2024年3月26日更新

BLドラマ・映画おすすめ人気ランキング32選!国内の作品からアジアBLまで【2024年最新】

このページにはプロモーションが含まれています
『美しい彼』

近年ますます盛り上がりを見せ、1つのジャンルとして確立してきた「BL(ボーイズラブ)」。当初は直球のラブコメなどが多かったものの、作風も多岐化しており、映像が美しいもの、ほっこりするもの、同性愛者としての苦悩がしっかり描かれるもの……と、そのジャンルは様々。 また国内のみならず、タイや韓国などアジアを中心とした海外BL作品も日本とはまたひと味違う面白みがあり、沼にハマる人が急増中です。 本記事では、国内外のおすすめのBL作品を紹介します。知る人ぞ知る作品も選出しているので、あなたにぴったりのBL作品が見つかること間違いなし!

AD

【日本のBLドラマ】おすすめ人気ランキング

1位『みなと商事コインランドリー』(2022年 , 2023年)

胸キュンシーン盛りだくさん!子犬系男子に翻弄される

『みなと商事コインランドリー』
©缶爪さわ・椿ゆず/KADOKAWA/「みなと商事コインランドリー」製作委員会
出演 草川拓弥(超特急) , 西垣匠
脚本 金井純一 , 山下すばる S1:木滝りま
監督 金井純一 S1:湯浅弘章 , 枝優花 S2:北川瞳 , 川崎僚

無料WEBマンガサイト「ジーンピクシブ」で連載され、数々の賞を受賞した漫画・缶爪さわ、原作・椿ゆずによる話題作をドラマ化。 アラサーのコインランドリー「みなと商事」の管理人・湊晃(草川拓弥)。 ある日、イケメン男子高校生・香月慎太郎(西垣匠)が客として訪れ、歳の差を超えて仲良くなります。しかしある日、ふとしたことから湊がゲイであることが慎太郎にバレてしまいました。そこから2人の恋の歯車が勢いよく回り始め……。 俳優業のほかに、超特急のメンバーとしても活躍する草川拓弥が湊晃役でドラマ初主演を果たした本作。駆け引きなしの真っ直ぐでピュアなラブストーリーにキュンキュンが止まりません!

吹き出し アイコン

『ドラゴン桜』の不良役との振り幅に驚きを隠せないほどの名演技を見せている西垣匠がすごい!慎太郎のカッコよさと可愛さが渋滞している。臆病なアラサーの湊に一途な想いをグイグイぶつけてくるし、切なくてもどかしいけど、優しい作品。ゆるキュンなのに心が揺さぶられるシーンも多々あり!敬語だった慎太郎がタメ口になった時の破壊力にやられます。

(30代女性)

AD

2位『消えた初恋』(2021年)

高校生のピュアな恋模様を描いた作品

消えた初恋
出演 道枝駿佑(なにわ男子) , 目黒蓮(Snow Man)
脚本 黒岩勉
監督 草野翔吾 , 宝来忠昭

少女マンガ誌「別マ」こと『別冊マーガレット』に掲載された同名漫画を原作とした、ピュアピュアな青春ドラマ!「なにわ男子」の道枝駿佑&「Snow Man」の目黒蓮というジャニーズ2人がW主演を務めました。 青木想太(道枝駿佑)の初恋の相手は、クラスメイトの橋下美緒(福本莉子)。でも彼女の消しゴムには、「いだくん(ハート)」の文字が。どうやら彼女が好きなのは、同じクラスの井田浩介(目黒蓮)みたいなのでした。 しかも井田に「その消しゴムが青木のもので、青木は井田のことを好きなのだ」と勘違いされてしまい……。 原作は「別マ」として異例のBL作品ではあるものの、一生懸命に恋をする高校生を描いていて「青春漫画」に位置付けたくなるような作品。ほっこり&胸キュンが止まりません!

吹き出し アイコン

原作のピュアな雰囲気をそのまま投影していて、何より青木と井田のキャラクターが漫画から抜け出たような2人の透明感が最高!青木が井田への気持ちに気付いてからの変化と慌てっぷり、井田が青木への想いに気付かない天然ぶりがそれぞれキュンすぎる。キャスティングはこの2人以外考えられないくらいのハマり具合です。

(20代女性)

AD

3位『30歳まで童貞だと魔法使いになれるらしい』(2020年)

#チェリまほで話題!

30歳まで童貞だと魔法使いになれるらしい
©豊田悠/SQUARE ENIX・「30歳まで童貞だと魔法使いになれるらしい」製作委員会
出演 赤楚衛二 , 町田啓太(劇団EXILE)
脚本 吉田恵里香 , おかざきさとこ
監督 風間太樹 , 湯浅弘章 , 林雅貴

SNS上では「#チェリまほ」で、日本のみならず世界中でツイートされるほどの人気を博した王道BLドラマ。チェリまほ効果で主演の赤楚衛二と町田啓太の写真集が重版されたり、赤楚衛二が「Weibo話題俳優賞」を受賞したりとその影響は絶大でした。 童貞のまま30歳を迎えた安達清(赤楚衛二)は、その日からなぜか触れた人の心の声が聞こえるようになり、会社の同僚・黒沢優一(町田啓太)が自分に恋していることを知ります。恋心ダダ漏れの黒沢に、どう接していいのかわからない安達は四苦八苦するばかり! 原作は「ガンガンpixiv」連載の豊田悠による同名BL漫画。安達と黒沢の恋の行方と同じく、ゆうたろう演じるダンサー・綿矢湊と浅香航大演じる小説家・柘植将人の恋にも注目が集まり、スピンオフも制作。 2022年には映画『チェリまほ The Movie ~30歳まで童貞だと魔法使いになれるらしい~』も公開されました!

吹き出し アイコン

原作ファンも納得のキャスティングと内容で、映画版で2人の未来を夢見られたのも感謝。これまたこの2人以外のキャストは考えられない適役です。安達のピュアすぎる天然の可愛さに黒沢ならずともやられてしまう。その黒沢は黒沢で、全然ブレることなく安達一直線なのも良すぎる。サブカップルの行方はもちろん、全推ししたい。

(30代女性)

AD

4位『高良くんと天城くん』(2022年)

若手アイドル主演で話題のゆる甘BL

『高良くんと天城くん』
(C)「高良くんと天城くん」製作委員会・MBS
出演 佐藤新(IMPACTors) , 織山尚大(少年忍者)
脚本 吉野主
監督 吉野主

イラストコミュニケーションサービス「pixiv」に投稿され人気を集めたBL漫画を、「IMPACTors」の佐藤新と「少年忍者」の織山尚大という若手アイドルの2人のW主演で実写化。高校生のリアルな日常と、ちょっともどかしい恋愛をゆるっと描く、可愛くて尊い青春BLです! 明るく純粋な高校生・天城太一(織山尚大)は、女子にモテモテの一軍男子・高良瞬(佐藤新)と同じ環境委員に。2人で草むしりをしている時にふと「好きだな」と声に出てしまい、それと同時に高良への恋心を初めて自覚します。 すると高良は「付き合う?」と返答。2人はクラスメイトや友人たちには秘密で付き合うことになるのです。天城のことが大好きなのに表情が変わらずわかりにくい高良と、明るいが思考の沼に落ちがちな天城、2人のキャラクターがとっても可愛い! アイドルがこんなにやっていいの?と思ってしまうほど濃厚なシーンもあり、BL好き必見の一作です。

吹き出し アイコン

明るく朗らかな高校生の青春BLで、主人公2人のキャラに合わせてポップな感じに仕上げていたのが好感度高し。何といっても2人とも雰囲気ピッタリで、演技の荒削り感はあるものの、顔が良すぎてそこは気にならない。天城の友人・香取くんをはじめ出てくる子たちがみんないい子ばかりで、見ていて心がほんわかしました。

(10代女性)

AD

5位『美しい彼』(2021年)

原作小説を完全再現!

