2018年3月11日更新

【映画界の新機軸?】すぐ見れる傑作短編映画10選【だいたい10分以下!】

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魅力的な短編映画の世界!

安価なビデオカメラやスマートフォンの登場により、映画制作という行為はより身近なものになりました。日本でも、自主制作映画のコンテストは多く開催されており、未来の名監督などが切磋琢磨しています。 そんなインディーズ映画の主流は、予算などの都合上やはりショートムービー。しかし、短編だからといって長編より劣っているかというと決してそんな事はなく、短編には短編なりの面白さがあります。 そこで今回は、YouTubeで見ることが出来る短編映画を10作品ご紹介!個性豊かな短編映画の世界をお楽しみ下さい。

オシャレな映像に深いテーマが込められた『Right Place』

身の回りのあらゆる物が整頓されていないと落ち着かない主人公。几帳面を通り越したような男の拘りを、どこかコミカルに、そして不気味に描いた作品です。 5分という短い時間ながら、主人公のモノローグで示される作品のテーマには、多くの人が共感できるでしょう。テンポのいい演出と独特の音楽が特徴的な、スタイリッシュな映像にも注目です。 監督は、様々なCMや有名ミュージシャンのPVを手掛けている関根光才。本作がカンヌ国際広告祭をはじめとした多くの映画祭で賞を獲得したことをきっかけに、海外からも注目される映像ディレクターとなりました。

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日本の就活って恐ろしい!『就活狂想曲』

東京藝術大学出身の映像ディレクターである吉田まほが、修了制作として作り上げた短編アニメーション『就活狂想曲』は、大きな話題を呼びました。 日本の就職活動に対する違和感や恐ろしさを、シュールな絵柄で刺激的に描き出します。就活の為に変貌する友人や企業説明会の様子など、就活の経験がある人なら思わず頷いてしまうようなシーンが盛り沢山です。 投稿されたYouTubeのコメント欄でも大きな議論が交わされている通り、日本の就活に対する様々な意見を呼び起こす本作。日本式の就活に馴染みの無い海外でも高い評価を受けました。

300ドルで作ったとは思えない!ド派手なSFムービー『Ataque de Pánico!』

ウルグアイ出身の映画監督、フェデ・アルバレスが自主制作した短編SF映画。ウルグアイの首都モンテネグロが、謎のロボット軍団によって壊滅させられる様子が描かれます。 CGを駆使したロボットや破壊されるビル群など、自主制作とは思えない派手な映像が特徴ですが、本作の制作に掛かった費用はたったの300ドル!インディーズ映画の限界を打ち破ったと言えるでしょう。 本作がきっかけでフェデ・アルバレスはサム・ライミに評価され、2013年の『死霊のはらわた』や、2016年の『ドント・ブリーズ』といった話題作の監督に起用されました。

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人気ゲームが原作の本格SFアクション『Portal: No Escape』

主人公はある密室に監禁された女性。体を鍛えながら解放される時を待つ主人公でしたが、ある日壁の中に隠されていた銃を手に入れて……。 本格的なSFアクション映画である本作は、『ポータル』というアクションパズルゲームを基に作られた作品ですが、原作のファンでなくても理解できる内容です。ハリウッド映画に引けを取らないクオリティーには、きっと驚かされるでしょう。 監督であるダン・トラクテンバーグは、後に手掛けた『10 クローバーフィールド・レーン』で注目されましたが、同作との類似点も本作には多く見られます。

古典落語を現代に蘇らせた傑作アニメ『頭山』

古典落語の名作と呼ばれる『あたま山』の舞台を現代に変更しつつも、忠実にアニメ化した作品です。 サクランボの種まで食べるほどケチな男の頭に生えてきたのは、一本の桜の木。段々と桜が育っていく内に、男に災難が降りかかります。 監督の山村浩二はアニメーターだけでなく絵本作家としても活躍しており、本作も色鉛筆などを使用した独特の色彩を持つ作品です。本作は、世界4大アニメーション映画祭の内の3つでグランプリを獲得し、世界的にも非常に高く評価されました。 シナリオの面でも映像の面でも、唯一無二の個性を持ったアニメです。

