではアスカもまた「シキナミタイプ」というオリジナルありきのクローンであることが判明します。自分の死を覚悟していたアスカは、ここでエヴァ13号機に取り込まれてしまうのです。

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④シンジが再びエヴァに!ゲンドウと第13号機

アスカの救出とフォースインパクトを止める為、シンジは再びエヴァに乗ることを決意します。マリと共にネルフ最深部へ向かったシンジは、現実世界とは切り離されている場所で父・碇ゲンドウと対峙することに。予告編で現れた2つ目のエヴァのうち1つは、ゲンドウが操縦しているエヴァ第13号機でした。 第3都市東京、学校の教室、ミサトのアパート、懐かしい風景を舞台に戦闘を繰り広げる2人。シンジは父に一連の計画の目的を問います。

セカンドインパクトでは「海の浄化」、サードインパクトでは「大地の浄化」、そしてフォースインパクトの目的は「魂の浄化」だと語るゲンドウ。知恵の実を食した人類が神に与えられた選択は、「生命の実を食した使徒に滅ぼされるか、知恵を放棄するか」しかないと言います。 そしてゲンドウの真の目的が、妻である綾波ユイとまた一緒になれる世界にすることであることが判明。もともと孤独で他人と関わることが嫌いだったゲンドウを変えたのは、大学時代の綾波ユイでした。しかし彼女を失ってしまったゲンドウは、1人だった頃には知り得なかった孤独感に悩まされ、今回の人類補完計画を遂行することに決めたのでした。

⑤ヴンダーの背骨で新たな槍を作る

フォースインパクトが始まってしまい巨大綾波が誕生、もう人類に出来ることはないと思われたその時。ヴンダーの背骨部分を改造すれば「ガイウスの槍」、すなわち人類の叡智が詰まったヴィレの槍を作れるかもしれないと気がついたミサトたちは、至急ヴンダーの改造に取り掛かります。 「ガイウスの槍」が完成し、ミサトは自分がその槍をシンジの元へ届ける役目を引き受けました。巨大綾波に突撃し、最期ミサトは「お母さん 何もできなかった」と言い残し爆死します。

⑥ゲンドウの過去とチルドレンの願いとは

計画が失敗し、「また自分はユイに会うことはできないのか、自分が弱いからか」と嘆くゲンドウ。それに対しシンジは「弱い自分を受け入れられないからだよ」と諭しました。 その後シンジは精神世界に吸収されていたアスカ、カヲル、レイと対話し、それぞれの望む未来へと導いているような描写が描かれています。この描写が彼らの過去なのか、もしくは想像なのか、そして彼らは現実世界で再び生き返ることができているのかは名言されていません。以下は描写の説明とciatr独自の見解です。

アスカ:子供の頃から1人で過ごしてきたアスカ。同じく幼少期の碇夫妻とシンジの姿をみて「自分も褒めて欲しかった」と発言しています。1人で落ち込むアスカの前に現れ、彼女の頭を撫でていたのは相田ケンスケでした。この事から、14歳の姿のまま大人になったアスカを支えていたのは彼だったことがわかります。もしアスカが現実世界に戻ったら彼の大切さに気が付き、結ばれることになるかもしれません。 カヲル:「生命の書」に名を連ね、何度も生を繰り返しています(これがカヲルがシンジに対し「大丈夫、また会えるよ」と言っていた理由であると推測)。シンジに対し愛情を示していたのは、シンジのためではなく、シンジを愛することで自分が救われていたから。シンジの「カヲルくんは父さん(ゲンドウ)に似ている」という発言の後、加持がカヲルの事を渚司令と呼んでいる描写が映されていますが2人の関連性は不明です。 別レイ(?):ハリボテの子供を抱いて登場。彼女が村で感情を知ったレイだと仮定すると、クローンではなく自我をもった1人の人間、シンジたちと過ごしてきた「アヤナミレイ」として生きていくことを願ったのかもしれません。

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⑦ガイウスの槍で全てのエヴァを破壊

チルドレンたちを送り出し、最後に残ったシンジはガイウスの槍を使ってファイナルインパクト(=エヴァが必要ない世界にする為、全てのエヴァを破壊する)を引き起こし世界を救おうとします。 エヴァ初号機ごと自分を貫こうとしたその時、背後に誰かの気配を感じたシンジ。それは母である綾波ユイのものでした。ガイウスの槍を受け取り、シンジの代わりにエヴァを貫いた綾波ユイ。予告編で登場した「さよなら、全てのエヴァンゲリオン」の通り、1~7号機のエヴァを破壊していきます。 シンジは現実世界に戻り、マリと再会します。8、9、10、11、12号機を吸収したマリのエヴァもここで破壊され、名実ともに世界からエヴァは存在を消したのでした。

