【歴史的迷作】映画『スーパーマリオ 魔界帝国の女神』を徹底解説!

2018年3月17日更新

国民的ゲームを原作とした、映画史に残るB級映画として語られる『スーパーマリオ 魔界帝国の女神』。この記事では、ネタにされがちな本作の独特な魅力をご紹介します。

あの世界的ゲーム『スーパーマリオ』は、1993年に実写映画化されていた!

日本だけでなく、世界的にも絶大な影響を与えたテレビゲームと言えば、『スーパーマリオブラザーズ』でしょう。その主人公であるマリオとルイージは、日本を代表するキャラクターとして揺るぎない人気を誇っています。 そんな国民的ゲームが、1993年にハリウッドで実写化されていたということをご存知でしょうか? 50億円もの制作費を掛けながら酷評され、更に大赤字を出したその作品の名は、『スーパーマリオ 魔界帝国の女神』。この記事では、ハリウッド史に残る超B級映画とされる本作の不思議な魅力についてご紹介します。

ゲームとはかけ離れた独自のストーリーが展開

6500万年前の巨大隕石の落下によって、滅び去ったと思われた恐竜文明。しかし、実は生き残っていた恐竜族は、隕石の衝突によって生まれた異世界から再び世界征服の機会を伺っていました。 そして、舞台は女性の失踪事件が頻発している現代のブルックリン。配管工を営んでいるマリオとルイージは、恐竜の化石発掘員であるデイジーと知り合います。 捨て子だったという共通点もあり仲を深めるルイージとデイジーでしたが、突然彼女とマリオの恋人であるダニエラが謎の男たちにさらわれる事件が発生。 異世界に逃げていった彼らを追いかけ、マリオブラザーズの大冒険が始まります。

やたら豪華なキャスト!吹き替え声優も凄い!

何かとネタにされがちな本作ですが、俳優陣が非常に豪華な点は注目すべきでしょう。マリオ役にボブ・ホスキンス、クッパ役にはデニス・ホッパーなど、数々の名優が演じるキャラクターからは色んな意味で目が離せません。 原作からはかけ離れているものの、キャラクターは映画版ならではの魅力に溢れており、本作が支持される理由の一つとなっています。 また、日本語吹き替え版には富田耕生や日高のり子などに加え、千葉繫も参加しているなど、やたらと気合が入っている吹き替えキャストも大きな特徴です。

参加スタッフからは考えられない謎のB級オーラ

本作で監督を務めたロッキー・モートンとアナベル・ヤンケルは、コンビとして数多くの有名ミュージシャンのPVなどを製作してきたベテランでした。脚本には、後に『メン・イン・ブラック』や『グランド・イリュージョン』などで活躍するエド・ソロモンも参加しています。 音楽を担当したのは、「バック・トゥ・ザ・フューチャー」シリーズをはじめとする多くの名作映画の音楽を手掛けてきたアラン・シルヴェストリ。 このように、俳優だけでなくスタッフも実績のある人物を揃えたにも関わらず、映画自体には凄まじいB級感が漂っています。

マリオが配管工らしさを見せるシーンも

マリオの職業が配管工であるということは有名ですが、ゲームなどではその設定はあまり取り上げられることがありません。しかし、本作では彼の配管工としての実力が分かる描写も幾つかあります。 デイジーが化石発掘に取り組んでいる地下水路に、敵対する人物が配管を壊して水を流し込もうとするシーン。冷静に水道を修理していくマリオの姿に、彼の仕事に対する姿勢が伺えます。 腕が良いにも関わらず、なぜか会社自体は潰れかけなのですが……。 他にも、本作では彼が配管工であることを活かしたシーンが多く、原作へのリスペクトを感じさせます。

迫力のカーチェイスと何かがおかしいストーリー

テンポの良いストーリーに加え、ハリウッド映画らしい豪快なアクションも本作には盛り沢山です。 特に、クッパに入れられた刑務所から脱出するシーンは、ゲームを意識したようなアクションが楽しめます。その中でも、カーチェイスのシーンは前半のハイライト。 脱出の為に敵のパトカーを奪うマリオ兄弟が、動かし方が分かっていないにも関わらずファミコン感覚で車を乗りこなす姿は、ツッコミどころ満載です。 ブレーキを踏んで敵を自滅させるシーンのすぐ後で、何の説明も無くブレーキが使えないことになっているなど、視聴者を戸惑わせつつも勢いだけで押し切る展開は必見!

全く美しくないダンスシーン

物語の鍵を握るのはデイジーだけでなく、彼女の首飾りも同様です。用心棒の大女バアサによって奪われた首飾りを取り返すため、マリオ達は彼女がいるクラブへと突入します。 バアサを口説いて首飾りを奪還すると、妙に自信満々に宣言するマリオ。そんなマリオの口説き文句を気に入り、彼女は彼をダンスに誘います。 中年男性と大女という優雅とはかけ離れた2人のダンスシーンは、本作でもトップクラスにコミカルなシーンでしょう。ゲームなどでは考えられないチョイ悪親父なマリオを見ることが出来る名シーンです。

続編作る気満々なラストシーン

唯一忠実に実写化されたボム爆弾を使って、クッパを遂にやっつけたマリオ達。クッパによって乗っ取られていた世界も平和を取り戻します。 自分達の世界へと帰ろうとするマリオ達でしたが、デイジーは異世界に残ることを決意し、再会を約束して彼らは別れました。しかし、その後平穏な生活に戻った彼らの元に、ある日突然デイジーが駆込んできます。 何やら再び異世界に問題が起こったということを聞いたマリオ兄弟は、新たなる冒険に出かけるのでした。明らかに続編を意識したようなエンディングですが、本作の大失敗から当然続編は無しという残念な結果に……。

意外に名作?エンターテインメント性は抜群!

いかがだったでしょうか?公開当時は大失敗作とされた作品ですが、時が経つにつれて再評価する声も多く上がっています。 キャストの演技力や突き抜けたシナリオに加え、原作である「マリオ」シリーズへの愛情が感じられるからかもしれません。シリーズの生みの親である宮本茂も本作を評価している通り、観客を楽しませることだけを目指した、1990年代のアクション映画の隠れた名作です。 マイナーなB級映画として、家族や友達と楽しんでみてはいかがでしょうか。