『美しい彼』
出演 萩原利久 , 八木勇征(FANTASTICS from EXILE TRIBE)
脚本 坪田文
監督 酒井麻衣

『流浪の月』で本屋大賞2020受賞を受賞した凪良ゆうによる同名小説をドラマ化。萩原利久とFANTASTICS from EXILE TRIBEの八木勇征が、ダブル主演を務めました。 吃音症に悩む平良一成(萩原利久)は、高校3年の春、クラス替えの自己紹介で思うように言葉を発することができず、学校のカースト頂点に君臨する圧倒的カリスマ・清居奏(八木勇征)のグループにパシリに使われるようになってしまいます。 しかし一目で清居に恋をした彼は、それを気に留めるどころかうれしく思っていました。やがてクラス内で力関係が変わるある出来事をきっかけに、2人の関係は急展開していきます。 2023年には映画も公開され、大注目の作品です。

吹き出し アイコン

清居の美しさに息をのまない人なんているのか?と思うほどの超絶美形。原作小説の世界観をしっかり表現していて、清居を「神」を崇める平良の佇まいもまさにそのまま。ひらきよカップルの何が尊いかといえば、俺様な清居が常に上から目線なのに平良にベタ惚れしていて、平良はそれに気づいていても信じられず清居をヤキモキさせる点!

(20代女性)

6位『きのう何食べた?』(2019年)

絶妙な2人の日常にほっこりする人続出

きのう何食べた?
©「きのう何食べた?」製作委員会
出演 西島秀俊 , 内野聖陽
脚本 安達奈緒子
監督 中江和仁 S1:野尻克己、片桐健滋 S2:松本佳奈、平田大輔

「モーニング」連載のよしながふみによる同名漫画を、西島秀俊と内野聖陽のW主演でドラマ化。テレビ東京系で2019年4月から6月までに全12話が放送されました。2020年1月1日には「正月スペシャル」が放送され、2021年には劇場版が公開される大ヒットぶり。 弁護士の筧史朗(西島秀俊)と美容師の矢吹賢二(内野聖陽)は、お互いを「シロさん」、「ケンジ」と呼び合うゲイのカップル。史朗の部屋で同棲しています。 史朗はゲイであることを隠している一方、賢二はオープンにしており、性格も正反対の2人。将来のために月食費3万円で節約する日々を過ごし、今日も2人でささやかな食卓を囲みます。 倹約家の史朗が作る節約レシピが本作の見どころの1つで、ドラマでも調理シーンには重点を置いているよう。食を通して価値観の違う2人の日常を追い、ゲイカップルならではの葛藤も描写しています。

吹き出し アイコン

シーズン1とスペシャル、そして劇場版からのシーズン2ときて、シロさんとケンジを取り巻く状況が少しずつ変化しているのを見るもの楽しみの1つ。こうして時間の経過を感じられるのは素敵だし、こんな描き方ができるのも中年カップルだからこそ。安定のツンデレサブカップル、小日向とジルベール航とのやり取りも相変わらず最高!

(50代女性)

AD

7位『おっさんずラブ』(2018年)

おっさんのピュアな恋が社会現象を巻き起こす!

おっさんずラブ
出演 田中圭 , 林遣都 , 吉田鋼太郎
脚本 徳尾浩司
監督 瑠東東一郎 S1~S3:山本大輔 , Yuki Saito

管理職のダンディな“おっさん”が部下の男性に恋する『おっさんずラブ』。2016年大晦日にテレビ朝日で放送された単発ドラマが、2018年に連続ドラマとして復活。4月から6月にかけて土曜ナイトドラマ枠で全7回が放送され、TwitterやInstagramなどSNSで大きな盛り上がりを見せました。 主人公の春田創一は天空不動産の営業マン。優柔不断でだらしない面もあるダメ男ですが、お人好しで真面目な人柄です。ある日、上司の黒澤部長と後輩の牧凌太の2人から告白され、あまりに予想外の展開に翻弄されることになります。 吉田鋼太郎でなければ成立し得なかった黒澤武蔵というキャラクター、田中圭演じる“はるたん”の可愛さ、思わず応援したくなるほど健気な林遣都の牧と、登場人物のピュアさに心奪われます!視聴者の続編への熱い想いが結実し、2024年にはシーズン3放送とシリーズ化しています。

吹き出し アイコン

ドラマのシーズン3がまさかの牧春再来で喜びを隠せない!夢の新婚生活が描かれるとあって、今度こそ期待を裏切らないでほしい……!もちろん武蔵さんにも大暴れはしてほしい。制作陣がようやく「おっさんずラブ」とは牧春ありきだとわかってくれたことが嬉しい。すべての始まりであるドラマのシーズン1はぜひ復習しておきましょう。

(40代女性)

AD

8位『飴色パラドックス』(2022年)

正反対の2人が織りなす日本BL最新作

飴色パラドックス
©「飴色パラドックス」製作委員会・MBS
出演 木村慧人(FANTASTICS from EXILE TRIBE) , 山中柔太朗(M!LK)
脚本 波多野都
監督 古厩智之

累計130万部突破の夏目イサクの人気BLコミックをドラマ化した本作。主人公2人を演じたFANTASTICS from EXILE TRIBEの木村慧人とM!LK山中柔太朗は、ともにドラマ初主演を果たしました。 週刊誌記者の尾上聡(木村慧人)は、移動先の張り込み班で同期のカメラマンの蕪木元治(山中柔太朗)とコンビを組むことに。蕪木を密かにライバル視していた尾上は、彼のスクープのためなら手段を選ばないやり方に納得できず衝突ばかり。しかし、ともに事件を追ううちにお互いが気になりはじめ……。 正反対の「ケンカップル」が織りなすラブストーリーに胸キュン間違いなし!

