2018年5月22日更新

意外と見てない?傑作アクションアニメ「BLACK LAGOON」の魅力を徹底解説!

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BLACK LAGOON ORIGINAL SOUND TRACK

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ガンアクション漫画の傑作『BLACK LAGOON』

犯罪都市を舞台に、世間の常識から大きく外れたアウトローたちが生きる様を描いた『BLACK LAGOON』。作中には銃器や爆弾が頻繁に登場し、ド派手なアクションと娯楽要素満載の構成で、海外のアニメファンからも高い評価を受けています。 この記事では、ガンアクションの傑作『BLACK LAGOON』の概要やキャラクター、見どころや名シーンなどをご紹介します。

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犯罪都市「ロアナプラ」で生きるアウトローたちの物語

広江礼威著作の『BLACK LAGOON』は、タイの架空都市「ロアナプラ」を舞台に、裏社会に生きる人間たちが繰り広げる騒動を描いたクライムアクション作品です。本作は銃撃戦での殺戮や格闘戦などの暴力的な表現が多く、一部のシーンにはかなり残酷な描写や社会的な問題描写も見られます。 本作は2001年から連載が始まり、2018年時点で単行本が10巻まで刊行されています。2008年と2011年にはノベライズ作品が2作刊行されており、『Fate/Zero』や『魔法少女まどか☆マギカ』の脚本を手掛けた虚淵玄が執筆したオリジナルストーリーとなっています。

ロアナプラの運び屋・ラクーン商会

ロック(岡島緑郎)/CV:浪川大輔

本作の主人公で、元日本の新人商社マンです。会社の機密情報を運ぶ途中にラクーン商会に襲われ人質として拉致された際、機密保持を優先した会社に見捨てられたことで、「岡島緑郎」の名を捨て「ロック」としてロアナプラで生きていくことを決意します。 お人好しで温厚な性格をしていますが、ここ一番という時の肝は据わっており、土壇場での機転や心臓の強さで数々の窮地をくぐり抜けています。しかし一方でどこか自分を試すような一面もあり、そのことをベニーから指摘されています。

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レヴィ(レヴェッカ・リー)/CV:豊口めぐみ

ラクーン商会に雇われている凄腕のガンマンで、二挺のソード・カトラスで戦うことから「二挺拳銃(トゥーハンド)」の異名を持っています。 アメリカ系中国人の娘で、過去に触れられたり思い出したりすると虚ろな目になりますが、銃撃戦のような命のやり取りになると生き生きとした表情で駆け回ります。 かなり短気な性格かつトラブルメーカーで、ロックの正論に反発して口論になることもしばしば。内面では仲間のロックを大切に思っており、彼を心配し庇う場面も多く見られます。

ダッチ/CV:磯部勉

ロアナプラでラクーン商会を営むアメリカ系黒人の大男で、「ブラック・ラグーン号」の船長も務めています。常に冷静沈着を保ち、どんな時でもサングラスを外しません。体力・知力に優れており、ベニーからは「タフで知的な変人」と評されています。 ロアナプラで幅広い人脈を持つ彼は各勢力の重鎮にも一目置かれる存在で、街の実質支配者であるバラライカと張にタメ口で話せる数少ない人物でもあります。また、周囲の人間にあだ名を付けることを好んでおり、出会って間もない緑郎にも「ロック」と名付けています。

ベニー/CV:平田広明

ラクーン商会のメカニックを担当するユダヤ系アメリカ人で、PCなどの電子機器の扱いに長けているウィザード級のハッカーです。大学在学中に「遊び」が過ぎてFBIとマフィアの両方から追われていたところをレヴィに助けられ、そのままラクーン商会の一員になりました。 作中では比較的常識的な人物で、ロックと近い価値観を持っています。しかし同時にロアナプラの不条理な本質も理解しており、危ないところへ首を突っ込もうとするロックに警告することもあります。

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ラクーン商会と協力関係にある者たち

バラライカ/CV:小山茉美

ロシアンマフィア「ホテル・モスクワ」のタイ支部の大幹部で、「バラライカ」は組織内のコードネームです。元々は旧ソビエト連邦空挺軍の遊撃隊で大尉を務めており、顔や身体にソ連アフガン侵攻時に負った火傷跡が幾つもあることから、「火傷顔(フライフェイス)」と呼ばれることもあります。 非常に好戦的かつ冷酷な性格で、本気で動けば街が吹き飛ぶほどの総火力を有しています。かつて抗争の際に命を助けてくれたダッチの恩を忘れておらず、ロックに対し「良い悪党になれる」と何かと目を掛けています。

張 維新(チャン・ウァイサン)/CV:森川智之

三合界(トライアド)タイ支部のボスで、「金義潘(カンイファン)の白紙扇(バックジーシン )」の二つ名を持っています。レヴィと同じ二挺拳銃の使い手で、銃の腕前はレヴィと共闘した際に彼女から「敵わない」と言われるほどです。 飄々とした人物ですが内面は冷酷な策士で、バラライカの組織と全面抗争の末に痛み分けで終わった過去があります。その後は互いの性格を理解しながらバラライカと対等に接しており、組織として比較的良好な関係を築いています。

エダ(イディス・ブラックウォーター)/CV:唐沢潤

暴力教会のシスターで、大シスター・ヨランダの片腕的存在です。修道服の姿でも常にサングラスを着用して銃器を携帯しており、オフの時はラフな服装で男漁りをしています。レヴィとは喧嘩友達で、よくレヴィとロックの関係をからかっています。 その正体はCIAの工作員で、アジア地域に不安定を持ち込むことによってアメリカの利益誘導をしていました。工作員として接する彼女の態度は冷酷かつ傲慢であり、張に対しても上から目線で接しています。

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アニメ版『BLACK LAGOON』について

同作は2006年に2シーズンに分けてテレビアニメが制作され、独立局を中心とした各局で全24話が放送されました。放送当時は登場人物の台詞の一部に放送上問題があったため、全放送局で一部台詞を削除して放送しましたが、DVD版では完全収録されています。 監督・シリーズ構成・脚本を担当するのは、テレビアニメ『名犬ラッシー』やアニメ映画『この世界の片隅で』で監督を務めた片淵須直です。片淵は2010年に制作された第3期でも監督として参加しており、他の制作スタッフも第2期から続投しています。

見どころは、思わず魅入るド派手なバトルアクション!

