【2023年最新】おすすめフランス映画30選!美しい名作からおしゃれな新作まで
フランス映画といえば、おしゃれで粋な会話が特徴の恋愛映画?それともド派手なアクションもの?逆に雰囲気ばかり先行して難解、単調で眠くなるなどマイナスのイメージもつきものですね。 ここでは、常に時代の先を行くフランス映画のおすすめ作品をラインナップ。ヌーヴェルヴァーグの古典的名作から『燃ゆる女の肖像』といった最新作まで、これぞフランス!といった絶対外せない作品を紹介していきます。
タップできる目次
- フランス映画の歴史と魅力・特徴を解説
- 【入門編】初心者でも楽しめる名作はコレ
- 『アメリ』(2001年)
- 『シェルブールの雨傘』(1964年)
- 『最強のふたり』(2012年)
- 『ニキータ』(1991年)
- 『ポンヌフの恋人』(1992年)
- 『パリ、ジュテーム』(2007年)
- 『天井桟敷の人々』(1952年)
- 『ロシュフォールの恋人たち』(1967年)
- 『エール!』(2015年)
- 『タイピスト!』(2012年)
- 【中級編】おしゃれで哲学的な世界観に浸ろう
- 『アデル、ブルーは熱い色』(2014年)
- 『レ・ミゼラブル』(2020年)
- 『ぼくの伯父さん』(1958年)
- 『セラヴィ!』(2017年)
- 『愛してる、愛してない…』(2003年)
- 『コーラス』(2005年)
- 『奇跡のひと マリーとマルグリット』(2014年)
- 『グッバイ、サマー』(2016年)
- 『ムード・インディゴ うたかたの日々』(2013年)
- 『ディリリとパリの時間旅行』(2019年)
- 【上級編】通なら観たい新作から名作まで
- 『燃ゆる女の肖像』(2020年)
- 『ぼくを探しに』(2014年)
- 『わたしはロランス』(2013年)
- 『シティーハンター THE MOVIE 史上最香のミッション』(2019年)
- 『ディーバ』(1981年)
- 【ヌーヴェルヴァーグ】個性の塊の名作フランス映画
- 『大人は判ってくれない』(1959年)
- 『鬼火』(1963年)
- 『気狂いピエロ』(1967年)
- 『勝手にしやがれ』(1960年)
- 『死刑台のエレベーター』(1958年)
- フランス映画といっても作風、ジャンルは様々
フランス映画の歴史と魅力・特徴を解説
フランス映画の歴史は古く、1895年にリュミエール兄弟が発明したシネマトグラフによって映画が誕生し、世界で初めてストーリー映画『月世界旅行』(1902年)が公開されたのもフランスです。 世界三大映画祭の1つであるカンヌ国際映画祭が1946年に始まり、60年代には「ヌーヴェルヴァーグ」と呼ばれる新しい映画の波が起こりました。世界の映画史からみても、フランス映画は最先端を走っていたのです。 フランス映画の魅力は、一種の理解できた気分に酔えるということ!ウィットに富んだ言い回しや仕草・視線から心情を表現するので、観る者に解釈を委ねる部分が多いです。作品の根底にはシニカルな視点があり、独特のアンニュイな雰囲気も堪りません。
【入門編】初心者でも楽しめる名作はコレ
フランス映画で何を観ようか迷ったら、まず始めに「名作」と呼ばれる作品から手を付けてみるのもおすすめです。 半世紀以上前に製作された映画でも古さを感じさせず、古今東西共通の感動に胸を打たれることでしょう。
『アメリ』(2001年)
全世界で大人気のフランス映画。空想といたずら好きな女の子アメリの恋の大冒険
ジャンル | コメディ , 恋愛 |
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キャスト | オドレイ・トトゥ , マチュー・カソヴィッツ , リュファス |
監督 | ジャン=ピエール・ジュネ |
両親とのふれあいがなく、空想で一人遊びするようになった少女アメリ。年頃になってもコミュニケーションが苦手で、恋した青年ニノに正面から向き合えない様子を時にユーモアたっぷりに描いています。
ここがおすすめ!
