2020年1月8日更新

今すぐ観たいイギリス映画おすすめランキング!名作から新作まで【2020最新】

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おすすめのイギリス映画をランキング形式で紹介

エクス・マキナ
(c) Universal Pictures

イギリス、というと皆さんはどんなイメージを持つでしょうか? 王室や伝統、歴史。世界的に影響を及ぼす音楽やファッション。シュールな笑いやブラックジョークを思い浮かべる人もいるかもしれません。最近では、イギリス出身の俳優の多くがハリウッドでも活躍し、彼らの母国での出演作を観てみたという人もいるのではないでしょうか。 今回は、そんなイギリス映画からおすすめの31作品を紹介します。アメリカと同じ英語圏でありながら、全く違った魅力を持つイギリス映画。さまざまなジャンルを網羅していますので、気になる作品がきっと見つかるはずです!

31位:『ギャングスター・ナンバー1』(2000)

クールでスタイリッシュ、そして哀しいギャングスターの成り上がり物語

ギャングの世界で、どんな手を使ってでも登りつめていく若きギャングスターを描く本作。 スタイリッシュなファッションに身を包んだ若きギャングスターを演じるのは、のちに「アベンジャーズ」シリーズのヴィジョン役などで知られることになるポール・ベタニー。その老年期は『時計じかけのオレンジ』などで有名なマルコム・マクダウェルが演じます。 頂点を目指す男の執念、他のなにを犠牲にしても名声と権力と手に入れようとする、その狂気に引き込まれます。

30位:『フットボール・ファクトリー』(2004)

「男は最低で、最高だ」フーリガンの生き様

30歳を目前にしてもなおフットボールクラブ・チェルシーのサポーターとして、仲間とともにケンカ漬けの毎日を送っているトミー。ある日、チェルシーが自分たちと同じ乱暴なサポーターを持つライバルチーム、ミルウォールと対戦することが決定。宿敵をぶちのめす絶好のチャンスを待ちわびるトミーたちでしたが、相手も黙ってやられるつもりは毛頭なく……。 サッカーチームの暴力的なサポーター、フーリガンを描いた本作。田舎町の閉塞感に大人になってももがく主人公の姿に共感できる人、嫌悪感を覚える人など観る人によって大きく感想が変わる作品です。ちなみにタイトルには“フットボール”と入っていますが、サッカーのシーンは全くありません。

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29位:『フル・モンティ』(1997)

失業した男たちが始めたのはストリップ!?

サッチャー政権下のイギリス。働いていた鉄工所の閉鎖で失業したガズは、離婚した妻のもとにいる息子に会いたい一心でなんとか再就職を試みます。そんな彼はあるとき男性ストリップショーに女性たちが熱狂するのを目の当たりにし、仲間を集めて自らもストリップショーを開くことに。しかし、そこには多くの問題が待ち受けていて……。 突飛な設定のコメディに見えますが、実話がベースの本作。いい大人が大真面目にバカなことをやっている姿に笑わされます。その反面、失業問題や親子・夫婦の関係、同性愛、人種差別など、さまざまな社会問題が盛り込まれ、登場人物ひとりひとりの境遇が物語に深みを与えています。

28位:『ブリジット・ジョーンズの日記』(2001)

恋に仕事にダイエット、名作文学が現代女性のバイブルに!

ジェーン・オースティンの名作小説『高慢と偏見』を現代にアップデートした同名小説が原作。 32歳のブリジットが、自分のキャリアや恋、ダイエットに悩みながら成長していく様子を描きます。特にヒュー・グラント演じる女たらしの上司ダニエルと、コリン・ファース演じる実家が近い法廷弁護士のマークの間で揺れる恋模様に、笑って泣けるロマンティック・コメディ。 イギリスの二大イケメン俳優の魅力もたっぷり堪能できます。

27位:『マイ・ビューティフル・ガーデン』(2016)