⑧大人シンジが登場!「シン・エヴァ」が迎えた結末

ラストシーンでは大人になったシンジ(cv.神木隆之介)とマリが駅のホームで会話しているシーンが描かれています。「大人の香りになった」と茶化すマリに対し、「マリもいつもかわいいよ」とまさに大人の対応で返すシンジ。マリがシンジの首につけられているチョーカーを解除し駅の階段を駆け上がり、物語は幕を閉じます。 また向かいのホームには親しげに話すカヲルとレイ、そしてベンチに座っているアスカの姿も描かれています。全員成長した姿のようなので、もしかしたら「エヴァの呪縛」はエヴァ消失と共に解かれていたのかもしれませんね。このシーンが現実世界なのか、物語の数年後の未来なのか、はたまたシンジの理想に過ぎないのかは明らかにはなっていません。 アニメ版とも旧劇場版とも全く違うエンディングが描かれている本作。ある意味今までのどの「エヴァ」よりも救いのある結末を迎えたと言えるのではないでしょうか。シンジが助けたチルドレンたちが本当に生き残ることができたのか明らかにして欲しかった気もしますが、実際に映画を観た人たちが自分なりの解釈を出来る様にあえて残している余白なのかもしれません。

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結局どういうこと?鑑賞後に気になるポイントを考察・解説

①マリの正体は何だったのか

「シン・エヴァ」ではマリの正体は特に名言されなかったものの、いくつかヒントとなる言葉やシーンがありました。 特にマリが冬月と「再会」する場面では、冬月がマリを「イスカリオテのマリア」と呼んだり、赤ちゃんのシンジを抱くユイを中心にゲンドウとマリと冬月が写る写真が登場。マリはゲンドウとユイの学友で、冬月の生徒だったことが改めて示されました。 そうなるとマリの年齢不詳な点もやはり、真希波という名前から「アヤナミタイプ」「シキナミタイプ」同様、「マキナミタイプ」のクローンとも推測されるところ。しかし記憶や人格は受け継いでいるため、シンジと同じくエヴァの呪縛によって成長が止まり、最後はその呪縛が解けたことで成長したとも考えられます。 「イスカリオテのマリア」とは、キリスト教の「イスカリオテのユダ」が裏切者であることを踏まえ、ゼーレを裏切りヴィレに加担したことと同時に、旧劇場版までの流れを裏切る存在として新劇場版で登場したことを指しているよう。また「マグダラのマリア」はキリストの伴侶ともいわれる人物。世界を救った救世主がシンジとすれば、マリエンドは納得です。

②カヲルのループ説について

「シン・エヴァ」で初めて登場した言葉「生命の書」は、渚カヲルのループ説を裏付けるものとなりました。しかも名を連ねていたのはシンジも同様らしく、シンジはカヲルと何度も出会っていることを思い出したようです。 そして今回、カヲルが生命の書でシンジの存在を知り、シンジを愛することで自分も救われようとしていたことがわかりました。これまで何度も世界の終わりに立ち会い、シンジを幸せにすることだけを目的としてきたカヲル。エヴァ世界がループしているのではなく、その都度新しい世界で何度も生を全うしてきたのがカヲルなのではないでしょうか。 円形に置かれた棺の中から現れるカヲルが、その生のループを示しているようでもあります。

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③アスカの名前が式波に変わった理由

アスカの名前が新劇場版から惣流ではなく式波に変わった理由は、「シン・エヴァ」で彼女が「シキナミタイプ」のクローンだと判明したことでよりはっきりしました。テレビシリーズと旧劇場版での惣流アスカとは違う人物であることを、明確にするためだったのでしょう。 さらに、「シン・エヴァ」の中で式波アスカは自分のオリジナルに遭遇しました。会話から察するところ、シキナミタイプのオリジナルは惣流アスカであるといえます。式波アスカはオリジナルの惣流アスカの孤独感を引きずりながらも、精神的には成長して大人になっていました。

④「シン・エヴァ」のテーマは「大人になる少年」?

これまでの「エヴァンゲリオン」シリーズでは、自分の殻に閉じこもり、周りの人々に引っ張られながらシンジが成長していく物語でした。しかし「シン・エヴァ」ではみんなを導く立場に変わり、最後には世界を救う役割を果たしています。 転換点となったのは、前半パートで描かれた第3村での出来事。シンジはそこでかつての同級生たちと再会し、自分だけが14歳のまま取り残された世界の状況を徐々に飲み込み、村で心を学んだアヤナミレイとの触れ合いで「大人」になる決意をします。 「シン・エヴァ」の大きなテーマとして明らかなのは、父と息子の対峙と対話を通して、思春期という迷宮から脱して「大人」になることです。「大人」になるとは、自分を取り巻く世界に対しての「落とし前」をつけ、「責任」を持つこと。 大人になったシンジには、これまで自分を守っていた殻であるエヴァは必要なくなります。エヴァパイロットのチルドレンたちにも救いを与え、彼らとは同じ世界に住む「他人」となったのが最後のシーンなのでしょう。