吹き出し アイコン

個人的にはケンカップル大好きですが、演技力がどうも気になってしまう……とはいえ、主人公2人とも顔が良すぎるのでしっかり完走できます。特に最終話はかなり良かったのでリピートしたい。事件が絡んできて、その中で記者とカメラマンという2人の絶妙な距離感は終始楽しめます。年齢的にも若すぎず大人びてもいないのがやはり絶妙。

(10代女性)

9位『オールドファッションカップケーキ』(2022年)

大人の男2人の恋愛模様を描く

ドラマ『オールドファッションカップケーキ』
©2022佐岸左岸/大洋図書/「オールドファッションカップケーキ」製作委員会
出演 武田航平 , 木村達成
脚本 宮本武史
監督 加藤綾佳

佐岸左岸による大人気コミックを実写ドラマ化。 40歳を目前に控える野末(武田航平)は、会社では理解ある上司として慕われていますが、何に対しても興味が持てず、刺激のない退屈な毎日を淡々と過ごしていました。そんななか、部下の外川(木村達成)は、「アンチエイジング」と称して彼を色々な場所に連れ出し、プライベートでも一緒に時間を過ごすようになります。 実は外川は密かに野末に恋心を抱いており、野末も外川と新しい経験を重ねるうちに、抱いたことのない感情が芽生えていきます。 主演を務めたのは、「仮面ライダー」シリーズなどへの出演で知られる武田航平と、2.5次元俳優として活動をはじめ、その後数多くのミュージカルや舞台で活躍している木村達成です。

吹き出し アイコン

外川役の木村達成が想像以上に良かった!舞台だけでなくドラマでの演技も良いのはすごい。ストーリーも25分×5話と短めの構成なのに、良くまとまっていた。劇中に出てくるスイーツがどれも美味しそうで、ロケ地のお店を巡りたいくらい。高校生や大学生の青春BLが多い中で、大人の恋愛も素敵だな~イケおじ最高!と思えた。

(30代女性)

AD

10位『Life 線上の僕ら』(2021年)

人を愛することへの苦しみと葛藤を描く

Life 線上の僕ら
(C)「Life 線上の僕ら」製作委員会
出演 白洲迅 , 楽駆
脚本 山本タカ
監督 二宮崇

「BLアワード2018年」コミック1位、「このBLがやばい!2018年度版」4位にランクインした常倉三矢原作による名作コミックの実写ドラマ化。思春期から大人に成長するにしたがって、人を愛することの苦さを描いた感動のラブストーリーです。 下校途中のひとり遊び「白線ゲーム」で、偶然出会った伊東晃(白洲迅)と西夕希(楽駆)。恋に落ち、「白線の上だけの逢瀬」にもどかしさを覚えた晃は、夕希にキスしてしまい……。その後2人は付き合うようになり、高校生から大学生、そして社会人へと成長していきます。 変わらない想いと変わっていく現実の狭間で、誰しもが経験する人を愛する喜びや苦しみを描き出す本作。「泣けるBLドラマ」として話題になりました。

吹き出し アイコン

原作は涙腺崩壊の名作中の名作ですが、ドラマ版も素晴らしかった!夕希役の楽駆がフワッとした不思議な雰囲気をまとっていて、そこも良かった。なかなか青春BLは大人になる現実まで描かないのに、この作品はその成長をしっかり追っていて、まさに2人の「Life」を描いていて感動。リアルになりすぎず、かといって非現実的でもないラインが絶妙です。

(40代女性)

AD

11位『ポルノグラファー』(2018年)

官能小説家と純情な大学生の純愛物語

出演 竹財輝之助 , 猪塚健太
脚本 三木康一郎
監督 三木康一郎

丸木戸マキのBL漫画『ポルノグラファー』を実写化した連続ドラマで、2018年7月にフジテレビオンデマンド(FOD)のオリジナルドラマとして先行配信されました。 地上波では関東地区で同年8月から9月までに全6話が放送。SNSで話題となり、FODへの入会者も増えるなど大きな反響を呼び、2019年2月には続編ドラマの製作も発表されました。 官能小説家の木島理生の腕を骨折させてしまった大学生の久住春彦。代わりに口述筆記を請け負うことになりますが、純情な久住はエロティックな妄想を木島に重ねてしまいます。そして、木島との過去を持つ担当編集者の城戸士郎が現れ、焦燥にかられることに。 木島を竹財輝之助、久住を猪塚健太、城戸を吉田宗洋が演じ、続編にも続投しています。木島と城戸の過去を描いた続編『インディゴの気分』は、FODで配信中。原作漫画の本編『ポルノグラファー』も、同年2月から続編の連載が始まりました。

吹き出し アイコン

軽めな青春BLドラマが多い中、主人公がポルノ作家ということもあって濡れ場が過激。官能小説を竹材輝之助のイケボで聴かされ、濡れ場とストーリー展開が半々という攻めた構成です。主人公2人の演技力が高く、物語の部分も良く、映像が美しい映画のような作品。続編と映画版はその後の幸せな2人を描いているのでぜひ。

(30代女性)

AD

【日本のBL映画】おすすめ人気ランキング

日本の映画界では、近年つぎつぎと人気BL漫画を原作とした実写映画が制作されています。 テレビドラマよりは規模も全国的ではなく、コアなBLファン向けになる劇場版ですが、それゆえより原作の世界観に忠実に描こうとする姿勢も。男性同士の恋というテーマを、情緒的に繊細に扱う作品が多いのも特徴です。

1位『エゴイスト』(2023年)

2人の男のヒューマンドラマ

『エゴイスト』(2023年)
© 2023 高山真・小学館/「エゴイスト」製作委員会
出演 鈴木亮平 , 宮沢氷魚
脚本 松永大司 , 狗飼恭子
監督 松永大司

エッセイスト・高山真の自伝的小説『エゴイスト』を原作に、『トイレのピエタ』などで知られる松永大司監督がメガホンをとった本作。ドキュメンタリータッチの映像で、登場人物たちの親密な関係や愛ゆえに生まれる葛藤を繊細に描きます。 東京の出版社でファッション誌の編集者として働く斎藤浩輔(鈴木亮平)は、シングルマザーの母を支えながら暮らすパーソナルトレーナーの中村龍太(宮沢氷魚)に出会います。惹かれ合った2人は、ときに龍太の母も交えながら、満ち足りた時間を過ごしていました。しかし彼らの前に突然、思いも寄らない運命が押し寄せ……。 リアルなベッドシーンも話題になりましたが、相手のために自分はなにを、どこまでしてあげられるのか。それは本当に愛なのかという普遍的なテーマが感動を呼ぶ作品です。

吹き出し アイコン

龍太の儚げな美しさを体現している宮沢氷魚と、完璧なまでに浩輔を“生きている”鈴木亮平に脱帽。原作を知らないまま観ていると、あまりに突然の悲劇に絶句してしまいます。しかしその後のパートこそがこの作品の命であり、やはり鈴木亮平の演技に魅了されてしまう。男女問わず、こんな風に人を愛することができるのかと考えさせられます。

(40代女性)

AD

2位『窮鼠はチーズの夢を見る』(2021年)

体当たりで挑んだ共依存BL

映画「窮鼠はチーズの夢を見る」
©水城せとな・小学館/映画「窮鼠はチーズの夢を見る」製作委員会
出演 大倉忠義(SUPER EIGHT) , 成田凌
脚本 堀泉杏
監督 行定勲

