東野圭吾原作のおすすめドラマ10選【ガリレオから流星の絆まで】

2017年5月12日更新 4500view

今や日本のテレビ・映画界の小説の実写化に欠かせない存在となった東野圭吾の小説。一口に東野作品といっても映像化となれば監督や脚本家によって毛色が変わってきます。今回は数多ある東野作品の中でもおすすめのドラマ作品を10本ご紹介します。

世界が注目するミステリーの巨匠・東野圭吾

『放課後』東野圭吾

1958年、大阪生まれのミステリー作家・東野圭吾。東野は、今でこそ日本の映画・ドラマ界に欠かせないミステリーの巨匠と言われていますが、1985年に『放課後』でデビューしてから、『秘密』で本格ブレイクするまでには13年もの月日を費やしています。

その後の活躍は周知の通り、2006年に刊行した『容疑者Xの献身』が第134回直木賞、第6回本格ミステリ大賞を受賞。同作は2011年に英米版が発売され、2012年にはアメリカで最も権威あるミステリー賞エドガー賞を受賞しました。

これをきっかけに東野の作品だけでなく、湊かなえや横山秀夫と言った日本の優れたミステリー小説が、次々に英米の大手出版社から発売されるようになりました。東野原作の実写化についても、日本だけでなく韓国でもブームとなっており、2017年までに『白夜行』『容疑者Xの献身』『さまよう刃』が実写化されています。

原作ものの実写化ブームの今、東野作品は出版前から実写化が決まったも同然で、常に最新作に期待が寄せられています。

今回はそんな東野圭吾原作のおすすめドラマを10本ご紹介します。

1.原作で描かれなかった亮司と雪穂がここに!『白夜行』

『白夜行』

2006年にTBS系にて放送された『白夜行』。山田孝之、綾瀬はるか主演で実写ドラマ化されました。

初恋の少女を守るために父を殺した少年・桐原亮司(山田孝之)と亮司をかばうために母を殺した少女・唐沢雪穂(綾瀬はるか)の14年に渡る孤独な愛の物語。原作で描かれていない亮司と雪穂の心の葛藤を描き出し、原作と併せて観るとより『白夜行』の世界観を深く知ることができるドラマです。

山田と綾瀬の終始、感情を抑えながらもにじみ出てしまう演技が秀逸で、最終話のクリスマスのラストシーンはドラマ史に残る名シーンに仕上がっています。

後にテレビ東京系にて放送された山田主演のフェイクドキュメンタリードラマ『山田孝之の東京都北区赤羽』で山田の二人の姉たちが「『白夜行』の亮司が、彼が演じてきたキャラクターの中で一番山田自身に近い。」と語っています。

2.「実に面白い」などさまざまな名台詞が生まれた『ガリレオ』第1シーズン

『ガリレオ』第1シーズン

2007年にフジテレビ系にて放送された『ガリレオ』第1シーズン。東野圭吾の傑作『探偵ガリレオ』シリーズを福山雅治主演にて実写化。

天才的な頭脳を持ち、物理学を専門にしている大学准教授の湯川学(福山雅治)と熱血漢の新人刑事・内海薫(柴咲コウ)がコンビを組み、難事件を解決していく理系ドラマ。原作では湯川のもとに事件を持ち込むのは内海の先輩・草薙俊平(北村一輝)ですが、ドラマ版では内海薫というオリジナルキャラクターが生み出されました。

内海は、本作がもとで後の東野の同シリーズの『聖女の救済』から小説にも登場しています。湯川曰く「現象には必ず理由がある」という名台詞のもと、難解なトリックが何重にも仕掛けられている事件を、数式を用いて鮮やかに解き明かしていくのが、毎回舌を巻くほど見事で視聴者を魅了しました。

本作のために福山が柴咲コウをプロデュースしたユニット「KOH+」による主題歌『KISSして』も大ヒットを記録しました。

3.東野圭吾×宮藤官九郎の異色のコラボが話題『流星の絆』

『流星の絆』

2008年にTBS系にて放送された『流星の絆』。嵐の二宮和也、関ジャニ∞の錦戸亮、戸田恵梨香主演で実写化されました。

幼い頃に洋食屋を経営する両親を惨殺された三兄弟が、盗まれた秘伝のレシピの奪還と犯人への復讐を流星に誓い、詐欺を働きながら真犯人を追い詰めていく複雑に伏線が絡み合うミステリー。