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⑤「シン・エヴァ」で登場した加持リョウジについて

今回「シン・エヴァ」が公開され、作中には様々な初見キャラが登場しました。その中の1人が加持リョウジと葛城ミサトの息子である、「加持リョウジ」です。本作では大人の加持が、サードインパクトを止めるため死亡していたことが明らかになります。そしてその時にはすでに、ミサトは加持との子供を懐妊していたのです。 リョウジを産んだ後、ミサトは密かに彼を信頼出来る人物に託します。彼女は「母親らしいことは何も出来ないから」と、リョウジに1度も会っていません。その代わり彼女はリョウジの意志を継ぎます。ミサトは戦艦ヴンダーを「生命を遺す」ためでは無く「生命を守るため」に使用し、NERVとの戦いに身を投じるのでした。 リョウジには1度も顔を見せなかったミサト。しかし作中ではリョウジに何かを遺してあげたいと感じる様子も見せ、母性愛を感じるシーンも描かれました。

【公開前の考察を整理】伏線は回収された?

ここではciatr編集部が「シン・エヴァンゲリオン」公開前に予想した展開予想や伏線についてをまとめています。映画内で実際に回収されていた伏線に関しては追加で考察をしているので、ぜひチェックしてみてください。

①「特報1」に映し出されたエヴァンゲリオン8号機β臨時戦闘形態

2018年7月20日に劇場で公開された映画『シン・エヴァンゲリオン劇場版劇場版:||』の「特報1」。この映像に映し出されていたのは、マリが乗る“エヴァ8号機β臨時戦闘形態”です。 2019年7月6日に世界同時上映された「シン・エヴァンゲリオン劇場版 AVANT1(冒頭10分40秒00コマ)0706版」で、マリが操る8号機βが臨時戦闘形態で360度回転し、敵を蹴散らしていく冒頭シーンが初公開されています。 そしてこのシーン(冒頭10分映像)で、エヴァのパーツが回収されたため、今後さらなる進化が予想されます。マリの発言から、「ニコイチ型2号機の新造とオーバーラッピング対応型8号機への改造」が可能になることが判明。 特報2で登場した新2号機が、これらのパーツを使って新造されたものであるのは間違いなさそうです。合体対応型として、8+2号機化も可能にもなるかもしれません。

パリで物資を補給したヴィレは8号機を改造し、エヴァンゲリオン改8号機γを完成させています。鞭のような武器を操ったり、2号機用の武器を持ち運べたり、特にNERVに乗り込んだ際には大活躍しているので是非劇場でチェックしてみてください。

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②「特報2」は内容盛りだくさんの34秒!映像を解説

2019年7月19日に劇場で解禁された『シン・エヴァンゲリオン劇場版』の「特報2」。同7月6日に公開された冒頭10分40秒のAVANT1とは全く違うもので、34秒の映像にかなり凝縮された内容が詰まっています。 まず登場するのはエヴァ2号機です。以前鎌倉で公開された新2号機の顔と一致していますが、かなりの重装備に変貌。AVANT1でユーロネルフから回収されたJA02(ジェットアローン2)と思われるパーツを装備し、“ニア・サードインパクト”のような赤黒く覆われた空間を突き進んでいるように見えます。この後ヴィレの巨大戦艦AAAヴンダーも登場し、“ガフの扉”へ突入していくような映像も。

③「特報2.5」にはレイやアスカの姿が!

2019年7月に公開された「特報2」をベースに数カットを変更し、同年8月に新たに公開された「特報2.5」。特報2では登場していなかった改8号機γの登場など大きな注目を集めました。 動画の最終ページが特報2では「西暦2020年6月公開」だったものが特報2.5では「来年6月公開お楽しみに!」と明るい印象に変わってるなど、特報2.5はエヴァを見たことの無い若い世代にも観て欲しいという想いで製作されたものだということがわかっています。 内容も特報1では登場の無かった、レイ・アスカ・シンジなどのメインキャラに加え、さらに渚カヲルが登場するなどシン・エヴァへの期待が一気に高まる30秒に仕上がっていました。

実際に登場したのはカヲル本人というよりはシンジの記憶内でのカヲルだったのですが、実際にシンジと会話していたり、今まで絡みがなかった加持との交流も描かれています。

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④想像力を刺激する数々のシーンとカット

アスカとレイとシンジの3人が赤く染まった“コア化”した街を歩いているシーンは、映画「Q」(2012)のラストシーンの続きと思われます。日本アニメ(ーター)見本市公式サイトで発表されたイメージ映像「until You come to me.」は、実質的な「Q」の未公開パートといわれていますが、ここで描かれていたものが本編でついに描かれるのかもしれません。 そしてゲンドウに回収されたエヴァ第13号機が、極初期型制御システムに入っています。この台はシンジの母ユイが自ら被験者となってコアへのダイレクトエントリーを実験し、消滅した場所。第13号機がここへ入れられているということは、再びその実験が行われるということでしょうか。その前に冬月と、レイかユイと思われる女性が苦悩する顔のアップが映し出されています。 また「Q」のラストシーンで落としたはずのS-DATをシンジが持っていたり、ヴィレに宇宙服と船外活動用の生命維持装置が用意されていたり、死んだはずのカヲルがなぜかシンジの隣で微笑んでいたりと、気になるシーンがてんこ盛りです。