ジャニーズ所属の大倉忠義がBL映画に主演し、相手役を成田凌が務めたことで大きな話題となった作品。「NIGHTY Judy」連載の水城せとなによる同名漫画が原作で、その完結編『俎上の鯉は二度跳ねる』の内容も組み込まれています。 既婚者であるサラリーマン・大伴恭一は、言い寄ってくる女性と浮気してしまう優柔不断な性格。そんな彼の前に、その不倫調査をしている今ヶ瀬渉が現れます。今ヶ瀬は実は大伴の大学の後輩でした。今ヶ瀬は不倫を隠す条件として、大伴の体を要求。拒否した大伴の家に今ヶ瀬が転がり込み、段々と彼のペースに引き込まれていきます。 誰にも本気になれないプレイボーイな大伴を大倉忠義が飄々と演じ、大学時代から大伴だけを一途に想い続けてきた今ヶ瀬の切なさを成田凌が好演しています。大胆なベッドシーンにも挑戦しており、2人の関係が「リバ」であることも表現されていました。

吹き出し アイコン

原作漫画の綺麗な絵を見慣れていると実写版には疑問符しかつかないけれど、これは納得のキャスティング。ずっと本気で大伴が好きな今ヶ瀬だからこそ、どの行動も切なすぎる……!性格上、大伴に共感する点は少ないかもしれない。とはいえ彼は彼なりの葛藤があって、それをきちんと表現している大倉忠義もやはり只者ではない。

(30代女性)

3位『さんかく窓の外側は夜』(2021年)

新感覚!BL×ホラー

『さんかく窓の外側は夜』
©2021映画「さんかく窓の外側は夜」製作委員会 ©Tomoko Yamashita/libre
出演 岡田将生 , 志尊淳
脚本 相沢友子
監督 森ガキ侑大

「MAGAZINE BE×BOY」連載のヤマシタトモコによる同名ホラー漫画を、岡田将生と志尊淳のW主演で映画化。キーパーソンとなる女子高生「ヒウラエリカ」を平手友梨奈、霊が見える書店員・三角康介を志尊淳、クールな除霊師・冷川理人を岡田将生が演じています。 書店員の三角は、幼い頃から霊が見えることに悩まされ、成人してもおびえる日々を過ごしていました。そんなある日、彼の才能を見抜き、近づいてきたのは除霊事務所を営む除霊師・冷川。助手となった三角は、1年前の連続殺人事件に「ヒウラエリカ」という人物が絡んでいることを知ります。 三角と冷川の関係性は「運命の魂」というもので、いわばソウルメイトのよう。除霊作業をする時は冷川が魂に直接触れるため、三角は“気持ちよく”なるのですが、映画ではその設定は反映されていませんでした。その代わりに2人の魂が触れ合うという、映画オリジナルの展開が魅力です。

吹き出し アイコン

原作漫画とはまた違った描き方で、キャスティングを含め映画版の良さがある。冷川と三角の関係性が特に気になるところで、最終的に“魂が触れ合う”という描き方にしていたのは良かった。除霊の仕方も原作と映画で違う点で、オカルトよりのホラーな原作とは違って超常現象のような方向性で表現されていたのも映画版ならでは。

(50代女性)

4位『ダブルミンツ』(2017年)

男2人の究極の共依存を描いたダークBL

ダブルミンツ 淵上泰史 田中俊介
(C)2017「ダブルミンツ」製作委員会 (C)中村明日美子/茜新社
出演 淵上泰史 , 田中俊介
脚本 内田英治
監督 内田英治

中村明日美子のBL漫画『ダブルミンツ』の実写映画化作品で、淵上泰史とBOYS AND MEN(当時)の田中俊介がW主演を務めました。原作はBLの中でも、犯罪や暴力を描いた“ダークBL”と呼ばれるジャンル。2017年6月3日に劇場公開されました。 壱河光夫(淵上)と市川光央(田中)は同じ“いちかわみつお”という名を持つ高校の同級生。高校時代は、光央が光夫を“犬”と呼ぶ主従関係にありました。 卒業して数年後、突然光央から「女を殺してしまった」という電話を受けた光夫は、その日から共犯として奇妙で新たな関係性を光央と築いていくことになります。 同じ名を持つ主人公の2人が共依存関係を築く物語であり、監督を務めた内田英治は「ふたりの人間の(たまたま男性同士の)共依存の極地を描いた傑作」と評しています。映画公開に合わせ、原作の特別編も書き下ろしで雑誌「OPERA」に掲載されました。

吹き出し アイコン

原作漫画が好きすぎてずっと手を付けられずにいたものの、いざ観てみたら完全に杞憂だった。もちろん主人公2人の見た目は原作とは全然似ていないけど、演技が良かったからか観ていくうちにハマっていった。犯罪絡みの共依存というテーマが重すぎるのに、なぜかそこまでの関係性はさすがに身近にないせいか憧れすらある。

(30代女性)

5位『宇田川町で待っててよ。』(2015年)

女装男子と男子高校生の青い恋

出演 黒羽麻璃央 , 横田龍儀
脚本 金杉弘子
監督 湯浅典子

クロスドレッサーの(男性で女装をする)同級生に一目惚れした男子高校生のラブストーリー『宇田川町で待っててよ。』。秀良子の同名BL漫画の実写映画化で、女装男子の八代を横田龍儀、八代に恋する百瀬を黒羽麻璃央が演じています。 人がごった返す街中で、偶然クライスメイトの八代を発見した百瀬。なぜか女装していた八代を訝しく思いながらも、気にしすぎて悶々とする日々。そして百瀬は、女装した八代に一目惚れしてしまったことに気づいてしまいます。 黒羽も横田も、ジュノン・スーパーボーイ・コンテストで準グランプリや審査員特別賞を受賞した美少年!女装した男子に恋してしまう倒錯した恋愛感情を、初々しい演技で魅せています。

吹き出し アイコン

たまたま設定が際どいものの、中身は実は普通の恋愛もの。お互いに求めるものが一致している八代と百瀬が出会って影響し合っていく様子は性別関係なく、それこそ出会うべくして出会った唯一無二の2人。ただ、女装のクオリティが今一つだったのが気になるところでした。LGBTQの良作なので、今の時代に合う形でリメイクしても良いかも。

(20代女性)

6位『同級生』(2016年)

高校男子たちの爽やかな思春期と淡い恋

同級生 中村明日美子
C)中村明日美子/茜新社・アニプレックス
声優 野島健児 , 神谷浩史
脚本 -
監督 中村章子

中村明日美子のBL漫画『同級生』をアニメ化した映画で、2016年2月に劇場公開されました。原作には続編『卒業生』があり、その後スピンオフ作品『空と原』と『O.B.』も描かれています。 一見対照的な高校生である草壁光と佐条利人。かたや金髪のバンドマン、かたやメガネをかけた優等生で、お互いに交わることなどないと思っていました。 しかし合唱祭の練習中、草壁は口パクする佐条を見て興味を抱きます。佐条が音痴を克服しようと放課後1人で練習しているのを知って草壁は練習を手伝うようになり、次第に互いに惹かれていくのでした。 『ダブルミンツ』とは真逆の爽やかな青春を描き、続編も描かれるほど人気のBL作品です。2008年にはドラマCDも発売されており、草壁の声を神谷浩史、佐条の声を野島健児が担当。劇場アニメに2人とも続投しています。

吹き出し アイコン

原作漫画特有の水彩画のような淡く繊細な色味が、アニメ版でも美しく表現されていて良かった。世界観も忠実に再現されていて、同性愛が当たり前になっているような世界が素敵。作画と音楽がとても美しく、原作のファンでも満足いく仕上がりになっていると思います。もちろん声優のキャスティングにも大満足!

