2020年4月9日更新

東野圭吾原作のおすすめ映画17選!ミステリーだけじゃない、泣ける名作や海外版も

マスカレード・ホテル
(C)2019映画「マスカレード・ホテル」製作委員会(C)東野圭吾/集英社

本格的なミステリーを得意とする推理小説家・東野圭吾。いくつもの賞を獲得するほど名作を多く手掛けており、数多くの作品が映画化されました。その中からおすすめ映画に加え、海外で作られた作品も紹介します。

目次

日本を代表するミステリー作家・東野圭吾

日本人であれば、ほとんどの人がその名前を知っているであろう東野圭吾。彼の著作はその完成度の高さから、幾度となく映像化されています。 そこで本記事では、東野圭吾の小説を原作としたおすすめ映画をお届け!後半では、海外で製作された東野原作の映画も紹介しています。 しかしもしかすると、彼の経歴を把握している人は少ないかもしれません。まずは東野のプロフィールをおさらいしましょう。

小説家・東野圭吾のプロフィール

東野圭吾は1958年2月4日生まれ。大阪府出身のミステリー・サスペンス作家です。高校2年生のときに偶然手に取った小峰元の小説『アルキメデスは手を汚さない』を読んだことから、推理小説に興味を持ち始め、自身でも執筆するようになっていきました。 高校卒業後、大阪府立大学工学部の電気工学科に進学し『スフィンクスの積木』や『放課後』などの小説を執筆。大学卒業後は執筆を続けながらも、技術者として日本電装株式会社(現デンソー)に就職し、1985年に『放課後』で第31回江戸川乱歩賞を受賞するまで約5年もの歳月を費やしています。 会社を辞め専業作家となるも、その後はなかなかヒット作に恵まれなかった東野。しかし1996年の『このミステリーがすごい!1997』の第3位に『名探偵の掟』がランクインしたことから追い風が吹き始め、1998年に刊行した『秘密』で一躍大ブレイクを果たしました。 以後直木賞や江戸川乱歩賞などの名誉ある賞を多数受賞し、日本を代表するミステリー作家となっています。

『秘密』(1999年)

死んだはずの妻の魂が娘に

映画『秘密』では一家の父親・杉田平介を小林薫、娘の杉田藻奈美を広末涼子が演じています。原作者の東野も大学教授役で出演。監督は『おくりびと』などの名匠、滝田洋二郎です。 乗っていたスキーバスが崖から転落した主人公の平介。妻の直子は病院に搬送されますが死亡し、娘の藻奈美もまた意識不明の重体に陥ってしまいます。奇跡的に意識を取り戻した藻奈美に一度は安堵するも、娘の身体には妻・直子の魂が入り込んでいたのでした。 原作とは少し違いますが、その結末には涙すること間違いなし。海外の映画祭でも上映され、東野圭吾の名前を日本の外にまで知らしめました。

『g@me.』(2003年)

ゲームのような狂言誘拐

2002年の小説『ゲームの名は誘拐』を原作としたのが映画『g@me.』。主人公の名前が佐久間駿介から佐久間俊介に変えられているほか、登場人物の性格や結末部分が原作と異なっています。 広告クリエーターの佐久間俊介が広告主の娘・葛城樹理を狂言誘拐し、その過程で恋に落ちてしまうという物語。藤木直人が佐久間俊介を、仲間由紀恵が葛城樹理を演じました。原作者の東野も本人役で出演しています。 ラストでは予想できないどんでん返しが待っており、最後まで楽しむことができる作品です。

『手紙』(2006年)

犯罪者とその家族の目線で描かれた傑作

2003年の同名小説が原作。強盗殺人を犯し、刑務所にいる武島剛志と弟の直貴の手紙のやりとりを描いた作品です。玉山鉄二が兄の剛志、山田孝之が弟の直貴を演じました。 犯罪の加害者とその親族の視点で記述された物語で、獄中にいる兄と、世間の偏見にさらされる弟の苦悩がテーマとなっています。お笑い芸人となった弟と刑務所の兄のラストシーンは、涙なしに観ることができません。

『容疑者Xの献身』(2008年)