人生に疲れた人におすすめの、あたたかいイギリス映画

庭付きの部屋に暮らしているベラは、実は植物が苦手。庭を荒れ放題にしていた彼女はある日、1ヶ月以内に庭をきれいにできなければアパートから立ち退くよう家主に言われてしまいます。自分ではどうすることもできないベラは、庭いじりの好きな隣人アルフィーとともに庭造りを始めることになり……。 テレビシリーズ『ダウントン・アビー』の出演で知られるジェシカ・ブラウン・フィンドレイが主人公ベラを演じ、気難しい隣人のアルフィー役を『マリーゴールド・ホテルで会いましょう』など数々の名作への出演で知られるトム・ウィルキンソンが務めた本作。イギリス人にとって特別な文化であるガーデニングを通して、人生が輝きはじめる人間ドラマです。

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26位:『あと1センチの恋』(2014)

12年も一緒にいたのに……笑って泣けるもどかしいラブストーリー

6歳の頃からの幼なじみで、すべてを共有してきたロージーとアレックス。2人はイギリスの田舎町を出るため、アメリカのボストンの大学に進学しようと約束し見事合格。しかし、ロージーは軽い気持ちでクラスの人気者グレッグと関係を持ち妊娠してしまいます。 子育てのため地元に残ることに決めたロージーと、進学のため渡米したアレックス。初めて別々の道を進んだ2人はすれ違いながらも、思いもよらない運命に導かれることになります。 主人公のロージーを『白雪姫と鏡の女王』で知られるリリー・コリンズが演じ、アレックスを「ハンガー・ゲーム」シリーズのサム・クラフリンが演じたラブストーリー。友達以上恋人未満の関係から抜け出すまでのもどかしさに、胸キュン間違いないしです。

25位:『ボクと空と麦畑』(1999)

少年を、生きていく苦しさから解放してくれる場所とは

70年代、スコットランド南部の工業都市グラスゴー。閉塞感に満ちたこの街で家族とともに暮らす12歳のジェイムズは、ある事件をきっかけに家族から孤立しはじめます。そんな彼の心の拠り所となったのは2つ年上の少女マーガレットと、偶然見つけた広大な麦畑だけでした。しかしジェームズをさらなる衝撃が襲い、多感な少年の心に暗い影を落とします。 ストライキの影響でゴミだらけになった街の異様な雰囲気が、田舎町の閉塞感を際立たせ、同時に黄金色に輝く麦畑など、絵画のような美しい画面づくりでも高い評価を受けた本作。 監督のリン・ラムジーはイギリスから久しぶりに登場したアート派の映像詩人として注目され、本作で英国アカデミー賞新人賞にあたるカール・フォアマン賞を受賞しました。

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24位:『秘密と嘘』(1996)

家族をめぐる“秘密と嘘”、そこから新しい家族のかたちへ

マイク・リー監督による『秘密と嘘』は、1996年のカンヌ国際映画祭でパルム・ドール、主演女優賞、国際批評家連盟賞の三冠を獲得。アカデミー賞でも作品賞、監督賞、脚本賞、主演および助演女優賞にノミネートした作品です。 黒人女性のホーテンスは、養母が亡くなったことをきっかけに実の母を探しはじめます。自分の母が白人であるという記述を見つけ驚く彼女でしたが、悩んだ末に生みの親であるシンシアに連絡することに。娘のロクサンヌをひとりで育てたシンシアは当初ホーテンスを拒絶しますが、やがて会うことを承諾。2人が再会したことから家族の秘密と嘘が明るみに出ていき……。 最も近い人間関係である家族の衝突と、そこから生まれる新しい家族の姿を描くヒューマンドラマ。本作はシチュエーションとシーンのメモ書きから、監督と俳優陣が長期間のリハーサルを重ねて即興的に作り上げ、究極のリアリティを実現しました。

23位:『赤い影』(1973)

