2019年3月8日更新

BL(ボーイズラブ)を描いたおすすめドラマ・映画15選【2019最新版】

おっさんずラブ

周知の言葉になりつつあるBL=ボーイズラブ。越えてはならない一線が敷かれた禁断の先に描かれるもの……と思ってしまうBLの世界ですが、その先にもっと深いものが見え隠れするものです。今回はおすすめのBLドラマ・映画を15作紹介します。

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奥深さと繊細さに魅了される人続出!おすすめBLドラマ・映画を紹介

腐女子やBLといったワードが徐々に市民権を得つつある昨今、男同士の同性愛をテーマにした作品を一括りに“BL(ボーイズラブ)”と呼ぶ風潮も出てきました。しかし一口にBLといっても、主人公が若い男同士とも限らず、ここにも多様性の波が到来しています。 2018年にドラマ界に新風を吹き込んだ『おっさんずラブ』は男同士の恋愛を描いたものですが、普通のおじさんが主人公であり、ただ単に“BLもの”とは言い切れない奥深さも。 また、繊細な情緒描写が特徴の良質なBL漫画を原作とした映像作品も増えつつあります。今回は古今東西の同性愛をテーマにした作品やいわゆるBL作品を15本取り上げて、その魅力を紹介していきます。

おすすめBLドラマ:SNSが着火剤 オリジナル脚本や配信ドラマも登場

2018年に放送された日本のBLドラマ3本を紹介します。 SNSで大きな反響を呼んだ『おっさんずラブ』や『ポルノグラファー』は、BL漫画が原作ではないオリジナル脚本やネット配信ドラマといった新しい流れをドラマ界に吹き込みました。NHKでは同性婚という社会問題を取り上げた『弟の夫』をドラマ化し、日本での同性愛に対する現実を可視化しています。

1.おっさんのピュアな恋が社会現象を巻き起こした『おっさんずラブ』

管理職のダンディな“おっさん”が部下の男性に恋する『おっさんずラブ』。2016年大晦日にテレビ朝日で放送された単発ドラマが、2018年に連続ドラマとして復活。4月から6月にかけて土曜ナイトドラマ枠で全7回が放送され、TwitterやInstagramなどSNSで大きな盛り上がりを見せました。 主人公の春田創一は天空不動産の営業マン。優柔不断でだらしない面もあるダメ男ですが、お人好しで真面目な人柄です。ある日、上司の黒澤部長と後輩の牧凌太の二人から告白され、あまりに予想外の展開に翻弄されることになります。 吉田鋼太郎でなければ成立し得なかった黒澤武蔵というキャラクター、田中圭演じる“はるたん”の可愛さ、思わず応援したくなるほど健気な林遣都の牧と、登場人物のピュアさに心奪われます!視聴者の続編への熱い想いが結実し、2019年には劇場版と連続ドラマ第2弾も制作されます。

2.官能小説家と純情な大学生の純愛物語『ポルノグラファー』

ポルノグラファー
ポルノグラファー

丸木戸マキのBL漫画『ポルノグラファー』を実写化した連続ドラマで、2018年7月にフジテレビオンデマンド(FOD)のオリジナルドラマとして先行配信されました。地上波では関東地区で同年8月から9月までに全6話が放送。SNSで話題となり、FODへの入会者も増えるなど大きな反響を呼び、2019年2月には続編ドラマの製作も発表されました。 官能小説家の木島理生の腕を骨折させてしまった大学生の久住春彦。代わりに口述筆記を請け負うことになりますが、純情な久住はエロティックな妄想を木島に重ねてしまいます。そして、木島との過去を持つ担当編集者の城戸士郎が現れ、焦燥にかられることに。 木島を竹財輝之助、久住を猪塚健太、城戸を吉田宗洋が演じ、続編にも続投しています。2019年春にFOD配信予定の続編は、木島と城戸の過去を描いた『インディゴの気分』の実写化。原作の本編『ポルノグラファー』も、同年2月から続編の連載が始まりました。

3.同性愛者を家族の一員に迎える葛藤を描くホームドラマ『弟の夫』

田亀源五郎の漫画『弟の夫』を原作としたテレビドラマで、2018年3月にNHK BSプレミアム「プレミアムドラマ」枠で全3回が放送されました。主人公の弥一を佐藤隆太、弥一の弟の夫・マイクを元大関の把瑠都が演じています。 折口弥一は小学生の娘・夏菜を育てるシングルファーザー。弥一の双子の弟・涼二にはカナダで結婚した同性の夫・マイクがおり、涼二が亡くなった1ヶ月後、マイクが弥一の元を訪れることから物語は始まります。 同性婚が認められていない日本において、弟の夫を家族の一員として認めて迎えることはなかなか難しいこと。同性愛への偏見や同性婚など社会的なテーマを提示しながらも、受け入れられる温かさを感じるホームドラマになっています。