『デリカテッセン』(1991年)のジャン=ピエール・ジュネ監督・脚本による恋愛映画。世界中で大ヒットを記録し、主人公のアメリを演じたオドレイ・トトゥは一躍時の人となりました。
『シェルブールの雨傘』(1964年)
カンヌ国際映画祭でパルム・ドールを受賞したフレンチミュージカルの古典
ジャンル | ヒューマンドラマ , 恋愛 |
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キャスト | カトリーヌ・ドヌーヴ , ニーノ・カステルヌオーヴォ , アンヌ・ヴェルノン |
監督 | ジャック・ドゥミ |
ジャック・ドゥミ監督、カトリーヌ・ドヌーブ主演、ミシェル・ルグラン音楽のミュージカル映画。港町シェルブールを舞台に青年ギイと傘屋の娘ジュヌビエーブの悲恋を描いた、哀愁漂うテーマ曲が耳に残る古典的名作です。
ここがおすすめ!
日本での人気はいまだ高く、ミュージカル舞台化されて親しまれています。2009年と2013年にはデジタルリマスター版も劇場公開されました。
『最強のふたり』(2012年)
ありえない出会いから、やがて2人は最強の友人に
ジャンル | コメディ , ヒューマンドラマ |
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キャスト | フランソワ・クリュゼ , オマール・シー , アンヌ・ル・ニ |
監督 | エリック・トレダノ , オリヴィエ・ナカシュ |
頸髄損傷で車椅子生活のフィリップは気難しい大富豪。気まぐれで介護経験もない黒人青年ドリスを介護人として雇いますが、1人の人間として接してくるドリスに信頼を寄せるようになります。
ここがおすすめ!
体の不自由な大富豪とその介護人の交流を、実話を基に描いたヒューマンドラマ。立場も性格も真逆の2人が、ぶつかり合いながらも友情を育んでいく様が感動を呼びました。
『ニキータ』(1991年)
レオン好きにはたまらない?リュック・ベッソン監督の傑作
ジャンル | アクション |
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キャスト | アンヌ・パリロー , ジャン=ユーグ・アングラード , ジャンヌ・モロー |
監督 | リュック・ベッソン |
『レオン』(1995年)のリュック・ベッソン監督、アンヌ・パリロー主演によるアクション映画。元麻薬中毒の少女ニキータが政府秘密機関の暗殺者となるも、恋をして苦悩する姿を描いています。
ここがおすすめ!
『ニキータ』のヒットによって、後に『レオン』でハリウッド進出を果たしたリュック・ベッソン。本作はハリウッドでもブリジット・フォンダ主演で『アサシン』(1993年)としてリメイクされました。
『ポンヌフの恋人』(1992年)
パリのポンヌフ橋を舞台とし、ポエムのように若者の愛を描く
ジャンル | ヒューマンドラマ , 恋愛 |
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キャスト | ジュリエット・ビノシュ , ドニ・ラヴァン , クラウス=ミヒャエル・グリューバー |
監督 | レオス・カラックス |
パリのポンヌフ橋で暮らすホームレスの青年アレックスと、失明の危機と失恋の痛手を抱える画学生ミシェルが織りなす恋愛映画の名作。レオス・カラックス監督による「アレックス3部作」の完結編です。
ここがおすすめ!
3部作でアレックスを演じてきたドニ・ラヴァンと、『汚れた血』(1988年)にも出演したジュリエット・ビノシュが再共演。ポンヌフ橋をバックにした幻想的な映像も素晴らしい作品です。
『パリ、ジュテーム』(2007年)
主人公は、パリの街。美しきパリの街並みをバックに繰り広げられるラブストーリー
ジャンル | ヒューマンドラマ , 恋愛 |
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キャスト | ブリュノ・ポダリデス , フロランス・ミューレル , レイラ・ベクティ |
監督 | ブリュノ・ポダリデス , グリンダ・チャーダ , ガス・ヴァン・サントほか |
愛をテーマにしたオムニバス作品で、世界各国の18人の監督がそれぞれ5分間の短編を製作しています。モンマルトルやエッフェル塔などパリの18区を舞台に、美しいパリの街並みを映し出しました。
ここがおすすめ!