(30代女性)

7位『どうしても触れたくない』(2014年)

辛い過去から傷つくことに臆病になる恋模様

出演 米原幸佑(RUN&GUN) , 谷口賢志
脚本 高橋ナツコ
監督 天野千尋

ヨネダコウのBL漫画『どうしても触れたくない』を実写映画化した作品で、主人公の嶋俊亜紀を米原幸佑、嶋が恋する上司の外川陽介を谷口賢志が演じました。辛い過去から恋に臆病になっている嶋と、過酷な過去のせいで家族に強い憧れを持つ外川の恋模様を描いています。 前の職場で恋人によってゲイの噂を流されて酷い仕打ちを受けた嶋は、傷つくことを恐れて恋に臆病になっていました。しかし、新しい職場へ初出社した日にエレベーターで出会った外川に、少しずつ惹かれていきます。 ヨネダコウの原作には、嶋と外川を取り巻くサブキャラクターの小野田良と出口晴海の物語を描いたスピンオフ『それでも、やさしい恋をする』もあります。ゲイとノンケの恋というBLらしいテーマと、辛い過去から臆病になるという恋の普遍性が、“泣けるBL”として人気な作品です。

吹き出し アイコン

原作漫画はスピンオフも含めヘビロテ必至の名作なので、いざ実写化となると観るのに覚悟が……!外川役の谷口賢志と嶋役の米原幸祐、それぞれが自然体で抑えた表情の演技が良い。ベッドシーンはもう少し何とかならないのかとは思いつつ、この作品がBL実写化の波の初期に作られたことを思えば察して余りある。

(40代女性)

【タイBL】おすすめ人気ランキング

韓流や華流ドラマのようなブームとなり、日本でも勢いを増している新ジャンル「タイBL」。タイ制作のBLドラマで、2010年代後半からSNSを中心に世界的な盛り上がりを見せています。ここでは、タイBLのおすすめドラマを紹介します!

1位『2gether』(2020年)

世界中で大バズり

『2gether』 ワチラウィット・チワアリー(ブライト)、メータウィン・オーパッイアムカジョーン(ウィン)
©GMMTV COMPANY LIMITED, All rights reserved
出演 メータウィン・オーパッイアムカジョーン(ウィン) , ワチラウィット・チワアリー(ブライト)
脚本 ジレッティレイン
監督 S1:ウィーラチット・トーンジラー S2:ノッパナッ・チャウィモン

タイ本国では、2020年2月から全13話が放送された『2gether』。第5話放送後にはTwitter世界トレンド1位を獲得した、2020年の大ヒット作です。ヒットを受けて、同年8月には続編『Still 2gether』も放送されています。 プレイボーイなのに恋愛がうまくいかない大学生のタイン。そんな彼に、ゲイの同級生グリーンが猛アタックを仕掛けてきます。そこでタインは、大学1のイケメンであるサラワットを偽装彼氏に指名!恋人のフリをするうちにある感情が芽生え始めます。 タインを演じるウィンは天然でキュート、サラワットを演じるブライトは硬派なイケメン。初めは冷たい態度を取っていたサラワットが、徐々にタインへの想いを抑えきれなくなっていく様子がツンデレで最高です!

吹き出し アイコン

初めてのタイドラマ、初めてのBLドラマだったけど、爽やかすぎて全然気にせず観れた。好きになったのがたまたま同性だったという感じで、愛に性別は関係ない!というのが最高に良かった。何より周りの人たちも男同士の恋愛に否定的でないのが、優しい世界観で良い。日々ブライトウィンのことしか考えられないくらいハマった!

(20代女性)

2位『SOTUS/ソータス』(2016年)

タイBLの名作

SOTUS/ソータス シントー クリス
©GMM TV CO., LTD. All right reserved.
出演 シントー・プラチャヤー・レァーンロード , クリス・ピーラワット・シェーンポーティラット
脚本 ビタースイート
監督 S1:リット・サマジャーン S2:ジェーン・ボッタ

全15話で2016年に放送された、タイBLの金字塔的ドラマ。その人気は衰えず、2017年には続編『SOTUS S The Series』も制作され、主演を務めたクリスとシントーは、アジア各国でファンミーティングも開いています。 新入生を迎える場で「SOTUS」という組織について聞かされた工学部のコングポップ(シントー)。ソータスのリーダーであるアーティット(クリス)が命じた無理難題に反論し、目を付けられてしまいます。しかし何をされても懲りないコングポップは、なぜかアーティットに猛烈にアプローチし始め……。 『花より男子』のようなシチュエーションで、年下わんこ×ツンデレ先輩のカップリングが展開する王道BL。先輩と後輩の成長物語としても楽しめ、続編では社会人となったアーティットと新リーダーを務めるコングポップのその後が描かれています。

吹き出し アイコン

SOTUS制度がいかにも昭和のスポ根な感じで、理不尽に切れる体育会系ドラマかと思って挫折しそうになりましたが、アーティット先輩の可愛さに気付いてからはもう沼。美形の優等生タイプでスパダリの後輩コングポップ、そんな年下わんこ後輩に徐々にほだされていくツンデレ先輩アーティット……BLの定番中の定番で安心感しかない設定!

(30代女性)

3位『TharnType/ターン×タイプ』(2019年)

BL中級者向け!キスシーンが素晴らしい

TharnType/ターン×タイプ ミュー・スパシット ガルフ・カナウット
Me Mind Y Co., Ltd. (C)all rights reserved
出演 カナウット・トライピパタナポン(ガルフ) , スパシット・ジョンチーウィーワット(ミュー)
脚本 オーラワン・ウィチャヤワナクン(MAME) S1:ビチャヤポーン・サックル , ワナ・コルトゥニヤワ
監督 S1:バンティット・シンタナパーラディー S2:カナウット・トライピパタナポン

2019年10月に全12話が放送され、ベストカップル賞とベストキスシーン賞を受賞した話題作。2020年11月からは、続編『TharnType2 -7Years of Love-』も放送されました。2018年のBLドラマ『ラブ・バイ・チャンス/Love By Chance』の原作者MAMEの小説が原作であり、世界観も繋がっています。 スポーツ科学専攻、サッカー部所属の大学1年生のタイプ。音楽専攻でドラムを演奏するターンとルームメイトになりますが、ターンがゲイであることがわかると、タイプは彼を追い出そうとします。実はタイプは、ある理由からゲイ嫌いになっていました。 タイプ役のガルフとターン役のミューは、ワークショップを含めて1000回以上も唇を重ねたとか!そこから生み出された数々のキスシーンは本作1の見どころです。ラブシーンもリアリティを追求しているので、BL中級者向けかも?

