昼顔以降、日本のドラマが変わった!?不倫ドラマの系譜に迫る

2017年7月14日更新

2014年に連続ドラマとして放送され、大ヒットとなった『昼顔』。不倫の恋にのめり込んでいく主婦の姿を描いたドラマは大きな注目を集め社会現象になりました。なぜ『昼顔』はヒットしたのか。代表的な不倫ドラマや、以後のドラマの傾向についてまとめました。

その後のドラマの流れを変えた『昼顔』

2014年に放送され、社会現象となった大ヒットドラマ『昼顔』。結婚5年目で、昼はスーパーでパートをしている主婦・笹本紗和が、偶然知り合いとなった高校の生物教師の北野祐一郎と惹かれ合い、不倫関係に陥っていく様を切なく激しく描き、大変な話題となりました。 ドラマ『昼顔』は、2017年6月に劇場版『昼顔』として公開され、新たな話題と社会現象を生みそうです。『昼顔』の放送以降は、連続ドラマに不倫を題材に描かれたものが増え、2017年1月放送の『奪い愛、冬』や、2017年4月放送の『あなたのことはそれほど』など、衝撃的なストーリーが注目を集めている作品も多く見られます。

あの『昼顔』が帰ってくる!2017年6月公開、劇場版『昼顔』

劇場版『昼顔』では、前作から3年後の紗和の姿が描かれます。夫と離婚し、新たな仕事を見つけ海辺の町で、一人生活を送る紗和。しかし運命のいたずらは回り始め、かつて愛し合った北野と、偶然にも再会してしまうのです。

不倫ドラマの元祖、大いに話題になった『金曜日の妻たちへ』

日本のテレビドラマの中でも数多く題材として取り上げられている不倫。不倫ドラマは昔からたくさんあるわけですが、その元祖とも言えるドラマが、1983年に放送されたこの『金曜日の妻たちへ』です。 それまでのドラマと違い、自らの人生を積極的に楽しみ、不倫に走ってしまう女性たちの姿を描いた今作は新しい時代を感じさせ、当時の女性たちを魅了しました。 東京郊外に住む仲の良い3組の夫婦に突如降りかかる、不倫や離婚という問題。6人でいつも家族のように仲良く過ごしていたはずなのに、1組の夫婦の不倫問題から、6人の関係性は崩れ始め、複雑に絡み合います。

林真理子原作の大ヒット不倫ドラマ『不機嫌な果実』

林真里子の小説『不機嫌な果実』は、1997年にドラマ化され大ヒットしました。結婚生活に不満を募らせている主人公が、かつての恋人と再開、再び惹かれあって行くも、さらに年下の男性との恋を経験するという、夫のある身ながら揺れ動く女性の心情を過激に描いた作品です。 一見普通に見える主婦が「夫以外の男とのセックスは、どうしてこんなに楽しいのだろうか。」という言葉とともに、悪びれもなく不倫を楽しむ様子は衝撃を与えました。 3人の男の間で揺れる主人公の主婦・水越麻也子は石田ゆり子が演じ、その演技は高く評価されました。夫の航一を渡辺いっけい、麻也子のかつての恋人・野村を内藤剛志、年下の音楽青年・道彦を岡本健一が演じました。

社会現象にもなった、昼顔の爆発的ヒット

これまでに放送されたテレビドラマの中では、不倫を描いたドラマはどれも話題と注目を集め、ヒット作となりました。2014年に放送された『昼顔』もまた、その年の流行語に「昼顔」がノミネートされるなど、社会現象を巻き起こした爆発的ヒット作です。 ドラマの放送と同じくして、世間では、夫が仕事に出ている昼間に不倫の恋の花を咲かせる女性「昼顔妻」が増えている、とニュースや情報番組でも取り上げられていました。ドラマ『昼顔』の主人公・紗和とその友人・利佳子もまた、昼間に思いを寄せる男性と逢瀬を重ねています。 世の中の動きとシンクロするようなストーリーが多くの女性の心を捉え、昼顔は爆発的ヒットドラマとなりました。

