2018年3月3日更新

『キング・オブ・エジプト』チャドウィック・ボーズマンも出演するエジプトSF映画

アメリカで公開されるや否や、あまりにも不評すぎてイギリスでの公開が中止となったと言われている伝説的映画『キング・オブ・エジプト』。エジプトの神話をモチーフにした(?)今作は、深く考えずに感じるタイプの映画!?『キング・オブ・エジプト』とは一体何なのか!?

『キング・オブ・エジプト』は駄作?それとも超大作?

2016年に日本で劇場公開されるも、興収であまり良い成績を出す事が出来なかった作品『キング・オブ・エジプト』。神々と人間が共存する古代エジプトを舞台に、繰り広げられるアクション超大作……と思いきや、今日ではB級作品として親しまれています。 駄作という評価も多い『キング・オブ・エジプト』、一体どのようにして楽しむのか?今作の見所をご紹介します。 超合神

エジプト神話をモチーフにして……あれ?【あらすじ】

時は古代エジプト。黄金の都では、神と人間が共存し、生命の神であるオシリスが統治していました。そして彼の息子である、天空の神であるホルスが王位を継ごうとした時、オシリスの兄弟である暴君セトが儀式を邪魔。それだけでなく、オシリスを殺し、ホルスの力の源である両目を抉りとって王位に立つのです。 その様子を見ていた人間の盗人ベックは、恋人のザラと共にホルスが復活し、セトを倒す事を願っていました。そして遂に、セトが奪ったホルスの目を盗んで、彼に再び力を与えようとするのです。

神は人間の1.5倍サイズ、名前は神話に基づいていて、変身するとロボ

ここまでのあらすじで、なんとなく神々の名前が実際のエジプト神話に基づいている事から、今作自体もそうなのかと思いますよね。だがしかし、今作はエジプト古代映画というよりは、エジプトSF映画なのです。 まず、神々の容姿が特徴的。人間の1.5倍ぐらいのサイズ感で、ちょっと大きいです。そして血が金です。目を抉られるシーンでも、刺されるシーンでも、黄金が溢れ出てくるというグロくない仕様となっています。 名前もそうですが、愛の神ハトホル、知恵の神トトと、神話に基づく神々が登場するのも事実。ただ、強い気を持ち息子を立派に育てるはずのホルスの母イシスは、オシリスを失ったことで自殺。また、ハトホルやトトは目を失ったホルスの治療を真っ先にする神だったはずが、今作では中盤まで彼を助けるどころかセトに脅かされ、保身にはしります。

実際のエジプト神話との相違もありますが、何より今作の神の特筆すべき点は“変身”です。そう、人間と同じ容姿の神々が、神の姿に変身するシーンが多々登場するのですが、それがもう完璧にロボ。ビジュアルとしてはクールやもしれませんが、ここでやはり古代エジプトという設定とは噛み合ず、エジプトSFと考えたほうが納得感が持てるのです。

『キング・オブ・エジプト』は、ホルスの目を盗んだ盗人の物語?【ネタバレ注意】

セトに追われた彼を探しに行く、今作の主人公である盗人ベックの事も忘れてはいけません。彼にはザラという恋人がいて、彼らはセトが統治するまでは仲睦まじく共に過ごしていました。ところが、セトが王座に座った時から、ベックは奴隷となり、二人は一目を忍んで逢瀬を繰り替えすようになります。彼らはホルスが再び力を取り戻し、セトを倒す事を望んでいたのですが、それを実現するにはセトが抉ったホルスの目を奪い、ホルス自身に渡さなければならない。 そこで、ベックが「俺が盗んでくるよ!」という具合に神殿に忍び込んで、片目を盗み、恋人と合流して逃げる際に「俺がどんだけこれを盗むのに苦労したと思うよ〜」と調子に乗っていると、隣にいた恋人が弓矢に打たれて即死するという急展開を迎えます。 実は、恋人を失う事でベックがホルスに目を渡しにいくだけでなく、死者の世界から恋人を奪還するという新たなミッションが課せられるのです。その後、彼は無事ホルスを見つけ出し、エジプトを救うだけでなく恋人も救ってくれと頼むのですが……。

『ブラックパンサー』の陛下こと、チャドウィック・ボーズマンが出演

チャドウィック・ボーズマン
Tony Forte/WENN

2018年3月に単独映画が公開された『ブラックパンサー』。ブラックパンサーであり、ワカンダの国王を演じるチャドウィック・ボーズマンが実は今作に出演していたのです!彼はホルスの教育係であった知恵の神トト役として登場。映画の中盤では、ホルスとベックに協力してスフィンクスの謎掛けに挑戦し打ち破るなど、活躍します。

実は豪華キャスト!『ゲーム・オブ・スローンズ』やマーベル好き必見?

マーベル好きであれば、今作はキャスティングの点で魅力的かもしれません。先述のチャドウィック・ボーズマンだけでなく、愛の神ハトホルを演じるのは『Marvel デアデビル』で主人公の恋人エレクトラを演じるエロディ・ユン。 さらに、ホルスを演じるのは『ゲーム・オブ・スローンズ』のジェイミーでお馴染みのニコライ・コスター=ワルドー。そして暴君セトをジェラルド・バトラーが演じ、オスカー俳優であるジェフリー・ラッシュがラーを演じます。

『キング・オブ・エジプト』の吹き替えキャストにも注目!

尚、今作は吹き替えキャストにも注目していただきたいです。ホルスを演じるのは、ベテラン声優の中村悠一。ベックを演じるのは、Kis-My-Ft2に所属する玉森裕太です。 アイドルであり俳優として活躍する彼は、今作の声優を務める際に「アクションシーンで実際に身体を動かしながら声をあてた」と話しています。

『キング・オブ・エジプト』はSF映画として観ると楽しい!

とにもかくにも、今作は古代エジプト映画というより、SF映画として観る方が断然おすすめ。死者の世界にある、あの世へ続く門は何であんなに近未来なの!?オシリスとセトの父、太陽の神ラーの居場所は何であんなに宇宙なの!?考えれば考える程、振りまわされてしまう、それが『キング・オブ・エジプト』。 これは、考えるのではなく、感じる映画といっても過言ではありません。後にセトはオシリスの心臓、奪ったホルスの全知の目とトトの脳みそを自分の身体に融合させ、“超合神”となるのです。その様子はまさに、ロボットが新たなパーツを取り組んでいるかのよう。 ホルスとセトのバトルシーンは、もはや神々の戦いというよりかはロボとロボとの戦いと捉えると俄然胸がアツくなるはずです。神をモチーフにしたロボット……うん、かっこいい、胸熱ですね。 細かい事は気にしない、プロットも気にすると負け、とにかくこのスケールの大きいエジプトSF作に身を委ねてほしい限りです。