東野作品No.1の感涙ミステリーとの呼び声の高い長編小説をコメディーセンスが抜群な宮藤がどう描くか、放送前から期待と不安の声が挙がっていまいた。蓋を開けてみれば、笑って泣けて、義兄妹の恋模様に切なくなり、兄弟の深い絆に胸が熱くなる、とても濃密なドラマに仕上がっており各方面から絶賛されました。

愛ゆえに翻弄される三兄弟や周囲の人々を人間臭く描き、原作とは違う切なくも温かな結末に優しい気持ちになれる作品です。

4.切なすぎるラブ・ファンタジー『秘密』

『秘密』

2010年にテレビ朝日系深夜ドラマとして放送された『秘密』。東野のブレイクのきっかけとなった同名小説を佐々木蔵之介、志田未来主演で実写化。

どこにでもいるごくごく平凡で幸せな杉田一家。ある日、母娘で出掛けた先のスキーバス事故で妻・直子(石田ひかり)が亡くなり、娘・藻奈美(志田未来)も植物状態となってしまいます。

悲観に暮れる夫・平介(佐々木蔵之介)でしたが、奇跡的に藻奈美の意識が回復。しかし、藻奈美の体には亡くなったはずの直子の意識が宿っていました。

「秘密」を抱え、家では平介の妻として、外では藻奈美として生きようとする直子。愛する妻の変化に戸惑いながらも愛し抜こうとする平介。

次第に二人の心にズレが生じ始めますが、そんな時に長らく消えていた藻奈美の意識が目覚めます。

「夫婦で心の距離は近いのに体の距離が遠い。」「直子でいて欲しいけれど、藻奈美にも帰ってきて欲しい。」という平介の切ない願いとそれに応えようとするも自身の心の変化に抗えない直子の不思議で切ない夫婦のファンタジードラマです。

5.小学校教師と小学生の痛快ミステリー活劇『浪花少年探偵団』

『浪花少年探偵団』

2012年にTBS系にて放送された『浪花少年探偵団』。多部未華子主演にて実写化されました。

大阪市立大路小学校6年2組の担任教師・竹内しのぶ(多部未華子)と6年2組の生徒たちで結成した浪花少年探偵団が、学校や大路の下町で巻き起こる事件に我先にと首を突っ込み、女性と子どもならではの視点で解決していく謎解きミステリー。

浪花少年探偵団のメンバーを濱田龍臣、お笑いコンビ・まえだまえだの前田航基と前田旺志郎らが演じています。しのぶと探偵団は、シャーロック・ホームズとワトソン、明智小五郎と小林少年のような関係性です。

正義感が強く曲がったことが大嫌いなしのぶがクライマックスで言い放つ「ウチは大路のしのぶやで!」の決め台詞が毎回スパーンと決まって痛快です。東野作品はどこか影のあるものが多いですが、本作は東野作品初期のもので明るく、大阪の下町を舞台にした味わい深い人間ドラマになっています。

6.福山雅治の新たな代表作となった『ガリレオ』第2シーズン

『ガリレオ』第2シーズン

第1シーズン、映画『容疑者Xの献身』の大ヒットを受けて、2013年にフジテレビ系にて放送された『ガリレオ』第2シーズン。主演は第1シーズンに引き続き福山雅治が務め、柴咲コウ演じる内海薫が異動になったという設定で、新たなヒロインとして吉高由里子が岸谷美砂役で登場しました。

頭脳明晰、容姿端麗、スポーツも万能で「変人」という以外、非の打ち所がない湯川と若くしてキャリア刑事となり、プライドが高い美砂の自信満々コンビがぶつかり合いながらも難事件を解決に導いていく様を複雑な人間ドラマとともに描き出しました。

本シリーズの最終章として原作シリーズの中でも人気の高い『聖女の救済』が放送され、ドラマの終了に合わせて映画第二弾『真夏の方程式』も公開され、どちらも大ヒットしました。

7.日本橋・人形町の事件と人間関係をまとめて解決!『新参者』

『新参者』

2010年にTBS系にて放送された『新参者』。東野作品の中で最も多く出版された『加賀恭一郎』シリーズの中でも人気の高い『新参者』を阿部寛主演で実写化。

東京・日本橋の人形町の下町に異動してきた刑事・加賀恭一郎(阿部寛)。加賀が下町で起こる一見無関係なように思える人間模様のピースを一つずつ繋げていき、すべてのピースが揃った時、事件とともに人の心までをも解き明かしていく人情ドラマです。