天才VS天才

2007年に放送された月9ドラマ「ガリレオ」の劇場版として公開されました。主要キャストはドラマ版と同じく福山雅治、柴咲コウ、北村一輝。さらに松雪泰子、堤真一などが本作で新たに起用されました。 暴力を振るう元夫を殺してしまった母子と、それを庇う隣人の天才数学者・石神。事件の真相にあと一歩届かない警察は湯川に助けを求めますが、石神は湯川の大学時代の友人でした。 本作が初主演映画となった福山の代表作。綿密なトリックと純愛が交錯する結末は、本格ミステリーながらも涙なしには観られない、感動作品として好評を得ています。

『さまよう刃』(2009年)

娘を奪われた父の復讐

『さまよう刃』は2004年に出版された同名のサスペンス小説を原作としています。寺尾聰が主演し、『贅沢な骨』などで脚本を担当した益子昌一が監督を務めた作品です。 高校生の娘を少年2人に殺された長峰重樹が、犯人たちに復讐しようとする本作。少年犯罪とその被害者に焦点を当てたストーリーが描かれています。モントリオール世界映画祭に出品され、その意外な結末が話題になりました。

『白夜行』(2011年)

被害者の息子と加害者の娘、2人の関係とは――

19年前に起きた殺人事件の被害者の息子・桐原亮司と、容疑者の娘・西本雪穂を主人公に据えた、1999年の同名ミステリー小説が原作です。 主人公の周囲で次々と起こる凶悪事件を描いた本作。桐原亮司を高良健吾、西本雪穂を堀北真希が演じ、監督は『神様のカルテ』の深川栄洋が務めました。 2006年にテレビドラマ化されており、重々しい内容に衝撃を受けた視聴者も多かったため、ファン待望の映画化でした。さらにベルリン国際映画祭に正式招待され、海外でも好評を博しました。

『夜明けの街で』(2011年)

甘い地獄のような恋

2007年の同名小説を映像化した本作では、岸谷五朗が主演を務め、不倫相手を深田恭子が演じています。メガホンをとったのは『沈まぬ太陽』の若松節朗。 主人公の渡部和也は妻子持ちにもかかわらず、仲西秋葉と不倫関係になってしまいます。そしてその後、秋葉は15年前に起きた殺人事件の容疑者であることが判明。果たして彼女は真犯人なのでしょうか。 東野圭吾初のラブストーリーとなった作品ですが、サスペンスの側面も楽しめます。

『麒麟の翼 ~劇場版・新参者~』(2012年)

東野圭吾が認めるシリーズ最高傑作の映画化

加賀恭一郎役を阿部寛が演じた本作。被害者の男役に中井貴一、刑事・松宮役に溝端淳平が起用され、その他にも松坂桃李に菅田将暉、向井理や山﨑賢人といった人気俳優が出演しています。 2011年に刊行された、加賀恭一郎シリーズ9作目が原作。シリーズ7作目の『赤い指』と8作目『新参者』両方の要素が取り入れられた、東京・日本橋を舞台とした推理小説です。東野作品の数ある名作の中でも、加賀恭一郎シリーズ最高傑作と評されています。 麒麟の像が設置されている日本橋で、ナイフが胸に刺さったまま欄干にもたれかかる男を警察が発見。男はなぜ日本橋まで来たのか?犯人は誰なのか?加賀と松宮が迫る真相には、衝撃と感動の結末が待ち構えています。

『プラチナデータ』(2013年)

検挙率100%の日本で起こる事件の謎

2010年の同名小説を映画化した作品。物語の舞台は、DNAデータ「プラチナデータ」を使った犯罪捜査により、検挙率が100%に上がった2017年。 覚えのない犯罪現場から自分のデータを検出してしまった科学者・神楽龍平が警察から逃げながらも、真相を究明するという物語です。 主人公の神楽を嵐の二宮和也、彼を追うベテラン刑事・浅間玲司を豊川悦司が演じました。主題歌は嵐が担当し、映画「るろうに剣心」シリーズで知られる大友啓史が監督を務めています。

『真夏の方程式』(2013年)