吹き出し アイコン

爽やかな『2gether』を先に観たせいか、かなり大人なキスシーンがあってドッキドキした。タイプの性格に最初イライラして見ていたけど、最終的には素直になれないツンデレという感じで結局可愛い。しかも顔が良すぎるので、悪いところは全部まるまる受け入れ態勢ができたりする。ターンが一途だし、優しすぎる……。

(30代女性)

4位「WHY R U? (ホワイ・アー・ユー)」(2020年)

BL小説に書かれたことが現実に?

『WHY R U?』
©Mandeework
出演 スパポン・ウドムケーオカンチャナー , プルック・パーニット
脚本 Candy On , AoftionDMD
監督 タナミン・ウォンスクンパット

2020年にタイで放送された『Why R U ?(ホワイ・アー・ユー)』。 大学生のゾンはある日、いけ好かないイケメンのサイファーとケンカをしている最中に事故でキスをしてしまいます。それを見ていたゾンの妹ソルは、2人を恋人同士にしたBL小説を執筆。 するとその日以降。ソルのBL小説にカップルとして描かれた人々が次々と小説通りになっていき、ゾンは自分もサイファーとカップルになってしまうのでは、と恐れはじめ……。 メインカップルであるゾンとサイファー、ファイターとチューターは、それぞれ犬猿の仲だった2人が惹かれ合っていく姿に胸キュン!情熱的なラブシーンも多く、見どころ満載です。

吹き出し アイコン

セクシーなファイ×ターとピュアなサイファー×ゾン、2組のカップルがメインで展開するのは面白かった。ただしゾンのヒゲが濃いのと、ストーリーがとっちらかってるのが気になる。後半はラブシーン多めなので、苦手な人は要注意&そこが目当ての人は前半がんばって!ターが「ラブ・バイ・チャンス」の時より演技が上手くなってる!

(40代女性)

\おすすめのタイBLが知りたい人に/

【アジアBL】おすすめ人気ランキング

中国や韓国などアジア圏でも、同性愛を扱った映画がいくつも製作されています。 日本でいうBLとは違い、あくまでもそれぞれの国の現実的で社会的な同性愛事情を映し出しているものが多いようです。アジア圏では日本同様、同性愛に対しての理解度は低く、寛容な社会とはいえない点が描き出されています。

1位『ブエノスアイレス』(1997年) 

レスリー・チャンの儚い美しさを堪能

『ブエノスアイレス』 レスリー・チャン トニー・レオン
©1997, 2008 Block 2 Pictures Inc. All Rights Reserved.
出演 レスリー・チャン , トニー・レオン
脚本 ウォン・カーウァイ
監督 ウォン・カーウァイ

ウォン・カーウァイ監督による同性愛をテーマにした1997年公開の香港映画で、香港映画界のスター俳優だったレスリー・チャンとトニー・レオンが主演を務めました。 香港に住むゲイのカップル、ウィン(レスリー・チャン)とファイ(トニー・レオン)は、香港からは地球の裏側である遠い国アルゼンチンへ旅に出ます。 やり直すために来た地でしたが、イグアスの滝へ向かう途中、結局2人はケンカして別れてしまうはめに。その後思わぬ形で再会しますが、やはり2人の気持ちはすれ違いを繰り返すのでした。 同性愛の性的シーンを拒んでいたというトニー・レオンですが、冒頭から激しいベッドシーンも。そして、とにかくレスリー・チャンの儚げな美しさにうっとりすること間違いなし!すれ違うゲイカップルの行方は、男女の恋愛にも似て普遍性を感じます。

吹き出し アイコン

公開当時に映画館へ観に行ったけれど、冒頭のベッドシーンに度肝を抜かれたことを思い出す。ただでさえ美しいレスリー・チャンが、わがままで美しいゲイの男を演じているという何とも言えないキャスティングと、その相手役がトニー・レオンだなんて!観ないわけにはいかない!と意気込んでいた記憶が。異国の地の映像もとても美しかったです。

(50代女性)

2位『王の男』(2005年)

美しい女形に惹かれた実在の王・燕山君を描く

出演 イ・ジュンギ , チョン・ジニョン
脚本 チェ・ソクファン
監督 イ・ジュンイク

2005年に公開された韓国映画『王の男』は、李氏朝鮮時代に実在した王・燕山君とその心を奪った女形・コンギルの物語です。燕山君をチョン・ジニョン、コンギルをイ・ジュンギが演じました。 旅芸人の一座の花形として身を立てたチャンセンとコンギル。首都・漢城へ来て燕山君の風刺芸を披露していたところ、捕らえられてしまいますが、なんとかコンギルの機転で罪を許されて燕山君に仕えることに。 しかし暴君と悪名高い燕山君の宮中で、重臣の粛清や愛妾チャン・ノクスの陰謀に巻き込まれていきます。 中性的な魅力で女形コンギルを演じたイ・ジュンギは、“綺麗な男”として旋風を巻き起こしました。公開されて46日後には観客動員1000万人を突破し、韓国国内で大ヒットを記録しています。

吹き出し アイコン

女形役のイ・ジュンギの美しさにひたすらひれ伏す。作品としては実在の暴君・燕山君の伝記的な要素がメインで、BLかというと男色テイストはほぼない芸術作品。とはいえコンギルが男の後ろに隠れて手を震わせていたり、助けをただ待っている悲しげな姿はあまりにも眼福。王がコンギルに執着する理由、その生い立ちは悲しい。

(50代女性)

3位『後悔なんてしない』(2006年)

韓国社会における同性愛者の実情を描く

出演 キム・ナムギル , イ・ヨンフン
脚本 イソン・ヒイル(李宋喜一)
監督 イソン・ヒイル(李宋喜一)

自らも同性愛者であることをカミングアウトした韓国の映画監督イソン・ヒイルによる韓国映画で、韓国では2006年、日本では2008年に公開されました。2008年の第17回東京国際レズビアン&ゲイ映画祭で、特別上映された作品です。 地方出身者で孤児院育ちのスミンは、大学進学のために昼は工場、夜は運転代行とダブルワークをこなしていました。運転代行の仕事で知り合った青年ジェミンとは互いに惹かれ合うものの、裕福なジェミンとは身分の差を感じて気持ちがすれ違ってしまいます。 スミンをイ・ヨンフン、ジェミンをイ・ハンが演じています。イ・ハンは2008年までの芸名で、それ以降は本名のキム・ナムギルに改めました。キム・ナムギルは本作での同性愛者役で注目され、その後ドラマ『善徳女王』のピダム役や、『赤と黒』のシム・ゴヌク役などで大きく飛躍しています。

吹き出し アイコン

韓国版『ブエノスアイレス』といった印象で、あるいはフランス映画『愛人/ラマン』を思い出す。しかしそれらにも劣らないと思える素晴らしい作品で、雰囲気のある映画。ジェミン役のキム・ナムギルが劇的に可愛い!スミンがバーで働くようになってから成長していく様子が自然で、格好良くなっていくのがすごかった。終わり方も完璧。

(40代女性)