コーエン兄弟、ガス・ヴァン・サント、アルフォンソ・キュアロンといった世界的知名度を誇る監督が名を連ねる中、日本からも『風の電話』(2020年)の諏訪敦彦監督が参加しています。
『天井桟敷の人々』(1952年)
1945年の戦時下で製作されたフランス映画史に残る傑作
ジャンル | ヒューマンドラマ , 恋愛 |
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キャスト | アルレッティ , ジャン=ルイ・バロー , マリア・カザレス |
監督 | マルセル・カルネ |
パントマイム役者が主人公(バチスト役)の『天井桟敷の人々』。パントマイムというコミカルな中に、何か物悲しさを醸し出す描写が多く描かれており、白いパントマイマーの姿は、今もなおこの映画の悲哀を受け継いでいるとも言われています。
ここがおすすめ!
傑作といわれる1945年公開の作品。監督はマルセル・カルネが務め、脚本は詩人のジャック・プレヴェールです。戦時中につくられた本作は、ドイツ占領当時、国内に残り3年3か月の月日と2000人に上るエキストラを使い製作されました。
『ロシュフォールの恋人たち』(1967年)
「映画史上最も美しい姉妹」と言われた2人の共演!
ジャンル | コメディ , ヒューマンドラマ , 恋愛 |
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キャスト | カトリーヌ・ドヌーヴ , ジョージ・チャキリス , フランソワーズ・ドルレアック |
監督 | ジャック・ドゥミ |
『シェルブールの雨傘』のジャック・ドゥミ監督が、再びカトリーヌ・ドヌーブ主演、ミシェル・ルグラン音楽で製作したミュージカル映画。祭りで賑わうロシュフォールの街を舞台に、美しい双子の姉妹ソランジュとデルフィーヌの恋と夢を描いています。
ここがおすすめ!
バレリーナを夢見るデルフィーヌをカトリーヌ・ドヌーブ、音楽家を目指すソランジュをその実姉フランソワーズ・ドルレアックが演じ、美人姉妹の共演に注目が集まりました。
『エール!』(2015年)
大人への第一歩を踏み出す16歳の少女
ジャンル | コメディ , 音楽・ライブ |
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キャスト | カリン・ヴィアール , ルアンヌ・エメラ , フランソワ・ダミアン |
監督 | エリック・ラルティゴ |
聴覚障害にもかかわらず農場を経営するベリエール一家にとって、ただひとり健常者である16歳の少女・ポーラは日常生活に欠かせない存在でした。
ところがある日、ポーラに歌の才能があることを見出した音楽の先生が、彼女にパリの音大受験を勧めたことから、一家は重大な決断を迫られることになります。
ここがおすすめ!
本作は、聴覚障害を持つ両親や兄弟のために一家の手話通訳を務める健常者の少女の姿を描いた、コメディタッチのヒューマンドラマです。
『タイピスト!』(2012年)
タイピングの爽快スポ根ストーリー!フランス版『マイ・フェア・レディ』
ジャンル | コメディ , 恋愛 |
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キャスト | ロマン・デュリス , デボラ・フランソワ , ベレニス・ベジョ |
監督 | レジス・ロワンサル |
1950年代のフランス北部を舞台に、田舎育ちの女性が鬼コーチとともにタイプライターの世界大会に挑む物語。『ある子供』(2005年)のデボラ・フランソワが主人公のローズを演じました。
ここがおすすめ!