天才ガリレオ夏の陣

本作は連続ドラマ第2シリーズの劇場版として公開されました。湯川の相棒刑事は柴咲コウから吉高由里子に変更され、映画版キャストには杏や前田吟、田中哲司らが起用されています。 美しい海を誇る、玻璃ヶ浦の旅館に泊まっていた湯川。偶然にも、湯川の滞在中に他の客が堤防から転落死する事故が起きます。しかし警察が捜査していくにつれ、16年前の元ホステス殺人事件との関連性が浮かび上がり、旅館を営む家族・川畑家が事件解決の鍵を握っていることも判明し――。 原作は2011年に刊行されたガリレオシリーズ第6弾。東野圭吾の持ち味である本格的なミステリーが展開され、そこに登場人物の人間味溢れる心情が合わさった感動作と言えるでしょう。

『天空の蜂』(2015年)

狙われた原発

『天空の蜂』は1997年に刊行された同名小説が原作です。主人公の軍用ヘリコプター開発責任者・湯原一彰を江口洋介が演じました。 軍用ヘリコプターが奪われ、そのまま原子力発電所の上空をホバリング(空中停止)させるという事件が発生。そのまま時が経てば燃料は切れ、ヘリは発電所へと落下します。テロ組織「天空の蜂」は交換条件として、日本の原子力発電所を全て破棄するよう要求しました。 ヘリに子供が残されているという状況で、政府はどのような決断を下すのでしょうか。緊張感が続く中、二転三転する展開が観客を飽きさせません。

『疾風ロンド』(2016年)

極限の心理戦!と思いきや……?

2013年に刊行された原作小説は、東野圭吾の「いきなり文庫化」作品の第2弾としても人気を集めた長編サスペンス。映画では主人公の栗林和幸を阿部寛が演じました。 ある時、新種の病原体「K-55」が研究所から盗まれ、スキー場に埋められるという事件が発生。回収を命じられた医科学研究員の栗林は、「K-55」の横取りを企む者たちの手を逃れながら、事件を収束させようと奮闘します。 本作では登場人物の人柄やストーリー展開にコメディ要素が加えられ、シリアスすぎない一味違った東野圭吾サスペンスとなりました。

『ナミヤ雑貨店の奇蹟』(2017年)

「過去」と「現在」を繋ぐ手紙

2011年の同名小説を原作とした、不思議な出来事と、時空を超えた様々な人の姿を描いた感動作です。主演をHey! Say! JUMPの山田涼介が務め、その他にも西田敏行や尾野真千子、林遣都、萩原聖人など豪華キャストが出演しました。 監督は『余命1カ月の花嫁』や『PとJK』を手掛けた廣木隆一。構造の複雑さから映像化は不可能ではといったの声もありましたが、多くの人に驚きと温かさを残しました。 かつて悩み相談を請け負っていた雑貨店に逃げ込んだ3人の少年たち。すでに廃業しており、誰もいないはずの店に手紙が届いたことから物語が始まります。

『祈りの幕が下りる時』(2018年)

「新参者」シリーズ最後の事件

原作は「麒麟の翼」に続く「加賀恭一郎」シリーズの10作目。本作は引き続き阿部寛が主演を務めた、「新参者」シリーズの完結編です。 松嶋菜々子、溝端淳平、田中麗奈や伊藤蘭、小日向文世といった豪華キャストが集結。監督を『華麗なる一族』や『半沢直樹』、『下町ロケット』といった数々のテレビドラマを手掛けてきた福澤克雄が務めました。 東京都のアパートで滋賀県在住の女性が殺される事件が発生。捜査が進んでいく中で、これまで明かされなかった加賀自身の謎が紐解かれていきます。

『人魚の眠る家』(2018年)

娘への愛が取った禁断の選択

2015年の同名小説を映画化した本作では、篠原涼子が主演を務め、その夫を西島秀俊が演じています。 薫子と和昌は2人の子供をもうけるも、すでに別居し離婚を目前に控えていました。しかしある日、娘の瑞穂がプールで溺れ脳死状態に陥ります。一度は臓器提供を選ぼうとしますが、瑞穂の手が動くのをみた薫子はこれを拒否。 最先端医療による治療を望んだことで、家族の運命が狂い始めるのでした。観終われば衝撃と感涙に襲われること必至の作品です。

『マスカレードホテル』(2019年)