一体なぜ?不倫を描いた『昼顔』がヒットしたわけ

道ならぬ恋であり、許されない関係である不倫。その不倫を描いたドラマ『昼顔』がここまでヒットしたのは一体なぜなのでしょう? 『昼顔』では、平凡で幸せな生活に寂しさと物足りなさを感じている主人公・紗和が、北野との出会いや恋によって少しずつ本来の姿を取り戻していく姿が切なくていねいに描かれています。夫婦仲が悪いわけではなく、大きな不満があるわけでもない、でもその毎日に紗和は消耗していました。 そんな紗和に女性視聴者たちは共感し、自分の姿を重ね合わせ、北野との不倫の恋にのめり込んでいく紗和の姿に胸をときめかせたのでしょう。 これまでは、男性側のみが既婚者であったり、男性側の視点で描かれることも多かった不倫ドラマです。平凡で幸せなはずの主婦が、寂しさと葛藤を抱え、不倫の恋に苦悩する姿は、リアリティあふれる生々しいドラマとして、世の女性たちの心を掴んだのです。

『不機嫌な果実』がリメイク版として蘇る

1997年に放送され大変な話題と注目を集めた不倫ドラマ『不機嫌な果実』が、2016年に蘇りました。 2016年放送のドラマ『不機嫌な果実』は、設定やストーリー展開はそのままに、それぞれのキャラクターが濃く過激にパワーアップ。冷え切った関係の夫・航一がヒステリックでマザコン気質だったりと、思わず麻也子に共感できてしまった女性も多いのではないでしょうか。

世間では「ゲス不倫」ニュースが乱発する結果に

ドラマ『昼顔』の放送終了からほどなくして、世間では不倫関係をスクープされる芸能人・有名人が相次ぎました。2016年には、「ゲスの極み乙女。」の川谷絵音と、ベッキーの不倫騒動が日本中を駆け巡り、不倫行為のことを、「ゲス不倫」と称するようにもなりましたね。その年の流行語にノミネートされたというのだから驚きです。 不倫を題材にしたドラマも目に見えて増えていただけに、不倫スクープが増えるのは、2016年ならではの世相だったのでしょうか。

前代未聞!不倫ドラマ戦国時代

ドラマ『昼顔』のヒットを受け、その後のドラマが不倫を描いたものが増えたことは、言うまでもありません。 2015年には田中麗奈主演の『美しき罠~残花繚乱~』、2016年には、『毒島ゆり子のせきらら日記』、『不機嫌な果実』と連続ドラマで多数の不倫ドラマが話題と注目を集めました。 2017年には『奪い愛、冬』、『あなたのことはそれほど』と不倫を題材にした過激なストーリーのドラマが人気を博しています。大体1クールには1本、不倫ドラマがあるという状態で、どの作品がいちばんの注目を集める勝利者となるのか、まさに不倫ドラマ戦国時代と言えるでしょう。

いま、不倫ドラマが流行するわけ

不倫を描いたドラマは数多くあれど、それが流行になるのはどうしてなのでしょうか。 ドラマや映画の中で繰り広げられる恋愛や人間関係は、どれだけリアリティがあってもフィクションの世界の話です。実際にはできない不倫のような背徳の恋は、フィクションのドラマ内でしか楽しむことができないものだからこそ、需要があるのかもしれません。 また、系譜を振り返ってもわかるように、女性の社会進出や独立とともに、多様な恋愛のあり方を描く機会が増えていったとも言えそうです。 不倫ドラマの視聴者は主婦が多いと言われていますが、その視聴者の多くが不倫願望を持っていたり、影響を受けているわけではないでしょう。道ならぬ恋、許されぬ背徳的な恋は、日常とは相反するものなので、刺激が強く、心を打たれるのではないでしょうか。 実際に願望を持つ女性が増えた、ということもあるかもしれませんが、日頃家事をがんばり、家族を大切にしているからこその、その裏返しなのでしょう。