おすすめBL映画(邦画):人気BL漫画が次々と実写映画化 情緒的な作風多し

日本の映画界では、近年次々と人気BL漫画を原作とした実写映画が制作されています。 テレビドラマよりは規模も全国的ではなく、コアなBLファン向けになる劇場版ですが、それ故により原作の世界観に忠実に描こうとする姿勢も。男同士の恋というテーマを、情緒的に繊細に扱う作品が多いのも特徴です。

4.男二人の究極の共依存を描いたダークBL『ダブルミンツ』

中村明日美子のBL漫画『ダブルミンツ』の実写映画化作品で、淵上泰史とBOYS AND MENの田中俊介がW主演を務めました。原作はBLの中でも、犯罪や暴力を描いた“ダークBL”と呼ばれるジャンル。2017年6月3日に劇場公開されました。 壱河光夫(淵上)と市川光央(田中)は同じ“いちかわみつお”という名を持つ高校の同級生。高校時代は、光央が光夫を“犬”と呼ぶ主従関係にありました。卒業して数年後、突然光央から「女を殺してしまった」という電話を受けた光夫は、その日から共犯として奇妙で新たな関係性を光央と築いていくことになります。 同じ名を持つ二人の主人公の二人が共依存関係を築く物語であり、監督を務めた内田英治は「ふたりの人間の(たまたま男性同士)共依存の極地を描いた傑作」と評しています。映画公開に合わせ、原作の特別編も書き下ろしで雑誌「OPERA」に掲載されました。

5.女装男子と男子高校生の青い恋『宇田川町で待っててよ。』

女装趣味を持つ同級生に一目惚れした男子高校生のラブストーリー『宇田川町で待っててよ。』。秀良子の同名BL漫画の実写映画化で、女装男子の八代を横田龍儀、八代に恋する百瀬を黒羽麻璃央が演じています。 人がごった返す街中で、偶然クライスメイトの八代を発見した百瀬。なぜか女装していた八代を訝しく思いながらも、気にしすぎて悶々とする日々。そして百瀬は、女装した八代に一目惚れしてしまったことに気づいてしまいます。 黒羽も横田も、ジュノン・スーパーボーイ・コンテストで準グランプリや審査員特別賞を受賞した美少年!女装した男子に恋してしまう倒錯した恋愛感情を、初々しい演技で魅せています。

6.高校男子たちの爽やかな思春期と淡い恋『同級生』

中村明日美子のBL漫画『同級生』をアニメ化した映画で、2016年2月に劇場公開されました。原作には続編『卒業生』があり、その後スピンオフ作品『空と原』と『O.B.』も描かれています。 一見対照的な高校生である草壁光と佐条利人。かたや金髪のバンドマン、かたやメガネをかけた優等生で、お互いに交わることなどないと思っていました。しかし合唱祭の練習中、草壁は口パクする佐条を見て興味を抱きます。佐条が音痴を克服しようと放課後一人で練習しているのを知って草壁は練習を手伝うようになり、次第に互いに惹かれていくのでした。 『ダブルミンツ』とは真逆の爽やかな青春を描き、続編も描かれるほど人気のBL作品です。2008年にはドラマCDも発売されており、草壁の声を神谷浩史、佐条の声を野島健児が担当。劇場アニメに二人とも続投しています。

7.辛い過去から傷つくことに臆病になる恋模様『どうしても触れたくない』

ヨネダコウのBL漫画『どうしても触れたくない』を実写映画化した作品で、主人公の嶋俊亜紀を米原幸佑、嶋が恋する上司の外川陽介を谷口賢志が演じました。辛い過去から恋に臆病になっている嶋と、過酷な過去のせいで家族に強い憧れを持つ外川の恋模様を描いています。 前の職場で恋人によってゲイの噂を流されて酷い仕打ちを受けた嶋は、傷つくことを恐れて恋に臆病になっていました。しかし、新しい職場へ初出社した日にエレベーターで出会った外川に、少しずつ惹かれていきます。 ヨネダコウの原作には、嶋と外川を取り巻くサブキャラクターの小野田良と出口晴海の物語を描いたスピンオフ『それでも、やさしい恋をする』もあります。ゲイとノンケの恋というBLらしいテーマと、辛い過去から臆病になるという恋の普遍性が、“泣けるBL”として人気な作品です。