英国映画業界人が選ぶイギリス映画ベスト100で1位に

『鳥』、『レベッカ』などの巨匠アルフレッド・ヒッチコック作品の原作として知られる、小説家ダフニ・デュ・モーリエの短編「いまは見てはだめ」を映画化した本作。 突然の水難事故で愛娘クリスティンを亡くしたバクスター夫妻。数カ月後、夫ジョンの仕事のため夫妻はイタリアのベニスを訪れていました。ある日2人は年老いた姉妹と出会い、盲目の妹ヘザーには赤いレインコートを着たクリスティンが見えると言われます。後日姉妹に再会した妻ローラは、亡き娘の言葉を借りたヘザーから「ベニスを去らなければジョンの身に危険が降りかかる」と告げられ不安になります。 撮影監督出身のニコラス・ローグらしく赤を効果的に用いたイメージと、カットバックを凝らした視覚効果も見どころです。英情報誌「Time Out London」が発表したイギリス映画ベスト100では、堂々の1位を獲得しました。

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22位: 『エクス・マキナ』(2014)

進化したAIと人間の違いとは?

検索エンジン世界最大手企業のプログラマー・ケイレブは、ある日ほとんど人前に姿を見せない社長ネイサンの山荘に招かれます。そこで彼の前に現れたのは女性型のロボット、エヴァでした。ケイレブはエヴァに搭載された、世界初の実用レベルとなる人工知能の実証実験に取り組むことになるのですが……。 第88回アカデミー賞視覚効果賞を受賞したSFスリラー『エクス・マキナ』では、限られた登場人物と舞台設定のなかで人間と人工知能の駆け引きがくり広げられます。 『リリーのすべて』でアカデミー賞助演女優賞に輝いたアリシア・ヴィキャンデルが演じるエヴァと、ドーナル・グリーソン演じるケイレブの異種恋愛から次第にサスペンスの要素が色濃くなり、その展開から目が離せません。

21位:『英国王のスピーチ』(2010)

吃音に悩む国王とオーストラリア人言語療法士の交流

吃音に悩むイギリス王室のヨーク公アルバート王子。彼は父ジョージ5世の突然の崩御と兄エドワード8世の退位によって、“ジョージ6世”として即位せざるを得ない状態に。妻エリザベス妃のすすめで、平民の言語療法士ライオネル・ローグのもとを訪れたジョージ6世が、ときにぶつかり合いながらも彼と親交を深め吃音症を克服していく姿が描かれます。 史実をもとにした本作は、第83回アカデミー賞で作品賞を含む4部門を受賞。ローグの型破りな指導と妻エリザベス妃に支えられ、自身のコンプレックスと向き合うエドワード6世の人間味たっぷりなキャラクターが魅力的です。

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20位:『マン・アップ! 60億分の1のサイテーな恋のはじまり』(2015)

ワケあり男女の恋はウソからはじまる!?

恋人と別れて4年が経つ34歳のナンシー。ある日彼女は中年男のジャックに、ブラインドデートの相手と間違われて声をかけられます。陽気な彼に人違いだと言い出せないまま、ナンシーは24歳と偽ってデートすることに。意外にもふたりは意気投合するのですが……。 『ホット・ファズ』や『宇宙人ポール』などで知られるサイモン・ペグが、主演と製作総指揮を務めた本作。元妻に未練たらたらのバツイチ男と理屈っぽいヒロインが出会い、巻き起こす騒動が描かれます。音楽系の小ネタ満載の本作は、主人公の2人以外にも強烈なキャラクターが登場し、下ネタは多め、爆笑間違いなしのロマンティック・コメディです。

19位:『ブルックリン』(2015)

故郷と新天地、2人の男性の間で揺れる彼女の決断とは……?

のちに『レディ・バード』でアカデミー賞主演女優賞にノミネートされることになるシアーシャ・ローナン主演の『ブルックリン』。故郷アイルランドからニューヨークへの移住を通して、主人公エイリシュがそれぞれの場所の長所と短所を見つめ、成長していく物語です。 最初は戸惑うばかりだったニューヨークでの生活に居場所を見出していくと同時に、一時帰国した故郷アイルランドの気づかなかった良さに目を向けるようになるエイリシュ。彼女の成長を瑞々しく描き出しています。 エモリー・コーエン演じるニューヨークで出会ったトニーと、ドーナル・グリーソン演じる故郷で運命の再会を果たすジム。ヒロインがどちらを選ぶのか、ハラハラする展開も見どころです。

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18位:『マイ・ベスト・フレンド』(2015)