【欧米BL】おすすめ人気ランキング

美少年に恋焦がれる老人を描いた『ヴェニスに死す』や、保守的なイギリスの寄宿舎で恋に落ちる青年たちの物語『モーリス』など、古くから欧米ではいわゆる“美少年”系の作品が多いようです。 その系統からあまり逸れることもなく、耽美で情熱的な悲恋を描いた作品を紹介します。

1位『君の名前で僕を呼んで』(2017年)

『君の名前で僕を呼んで』
(C) Frenesy, La Cinefacture

美しく聡明な青年たちの一夏の恋模様

出演 ティモシー・シャラメ , アーミー・ハマー
脚本 ジェームズ・アイボリー
監督 ルカ・グァダニーノ

アンドレ・アシマンの小説『Call Me by Your Name』を原作とした映画で、1983年のイタリアを舞台にした青年たちのラブストーリー。ルカ・グァダニーノが監督を務め、ティモシー・シャラメとアーミー・ハマーが主人公の2人の青年を演じました。 エリオ・パールマン(シャラメ)は17歳で、父は大学教授、母はマルチリンガルの才女という環境で育った早熟な知性を持つ青年。1983年の夏、北イタリアの別荘で過ごすエリオたちのもとに、父のアシスタントとして学生のオリヴァー(ハマー)がやってきます。 エリオは知性的なオリヴァーに次第に惹かれていきますが、彼らの夏は6週間しかありませんでした。 エリオを情感豊かに演じた美少年ティモシー・シャラメが、本作で大いに注目を集めました。本作は第90回アカデミー賞で脚色賞を受賞しており、原作の良さを切り取った映像化が評価されています。

吹き出し アイコン

絵に描いたような美しい青年同士のひと夏の恋。しかもティモシー・シャラメが初々しい!彼のファンでまだ未見ならば絶対に観るべき作品です。年上の知的な青年に憧れを抱くエリオを瑞々しく演じていて、やや積極的なところも絶品。オリヴァーが一足先に「大人」になっていき、1人残されていくエリオの感情もとても繊細に演じていました。

(30代女性)

2位『マティアス&マキシム』(2020年)

グザヴィエ・ドラン最新作

『マティアス&マキシム』
© 2019 9375-5809 QUÉBEC INC a subsidiary of SONS OF MANUAL
出演 ガブリエル・ダルメイダ・フレイタス , グザヴィエ・ドラン
脚本 グザヴィエ・ドラン
監督 グザヴィエ・ドラン

カナダの若き天才監督グザヴィエ・ドランの2020年の新作映画で、監督自身がマキシム役で出演し、脚本・製作も務めています。カナダ・ケベック州を舞台に、友情と恋の間で揺れる2人の青年の葛藤を描いた作品です。 30歳になったマティアス(ガブリエル・ダルメイダ・フレイタス)とマキシムは幼馴染み。2人で友人の短編映画に出演することになりますが、それはキスシーンを伴うものでした。 これをきっかけに、2人の心に友情以上の感情が芽生え始め、婚約者を持つマティアスは混乱します。マキシムは友情が崩れることを恐れ、オーストラリアへ旅立とうとしていました。 グザヴィエ・ドランが自身の監督作に出演するのは、『トム・アット・ザ・ファーム』以来6年ぶり。舞台のケベックは彼の地元であり、彼の友人たちも出演しています。本作制作のきっかけは『君の名前で僕を呼んで』に感動したことからだったとか!

吹き出し アイコン

劇中の音楽が素晴らしく、特に感情の起伏がピアノの旋律で表現されていたのが美しい。グザヴィエ・ドラン監督がマキシム役を演じていますが、揺れる感情表現も素晴らしかったし、映像美も印象的でやはり若くして引退するには惜しい才能!友情と恋心の間で揺れ動く複雑な心境が、彼らの視線や仕草から伝わって心が揺さぶられた。

(30代男性)

3位『ぼくを葬る』(2005年)

自分の人生を“おくる”静かな残された時間

出演 メルヴィル・プポー , クリスチャン・センゲワルド
脚本 フランソワ・オゾン
監督 フランソワ・オゾン

原題を「残された時間」といい、葬ると書いて“おくる”と読むフランス映画『ぼくを葬る』。作家性が高く自らもゲイであることを公表しているフランソワ・オゾン監督による作品で、主人公のロマンをメルヴィル・プポーが演じました。 ロマン・ブロシャンは31歳、パリの人気カメラマン。しかしある日、自身がガンであることを知り、余命3ヶ月と宣告されてしまいます。ロマンが取った行動は、恋人と別れ、家族との関係を修復して残された時間を過ごし、最期を1人で迎えることでした。 ロマンはゲイであり、そのことが家族と疎遠になった原因のよう。一方で代理父を頼まれた見ず知らずのジャニィとは、その願いを受け入れて子をなします。死を目前にしたゲイの選んだ道が1人で死ぬことであっても、自分の命を繋ぎたいという気持ちも捨てきれない葛藤が静かに語られています。

吹き出し アイコン

余命宣告を受ければ誰でも動揺するし、何をしたらよいのかわからなくなるところ、この作品の主人公はゲイということもあってか、恋人とも別れて1人で死ぬことを選択。本心を打ち明けられるのが祖母だけというのも、本当に頼れる人が他にいない孤独を感じた。それでもすべてをやり尽くして、納得できる最期を迎えたい気持ちは伝わってきた。

(40代男性)

4位『マイ・プライベート・アイダホ』(1991年)

ストリート・チルドレンたちの残酷な青春

出演 リバー・フェニックス , キアヌ・リーブス
脚本 ガス・ヴァン・サント
監督 ガス・ヴァン・サント

ガス・ヴァン・サント監督による青春ロードムービーで、主演をリバー・フェニックスとキアヌ・リーヴスが務めています。1991年に公開されましたが、同性愛をはじめ、売春やドラッグ、近親相姦やナルコレプシー(過眠症のひとつ)など衝撃的な内容が大きな話題となりました。 アメリカのオレゴン州・ポートランドに暮らすマイクとスコット。2人はストリートで生活する男娼でしたが、その生い立ちは対照的でした。マイクは密かにスコットに想いを寄せ、そのうちに2人でマイクを捨てた母親を訪ねる旅に出ることになります。 ショッキングな内容に目が行きがちですが、リバーとキアヌの瑞々しい美しさや、ガス・ヴァン・サント監督特有の詩的な映像美が秀逸な作品です。ストリート生活を余儀なくされている若者たちを、赤裸々に描き出しているのも特筆すべき点でしょう。

吹き出し アイコン

ナルコレプシーでいきなり眠ってしまうマイクがなんとまあ美しいこと!確かに衝撃的な要素が多く同性愛を描いたシーンもありますが、それよりもガス・ヴァン・サント監督が撮る感覚的な映像美に意識が持っていかれます。真逆な環境で育ったスコットとマイクの関係性の変化と、マイクの自分探しの旅がメインで、秀逸なロードムービーです。

(50代女性)

5位『ブロークバック・マウンテン』(2005年)

ブロークバック・マウンテン、ヒース・レジャー
© 2005 Focus Features, LLC. All Rights Reserved.

