2018年2月23日更新

異業種監督が作った傑作映画7選【芸人、画家、音楽家、etc】

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『ノクターナル・アニマルズ』

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異業種監督が作り上げた個性的な映画

映画スターには、俳優のみならず歌手活動などのマルチな活躍をしている人が少なくありません。その逆で、俳優として多くの映画に出演しているミュージシャンなども多くいます。 それでも、映画監督が出来る人間となると、かなり数が限られてくるんじゃないでしょうか。監督という大変な仕事をこなすには、映画を専門にしている人間以外は厳しいのかもしれません。 しかし、本業以外に映画監督としても実績を残している才能の持ち主も確かに存在します。今回は、そんな異業種の人物が手掛けた名作をご紹介! 各人の個性が表れた作品には、映画ファンでも唸らされるかもしれませんよ!

「世界のキタノ」の代表作!『ソナチネ』

日本を代表するコメディアンであると同時に、映画監督としても世界的に評価されているビートたけしこと北野武。脚本や編集、そして多くの作品では主演も務め、唯一無二のオリジナリティを持った映画人として、「キタニスト」と呼ばれるファンを獲得しました。 そんな彼の名を世界に知らしめた作品が、1993年の『ソナチネ』です。沖縄を舞台に抗争に巻き込まれたヤクザ達の生と死を描き出し、クエンティン・タランティーノにも賞賛されました。 バイオレンスと芸術性を両立させた、北野映画を代表する名作です。

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有名デザイナーならではのセンスが光る『ノクターナル・アニマルズ』

ファッションデザイナーとして大成功し、日本でも自身のブランドを展開しているトム・フォードも、映画監督のキャリアを順調に積み重ねています。 監督デビュー作となった2009年の『シングルマン』でデザイナーならではのセンスが評価され、監督2作目の『ノクターナル・アニマルズ』で更に評価を高めました。 満たされぬ生活をしている主人公に、別れた夫から送られてきたのは謎めいた自作の小説。彼女の人生と小説の内容が交互に描写され、徐々に不気味に混じりあっていきます。 視聴者に解釈を委ねる展開と、迫力の映像美が特徴的なスリラーです。

これぞ寺山修司ワールド!『書を捨てよ町へ出よう』

多彩な活動によって、昭和の日本のアンダーグラウンド芸術を築き上げた寺山修司。詩や脚本、評論などの多くのメディアで膨大な量の作品を生み出したアーティストです。 2017年には小説『あゝ、荒野』が映画化されるなど、戦後日本の若者文化に多大な影響を与えた人物として、衰えぬ人気を保っています。 その才能は映画監督としても発揮され、1971年の『書を捨てよ町へ出よう』は海外の映画祭で賞を獲得しました。青春のやり場のないエネルギーに振り回される若者たちを、実験的な手法で生々しく描きます。 難解ながら、寺山修司の世界を知る上で欠かせない作品です。

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現代美術家が作り上げた隠れた傑作『バスキア』

現代美術好きなら、ジュリアン・シュナーベルという名前を聞いたことがある人もいるかもしれません。 1980年代以降の現代美術における重要人物であり、陶器をキャンバスに貼り付けるという個性的な方法で作り上げる絵画作品で知られています。また、自身の経験を活かした『バスキア』をはじめ、映画監督としても有名です。 本作は若くして亡くなった芸術家バスキアの伝記映画であり、彼の成功と破滅が語られます。バスキアと親交のあったシュナーベルだからこそ作れた、芸術家の苦悩をリアルに表現した作品です。 伝記映画ということもあり、シンプルで観やすい隠れた名作。

ヴィンセント・ギャロの伝説のデビュー作『バッファロー'66』

本業が何なのか分からないほどマルチに活躍しているヴィンセント・ギャロ。ミュージシャン、俳優、画家、そして映画監督と活動の場は広く、どの分野でも結果を残している鬼才です。 作品の賛否両論が激しい彼の監督デビュー作となった『バッファロー'66』も、一筋縄ではいきません。 ヴィンセント演じる粗暴な男と、彼に無理やり連れまわされることになったヒロインが、次第に惹かれ合っていくラブストーリー。シナリオ自体はシンプルですが、ヴィンセントの天才肌が発揮された独特の映像とテンポが醸し出す雰囲気が、作品をオンリーワンなものにしています。

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世界で初めて『美女と野獣』を映画化したのは、あの詩人

ジャン・コクトーといえば『恐るべき子供たち』などで知られる、フランスを代表する詩人です。しかし、脚本家や映画製作者としても活躍していたことはあまり語られません。 そんな彼の監督作を代表するのが、1946年の『美女と野獣』。ディズニーのイメージが強い作品ですが、1740年に執筆された原作を初めて映画化したのは本作です。 ディズニーとは異なったシリアスなストーリーは、『美女と野獣』ファンには新鮮に感じられるでしょう。物語だけでなく、野獣の凝ったメイクや城の内装など、クラシック映画とは思えないほど美しい映像も見所です。

大御所ホラー小説家が自身で手掛けたヒット作『ヘル・レイザー』

スティーヴン・キングと並び、ホラーやダークファンタジー小説の大家として世界中にファンを持つクライヴ・バーカー。多くの彼の作品は映画化されており、彼自身も脚本や製作に深く関わっています。 その中でも、ホラー映画史に残るキャラクター「ピンヘッド」を輩出した『ヘルレイザー』は、7作以上に渡ってシリーズ化されたヒット作です。 解くと究極の快楽を得られるというパズルによって引き起こされる邪悪な事件を、スプラッター描写満載で描いたホラーファンタジー。グロテスクな映像は人を選びますが、普通のホラーとは一味違ったオリジナリティ溢れる衝撃作です。

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異業種でも良い映画は作れる!

いかがだったでしょうか。例え映画だけを専門にしていなくても、人を引き付ける作品が出来ると分かりますね。 異業種だからこその自由な発想や経験に基づいた映画作りは、映画ファンにとっては新鮮に感じるかもしれません。自分の映画観を広げるために、今回ご紹介したような作品を観るのも良いんじゃないでしょうか。 映画だけでなく、違う分野への興味も広がるかもしれませんよ!