本作の大きな見どころのひとつが、戦闘シーンにおけるガンアクションです。戦闘ではレヴィたちがアクション映画さながらの動きで敵を次々と倒していき、抜群のカメラワークが躍動感を演出しています。レヴィが二挺拳銃で戦う姿はロマンがあり、そのかっこよさは思わず見惚れてしまうものがあります。 スプラッタな描写は多少あるものの、派手で爽快なアクションと登場人物達のクールな台詞回しのおかげでそれほど気になりません。銃器全般の描写も丁寧で、ガンアクションが好きな人にはもちろん、ミリタリー好きも納得のクオリティになっています。

自分の信念を貫こうとする悪党たちの生き様がかっこいい!

本作に登場するキャラクターは基本的に常識や論理感から大きく外れた「悪党」であり、ラクーン商会のレヴィたちも例外ではありません。ロアナプラでは命の価値が紙くず程度のものしかなく、作中でも世間の正論を真っ向から否定するかのような理不尽で救いのない話がたくさん出てきます。 「正義」など一切存在しないような理不尽な世界で、ロックたちは自分の信念を貫いて生きようと必死に足掻きます。様々な立場の悪党たちが己の信念に基づいて生きていく、そんなダーティな雰囲気も本作の大きな魅力のひとつです。

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独特の台詞回しがクセになる!

『BLACK LAGOON』の大きな特徴に、独特の台詞回しが挙げられます。登場人物の台詞にはアメリカのTVドラマやハリウッド映画作品などが度々引用されており、洋画や海外ドラマを日本語訳したようなクサい台詞回しが作品の雰囲気に絶妙にはまっています。 台詞には元ネタが難解なものや下ネタも多いため最初は戸惑うかもしれませんが、1度はまればクセになる面白さがあるので、本作を視聴する際は登場人物たちの台詞回しにも注目してみるのがおすすめです。

思わず痺れる!『BLACK LAGOON』の名言

「俺はね、もう死んでるんですよ。あんたがそう言った」byロック

原作の第1話で、自分を捨てた会社の上司に対しロックが返した台詞です。このシーンで彼は「岡島緑郎」の名を捨てて表社会と決別し、「ロック」として裏社会で生きていくことを決意します。

「だが面白ぇ」byダッチ

原作の第1話より、ロックに無茶な作戦を提案されたダッチが受け入れたときの台詞です。ロアナプラの住人は基本的に狂った人物が多く、知性的なダッチすらも例外ではないということが伺えるシーンです。

「だから……この話はここでお終いなんだよ、ロック。」byベニー

原作の第15話でベニーがロックに放った台詞。双子の殺人鬼の悲惨な境遇を知ったロックは「双子を救いたい」と考えますが、ベニーに説き伏せられてしまいます。双子の精神状態は完全に壊れており、救いの手を差し伸べるにはもう手遅れだったのです。 この不条理な世界において「もし」や「だったら」はありえないということをベニーが説くシーンは、作中でも非常に心苦しい場面のひとつです。

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レヴィが魔法少女に!?パロディやギャグシーンが満載の番外編

巻末に収録されているオマケ漫画では、本編とは異なる設定で描かれたロックたちが登場し、シリアスな展開の本編とはうってかわってパロディ満載のギャグ漫画になっています。 パロディの内容も学園モノから性転換になど実に様々なものがあり、魔法少女になったレヴィや学校の用務員になったダッチなど、劇中では決して見られないキャラクターたちのコミカルな姿を見ることができます。

作者による『BLACK LAGOON』のセルフパロディが同人誌で出ていた

作者の広江礼威は休載期間中、非公式という形で同人作品に『BLACK LAGOON』のセルフパロディを描いてます。パロディの内容は、『BLACK LAGOON』は実はハリウッド映画で、登場人物は映画に出演する役者であるというものです。 同人誌には各キャラクターが撮影中の様子やメイク前の容姿が描かれており、本編で悲惨な最後を遂げたキャラクターが主人公たちと同じスタジオで笑って撮影を楽しんでいる様子は、実に微笑ましいものがあります。

『この世界の片隅に』のすずさんとレヴィの意外な共通点

『BLACK LAGOON』と『この世界の片隅に』は、どちらも片淵須直が監督を務めているという共通点がありますが、各作品のヒロインであるレヴィとすずさんにはもうひとつ共通点があります。 『この世界の片隅で』でコンテ絵を担当したアニメーターのツイートによれば、すずさんとレヴィの髪型は実は結構似ており、心を病んでいる時のすずさんを描いていたらどんどんレヴィに似てきてしまったため、監督にストップをかけられたそうです。

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『BLACK LAGOON』は月刊「サンデーGX」で連載中!

『BLACK LAGOON』は2017年に連載が再開され、月刊「サンデーGX」で連載中です。これまで作品を知らなかった人はぜひ、この機会に原作やアニメに触れてみてはいかがでしょうか。