ドリュー・バリモアとトニ・コレット共演のヒューマンドラマ

幼いころからの親友で、お互いのことはなんでも知っているジェス(ドリュー・バリモア)とミリー(トニ・コレット)。 ところがある日、ミリーが乳がんに侵されていることが発覚します。同時に不妊治療を続けてきたジェスは妊娠しますが、彼女は命に関わる病気を患っている親友に報告するか悩みます。そのことで、ファーストキスも初体験も、これまで隠さず語り合ってきたふたりの関係に変化が起こり……。 実力派女優2人が、固い絆で結ばれた親友を演じる涙なしには観られない感動作。命の終わりと始まりを深く見つめ、友達の大切さを噛みしめられる作品です。

17位:『プライドと偏見』(2005)

何度も映像化された名作にキーラ・ナイトレイが挑む

27位で紹介した『ブリジット・ジョーンズの日記』の原案『高慢と偏見』を映画化した本作。女性に財産相続権がない18世紀を舞台に、5人姉妹の長女ジェーンと2人の男性の関係を描く名作です。 これまで何度も映像化されてきた同原作ですが本作ではキーラ・ナイトレイが主演を務め、第78回アカデミー賞主演女優賞にノミネート。 長く愛されるストーリーはもちろん、イギリスの美しい田園風景や登場人物たちの身につける衣装、豪華な装飾の施された室内のセットも見どころです。

16位:『コードネームU.N.C.L.E.』(2015)

相性は史上最悪、史上最強のスパイコンビ

東西冷戦下の1960年代前半、CIAエージェントのナポレオン・ソロとKGBのイリヤ・クリヤキンは、核兵器拡散を企む謎の国際犯罪組織を制圧するため、長年の政治的対立を超えて手を組むことに。思考も方法論も真逆の2人は、テロを阻止することができるのでしょうか? CIAのソロを『マン・オブ・スティール』などで知られるヘンリー・カヴィルが、KGBのクリヤキンを『ローン・レンジャー』などのアーミー・ハマーが好演した本作。 1960年代の人気テレビシリーズ『1100ナポレオン・ソロ』がガイ・リッチー監督の手によって、大量の火薬やCGに頼りすぎない、優雅でスタイリッシュなスパイ映画に生まれ変わりました。

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15位:『家族を想うとき』(2019)

懸命に働くあまりバラバラになる家族

『わたしはダニエル・ブレイク』のケン・ローチ監督作品。 イギリスに住むターナー家の父・リッキーはマイホーム購入のために宅配ドライバーとして独立することを決意します。個人事業主として働くこととなるため、保険もなく休むことはできません。 配送車を買うため、介護福祉士として働く母のアビーの車も売ることに。アビーはバスで訪問介護に通うことになり、家にいる時間がなくなっていきます。家族のために働いていたはずが、家族との時間をどんどん奪っていき家族が離れ離れになる中、リッキーがある事件に巻き込まれ――。 働き方問題や現代家族をテーマに、目まぐるしい変化を迎える社会を描き出しています。

14位:『女王陛下のお気に入り』(2018)

女王の寵愛をめぐる女同士のバトル

18世紀初頭のイングランド。体の弱いアン女王は、身の回りの世話をしてくれるサラに政策決定まで任せきりにしていました。しかし、次第にサラの押し付けがましい態度にうんざりしてきたアン女王は、サラのいとこで新入りの召使いであるアビゲイルを側近に。今度はアビゲイルの言いなりに政権を運営するようになったアン女王。彼女の寵愛と権力を取り戻そうと、サラは躍起になります。 ギリシャの鬼才ヨルゴス・ランティモスによる、18世紀イギリスを舞台にした歴史劇。しかし、ストーリーや衣装は時代考証を意図的に無視し、その斬新さが絶賛されました。主演のオリビア・コールマンは本作で、アカデミー賞主演女優賞を受賞。アビゲイルを演じたエマ・ストーンとサラ役のレイチェル・ワイズもともに助演女優賞にノミネートした、女優たちの競演も見どころです。

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13位:『トレインスポッティング』(1996)