事務職であるタイピストをスポーツ選手のようにとらえ、上司のルイという鬼コーチに特訓される様はまるでフランス版『マイ・フェア・レディ』のよう。もちろん、ルイとのロマンスもかの名作を彷彿とさせます。
【中級編】おしゃれで哲学的な世界観に浸ろう
流行の最先端が集まるパリがあり、「愛の国」とも呼ばれるフランス。そこで生み出される映画も、おしゃれでロマンチックな魅力に溢れています。 社会問題やマイノリティを描いたものが多く、哲学的な思考の海にどっぷり浸れる映画も……。 入門編では物足りなくなった人に向けて、よりフランス映画っぽい作品を紹介します。
『アデル、ブルーは熱い色』(2014年)
エマとアデルの情熱的な愛!カンヌ国際映画祭パルム・ドール受賞作
ジャンル | ヒューマンドラマ , 恋愛 |
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キャスト | レア・セドゥ , アデル・エグザルコプロス , サリム・ケシュシュ |
監督 | アブデラティフ・ケシシュ |
注目の若手監督アブデラティフ・ケシシュが、フランスの人気グラフィックノベルを映画化。文学少女アデルと青い髪の美大生エマとの運命的な出会いと、その情熱的な愛を描いています。
ここがおすすめ!
女性同士の衝撃的な性描写によって、各国で厳しいレイティングが設けられたことでも話題に。カンヌでは監督とともに、エマ役のレア・セドゥーとアデル役のアデル・エグザルホプロスにもパルム・ドールが授与されました。
『レ・ミゼラブル』(2020年)
現代フランスの貧困、暴力、宗教問題をテーマにした社会派ドラマ
ジャンル | ヒューマンドラマ |
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キャスト | ダミエン・ボナール , ジャンヌ・バリバール , アレクシス・マネンティ |
監督 | ラジ・リ |
ある日少年がサーカスからライオンの子どもを盗んだことから、些細な事件に警察の暴力と人種、宗教、世代の差異がからまって、流血の抗争にまで発展していきます。
ここがおすすめ!
パリの郊外に位置し、ヴィクトル・ユーゴーの小説『レ・ミゼラブル』の舞台にもなった街・モンフェルメイユが舞台。現代の人種間の格差対立の問題を取り上げたヒューマンドラマです。監督を務めたラジ・リは、長編デビュー作となる本作でカンヌ映画祭審査員賞などを受賞しました。
『ぼくの伯父さん』(1958年)
まるでフランス版「寅さん」!愛すべきユロ伯父さんの魅力
ジャンル | コメディ |
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キャスト | ジャック・タチ , アラン・ベクール , ジャン=ピエール・ゾラ |
監督 | ジャック・タチ |
自由に生きるユロ氏と相反する義理の弟でプラスティック工場社長のアルベルト氏、そして息子のジェラール。軽快なシャンソンの音楽が心地良く観た人だれもが幸せになりそうなフランスらしい作品です。
ここがおすすめ!
ジャック・タチ監督・脚本・主演のコメディ映画。主人公のユロ伯父さんを演じるのは監督であるジャック・タチです。
『セラヴィ!』(2017年)
結婚式を舞台にしたハートウォーミングコメディ
ジャンル | コメディ |
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キャスト | ジャン=ピエール・バクリ , ジル・ルルーシュ , ジャン=ポール・ルーヴ |
監督 | エリック・トレダノ , オリヴィエ・ナカシュ |
主人公のマックスは、この道30年のベテランウェディングプランナー。今まで数々の結婚披露宴を成功させてきた彼が次に手がけるのは、古城を使った豪華絢爛な披露宴です。彼はいつも通り完璧な出来を求めていました。
しかし、クセの強いスタッフたちのせいで食材も演出もダメになってしまい、マックスの完璧なプランは崩壊。めちゃくちゃになった披露宴の行方とともに、フランスの結婚式事情も合わせて楽しむことのできる1作です。
ここがおすすめ!
