2019年4月11日更新

『ペット 檻の中の乙女』、檻に少女を監禁した可哀想な男の話を知っているか?

『ペット 檻の中の乙女』
© Orion Pictures

2016年に公開されたアメリカ・スペイン合作のホラー映画『ペット 檻の中の乙女』。今回は、大作ホラーに埋もれてしまいがちだけど、実は面白い本作の魅力を紹介します。

目次

『ペット 檻の中の乙女』気弱な男がキラキラ女子をストーカー

最初に言っておきます、この作品は完全にジャンルスイッチムービーです。はい。ネタバレ厳禁なので、その点は留意して本作を紹介したいと思います! 主人公は、動物保護センターの犬の世話をする気弱な男。良い歳になっても最低賃金くらいの給与しかもらえず、周りや世間に対して負い目を感じています。自分が愛情を持って餌やりなど、面倒をみていた犬が結局殺処分になるときも、「自分のアパートはペット禁止だから……」「引っ越すなんて、時給9ドルの僕には無理だから……」という具合で、目を伏せます。 友達もいない内向きな性格の彼ですが、ある日バスに乗っている綺麗な女性をみつけるんですよ。それは、彼の通っていた学校のマドンナ的美女でした。声をかけるも(そういう勇気はあるのな)、自分の事を全然覚えていない彼女。 しかし、どういう思考回路してるのかは置いといて、彼は「彼女と深い関わりが持てた気がする……」とか思っちゃって、ストーカーになっていくんですね。

お前さん、そんだけ行動力あるなら時給9ドル以上の仕事に就けるよ……。

@dom_monaghan_ and @therealksolo on the set of PET. #petthemovie

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気になる異性ができたら、まず最初にやる事。皆さん、わかってますよね?はい、SNS調査です。またの名を、ネトスト(ネットストーカー)と言います。この男もまた、彼女のインスタをじっくりチェック。メモを取り出して、そこから伺える彼女の「好きなもの/嫌いなものリスト」を作っていきます。 いやいや。 家まで尾行したり、彼女の彼氏の職場までついて行ったり……薔薇の花束贈ったり、照れずにデートに誘ったり……最終的に彼女に「キモい!マジ止めて!」って言われるのに「君は僕を理解してくれると思ってさああ!」なんて具合に、引かない。 いやいや。 結局彼氏に殴られてしっぽを巻いて逃げる彼でしたが、その時ライターである彼女が普段から物を綴っていたノートを盗んで行くんですね。それを読んだ彼は、職場の保健所に今は使われていない地下スペースがある事を確認すると、Amazonを開いてバーナーを購入。更には本格的な物資を調達してきて、せっせとそこに人間用の檻を作り始めるんですよ。 いやいや。 時給9ドルなのにそんなに使っていいの!? お前さん、大丈夫だよ!そんな行動力があれば、時給9ドル以外の場所で働いて引っ越して犬飼って暮らせるからさ!と、ツッコミたくなるわけです。

予想外の展開がヤバい、監禁された少女の身を案ずるはずが……。

しかし、この映画、一筋縄ではいかない。一見、普通のサイコ監禁ものに見える本作ですが、実は今までのそれにない「反撃」があるんですね。薄々そうなるとは思って観ていましたが、予測を斜め上に裏切る、読めない展開が圧巻でした。監禁された少女の安否を案ずるより、この可哀想な男の身を案じはじめる後半の展開が痛快です! 動物保護センターという場所で、ペットだった、もしくはペットになれなかった犬の世話をする主人公が人間というペットを得る。というように、本作のテーマとなる「ペット」。ラストは、この「ペット」について少し考えさせられたり?