なぜか憎めないクズ野郎たちのでたらめな生活

ダニー・ボイル監督、ユアン・マクレガー主演の『トレインスポッティング』は、スコットランドを舞台にヘロイン中毒の若者たちの堕落した生活を描いた作品です。その生々しい映像表現や鮮烈でスタイリッシュな音楽やファッションが、公開当時多くの若者たちに受け社会現象になりました。 さらにでたらめな生活を送る登場人物たちの、クズでありながらもどこか憎めないキャラクターも本作の魅力のひとつ。 世界中で大人気を博した本作は、2017年に続編『T2 トレインスポッティング』が公開され、オリジナルキャストが全員出演したことでも話題になりました。

12位:『スラムドッグ$ミリオネア』(2008)

スラム育ちの少年が高額賞金をつかんだ理由とは

第81回アカデミー賞で作品賞、監督賞を含む全8部門を受賞したダニー・ボイル監督作品『スラムドッグ$ミリオネア』。人気クイズ番組に出場したスラム育ちの少年が、なぜ正解しつづけることができたのか、その謎を紐解いていきます。 インドを舞台とした少年の数奇な人生と運命の恋が描かれる本作では、彼の半生を回想するシーンがファンタジックな映像で彩られ、眼の前の現実とのギャップが生まれていきます。 ダニー・ボイル特有の幻想的な映像を堪能できる作品です。

11位:『博士と彼女のセオリー』(2014)

天才物理学者スティーブン・ホーキングの伝記映画

将来を期待されながらも大学院時代に難病ALS(筋萎縮性側索硬化症)を発症し、余命2年を宣告されたスティーブン・ホーキング。その直前に出会ったジェーンは、事実を知りながら彼を支えようと決意します。ふたりは力を合わせて難病に立ち向かっていきますが病気の進行は止められず、ジェーンも夫の介護と育児でギリギリの生活を送るようになり……。 『レ・ミゼラブル』や『リリーのすべて』で知られるエディ・レッドメインが、実在の理論物理学者スティーブン・ホーキングを演じた本作。限られた表情筋だけで感情を表現した彼の演技は絶賛され、アカデミー賞主演男優賞を獲得しました。 本作は単純な夫婦愛の映画ではありません。困難に直面したスティーブンとジェーンが導き出した驚きの解決策や、それぞれの複雑な心境をくっきりと描きながらも、不思議な爽やかさが残る作品です。

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10位:『ラブ・アクチュアリー』(2003)

さまざまな愛のかたちを描き出すクリスマスムービー

若き英国首相と官邸の女性職員、落ち目のロックスターとそのマネージャー、親友の妻への想いに悩む男性、血のつながらない父と息子など、さまざまな人間関係のさまざまな愛のかたちを描いた『ラブ・アクチュアリー』。 クリスマスに彼らがどんな結末を迎えるのか、その5週間前から紡がれる物語は、それぞれのエピソードの登場人物が相互に関係し合う、楽しい構造も取り入れた心温まる一作です。 『ノッティングヒルの恋人』(1999)の脚本などで知られるリチャード・カーティス初の長編映画監督作となった本作。ヒュー・グラントやコリン・ファース、キーラ・ナイトレイ、アラン・リックマン、ビル・ナイなどイギリス出身のそうそうたる俳優陣が集結しています。

9位:『イミテーション・ゲーム/エニグマと天才数学者の秘密』(2014)

第二次世界大戦でイギリスを勝利に導いた天才数学者の苦悩

『イミテーション・ゲーム/エニグマと天才数学者の秘密』は、第二次世界大戦中にドイツの暗号解読を成し遂げ、イギリスの勝利に貢献した数学者、アラン・チューリングの伝記映画です。 1936年、第二次世界大戦下のイギリス。若き天才数学者チューリングは、ドイツ軍の暗号エニグマを解読するチームの一員になります。傲慢な性格でチームから孤立しながらも、ゲーム感覚で暗号解読に没頭するチューリング。しかしそんな彼に理解者が現れ、その目的は人命を救うことに変化していくのですが……。 人間とロボットを判別する「チューリング・テスト」を発明したことでも知られる、数学者アラン・チューリングの第二次世界大戦中の活躍とその裏にあった苦悩、そしてその後の不遇な人生を描く本作。 主演のベネディクト・カンバーバッチはアカデミー賞主演男優賞にノミネートされる高評価を得ました。