おすすめBLアジア映画:それぞれの国の同性愛事情を映し出す傑作ぞろい

中国や韓国などアジア圏でも、同性愛を扱った映画がいくつも製作されています。 日本でいうBLとは違い、あくまでもそれぞれの国の現実的で社会的な同性愛事情を映し出しているものが多いようです。アジア圏は日本同様、同性愛に対しての理解度は低く、寛容な社会とはいえない点が描き出されています。

8.レスリー・チャンの儚い美しさを堪能する『ブエノスアイレス』

ウォン・カーウァイ監督による同性愛をテーマにした1997年公開の香港映画で、香港映画界のスター俳優だったレスリー・チャンとトニー・レオンが主演を務めました。 香港に住むゲイのカップル、ウィン(レスリー・チャン)とファイ(トニー・レオン)は、香港からは地球の裏側である遠い国アルゼンチンへ旅に出ます。やり直すために来た地でしたが、イグアスの滝へ向かう途中、結局二人はケンカして別れてしまうはめに。その後思わぬ形で再会しますが、やはり二人の気持ちはすれ違いを繰り返すのでした。 同性愛の性的シーンを拒んでいたというトニー・レオンですが、冒頭から激しいベッドシーンも。そして、とにかくレスリー・チャンの儚げな美しさにうっとりすること間違いなし!すれ違うゲイ・カップルの行方は、男女の恋愛にも似て普遍性を感じます。

9.美しい女形に惹かれた実在の王・燕山君を描く『王の男』

2005年に公開された韓国映画『王の男』は、李氏朝鮮時代に実在した王・燕山君とその心を奪った女形・コンギルの物語です。燕山君をチョン・ジニョン、コンギルをイ・ジュンギが演じました。 旅芸人の一座の花形として身を立てたチャンセンとコンギル。首都・漢城へ来て燕山君の風刺芸を披露していたところ捕らえられてしまいますが、なんとかコンギルの機転で罪を許されて燕山君に仕えることに。しかし暴君と悪名高い燕山君の宮中で、重臣の粛清や愛妾チャン・ノクスの陰謀に巻き込まれていきます。 中性的な魅力で女形コンギルを演じたイ・ジュンギは、“綺麗な男”として旋風を巻き起こしました。公開されて46日後には観客動員1000万人を突破し、韓国国内で大ヒットを記録しています。

10.韓国社会における同性愛者の実情を描いた『後悔なんてしない』

自らも同性愛者であることをカミングアウトした韓国の映画監督イソン・ヒイルによる韓国映画で、韓国では2006年、日本では2008年に公開されました。2008年の第17回東京国際レズビアン&ゲイ映画祭で、特別上映された作品です。 地方出身者で孤児院育ちのスミンは、大学進学のために昼は工場、夜は運転代行とダブルワークをこなしていました。運転代行の仕事で知り合った青年ジェミンとは互いに惹かれ合うものの、裕福なジェミンとは身分の差を感じて気持ちがすれ違ってしまいます。 スミンをイ・ヨンフン、ジェミンをイ・ハンが演じています。イ・ハンは2008年までの芸名で、それ以降は本名のキム・ナムギルに改めました。キム・ナムギルは本作での同性愛者役で注目され、その後ドラマ『善徳女王』のピダム役や、『赤と黒』のシム・ゴヌク役などで大きく飛躍しています。

おすすめBL映画(洋画):切なくなるほどの悲恋 情熱的な欧米作品

美少年に恋焦がれる老人を描いた『ヴェニスに死す』や、保守的なイギリスの寄宿舎で恋に落ちる青年たちの物語『モーリス』など、古くから欧米ではいわゆる“美少年”系の作品が多いようです。その系統からあまり逸れることもなく、耽美で情熱的な悲恋を描いた作品を紹介します。

11.美しく聡明な青年たちの一夏の恋模様『君の名前で僕を呼んで』

アンドレ・アシマンの小説『Call Me by Your Name』を原作とした映画で、1983年のイタリアを舞台にした青年たちのラブストーリー。ルカ・グァダニーノが監督を務め、ティモシー・シャラメとアーミー・ハマーが主人公の二人の青年を演じました。 エリオ・パールマン(シャラメ)は17歳で、父は大学教授、母はマルチリンガルの才女という環境で育った早熟な知性を持つ青年。1983年の夏、北イタリアの別荘で過ごすエリオたちのもとに、父のアシスタントとして学生のオリヴァー(ハマー)がやってきます。エリオは知性的なオリヴァーに次第に惹かれていきますが、彼らの夏は6週間しかありませんでした。 エリオを情感豊かに演じた美少年ティモシー・シャラメが、本作で大いに注目を集めました。本作は第90回アカデミー賞で脚色賞を受賞しており、原作の良さを切り取った映像化が評価されています。