『新参者』の好評を受けて、これまでに2011年に『赤い指~「新参者」加賀恭一郎再び!』、2014年に『“新参者”加賀恭一郎「眠りの森」』が続編として制作されています。

8.『白夜行』の続編ともいえる悲しき男女の恋の顛末を描いた『幻夜』

『幻夜』

2010年にWOWOWの連続ドラマとして放送された『幻夜』。深田恭子主演で実写化されました。

1995年の阪神・淡路大震災の日、衝動的に叔父を殺してしまった水原雅也(塚本高史)。雅也がふと我に返ると傍には新海美冬(深田恭子)と名乗る見知らぬ女性が。

奇妙な縁が二人を繋ぎ、二人はともに上京し、助け合い生きていくことに。美冬はその美貌と才気でのし上がっていきますが、それと同時に不可解な事件が起こり始め、刑事の加藤亘(柴田恭兵)は雅也と美冬の関係に目をつけます。

東野作品のファンの間では『幻夜』は『白夜行』の姉妹作という解釈が一般化しています。なぜなら、『白夜行』の唐沢雪穂と本作の新海美冬が同一人物である可能性がある文章が本文中にあり、東野自身も続編かそうでないかについては明確にしていないからです。

ただ、『白夜行』の雪穂は止む負えない事情があり犯罪に手を染めることが多かったのに対し、本作の美冬は完全に用意周到型で、東野作品No.1の悪女と言っても過言ではないでしょう。その辺りを比べながらドラマと原作を見てみると面白いかも知れません。

9.渡辺謙の鮮やかなスキー・テクニックに魅了される『白銀ジャック』

『白銀ジャック』

2014年にテレビ朝日系にて放送された『白銀ジャック』。渡辺謙主演で実写化されました。

岩手県・安比高原スキー場を舞台に、スキー場の治安を守るパトロール員・倉田玲司(渡辺謙)と根津昇平(岡田将生)らの元に届いた「ゲレンデに爆弾を仕掛けた」という一通の脅迫状。倉田らはスキー場の観光客すべてを人質にとった犯人との決死の身代金取引を始めることに・・・。

原作では倉田の滑走シーンはなかったのですが、本作では、渡辺の実家がゲレンデ経営をしており、渡辺自身もスキーは大得意ということで、倉田のスキーシーン、根津のスノーボードシーンをたっぷり観ることができます。ゲレンデの解放感とスピード感、事件の緊迫感たっぷりの作品に仕上がっています。

10.一人の少女の出自を巡る悲しき人間ドラマ『カッコウの卵は誰のもの』

『カッコウの卵は誰のもの』

2016年にWOWOWの連続ドラマとして放送された『カッコウの卵は誰のもの』。土屋太鳳主演で実写化されました。

父を元オリンピックスキー選手に持ち、自身も将来を期待されるスキー選手である緋田風美(土屋太鳳)。ある日、風美から高い運動能力がある“スポーツ遺伝子”が検出されます。

遺伝子研究を行う柚木(戸次重幸)は「カエルの子はカエル」を証明するため、緋田親子に更なる追加検査を申し出ますが、父の宏昌(伊原剛志)はそれを拒否。その理由は、宏昌が風美の出自に誰にも知られたくはない秘密を抱えていたからでした。

そんな中、風美を狙った脅迫状とバス爆発事故が発生し、多数の怪我人が出てしまいます。才能は努力か、遺伝か?風美は本当は誰の子なのか?問われるのは親子の絆-白銀の世界に遺伝子の謎が舞います。

今回ご紹介した中では東野作品最新作になる本ドラマ。ドラマ冒頭の謎掛けから二転三転と状況が変わっていく中、親子の絆とは?愛とは?を問い続ける悲しきサスペンスです。

東野圭吾の小説を映像化した作品は50作以上あり、その中でもお勧めの10本をご紹介しました。

ミステリーの巨匠・東野圭吾ですが、初期の頃と2017年現在までの作風ではだいぶ変化しています。数ある作品の中からあなたのお気に入りの1本を見つけてくださいね。