人類補完計画:ゲンドウは再びユイと一緒になれる世界を実現するため、サードインパクトを引き起こします。ガイウスの槍を綾波ユイが引き受けた時、その後ろにはゲンドウの姿があり彼女を抱き締めていたので、結果的に2人は再び一緒になれたのかもしれません。 S-DAT:別レイがシンジへ返す。そして最終的にそれをシンジがゲンドウに返しています。 死んだはずのカヲル:正確には復活していませんが、記憶内の世界でシンジと対話しています。

⑤「特報2」に出てくる謎の文字列を考察!時系列を把握しよう

さらに気になるのが、一瞬挿入される謎の文字列。これはどうやらシーンナンバーとカットナンバーのようです。これによって大まかな時系列を把握できるというわけですね。 では「特報2」で流れた順序通りにシーンを並べてみましょう。 Sn299 C001:赤黒い空間を進むエヴァ2号機 Sn002 C018:アスカ Sn054 C010:レイ Sn299 C001A:エヴァ2号機のアップ Sn002 C010:赤い街を歩くシンジ、レイ、アスカ Sn299 C002:突き進むヴンダー Sn299 C003:ガフの扉へ突入するヴンダー Sn054 C010:苦悩の表情のレイ(またはユイ)と冬月 Sn105 C002:2本の槍が刺さっている第13号機 Sn105 C001:極初期型制御システムに入っている第13号機 Sn134 C017:マリ Sn109 C002:S-DATを持つシンジ Sn115 C003:ミサトとリツコ Sn136 C003:シンジを横で見つめているカヲル これをシーンとカットナンバー順に並べなおすと、最初がSn002の赤い街を歩く3人のシーンで、最後がSn299の飛行するヴンダーになります。Sn299が全体のどの辺りなのかはまだわかりませんが、このシーンには2号機とヴンダーが登場しており、かなり重要な場面であることは推測できます。

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⑥ゲンドウがメカ化?その後すぐ映った少女は誰?

本予告0:45秒に覚悟を決めたような表情のシンジと、目元からメカのように電気を放っているゲンドウが登場しました。これはゲンドウが使徒と同化しているか、体内になんらかの異常が起こっていると思われます。 しかし目元のサングラスが故障し放電しているようにも見えるため、なんらかの物理攻撃を受けた可能性もあるでしょう。 またゲンドウの登場後、物憂げな表情を浮かべるマフラーを巻いた謎の少女が登場しました。彼女が誰かは判明していませんが、本予告に登場しているところからなんらかの意味がある人物だと思われます。

リツコがゲンドウを射撃した時、彼のサングラスが外れその全貌が明らかになります。サングラスで隠れていた部分は空洞に割かれていて、打たれた頭部からは脳みそがこぼれ落ちていました。それでも倒れないゲンドウをみてミサトが「人間でいることを捨てた」と発言している事から、既にゲンドウは人類を超越した存在になっていることがわかります。 またマフラーの少女は記憶世界で登場したアスカの幼少期の姿なので、新キャラという訳ではありません。

⑦カヲルが復活?第13号機に乗っているのは誰だ

碇シンジと綾波レイしか乗れない初号機と、ダブルエントリーシステムとされる第13号機の戦闘シーンが本予告にて描かれました。ここで気になるのは、第13号機に乗っているのは誰かということです。 そして『ヱヴァンゲリオン新劇場版:Q』にて爆発したカヲルですが、やはり本予告では復活を遂げていました。そのため第13号機に乗っている1人は、カヲルではないかと期待してしまいます。

第13号機に乗っていたのはカヲルではなくゲンドウでした。カヲルは記憶の中で登場しているので、復活した訳では内容です。しかしエンディングでは駅のホームでレイと会話している姿が描かれている為、解釈によっては生き返ったと取れるかもしれません。

⑨新作タイトル「:||」が意味するものとは?