『最強のふたり』でおなじみのエリック・トレダノ&オリヴィエ・ナカシュのコンビが送る『セラヴィ!』は、結婚式を舞台にしたハートウォーミングコメディ。フランスでは公開1カ月で興行収入25億円を越え、世界50カ国でも話題となった作品です。
『愛してる、愛してない…』(2003年)
『アメリ』のオドレイ・トトゥ主演。恋する思いは狂気にもなりうる
ジャンル | ヒューマンドラマ , 恋愛 |
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キャスト | オドレイ・トトゥ , サミュエル・ル・ビアン , イザベル・カレ |
監督 | レティシア・コロンバニ |
美術学校の学生アンジェリクは、心臓外科医のロイックと恋人同士。しかし彼には妊娠中の妻ラシェルの存在が。彼が妻と寄り添う姿を見たアンジェリクは、ついに狂気の行動に出て……。
ここがおすすめ!
妄想性障害「エロトマニア」を主題にしたサスペンスで、『アメリ』のオドレイ・トトゥが主人公アンジェリクを演じています。監督は、近年ベストセラー小説『三つ編み』の著者としても注目されるレティシア・コロンバニです。
『コーラス』(2005年)
寄宿舎の子どもたちと音楽教師が織り成す感動の物語
ジャンル | ヒューマンドラマ |
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キャスト | ジェラール・ジュニョ , ジャン=バティスト・モニエ , ジャック・ペラン |
監督 | クリストフ・バラティエ |
フランス映画『春の凱歌』(1944年)を原案とした音楽ドラマで、『WATARIDORI』(2001々)のクリストフ・バラティエ監督の初の長編映画。戦後間もないフランスの寄宿舎に暮らす孤児たちと、そこに赴任した音楽教師との合唱を通した心の交流を描いています。
ここがおすすめ!
天使の歌声を持つ問題児ピエールを演じたジャン=バティスト・モニエは、本作で一躍有名に。フランス国内では『アメリ』を抜く大ヒットを記録しました。
『奇跡のひと マリーとマルグリット』(2014年)
お涙ちょうだいではなく、本当にいい映画です
ジャンル | ヒューマンドラマ |
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キャスト | イザベル・カレ , ブリジット・カティヨン |
監督 | ジャン=ピエール・アメリス |
先天的に目と耳に障がいを持つ少女マリーと、彼女に言葉をはじめ生きる喜びを教えた修道女マルグリット。19世紀フランスに実在したふたりの女性の出会いと、そこから生まれる奇跡を描いた実話ベースの作品です。
ここがおすすめ!
ふたりの奇跡の出会いは「”もうひとつの”ヘレン・ケラー物語」と呼ばれ、見た人に生きる喜びを味あわせてくれる感動作となっています。
『グッバイ、サマー』(2016年)
周囲に馴染めない少年たちのひと夏の冒険
ジャンル | コメディ |
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キャスト | アンジュ・ダルジャン , テオフィル・バケ , オドレイ・トトゥ |
監督 | ミシェル・ゴンドリー |
主人公のダニエルは画家を目指す14歳の少年。彼は学校でミクロ(チビ)と呼ばれてバカにされ、家の居心地もよくありません。
そんなある日、ダニエルのクラスに目立ちたがり屋の転校生・テオがやってきます。ともに周囲から浮いた存在の彼らはやがて意気投合し、スクラップを集めて作った「夢の車」で夏休みの旅行に出ることを計画し始めるのでした。
ここがおすすめ!
映画『エターナル・サンシャイン』(2004年)の監督として知られるミシェル・ゴンドリーの半自伝的な青春ヒューマンドラマ。中学生の少年が、変わり者の転校生と一緒にひと夏の冒険に出る物語です。
『ムード・インディゴ うたかたの日々』(2013年)
ファンタジックな世界観で、儚い青春と美しき夫婦愛を描く
ジャンル | ファンタジー , ヒューマンドラマ |
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キャスト | ロマン・デュリス , オドレイ・トトゥ , ガッド・エルマレ |
監督 | ミシェル・ゴンドリー |
ボリス・ヴィアンの青春小説『うたかたの日々(日々の泡)』を原作とした、ロマン・デュリスとオドレイ・トトゥ主演の恋愛映画。裕福な青年コランと無垢な女性クロエとの恋を綴った作品で、クロエが肺に睡蓮の花が咲くという病に侵される不思議な展開が特徴です。
ここがおすすめ!
