2018年1月7日更新

世界的アクションスター、ジャッキー・チェンはなぜ凄いのか?【カンフー・ヨガ公開】

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60歳を超えてもなお精力的に活動するジャッキー・チェン

ハリウッド長者番付(俳優部門)で2年連続で第2位にランクインされた、アジアが誇るスーパースターのジャッキー・チェン。2016年にはその体を張ったアクション・スタントが映画界に多大な功績を遺したとして、アカデミー賞名誉賞を受賞したのは記憶に新しいところです。 年齢も60代となりながらも、精力的に映画製作を続けるジャッキー。2017年には日本でも主演映画が3本も公開されるなど、健在ぶりをアピールしました。

2017年に公開されたジャッキー主演映画

日本軍との緊迫かつコミカルな攻防を描く大列車ミッション【6月16日公開】

第2次世界大戦下の中国。ゲリラ部隊「レイルロード・タイガース」が、物資支援の手段として鉄道を利用する日本軍の妨害を企てます。しかし、その計画を知った日本軍との列車内での攻防が勃発するのでした。 1950年代から何度も中華圏で実写及びマンガ化されてきた小説を映画化。日本軍が敵となるためにどうしても抗日映画と見られがちですが、そこはジャッキー映画。『大列車強盗』を彷彿とさせる、痛快アクションコメディとして楽しめます。

刑事とサギ師コンビが繰り広げるドタバタ・バディ・ムービー【9月1日公開】

相棒を殺した犯罪王を捜索する刑事ベニー。ですがその報復として相棒の娘サマンサを誘拐されてしまいます。ベニーはサマンサ救出のため、事態を知るアメリカ人サギ師のコナーを追ってロシアへと向かいますが……。 ジャッキーと『ジャッカス』での体当たりギャグで人気を博したジョニー・ノックスヴィルがコンビを組み、世界を股に逃亡劇を繰り広げるバディ・ムービー。「ラッシュアワー」シリーズに負けず劣らずなコンビネーションぶりを発揮します。

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ジャッキーとボリウッドが融合!お宝求めて世界を巡るアドベンチャー【12月22日公開】

約100年前に消えてしまった秘宝を求め、ジャッキー扮する考古学者がインドをはじめ世界各国を股に冒険を繰り広げます。歌やダンスがてんこ盛りなインド映画に、ジャッキーアクションが融合したエンターテインメントあふれる作品です。ドバイでの高級車を駆使したカーアクションも見どころの、2018年お正月に家族揃って楽しめる内容となっています。 これら3作以外にも、ブロックの「レゴ」をモチーフにしたアニメ映画『レゴ ニンジャゴー ザ・ムービー』に出演するなど、2017年は近年にも増してジャッキーが日本のスクリーンに登場しました。

ジャッキー・チェンが映画作りに影響を受けたフィルムメーカーたち

一連のジャッキー・チェンのアクションやスタントの源流は、チャールズ・チャップリン、バスター・キートン、ハロルド・ロイドといったサイレント映画時代のスターにあります。セリフがないからこそ動きで感情を表現する。『キートンの蒸気船』、『ロイドの要心無用』などでの体を張ったシーンを、彼は自身の作品にオマージュを捧げて引用しています。 他にも、『カトマンズの男』や『リオの男』といったジャン=ポール・ベルモンド主演作品の影響を受けていたり、フランク・キャプラ監督の『ポケット一杯の幸福』を『奇蹟/ミラクル 』としてリメイクするなど、ジャッキーの映画への造詣の深さが伺えます。

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ジャッキー・チェンをリスペクト&オマージュするフィルムメーカーたち

ジャッキーアクションを多用するマイケル・ベイ監督

アクション映画界に多大なる影響を遺してきたジャッキー。当然ながらそんな彼をリスペクトし、オマージュを捧げるフィルムメーカーは世界各国にいます。 その筆頭に挙げられるのがマイケル・ベイ監督です。例えば『バッドボーイズ2バッド』での急斜面の住宅街を車で急降下するシーンは、ジャッキーの『ポリス・ストーリー/香港国際警察』のそれを模倣しています。他にも「トランスフォーマー」シリーズのいくつかで、ジャッキー映画のアクションやスタントを引用しています。

「キングスマン」シリーズのアクションの源流はジャッキーにあり!

また、『キック・アス』や「キングスマン」シリーズなどのマシュー・ヴォーン監督作でアクション・コーディネイターを務めるブラッドリー・ジェームス・アランは、元々ジャッキーのスタントチームに所属していた経歴を持ちます。このように、ジャッキーが撒いたアクションの種は、着実に世界の映画人を育てているのです。

ジャッキー映画に通底するテーマは「争いは良くない」!?