「シン」がついたり「エ」と「オ」に戻ったりと、謎が謎呼ぶ『シン・エヴァンゲリオン劇場版:||』。タイトルにある「:||」の意味するところについて、ファンの間でさまざまな深読みが展開されています。 その中でもかなり説得力があるのが、楽譜で五線譜の中で使われる「リピート(繰り返し)」を意味する記号ではないか、という説。能楽由来の「序破急」というタイトルといい、カヲルが弾くピアノといい、「エヴァ」はシリーズを通して音楽に関連したマニアックな謎かけが散りばめられています。 「:と組み合わされた太さの違う二本線」もまた、そうした音楽にまつわる謎かけのひとつ。新たな劇場版から再び、異なる物語のリピートが始まろうとしていることを、ほのめかしているのかもしれません。一方で「:」が「序」や「破」と同じ単なるコロンなのだとすれば、二本線は終止線と呼ばれるフィナーレを意味する記号だと考えられます。 劇場版公式サイトのポスタービジュアルには「続、そして終。非、そして反」という文言が示されています。これは単純に「Q」の続きであり完結という意味なのか、また非=NOTであり反=ANTIというのはどういう意味なのか、憶測が飛び交いました。 また前3作の副題には1.0、2.0、3.0とついていたのに、4作目は『EVANGELION:3.0+1.0』となっている件でも謎が。さらに1作目から「YOU ARE (NOT) ALONE.」や「YOU CAN (NOT) ADVANCE.」など間に(NOT)が入っていることが、非=NOTにつながっているのかも気になります。 反という字には「繰り返す、元に戻す」といった意味も。ここにもやはり元に戻る可能性が示唆されているのでしょうか。

➉「シン・エヴァ」ではなぜ「エヴァンゲリオン」に戻ったのか

ある意味、「破」は究極のハッピーエンドでした。テレビシリーズから始まり、旧劇場版までもつれた碇シンジと綾波レイのか細い赤い糸は、「サードインパクト」というオマケ付きで全人類を犠牲にした上で、永遠不滅の絆を生み出しました。 それが「Q」では、すべてが覆されてしまいます。「破」で築き上げていた仲間たちとの絆は14年のラグによって失われ、結局、溝は埋まらないまま曖昧模糊としたエンディングを迎えます。 その曖昧感は、テレビ版の「おめでとう」な幕切れや、旧劇場版『Air/まごころを、君に』での人類液状化現象にも共通する「釈然としない」もの。 「シン・エヴァンゲリオン」で庵野監督はあえて初期のタイトルを使うことで、これまで投げかけてきたすべてのエヴァの物語に、決着をつけようとしているのではないかと考えられます。 アルファベットで綴られた新作のタイトルは「EvanGeLion:3.0+1.0 etc.」。新劇場版とともに、「序」のベースとなったテレビシリーズについてもなんらかの形で触れる、という意味にもとれます。 そういう視点で考えるなら「Q」の中で渚カヲルがシンジに語った「エヴァで変わったことは、エヴァでふたたび変えてしまえばいい」というセリフが、『シン・エヴァンゲリオン劇場版:||』のコンセプトを端的に物語っているのかもしれません。

番外編:碇が「綾波」に、惣流が「式波」に

テレビ&旧劇場版と新劇場版3部作の設定には、大筋としてのプロット以外にも細かな部分で違いがあります。 たとえば、キャラクター名の変更。碇ゲンドウの妻であり碇シンジを生んだユイは、テレビシリーズでは旧姓も結婚後も「碇」でした。これはゲンドウ(旧姓、六分儀)がゼーレの高官の娘であるユイに下心ありで近づき、婿入りしたという設定があるからです。 しかし新劇場版では、彼女がゲンドウのもとに嫁いだカタチで「碇」を名乗ります。旧姓は「綾波」。これはレイがユイのクローンであることを、より強く印象付ける製作者の意図があるのでしょう。 アスカが「惣流」から「式波」に変更された理由は、キャラ的な変貌でした。社交性に富んでいたテレビ版「惣流」に対して、新劇場版「破」では排他的な面が強調されています。少しずつ人間性が変わっていきますが、結局はエヴァ参号機とともに使徒に侵食されてしまいました。 「Q」ではさらに、「エヴァの呪縛」によって年齢を重ねることができない「ヒトではないもの」になっているようです。もともと「式波」の由来は海上自衛隊の護衛艦「しきなみ」にあるそうですが、それが「あやなみ型」の4番艦であることが重要。 新劇場版の新キャラであるマリのフルネームは真希波・マリ・イラストリアス。これはあやなみ型護衛艦7番艦「まきなみ」から取られており、1番艦「あやなみ」の綾波レイと母の旧姓が綾波のシンジと合わせて、4人のエヴァパイロットの名前に整合性を持たせるために改名されたと推察されます。

本編で別レイは「アヤナミタイプ」のクローン、そしてアスカは「シキナミタイプ」のクローンであることが判明しています。テレビ版の惣流がオリジナルだけの存在だとすると式波アスカは大勢のアスカの1人であり、テレビ版のアスカとは違う存在だということを表しているのでしょう。

番外編:真希波・マリ・イラストリアスも「エヴァの呪縛」の申し子か?