『エターナル・サンシャイン』(2005年)のミシェル・ゴンドリーが監督を務めました。映画ならではのファンタジックな映像表現も見どころです。
『ディリリとパリの時間旅行』(2019年)
誘拐事件を追う少女は黄金期のパリで天才たちに出会う
ジャンル | ミステリー・サスペンス |
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声優 | プリュネル・シャルル=アンブロン , エンゾ・ラツィト , ナタリー・デセイ |
監督 | ミッシェル・オスロ |
舞台は、19世紀末から20世紀初頭のベル・エポック期のパリ。ニューカレドニアからやってきた少女ディリリは、パリに来て最初に出会った友人オレルとともに、連続少女誘拐事件の謎に迫ります。事件解決のため、ふたりはキュリー夫人やピカソ、モネなど歴史に名を残す人物たちに協力してもらいながら、パリ中を駆け回りますが……。
ここがおすすめ!
『キリクと魔女』(1998年)や『アズールとアスマール』(2006年)などで知られるフランスのアニメーション界の巨匠、ミッシェル・オスロ監督による長編アニメーション作品。アニメーションで独特の世界を表現するオスロの、パリへの想いが伝わってくるような美しい映像も魅力のひとつです。
【上級編】通なら観たい新作から名作まで
ここからは、沼にハマったフランス映画好きならおさえておきたい!フランス映画の新作・名作を紹介していきます。 日本でも話題になった同性愛ロマンス『燃ゆる女の肖像』から、海外における日本の漫画の実写化作品としては高評価を得た「シティーハンター」まで、観逃せない作品ばかりです。
『燃ゆる女の肖像』(2020年)
女性画家とモデルの禁断の愛
ジャンル | ヒューマンドラマ , 恋愛 |
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キャスト | ノエミ・メルラン , アデル・エネル , ルアナ・バイラミ |
監督 | セリーヌ・シアマ |
本作は18世紀末のフランス・ブルターニュ地方の孤島を舞台にした歴史ロマンスドラマです。
主人公は当時としては珍しい女性画家・マリアンヌ。ミラノの名家に嫁ぐことが決まった貴族の娘・エロイーズの肖像画製作の依頼を受けた彼女は、モデルのエロイーズと短くも情熱的な恋に落ちます。
ここがおすすめ!
ポートレートの製作を通じて画家とモデルの内面を描き出したアプローチが高く評価され、監督を務めたセリーヌ・シアマは女性監督初のカンヌ映画祭クィア・パルム賞を受賞しました。
『ぼくを探しに』(2014年)
言葉と過去の記憶を失った男のファンタジックで奇想天外な記憶の旅
ジャンル | コメディ , ヒューマンドラマ |
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キャスト | ギョーム・グイ , アンヌ・ル・ニ , ベルナデット・ラフォン |
監督 | シルヴァン・ショメ |
両親の死のショックで言葉を失ったピアニストのポールが、不思議な女性マダム・プルーストとの出会いから、失われた過去の記憶を取り戻していく物語です。
ここがおすすめ!