ホテルに潜む連続殺人犯の影

原作の同名小説は、東野圭吾による「マスカレード」シリーズの一作目。主演を木村拓哉が務め、長澤まさみや小日向文世らが脇を固めました。 東京都内で予告連続殺人事件が発生し、現場に残されていた暗号から、警察は次の殺人の舞台が「ホテル・コルテシア東京」であることを突き止めます。そこで刑事の新田はホテルのフロントスタッフに扮して事件に備えることに。 しかし次々と怪しげな客が訪れるため、なかなか犯人を特定することができません。緊迫したミステリーを味わいたい方におすすめの一作です。

『パラレルワールドラブストーリー』(2019年)

2つの世界の真実とは

Kis-My-Ft2の玉森裕太、吉岡里穂、染谷将太らが出演したミステリー作品。世界が目まぐるしく変化する、息もつかせぬストーリーが展開されました。 主人公の敦賀崇史は脳の研究を行う会社に勤めており、そんな崇史と三輪智彦は幼馴染でよきライバル。ある日、崇史は智彦から津野麻由子という女性を紹介されます。実は彼女は、崇史が学生時代に密かに想いを寄せていた女性でした。 ある朝、目を覚ますと自分が麻由子と同居生活を送っており、2つの世界が存在することに気づく崇史。一体何が真実なのか、彼は世界に翻弄されていきます。

海外で製作された東野圭吾原作の映画4選

東野の作品は日本だけでなく、世界でも高く評価されています。そのため韓国やフランスでは彼の小説をもとに、いくつかの映画が製作されました。 ここからはそんな東野圭吾原作の海外映画を紹介しましょう。

『秘密 THE SECRET』(2007年)

ドラマ「X-ファイル」などで知られるデイヴィッド・ドゥカヴ二―を主演に招き、フランスで『秘密』を映画化した作品です。 日本版と大まかな要素は共通しており、事故にあったことで、母ハンナの意識が高校生の娘サムへと移ってしまいます。元々あまり良好な関係を築けていなかった2人でしたが、ハンナはサムとして暮らすうちに葛藤や悩みを理解するのでした。 文化や舞台が違い、ストーリーも日本のものとは異なっているため、そちらを観た人でも楽しむことができる作品です。

『白夜行 -白い闇の中を歩く-』(2012年)

『白夜行』を韓国でリメイクした作品。原作に大胆な脚色が加えられたこともあり、日本公開時にはR-18に指定されました。 ある殺人事件が発生し、14年前の事件との関連を疑われます。刑事のハン・ドンスは容疑者死亡となった過去の事件が腑に落ちておらず、容疑者の娘と被害者の息子のことを思い出していました。その後、2人の周辺で立て続けに事件が起き――。 韓国映画らしい、ダークな雰囲気に仕上がっています。

『容疑者X 天才数学者のアリバイ』(2013年)

日本では福山雅治が主演を務めた『容疑者Xの献身』。本作は同じ小説を基に、韓国で映画化した作品です。 1人静かに暮らしていた高校の数学教師ソッコ。隣人の女性ファソンが殺人を犯してしまったことから、ソッコは彼女を庇って完璧なアリバイを作り出します。ソッコと旧知の仲だった刑事のミンボムは、彼が隣室に住んでいることを知り、事件に関与しているのではないかと疑い始めるのでした。 日本版では堤真一が演じた天才数学者を主人公に据えた本作。『容疑者Xの献身』とは違った視点でストーリーが進み、異なる結末を迎えます。

『さまよう刃』(2014年)

原作に惚れ込んだイ・ジョンホが監督・脚本を担当した韓国版『さまよう刃』。 イ・サンヒョンは幸せな生活を送っていましたが、ある日突然娘を奪われます。娘のイ・スビンはレイプされた上で、殺されていました。2人の少年が犯人だと知ったサンヒョンは、怒りのままに1人を殺害。警察に追われる身となりながらも、復讐のためにもう1人の少年を追うのでした。 静かな雰囲気が漂っていた日本版とは違い、娘を殺された父親の衝動や激情が描かれています。韓国映画が得意とする復讐劇が、これでもかと言うほど濃く映し出された作品です。

東野圭吾は著書が次々と映画化される稀代のヒットメーカー

東野圭吾原作の映画を紹介してきましたが、どれも重厚なミステリーや衝撃のストーリーに仕上がっており、その手腕に驚くばかりです。様々なアプローチの作品が存在しているため、きっとあなたが気になる作品があったのではないでしょうか。 東野が織りなす物語からは、まだまだ目が離せそうにありません。