新劇場版から登場する新キャラ、真希波・マリ・イラストリアス。彼女は、ただエヴァを動かすだけでなく裏モード「ザ・ビースト」まで発動させるなど、その異能ぶりを見せつけてきました。 そんな彼女が主人公として描かれたエピソードがあります。それは漫画版「新世紀エヴァンゲリオン」のコミックス第14巻(最終巻)に収録された28ページの書き下ろし作品「EXTRA STAGE 夏色のエデン」。1998年の京都を舞台に、マリを主人公としながら、大学時代のゲンドウとユイの姿が描かれました。 60〜70年代の懐メロ好きも含めての年齢不詳ぶりはファンの間でさまざまな憶測を呼んでいましたが、漫画版から年齢を推測する限り、どうやら彼女もアスカ同様「エヴァの呪縛」にかかった「ヒトではないもの」である可能性があります。 もともとマリは、テレビ版からの流れを打ち消すための役目が与えられていたそうです。しかし漫画版に登場したということは、テレビ版と連動した「エヴァ」の世界にも彼女が存在していたことを意味しています。 そう考えるなら、マリもまたテレビ版と新劇場版をつなぐ大切な絆のひとつ、と考えられるのではないでしょうか。

本作では、マリがゲンドウや冬月達と大学時代から交流があったことを示唆する描写が描かれています。漫画版のマリの人格が「エヴァの呪縛」によって成長がストップ(または若返り)、少女の姿になってゲンドウの暴走を止めようとしていたのだと考えることもできます。

映画「シン・エヴァンゲリオン劇場版」公開騒動の経緯

本作公開までの道のりは一筋縄ではいきませんでした。ここでは公開に至るまでに起こった騒動をまとめています。

監督の庵野秀明がコメントを発表

「エヴァ:Q」の公開後に精神的にも体力的にも疲労していたという庵野監督はホームページにて2015年4月1日にコメントしました。

「2015年。旧エヴァの放送から20年後の今、すでに2年以上もお待たせしている、シン・エヴァンゲリオン劇場版の完成への実現に向けた作業も、なんとか進められています。僕の周囲の方々、そしてアニメファンの皆様が、再び完結に向かうというモチベーションを支えてくれているからです。本当に、感謝します。そして、皆様から、シン・エヴァの公開まで今しばらくの時間をいただければ、幸いです。」

偽予告公開騒動も

2016年1月26日「株式会社カラー」名義でYouTubeに特報がアップされましたが、同日、カラーが公式のものではないと発表しました。

2017年4月5日、「シン・エヴァ」の制作が進んでいることが判明!

2017年4月5日、庵野秀明が代表を務めている株式会社カラーの公式ツイッターに突如「シン・エヴァ」鋭意製作中とのツイートが。そもそも制作が進んでいるのかも謎だった「シン・エヴァ」でしたが、このツイートでファンの期待がさらに高まったようです。

特報公開は突然だった……映画『未来のミライ』を見た観客が騒然!

「シン・エヴァ」の特報が解禁となったのは、2018年7月20日公開だった細田守監督の『未来のミライ』本編上映前。『未来のミライ』を劇場に観に来た観客たちがすぐさまTwitter上で反応して一時騒然となり、「エヴァンゲリオン劇場版」や「シンエヴァ」などの関連ワードがトレンド入りしました。 もちろん「待ってました!」という期待感が多くツイートされる中、最初の新劇場版から13年も待っていた、延期しないで!といった哀願に近い声も。大勢のファンが4作目の公開を待ち望んでいることが、改めてわかりました。

シンジ役の緒方恵美もネット情報で知った!?

碇シンジの声優を務める緒方恵美も、なんと『シン・エヴァンゲリオン劇場版:||』の特報解禁についてはネットニュースで知ったとのこと! 「オリンピックイヤーなんだ……!」とツイートし、この時初めて知ったことを公にしました。続けて、今後も「シン・エヴァ」情報は公式と同じタイミングで明かすことを告白。

2018年10月19日には、本作の収録についての事前打ち合わせをスタジオカラーで行ったこともTwitterにアップ。『シン・エヴァンゲリオン劇場版:||』が着実に前に進んでいることがわかって、ホッとしたファンも多いのではないでしょうか。

コロナで公開延期に!株式会社カラーが公式サイトで発表

コロナウィルスの影響で同時期に公開予定の映画が次々と公開延期を発表する中、『シン・エヴァンゲリオン劇場版:||』も例外では無く、2020年4月17日に株式会社カラーが公式サイトで正式に公開延期を発表しました。 2012年公開の前作『ヱヴァンゲリヲン新劇場版:Q』から実に8年近く待ちわびた世界中のエヴァファンにとっては悲報以外の何ものでも無いですが、やはりまずは健康が第一。株式会社カラーも、楽しく焦らずに安心して物語の結末を見届けられるよう配慮して、苦渋の決断を下してくれたのです。

「薄い本」が話題に!?「シン・エヴァ」の興行収入について

待望の新作としてファンに待ち望まれた「シン・エヴァ」。そんな本作はすでに、2021年6月現在で庵野秀明作品としての最高興行収入額を記録しています。 公開初日から興行収入8億、観客動員数53万人を突破した本作。前作の『ヱヴァンゲリヲン新劇場版:Q』を大幅に上回る反響を呼び、最高のスタートダッシュを切りました。そして9週目には、庵野秀明作品『シン・ゴジラ』の興行収入を超える人気ぶりを見せています。 また本作は東映が2021年6月に新たな入場者特典を配布すると発表し、大きな話題を呼びました。「薄い本」とも呼ばれるその特典の名は「EVA-EXTRA-EXTRA」。 「EVA-EXTRA-EXTRA」は『ヱヴァンゲリヲン新劇場版:Q』の前日譚を描いた描き下ろし漫画で、ファンであれば垂涎の内容となっています……!