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8位:『スナッチ』(2000)

ガイ・リッチー監督による傑作クライム・コメディ

のちにロバート・ダウニー・Jr.主演の「シャーロック・ホームズ」シリーズなど、大作を手がけるようになるガイ・リッチーの長編監督2作目。 アントワープでダイア商から86カラットのダイアを盗み出すことに成功した“フォー・フィンガー”フランキーたち。彼の部下がそれをニューヨークのボスに届ける間、フランキーは小粒のダイアモンドをさばくためロンドンに立ち寄ります。一方、ロンドンで裏ボクシングのプロモーターを営むターキッシュとトミーは、天才的ボクシングの腕を持つミッキーと出会い、彼を八百長試合に利用しようと企みます。 コミカルにテンポよく進むストーリーがガイ・リッチーらしいクライム・コメディ。ジェイソン・ステイサム主演の本作には、ほかにもベニシオ・デル・トロやブラット・ピットなど有名俳優が出演している点も注目です。

7位:『ひかりのまち』(1999)

リアルな人間模様がしみじみとした感動を誘う

11月のロンドン。ソーホーのカフェでウェイトレスをしているナディアは、伝言ダイヤルで恋人を募集中。姉のデビーは離婚して息子のジャックをひとりで育てていますが、夜遊びに繰り出すことも少なくありません。元教師の妹モリーはもうすぐ出産の予定。しかし夫のエディはなぜか浮かない様子でした。ナディアは伝言ダイヤルで知り合ったカメラマンのティムとデートするのですが……。 大都会で暮らす普通の人々のリアルな生活を描いた『ひかりのまち』。多くの人で溢れているのにどこか孤独感が漂う都会の日常を、それぞれの登場人物を通して見つめる群像劇です。大きな事件はなく淡々と物語が進んでいきますが、観終えたときにはしみじみとした感慨をもたらします。

6位:『007 カジノ・ロワイヤル』(2006)

新たなボンドを迎えシリーズ第1作目をリブート

世界的に人気を誇るスパイ・アクション「007」シリーズの第21作目。本作から新たなボンドにダニエル・クレイグを迎え、シリーズ第1作目をリブートした大胆な作品です。 英国諜報部MI6で、殺しのライセンス“00”を得たジェームズ・ボンド。彼の最初の任務は、国際テロ組織のネットワークを断つことでした。ボンドは、マイアミ国際空港で組織が起こそうとしていたテロの阻止に成功。テロ組織の資金運用をしていたル・シッフルは大金を失うことに。その挽回のため、彼がモンテカルロのカジノで開催される高額の賞金を賭けたポーカーゲームに参加すると知ったボンドも、モンテカルロへ向かいます。 ダニエル・クレイグのジェームズ・ボンドは、これまでのシリーズよりもシリアスでスタイリッシュな雰囲気に。アクションシーンも高く評価されました。また、1967年の映画第1作目の舞台を現代に移してリブートされた本作は、その脚本の巧みさも見どころです。

5位:『アラビアのロレンス』(1962)

実在のイギリス陸軍将校を描いた名作歴史巨編

『アラビアのロレンス』は、アラブ民族を率いてオスマン帝国からの独立のために戦った、実在のイギリス陸軍将校トマス・エドワード・ロレンスを描いた歴史スペクタクル映画であり、戦争映画です。 主人公の死から幕が上がる衝撃的な冒頭から、彼がアラビアを去るまでの人生が、雄大な砂漠の映像とともにつづられます。 3時間超えの大作ではありますが数々の名シーンが語り継がれ、アカデミー賞作品賞を受賞した時代を超える名作のひとつ。映画好きなら1度は観ておきたい1本です。

4位:『パレードへようこそ』(2014)

