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【あたそ連載スタート!】たまにはいかが?バッドエンドなガチ鬱展開映画

2017年9月6日更新

フォロワー9万越えの謎の会社員、あたそ。ライターとしても活躍する彼女は、実は大の映画好きなんです。そんなあたその映画コラムがciatrでスタート!!!初回は「なぜか観てしまう」という鬱映画について語って頂きました。要チェックですよ!

はじめまして! あたそです。

あたそさんサムネ
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こんにちは。初めまして。あたそという者です。変な名前ですよね。 普段は会社員として働きながら、記事の執筆やトークイベントなどを行っています。好きな飲み物はビールと日本酒。好きなつまみは、もつ煮とエイヒレに、ニラ玉と厚揚げ。 本日から、月に一度ciatrにてコラムを連載させていただくことになりました。どうぞよろしくお願いいたします。

鬱展開映画はお好きですか?

さて、皆さんはどんな映画が好きですか?洋画?それとも邦画?ホラー?ファンタジー?人によって様々な好みがあるでしょう。 私は、洋画も邦画も分け隔てなく見ています。でも、なんだかんだ暗くて後味が悪く、少々分かりにくい映画ばかりに夢中になってしまう傾向にあるような気がします。 せっかくお金を払って2時間くらい暗闇の中にぶち込まれるのに、ひとつの作品が観終わるくらいには、いつもいつも暗く悲しい気持ちになっている……。「私、なんでこんな気持ちになるためにお金を払っているのだろう……。」と思うこともあるけれど、しばらくするとその気持ちすらも消え失せ、再び落ち込むための一本を鑑賞しているのです。ただ学習能力のない馬鹿な気もするんだけど……。

ダウナーな映像美!思春期のどうしようもなさに引き込まれる

例えば、岩井俊二監督の『リリイ・シュシュのすべて』はものすごく好きな作品だったりします。最近話題になっていた『打ち上げ花火、下から見るか?横から見るか?』の原作者でもありますね。 基本的に映画は一度限りしか観ないのだけれど、この作品はなぜか何度も観たくなってしまいます。本当にいい!最高に死にたくなる!(笑) 田舎での閉塞感が息苦しく描かれ、自分がもう二度と思い出したくはないはずの中学生だった頃の記憶がよみがえるようなストーリー。Salyuの心地よい歌声とダウナーで美しい映像もたまらないです。観た後は、無気力になってしばらく思考が停止するというか、どうしようもない気持ちが胸を覆います。個人的には蒼井優ちゃん。援助交際を強いられている役なんですけど、ここまで観る人を追い詰めるような演技をするとは……。 当時14歳の市川隼人が主演を務めていて、またこれが可愛いんだ!今見返すと、有名な役者が出揃っており、幼い頃の姿・演技を観ることができるのでそういう視点で観ても面白いかも。

最悪なエンディングよ……観た後に後悔すればいい!

ついこの間、やっと観ることのできたキム・ギドクの『嘆きのピエタ』もどうしようもない気持ちになりました。この映画は、ヴェネツィア国際映画祭で金獅子賞を取った作品でもあります。 消費者金融の取り立てをしている男の前に、母親を自称する女が現れるところから話が始まっていく。私は元々家族の在り方や血の繋がりに興味を持っていて、この映画も母と息子の関係にスポットが当てられていて、2人の関係がどんどん変化していく様子が凄く面白い。 キム・ギドクの作品って大抵悲惨な話が多い気がするんだけど、その中にもちゃっかりユーモアが挟み込まれているので、飽きないし、見ごたえがあります。 また、韓国映画らしいい「いや!あり得ないだろう!」という大げさな設定も多く見られます。そこだけクリアできれば、気が付けば息を呑むのも惜しいくらい魅力に取りつかれ、ズブズブと引き込まれてしまうはず。 あとは、最後のシーンに頭を真っ白にさせてしまえばいい!「なんでよ!」と、叫びたくなっちゃう。この映画を観終わった時、久々に「私、もう二度とこの映画観たくない……。」って思ったもん! 誰が悪いのか?救いはどこにあったのか?この悲劇はどう食い止めるべきだったのか?どうすることもできなかった悲しい結末が待っています。

悲しい結末の映画も、非現実体験のひとつ

どちらの作品も、どうしようもない絶望感にしばらくの間包まれるんだけれど、でも観ちゃう。 明るい気持ちになる映画は、自分の想像力を超えていかないと思っている節が私にはあります。だって、自分の好きなことをしていればそれだけで楽しい気持ちになるし、私は好きなことが多いからそれだけ簡単にプラスに働きかける気持ちになるんですよね。 昔からしらみつぶしのように映画以外でも様々な作品を見ていると、なんとなく想像がつくようになります。展開が自分の思ったようにいかなくても、自分がどんな心境になるのか、それなりにわかる。ま、いい歳だからね。自分のことくらい自分がよく分かってる、はず。多分。 でも、マイナスの気持ちにさせるような作品には、私の知らない感情が至るところに転がっている気がします。凄い。想像をどんどん超えていく。『リリイ・シュシュのすべて』だって、『嘆きのピエタ』だってそう。 鑑賞前後の気持ちの振り幅が恐ろしいくらいに大きく、見終わった後にどっと襲ってくる脱力感。いつも、自分にはこんな気持ちが余っていたのか……!とハッとすることもある。 自分が今まで知らなかった世界を見ることができるという点では、どんな作品でも同じ体験ができるのだろうけど、悲しさ・絶望感、そういったマイナスの感情は色んな作品を見ることによって、どんどん深さが増していくのです。 自分に人生の中でこれだけの気持ちを呼び起こせる瞬間って、まずないでしょう。ない方が絶対にいいんだけど。できたら毎日楽しく過ごしたいし、ずっと幸せがいいし。 プラスの気持ちだけだと、心の平行感覚が崩れてしまって、なかなかうまく生活ができないこともあります。気持ちを落ち着かせて、毎日上手く生きていけるように、バランスよく悲しい気持ちも摂取していくのです。 だから、お金を払って映画を観て、マイナスの気持ちに包まれる感覚を取り戻しにいくのです。「なんか悲しい気持ちになりたいなあ」とか「あんまり幸せ感の溢れるものに触れたくないなあ」なんて時に。 人におすすめされる映画って、ハッピーエンドを迎える作品ばかりですが、たまには鬱展開を迎えるバッドエンドな作品もいかがでしょうか?ただ、見たあと必ず死にたくなりますけど……!

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横浜在住。よくものをなくす。会社員をしつつ、執筆やトークイベントなどを行っています。音楽以外には、焼き鳥やもつ煮の美味しい居酒屋、辺鄙な地へのひとり旅、ヒロインがぶっとんでる漫画、女々しい小説、退屈な映画、甘めのシーシャなどが好き。 twitterはコチラ!⬇︎ https://twitter.com/ataso00