『ベルヴィル・ランデブー』(2004年)や『イリュージョニスト』(2011年)で知られるアニメーション作家シルバン・ショメによる初の実写長編映画。失われた記憶と人生の再編がテーマの本作は、マルセル・プルーストの小説『失われた時を求めて』に触発されたといいます。
『わたしはロランス』(2013年)
美しすぎる演出の数々に心奪われる、鬼才グザヴィエ・ドランの傑作
ジャンル | ヒューマンドラマ , 恋愛 |
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キャスト | メルヴィル・プポー , スザンヌ・クレマン , ナタリー・バイ |
監督 | グザヴィエ・ドラン |
『マイ・マザー』(2009年)で監督デビューした期待の若手監督グザヴィエ・ドランの長編映画3作目。トランスジェンダーをテーマに、女性として生きることを望む男性ロランスとその女性の恋人フレッドとの愛の軌跡を辿っています。
ここがおすすめ!
ロランスを『ぼくを葬る』(2006年)のメルビル・プポー、フレッドを『マイ・マザー』のスザンヌ・クレマンが演じました。本作はカンヌ国際映画祭でクィア・パルムを受賞しています。
『シティーハンター THE MOVIE 史上最香のミッション』(2019年)
フランスが漫画『シティーハンター』の世界観を完コピで実写化
ジャンル | コメディ , アクション |
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キャスト | フィリップ・ラショー , エロディ・フォンタン , タレク・ブダリ |
監督 | フィリップ・ラショー |
フィリップ・ラショーが監督・脚本・主演を務めた、北条司の人気漫画『シティーハンター』の実写化作品。凄腕スイーパーのリョウと相棒カオリの活躍を、本家さながらのコメディタッチで描いて大ヒットしました。
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日本でも吹き替え版が公開され、リョウを山寺宏一、カオリを沢城みゆきが担当。アニメ版オリジナルキャストである神谷明と伊倉一恵もゲスト参加しています。
『ディーバ』(1981年)
フランス版アカデミー賞で4部門総なめにしたラブサスペンス映画
ジャンル | アクション , ミステリー・サスペンス , ヒューマンドラマ |
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キャスト | ウィルヘルメニア・フェルナンデス , フレデリック・アンドレイ , リシャール・ボーランジェ |
監督 | ジャン=ジャック・ベネックス |
ジャン=ジャック・ベネックス監督作品の『ディーバ』は、アメリカのアカデミー賞に匹敵するセザール賞においてデビュー作品ながらも新人作品賞、撮影賞などの4部門を総なめにした話題作です。
主人公で郵便配達人のジュールは、シンシア・ホーキンスというソプラノ歌手を愛していました。ディーバ(歌姫)と呼ばれるシンシアのパリ公演を訪れたジュールはこっそり歌声を録音します。しかし、この録音テープが後に思わぬ事件に繋がって行き思わぬ展開に……。
ここがおすすめ!
ラブロマンスにサスペンスが加わった本作。オペラ、シャンソンなどの音楽と二転三転するストーリーの面白さはフランス映画の新しい形として評価されました。
【ヌーヴェルヴァーグ】個性の塊の名作フランス映画
「新しい波」を意味するヌーヴェルヴァーグは、1950年代末にフランスで始まった映画運動です。 フランソワ・トリュフォー、ジャン=リュック・ゴダール、クロード・シャブロルなど個性的な映画作家たちが団結して、実験的な映画を製作しました。 ここからは、そんなヌーヴェルヴァーグの代表作といわれる映画を紹介します。
『大人は判ってくれない』(1959年)
12歳の少年の苦悩、芸術家ジャン・コクトーが絶賛した傑作
ジャンル | ヒューマンドラマ |
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キャスト | ジャン=ピエール・レオ , クレール・モーリエ , アルベール・レミー |
監督 | フランソワ・トリュフォー |
主人公のアントワーヌ・ドワネル(ジャン=ピエール・レオ)は厳しい両親とつまらない学校にうんざりの毎日を送っていました。ある日親友のルネと学校をさぼったことを教師に咎められ、つい「母親が死んだのです」と嘘をついてしまいます。