「シン・エヴァ」鑑賞に向けて押さえておきたい用語解説

NERV・ユーロ支部

お馴染みNERVのヨーロッパを統括する欧州支部です。「TVアニメ版」や「旧劇場版」では登場しない「新劇場版」でのみ登場する支部になります。詳しい所在地は不明です。 弍号機の所有権を保有しており、その弐号機を操縦するパイロット「真希波・マリ・イラストリアス」の所属支部でもあります。「0706作戦」で赤木リツコらが弍号機の修復のために訪れていた支部もNERV・ユーロ支部です。 これまでの新劇場版では「マリと加持リョウジが面識を持った場所」など大切な役割を持っている場所になります。

赤い海

エヴァンゲリオンシリーズの海は、現実のように青とは限りません。旧劇場版では一部が、そして新劇場版では全範囲の海が赤で描かれています。新劇場版では隕石衝突の災害により、人類の半数が死滅したと言われる「セカンドインパクト」(隕石衝突は秘密結社ゼーレによる偽装)が原因で赤くなったということは明らかになっていますが、いまだ謎の多い現象の一つです。 また海の変色時に、海洋生物はほとんど死滅し、人類が人工的に構築した環境で養殖しているわずかな生物のみになっています。 そのためペンギンやカメなどお馴染みの海洋生物を、シンジやアスカは知らないという描写が作中にあります。

コア化

エヴァや使徒の中には赤いコアというものがあります。 「コア化」とはそのエヴァや使徒の中にあるコアのように、様々なものが赤く染まる現象のことです。新劇場版では先程説明した海のコア化から始まり、サードインパクト後には大地までコア化し、地球全体が真っ赤になっています。コア化は海や大地などの自然だけでは無く、ものや人にも起こります。 そしてコア化はただ赤くなるだけでは無く、進行すると爆発して消滅してしまうことがわかっています。コア化したものに触れたり、ガフの扉を開いたエヴァに触れたりすることがコア化の原因です。 ちなみにコア化という用語が劇中で使用された例はなく、EVANGELION:3.33のDVD/BDに付属しているアフレコ台本や絵コンテ集に載っていた言葉なので、シン・エヴァでは違う用語で出てくる可能性もあります。

ガフの扉

新たにこの世に生まれ落ちる者の魂を作り、体と結びつける「ガフの部屋」。その部屋の扉が「ガフの扉」です。エヴァンゲリオンで初めて聞いたという方も多いと思いますが、もともとはユダヤの伝承で、生まれる前の子供たちの魂の生産工場とされるガフの部屋から取っています。 ガフの部屋は「アダムのガフの部屋」と「リリスのガフの部屋」の2つ存在します。アダムのガフの部屋は使徒が誕生し、そして帰っていく場所で、リリスの部屋は人間の魂を作り、そして人間が帰っていく場所です。 そしてガフの扉が開いた時は、部屋が魂を受け入れる状態にあることを意味しています。

新劇場版のあらすじをおさらいしよう

『シン・エヴァンゲリオン劇場版:||』を観る上で、前作の予習は欠かせないでしょう。ここでは序破Qのあらすじをネタバレありで簡単に紹介していきます。

『ヱヴァンゲリヲン新劇場版:序』のあらすじ

2007年、始まりはリビルト(再構築)だった。

テレビシリーズをベースに、リメイク(再制作)ではなくリビルト(再構築)と呼んで復活させた新劇場版第1作。主人公の少年、碇シンジが汎用ヒト型決戦兵器「エヴァンゲリオン」初号機のパイロットとして戦う姿を描いています。 舞台は、未曾有の大災害「セカンドインパクト」によって人類の半数が犠牲になってから15年後の日本。かつての首都東京の名を受け継いだ第3新東京市を、謎の生命体「使徒」が次々に襲います。その目的は、新東京市の地下都市に隠されている「リリス」との融合。再びの絶滅の危機「サードインパクト」の引き金となるためです。 葛城ミサト、綾波レイらNERVの仲間たちとともに使徒と戦う中で、シンジは死の恐怖を味わい、一度はその使命から逃げ出そうとします。しかし彼らの決死の覚悟に勇気を奮い起こし、ミサト発案の奇策「ヤシマ作戦」に参加。レイと力を合わせて、使徒撃退に成功するのでした。