史実に基づく社会派コメディ

80年代サッチャー政権下のイギリス。ロンドンでゲイ・プライド・パレードに参加していたマークは、イギリス各地で炭鉱労働者がストライキをしていることを知ります。 困っている者同士助け合おうと考えたマークは、彼らを支援するために募金を開始。ところが、同性愛者団体からの寄付を受け取る組合はなかなか現れませんでした。しかし、ひょんなことからある炭鉱町が寄付金を受け取ることに。そこから彼らの交流が始まるのですが……。 史実をもとにした本作は、ロンドンのゲイやレズビアンと、田舎町の炭鉱労働者という正反対の価値観を持つとも思える人々の交流を、コメディタッチで描いた心温まる物語。最後の字幕で語られる歴史的事実に胸が熱くなります。

3位:『ロック、ストック&トゥー・スモーキング・バレルズ』(1998)

ガイ・リッチーの巧みな群像劇の原点

いまやイギリスを代表する映画監督となったガイ・リッチーの長編デビュー作『ロック、ストック&トゥー・スモーキング・バレルズ』。 ロンドンの下町で盗品などを売って生活しているエディ、ベーコン、トム、ソープの4人。ある日彼らは一攫千金を狙って賭けに挑むも惨敗。逆に賭けの元締めに多額の借金を作ってしまいます。返済猶予は1週間。途方に暮れる彼らは、偶然隣人の強盗計画を耳にします。 ミュージシャンのスティングがその脚本に惚れ込み、自身も出演することを条件に出資して製作された青春群像劇。ガイ・リッチー監督の軽快でテンポの良いストーリーテリングは、この頃から発揮されています。

2位:『キングスマン』(2014)

スタイリッシュなバイオレンス・スパイアクション!

ロンドンのサヴィル・ロウに店を構える老舗のテイラー「キングスマン」。しかしその正体は、どこの国にも属さない国際諜報機関でした。貧困層出身のエグジーは、ある日キングスマンにスカウトされ試験を受けることに。難関を突破して見事スパイとなった彼に課せられたミッションとは? 『キック・アス』(2010)などで知られるマシュー・ヴォーン監督のバイオレンス・アクション。若手俳優タロン・エジャトンをメインキャストに迎え、コリン・ファース、マーク・ストロング、サミュエル・L・ジャクソン、マイケル・ケインら実力派ベテラン俳優たちが脇を固めた本作。ストーリーの面白さもさることながら、そのスタイリッシュでバイオレンス色の強いアクションシーンが見どころです。 かっこよく、人間臭いキャラクターたちも魅力の本作ですが、ユニークなスパイ・ガジェットにも注目です。

1位:『リトル・ダンサー』(2000)

古い常識や偏見と戦いながらバレエに情熱を傾ける少年

1984年、イギリス北部の炭鉱町に炭鉱夫である父と兄、そして軽度の認知症を患う祖母の4人で暮らしている少年、ビリー。父親から無理強いされて習っているボクシングになじめなかった彼は、ある日ジムの片隅で開かれたバレエ教室に魅せられていきます。めきめきと才能を開花させるビリーに対して、「バレエなど男のすることではない」と激怒する父。こうして彼の挑戦の日々が始まるのでした。 「男らしさ」にとらわれる古い価値観と、80年代の炭鉱町の閉塞感と重ね合わせて描かれた本作。夢を諦めない少年の力強いストーリーとコメディを交えて描かれる親子愛に胸を打たれます。

良作・名作ぞろいのイギリス映画を楽しもう

ラブ・アクチュアリー
©T.C.D / VISUAL Press Agency

歴史や伝統、また独自の文化など、映画の題材には事欠かないイギリス。早くから先進国として栄えたために現代には衰退が目立ち、田舎町には鬱屈とした雰囲気が漂っていることも事実です。そんな空気感をそのまま切り取り、内面に葛藤を抱えながらも表面上はなにもなかったかのように淡々と物語が進行していく映画も多く作られています。 一方で、皮肉の効いたジョークや軽快なユーモアで私たちを笑わせてくれる作品も多数。そんなイギリス映画は、ハリウッドの映画とは一線を隠す魅力を持っています。 気になる作品があれば、ぜひチェックしてみてください!