やがて嘘がばれてしまい、両親に責められるアントワーヌは家を出ますが、警察に捕らえられ鑑別所送りとなりました。最愛の両親にも冷たく突き放され、また逃げ出したアントワーヌ。辿り着いた海辺で、初めて見る海に立ち尽くす彼は何かを決意するのでした。
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フランソワ・トリュフォー監督の長編映画デビュー作。監督・脚本を務めたトリュフォー自身の自叙伝と言われています。
『鬼火』(1963年)
1人の孤独な男の虚しさをモノクロ映像で表現した作品
ジャンル | ヒューマンドラマ |
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キャスト | モーリス・ロネ , ベルナール・ノエル , ジャンヌ・モロー |
監督 | ルイ・マル |
アルコール中毒で療養中のアラン。過去にはイケメンともてはやされ、鮮やかな人生を送っていました。そんな彼は、今では妻とは別居して愛人への愛もない虚しい生活を過ごしています。
かつての友人に会いにパリの街を訪れるもアランの虚しさは消えることはなく、時間は過ぎて行きます。7月23日療養所に戻ったアランは静かに引き金を引くのでした。
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ルイ・マルが監督を務めた名作。生きることを諦めた空虚な主人公アランをモーリス・ロネが演じています。
『気狂いピエロ』(1967年)
衝動的に破滅に向かう若者を描いた伝説のゴダール作品
ジャンル | ヒューマンドラマ |
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キャスト | ジャン=ポール・ベルモンド , アンナ・カリーナ , グラツィエラ・ガルヴァーニ |
監督 | ジャン=リュック・ゴダール(ハンス・リュカス) |
「ピエロ」の異名を持つフェルディナンを主人公に、退屈な日常からの逃避と衝動的な人生をシュールに描いています。フェルディナンの昔の愛人マリアンヌをアンナ・カリーナが可憐に演じました。
ここがおすすめ!
『勝手にしやがれ』のジャン=リュック・ゴダールが1965年に監督した作品で、ヌーヴェルヴァーグ時代の代表作。主演はゴダール作品には欠かせない、ジャン=ポール・ベルモンドとアンナ・カリーナの2人です。
『勝手にしやがれ』(1960年)
ヌーヴェルヴァーグの金字塔!ジャン=リュック・ゴダール初監督作
ジャンル | ヒューマンドラマ |
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キャスト | ジーン・セバーグ , ジャン=ポール・ベルモンド , ダニエル・ブーランジェ |
監督 | ジャン=リュック・ゴダール(ハンス・リュカス) |
フランソワ・トリュフォーの原案を元に、ヌーヴェルヴァーグの旗手ジャン=リュック・ゴダールが監督・脚本を務めた初の長編映画。無軌道な若者たちの愛と破滅を描いています。
ここがおすすめ!
手持ちカメラで街頭撮影を行ったり、即興演出やクローズアップなど新しい手法をもたらした、ヌーヴェルヴァーグの金字塔的作品。アメリカン・ニューシネマなど、世界の映画界に多大な影響を与えました。
『死刑台のエレベーター』(1958年)
ジャズとフィルム・ノワールの香り漂うクライム・ドラマ
ジャンル | ヒューマンドラマ , ミステリー・サスペンス |
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キャスト | モーリス・ロネ , ジャンヌ・モロー , ジョルジュ・プージュリイ |
監督 | ルイ・マル |
弱冠25歳の監督ルイ・マルが、ノエル・カレフの同名推理小説を映画化したサスペンス映画。社長夫人とその愛人が不倫関係から社長を殺害し、完全犯罪をもくろむクライム・ドラマです。
ここがおすすめ!
音楽を担当したのは、クール・ジャズの巨頭マイルス・デイビス。フィルム・ノワールを思わせるモノクロ映像に、主演のジャンヌ・モローの哀愁漂う横顔が映えて魅了されます。
フランス映画といっても作風、ジャンルは様々
フランス映画といえばおしゃれだったり難解だったり、独特の雰囲気を持っています。そんなフランス映画の中で、絶対に1度は観ておきたい名作映画だけを厳選して紹介しました。是非気になった作品をチェックしてみてください。