12.自分の人生を“おくる”静かな残された時間『ぼくを葬る』

原題を「残された時間」といい、葬ると書いて“おくる”と読むフランス映画『ぼくを葬る』。作家性が高く自らもゲイであることを公表しているフランソワ・オゾン監督による作品で、主人公のロマンをメルヴィル・プポーが演じました。 ロマン・ブロシャンは31歳、パリの人気カメラマン。しかしある日、自身がガンであることを知り、余命3ヶ月と宣告されてしまいます。ロマンが取った行動は、恋人と別れ、家族との関係を修復して残された時間を過ごし、最期を一人で迎えることでした。 ロマンはゲイであり、そのことが家族と疎遠になった原因のよう。一方で代理父を頼まれた見ず知らずのジャニィとは、その願いを受け入れて子をなします。死を目前にしたゲイの選んだ道が一人で死ぬことであっても、自分の命を繋ぎたいという気持ちも捨てきれない葛藤が静かに語られています。

13.ストリート・チルドレンたちの残酷な青春『マイ・プライベート・アイダホ』

ガス・ヴァン・サント監督による青春ロードムービーで、主演をリバー・フェニックスとキアヌ・リーヴスが務めています。1991年に公開されましたが、同性愛をはじめ、売春やドラッグ、近親相姦やナルコレプシー(過眠症のひとつ)など衝撃的な内容が大きな話題となりました。 アメリカのオレゴン州・ポートランドに暮らすマイクとスコット。二人はストリートで生活する男娼でしたが、その生い立ちは対照的でした。マイクは密かにスコットに想いを寄せ、そのうちに二人でマイクを捨てた母親を訪ねる旅に出ることになります。 ショッキングな内容に目が行きがちですが、リバーとキアヌの瑞々しい美しさや、ガス・ヴァン・サント監督特有の詩的な映像美が秀逸な作品です。ストリート生活を余儀なくされている若者たちを、赤裸々に描き出しているのも特筆すべき点でしょう。

14.カウボーイたちの秘めた恋心『ブロークバック・マウンテン』

2005年公開のアン・リー監督によるアメリカ映画で、二人のカウボーイの恋を描いた作品です。主人公のイニスをヒース・レジャー、ジャックをジェイク・ギレンホールが演じました。 1963年の夏、ワイオミング州ブロークバック・マウンテンで、互いに季節労働者として知り合ったイニスとジャック。友情から一線を越えた関係になった二人は、それぞれの家庭を持ちつつも、再会して逢瀬を重ねます。 60年代という時代背景、そしてアメリカ中西部という土地が、その保守性でイニスとジャックの恋を阻みます。劇中にも強烈に描かれていた“ホモフォビア”で、ゲイ差別の深刻な状況も語られました。イニスのジャックへの想いと葛藤に、性別を超えて共感を覚えます。

15.天才詩人ランボーとヴェルレーヌの背徳の恋『太陽と月に背いて』

アニエスカ・ホランド監督によるイギリス映画で、原作はクリストファー・ハンプトンの同名小説です。フランス文学史に名を刻む夭折の天才詩人アルチュール・ランボーと、象徴派詩人ポール・ヴェルレーヌとの破滅的な関係を描いています。ランボーをレオナルド・ディカプリオ、ヴェルレーヌをデヴィッド・シューリスが演じました。 1870年代のパリで文壇に新風を巻き起こしていたヴェルレーヌは、衝撃的な詩が書かれた一通の手紙を受け取ります。それは、まだ未成年なのに早熟した天才ランボーとの出会いでした。二人は道ならぬ背徳の恋に走り、破滅的な人生を歩んで行きます。 ヴェルレーヌは頭の禿げたおじさん、一方ランボーは若々しい美少年ですが、この二人の恋はランボーがヴェルレーヌに恋い焦がれているように描かれています。ランボーが恋したのはヴェルレーヌの見かけではなく、その詩に書かれた魂だったのでしょう。レオ様の麗しき若い姿を目に焼き付けたい方はぜひ!

恋愛に性別は関係なし BLドラマ・映画の魅力に浸ろう

こうして各作品を見てみると、BLあるいは同性愛をテーマにした作品が、いかに恋愛に純粋に向き合っているかがわかります。恋愛といっても異性愛も同性愛も同じで、人を愛することに性別は関係ないとつくづく感じますね。 ただ、BL作品には「他にない障害が多い状況での恋愛」という、プラスアルファがあります。社会的な障害が多い同性の恋愛は、猛烈に恋心を燃やすことも。 また、男女の恋愛よりも精神的な繋がりに重きをおく傾向もあり、魂レベルで繋がっているという崇高さも惹かれる要因かもしれません。BL世界の奥深さ、ぜひ体験してみてください。