実はジャッキー映画の特徴は、練りに練られたアクションやスタントだけではありません。彼が中心となって製作した作品には、「無益な争いは良くない」というテーマが含まれているのも特徴だったりします。特に1990年代後半以降に彼が中国・香港で製作した作品には、それが顕著となっています。 例えば中華民族とローマ帝国と戦う『ドラゴン・ブレイド』では、派手な剣術アクションを描く一方で民族同士や人種間の争いの悲しさや虚しさを綴っています。『ラスト・ソルジャー』でも、戦を好まない一兵士と敵将軍を通じ、戦争からは何も生まれないというメッセージを内包しています。 また、『NEW POLICE STORY/香港国際警察』や『ポリス・ストーリー/レジェンド』のように、敵対人物も何かしらの事情ゆえに悪事に走るといった背景を設けたりもしています。

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ジャッキー自薦のアクション&スタントが観られる作品

ジャッキーは、自伝『I AM JACKIE CHAN―僕はジャッキー・チェン 初めて語られる香港帝王の素顔』において、危険なスタントを行った作品や、激しいファイトシーンを撮った作品をそれぞれ10本ずつ挙げています。ここではそのいくつかを抜粋。

ジャッキーアクションの代名詞、時計塔からの落下スタント!

20世紀初頭の香港を舞台に警察と海賊との戦いを描いた、ジャッキーの代表作ともいえる作品です。『ロイドの要心無用』のオマージュでもあり、一番の話題となった25メートルの時計塔からの落下シーンは3回も実行した上に、落下した時に負った後遺症は2年も続いたとか。

現役のキックボクシング王者との息詰まるファイトが必見!

スペイン・バルセロナを舞台に、ジャッキー、サモ・ハン・キンポー、ユン・ピョウの3人が、謎の組織に追われる美女を救うべく奮闘するカンフーアクション。本作での、ジャッキーと元アメリカンキックボクシング世界王者ベニー・ユキーデとのバトルは屈指の名勝負と云われており、ジャッキー本人も自伝の中でベストファイティングに挙げています。 もちろんコレオグラフィーがある前提の上でのファイトとはいえ、本職の闘いのプロであるユキーデと堂々と渡り合えるジャッキーの身体能力に驚かされます。

傾斜ビルを命綱ナシですべり下り!亡き恩師に捧げた決死のスタント!

南アフリカで記憶喪失になった男が、自分が誰なのかを追求していくスパイ・アクション。この作品のクライマックスにおいてジャッキーは、ロッテルダムにあるヴィレムスワーフビルの、90メートルにも及ぶガラス張りの急斜面(ツイッターに写るビルの傾斜部分)を、命綱なしで滑り落ちています。 斜面からちょっとでも体がズレると確実に死につながるスタント。ジャッキーはこのシーンの撮影の際、数日前に亡くなった少年時代の京劇学校の恩師に捧げて挑んだことを明かしています。

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日本公開に期待!今後のジャッキー・チェン主演作

ジャッキーが復讐に燃える父親を怪演!『The Foreigner』(原題)

マーティン・キャンベル監督、ピアース・ブロスナン共演という布陣で製作された『The Foreigner』(原題)。娘を爆破テロで失ったジャッキー扮する元特殊部隊員の父親が、復讐のためにテロにつながりがある関係者たちの命を狙うというハードな内容です。これまでにない強烈な役どころのジャッキーが見られるとして、大きな話題を集めました。

ジャッキー初のSFアクション大作『Bleeding Steel』(原題)

中国では12月22日に公開された『Bleeding Steel』(原題)。ジャッキーとしては初のSFアクションとなり、オーストラリア・シドニーオペラハウスを舞台にバトルが繰り広げられます。

『ナミヤ雑貨店の奇蹟』の中国版『Miracles of the Namiya General Store』(原題)

東野圭吾のハートフルストーリー『ナミヤ雑貨店の奇蹟』が、中国でも実写映画化。邦画版では西田敏行が演じた雑貨店店主役を、老けメイクを施したジャッキーが演じています。中国版ではどのようにアレンジされているのか、気になるところです。

ジャッキーとシュワルツェネッガーの本格共演作『Journey to China』(原題)

ジャッキーとアーノルド・シュワルツェネッガーが共演する『Journey to China』(原題)。2014年のロシア製ファンタジーアドベンチャー『レジェンド・オブ・ヴィー 妖怪村と秘密の棺』の続編にあたります。両者は2004年の『80デイズ』に出演していますが、本格共演はこれが初となります。

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ジャッキーとスタローンの本格競演作も準備中!

他にも、ジャッキーとシルヴェスター・スタローンの本格共演作となる『Ex-Baghdad』(仮題)が控えています。さらにはプロデュースを手がけたSFスリラー『リセット 決死のカウントダウン』の日本公開も決定するなど、2018年以降のジャッキー・チェンにも目が離せません!