カウボーイたちの秘めた恋心

出演 ヒース・レジャー , ジェイク・ギレンホール
脚本 ラリー・マクマートリー , ダイアナ・オサナ
監督 アン・リー

2005年公開のアン・リー監督によるアメリカ映画で、2人のカウボーイの恋を描いた作品です。主人公のイニスをヒース・レジャー、ジャックをジェイク・ギレンホールが演じました。 1963年の夏、ワイオミング州ブロークバック・マウンテンで、互いに季節労働者として知り合ったイニスとジャック。友情から一線を越えた関係になった彼らは、それぞれの家庭を持ちつつも、再会して逢瀬を重ねます。 60年代という時代背景、そしてアメリカ中西部という土地が、その保守性でイニスとジャックの恋を阻みます。劇中にも強烈に描かれていた“ホモフォビア”で、ゲイ差別の深刻な状況も語られました。イニスのジャックへの想いと葛藤に、性別を超えて共感を覚えます。

吹き出し アイコン

今は亡きヒース・レジャーの繊細な名演を堪能できる名作。同性愛を許容するはずもないカウボーイ社会で、お互いに自然に惹かれ合っていくイニスとジャックの想いの強さがまず泣ける。こんな純愛、実は男女の間では本当に難しいのでは?ホモフォビアは実際のところ、自分が疑われるのが怖い裏返しの攻撃だとも思えるので、隠れゲイは多い気がします。

(40代女性)

6位『太陽と月に背いて』(1995年)

天才詩人ランボーとヴェルレーヌの背徳の恋

出演 レオナルド・ディカプリオ , デヴィッド・シューリス
脚本 クリストファー・ハンプトン
監督 アニエスカ・ホランド

アニエスカ・ホランド監督によるイギリス映画で、原作はクリストファー・ハンプトンの同名小説です。 フランス文学史に名を刻む夭折の天才詩人アルチュール・ランボーと、象徴派詩人ポール・ヴェルレーヌとの破滅的な関係を描いています。ランボーをレオナルド・ディカプリオ、ヴェルレーヌをデヴィッド・シューリスが演じました。 1870年代のパリで文壇に新風を巻き起こしていたヴェルレーヌは、衝撃的な詩が書かれた一通の手紙を受け取ります。それは、まだ未成年なのに早熟した天才ランボーとの出会いでした。2人は道ならぬ背徳の恋に走り、破滅的な人生を歩んで行きます。 ヴェルレーヌは頭の禿げたおじさん、一方ランボーは若々しい美少年ですが、この2人の恋はランボーがヴェルレーヌに恋い焦がれているように描かれています。ランボーが恋したのはヴェルレーヌの見かけではなく、その詩に書かれた魂だったのでしょう。レオ様の麗しき若い姿を目に焼き付けたい方はぜひ!

吹き出し アイコン

『ギルバート・グレイプ』を観てディカプリオ天才!となった後、この作品に出合ったことで完全にレオの魅力にハマりました。既婚者のヴェルレーヌにグイグイ迫る未成年の早熟な天才ランボー、当時のレオ様にこんなピッタリな役柄を本当にありがとう!ランボーの早熟さと破天荒さがあまりにも適役。なんとちゃんとベッドシーンもあります。

(50代女性)

7位『フィリップ、君を愛してる!』(2009年)

実話に基づいたラブコメディ

出演 ジム・キャリー , ユアン・マクレガー
脚本 グレン・フィカーラ , ジョン・レクア
監督 グレン・フィカーラ , ジョン・レクア

愛する妻子と平穏な生活を送る警察官のスティーブ。しかしある日交通事故で瀕死の重傷を負った彼は、自分の人生を見つめなおし、妻に自分はゲイだと告げて家を出ます。 詐欺で荒稼ぎして贅沢な生活を送っていたスティーブは、逮捕され収容された刑務所でフィリップという青年に出会い恋に落ちますが……。 実話をもとにした本作は、ジム・キャリーとユアン・マクレガーがゲイのカップルを演じたことでも話題に。マクレガーのかわいすぎる演技に注目です。

吹き出し アイコン

この物語が実話だということに驚きを隠せない!こんな純愛が実際にあるなんて……!ジム・キャリーの演技も素晴らしいけれど、何よりもユアン・マクレガーの可愛さが大爆発。『トレインスポッティング』やオビ=ワンからは想像つかない、まさか演技でこんなに可愛らしく見えるとは。ラブコメディではあるものの、最終的には感動もする。

(50代女性)

2024年に放送予定の新作BLドラマ

『BLドラマの主演になりました』

『BLドラマの主演になりました』
©︎すずり街/一迅社/テレビ朝日
出演 阿部顕嵐(7ORDER) , 阿久津仁愛(C.I.A.)
脚本 遠山絵梨香
監督 熊坂出

すずり街の人気BL漫画を実写ドラマ化。ある超人気BL漫画が実写化されることになり、W主演に抜擢されたのは、今を時めく人気イケメン俳優・赤藤優一郎と、昔ブレイクした元子役で今はパッとしない俳優・青柳萌の2人でした。 役作りのために同棲生活を始めるも、青柳にそっけない態度を取る赤藤。それはなんと、赤藤が青柳に抱いている重すぎる愛を隠しているからで……。 赤藤を演じるのはボーイズグループ「7ORDER」のメインボーカルで、ドラマ『近キョリ恋愛〜Season Zero〜』(2014年)で主演を務めた経験を持つ阿部顕嵐。青柳役は、『ミュージカル・テニスの王子様3rdシーズン』(2016年)で主演の越前リョーマ役に抜擢されるなど舞台中心に活躍する阿久津仁愛です。 「クランクイン編」が2024年1月1日に地上波で放送され、全3話の「クランクアップ編」が2023年12月24日からTELASAで配信されます。

『パーフェクトプロポーズ』

出演 金子隼也 , 野村康太
脚本 宮本武史
監督 宝来忠昭

鶴亀まよの大ヒットBL漫画を実写化。上司のパワハラと激務に悩み眠れない日々を送る社畜リーマン・渡浩国は、ある日謎めいた青年に声をかけられます。「俺のこと忘れたの?結婚まで約束した仲なのに」。 青年は、浩国が中学生の時に仲良くしていた小学生・深谷甲斐でした。甲斐と同居することになった浩国は、家事能力抜群な彼のおいしい手料理に心と身体を癒されていきます……。人生に疲れたリーマンと、彼を愛で包み込む年下男子の再会から始まる純愛ストーリーです! 浩国役は『ウルトラマントリガー NEW GENERATION TIGA』(2021年)などで注目を集める金子隼也。甲斐役は、ドラマ『silent』(2022年)に出演していた野村康太が演じます。地上波では、フジテレビで2024年4月7日より放送スタート。FODでは全6話が配信されています。

魅力がいっぱい!BLドラマ・映画のおすすめ人気ランキング

こうして各作品を見てみると、BLあるいは同性愛をテーマにした作品が、いかに恋愛に純粋に向き合っているかがわかります。 愛の描き方も、男女の恋愛よりも精神的な繋がりに重きをおく傾向があり、魂レベルで繋がっているという崇高さも惹かれる要因かもしれません。BL世界の奥深さ、ぜひ体験してみてください。