『ヱヴァンゲリヲン新劇場版:破』のあらすじ

2009年、物語は破壊されていく。

新劇場版第2作はそのタイトルどおり、テレビシリーズの世界観を「破」壊する物語。冒頭に登場する真希波・マリ・イラストリアスを始めオリジナルキャラクターや使徒が登場、同じエピソードでも異なる展開を見せ始めます。 シンジとともに物語を引っ張るのが、エヴァ2号機のパイロット、式波・アスカ・ラングレーです。シンジらと同居し、同じ中学校に通い戦ううちに、孤独を愛する彼女の心に変化が起き始めます。レイもまた次第に人間らしさを身につけ始め、シンジはそんな彼女に心惹かれていくのでした。 しかしシンジの穏やかな日々は長くは続きません。エヴァ3号機が起動実験中に使徒に乗っ取られ、アスカが瀕死の重傷を負って前線を去ります。さらにジオフロント内にあらゆる攻撃を受け付けない強力な使徒が侵入、迎え撃った綾波レイは零号機とともに使徒に取り込まれてしまいます。 レイを救いたいあまり、シンジは我を忘れます。その時、初号機が覚醒。新たな大災害への序章「ニアサードインパクト」が始まってしまうのでした。人類だけでなく、すべての生命に滅亡の時が訪れます。

『ヱヴァンゲリヲン新劇場版:Q』のあらすじ

2012年、物語は終わるハズだった。

碇シンジが目覚めたのは「破」の物語から14年後、世界はすべてが変わっていました。これまでとはまったく異なる世界観へと拡大したエヴァの物語は、そこから再び新たな歴史を刻み始めるかのように混迷の度合いを深めていきます。 「サードインパクト」によって世界が荒廃した後、ミサトやアスカなど、かつてのNERVの仲間たちは、新たに「WILLE(ヴィレ)」を組織。空中戦艦AAAヴンダーを旗艦に、NERVに反旗を翻していました。目覚めたシンジはまるで戦犯扱い。エヴァに乗ることすら許されず、軟禁状態にされてしまいます。 やがてシンジは綾波レイのクローンのひとりに誘われるままヴンダーを脱出、ゲンドウが指揮するNERVに合流します。本部で渚カヲルと出会い自らの行いが生んだ悲劇を知ったシンジは、すべてを「やり直す」ために、エヴァ第13号機に乗ってサードインパクトの爆心地へと向かいます。 そこからはまさにアスカ曰く「ガキ」のようにシンジが暴走。あげく「フォースインパクト」の引き金を引いてしまいますが、ミサトらの決死の活躍によってなんとかその進行を食い止めることに成功するのでした。そのさなか、カヲルは死亡し、残されたシンジは茫然自失としていました。

映画『シン・エヴァンゲリオン劇場版:Ⅱ』の声優キャスト

主人公、碇シンジ/緒方恵美

テレビアニメ版、新劇場版から引き続き最終作まで碇シンジ役を務めるのは、もちろん緒方恵美。近年は、「ペルソナ」シリーズの天田乾役として活躍しており、2015年、2016年と連続で劇場版が公開されました。

式波・アスカ・ラングレー/宮村優子

惣流・アスカ・ラングレー時代から引き続き式波・アスカ・ラングレーを演じるのは宮村優子。2020年現在は、それほど活発に声優活動しておらず、アスカ役のほかに『名探偵コナン』の遠山和葉役を継続しているのみとなっています。

綾波レイ/林原めぐみ

綾波レイを日本代表する声優林原めぐみが演じます。『らんま1/2』の女らんま役、『名探偵コナン』の灰原哀役など多数の代表作を持ちます。綾波レイはこの人にしか演じられません。

葛城ミサト/三石琴乃

「サービス、サービス♪」でお馴染みの葛城ミサト演じるのは三石琴乃。『美少女戦士セーラームーン』の主人公月野うさぎ役などで知られています。

渚カヲル/石田彰

「エヴァ」ファンの間でも特に女性人気の高い渚カヲルを演じるのは石田彰です。渚カヲル役で知名度を上げて以降、20年にわたり声優業界で活躍し続けています。

真希波・マリ・イラストリアス/坂本真綾

映像作品では新劇場版シリーズが初登場の真希波・マリ・イラストリアに声を当てるのは、「破」「Q」に続き坂本真綾です。坂本真綾は1996年に放送された『天空のエスカフローネ』で神崎ひとみ役を演じ、その演技が注目を呼び一気に名前が売れました。 また坂本真綾は声優業にとどまらず、女優や歌手としても活動するなど、様々な分野で才能を発揮しています。

新作映画『シン・エヴァンゲリオン劇場版:Ⅱ』は3月8日から公開中!

幾度もの公開延期を経て遂に公開された『シン・エヴァンゲリオン劇場版:||』。既にネット上は考察や感想で盛り上がりを見せています。 今回はそんな「シン・エヴァ」をネタバレありで解説してきましたが、正直本作は内容が濃過ぎて1記事で全てを理解することは不可能だと言えるでしょう。まだ作品未鑑賞の人は、ぜひ劇場で最後のエヴァンゲリオンを目撃してください!