これぞサイコサスペンスの王道!『S - The Birth of Psycho』

多摩美術大学の留学生の卒業制作。日本のテレビからインスピレーションを受けたという可愛らしいビジュアルと、対照的に非常にシリアスなハリウッド映画のような作風が特徴的な一作です。 最初にタコが殺され、その後も次々と犠牲者が増えていく猟奇事件。主人公であるマグロ刑事は、殺された友人の捜査官から教えられた犯人の居場所に乗り込みますが……。 暗い色使いとショッキングな殺害シーン、そして後味の悪いエンディング。そんなサイコスリラーの定番を盛り込みながらも簡潔に仕上げたサスペンスです。

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ホラー好きも唸らせるパペット・アニメ『さまよう心臓』

廃墟に潜む謎の人形によって襲われた兄妹の恐怖を、パペット・アニメで表現した本格ホラー。パペット・アニメならではの繊細な動作を、ホラーというジャンルに見事に活かしきっています。 監督はNHKなどの番組でも活躍している、パペット・アニメ作家の秦俊子。子供向けの明るい作品だけでなく、本作のようなダークなテイストのアニメーションも得意としています。 本作は、彼女が東京藝術大学大学院に在籍していた時期に自主制作した作品であり、多くの映画祭でグランプリを受賞しました。

LGBTを分かり易く表現した『Golden』

ドイツ出身の映画監督、カイ・シュテニッケが制作した『Golden』は、3分弱という短い時間でLGBTの人々を描いたドラマです。 ゲイの主人公を肌の色という視覚的な手段で表現し、彼の人生をなぞりながら、ゲイであることの苦悩やパートナーと巡り会えた時の感動まで、LGBTに関する知識の無い人にも分かり易く表現しています。 音楽と映像だけというシンプルな作品ながら、非常に深いテーマが伝わってくる作品です。 本作は、数えきれないほどの映画祭で賞を得た後、アメリカで起きたゲイによる銃乱射事件がきっかけでYouTubeに投稿されました。

自主制作とは思えない!新海誠の初期作品『彼女と彼女の猫』

大ヒット作『君の名は。』で更に広く知られるようになった新海誠。その他にも『秒速5センチメートル』などの多くの作品が語られていますが、そんな彼が会社員時代に作ったのが本作です。 一人暮らしの女性に拾われた猫の視点から、移り行く季節や生活を美しいモノトーンの映像で切なく描き出します。後の代表作に繋がる原点とも言える作品です。 アニメーションからナレーションまでの殆どを自身で手掛けたそのクオリティーは、自主制作とは思えない程の高さ。2016年には本作を原作としたアニメも作られ、オリジナルとは違った魅力を見せました。

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静かでノスタルジックなファンタジー『rain town』

自主制作アニメ『フミコの告白』で大きな注目を集めたアニメーター、石田祐康の大学の卒業制作となったのが本作です。第15回文化庁メディア芸術祭アニメーション部門新人賞など、多くの映画祭で受賞しました。 雨が止まない街に迷い込んだ少女と、雨が降る前から街に住み続けているロボットの交流を、ノスタルジックな透明感溢れる映像で映し出します。セリフも無くストーリーも詳しく語られませんが、雨の音が印象的な静かな雰囲気は、余計な説明を必要としません。 コミカルな『フミコの告白』とは真逆の、落ち着いた作風が特徴です。

益々進化が期待されるショートムービー!

いかがだったでしょうか?今回ご紹介した作品以外にも、素晴らしい短編映画は数えきれない程あります。 そんな短編映画を見つけるには、YouTubeなどの動画サイトで見るのも良いですが、映画祭などへ足を運んでみるのも良いかもしれません。長編映画とは違って、空いた時間に気楽に見れるのがショートムービーの良い所ですね。 予算などが無くても、工夫次第で良い映画は作れるということを短編映画は教えてくれます。見るだけじゃなく、友達や家族などを集めて映画制作をしてみるのもいかがでしょうか。 また、自主制作作品以外でも、近年の映画界では、Netflixが15分以下の作品の制作に力を入れたり、ベネディクト・カンバーバッチやマーティン・フリーマンらが出演している短編映画が見れる「ブリリア ショートショートシアター オンライン」がオープンしたりと、短編に熱い視線が集まっています。興味のある方は、そちらもチェックしてみて下さいね!