2023年4月9日更新

サイコホラー映画おすすめ13選【人間の狂気が一番怖い】

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『羊たちの沈黙』、ハンニバル・レクター、アンソニー・ホプキンス
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本当に怖いホラー映画はサイコホラー?

サイコホラーはサイコロジカル(心理的)・ホラーの略で、突然怖がらせたり不安にすることで引き起こされる心理的恐怖に重点を置くジャンルの名称です。 映画では半世紀以上前から存在するこのジャンルには、これまでに数多くの名作が生み出されてきました。今回はその中からおすすめの作品を13本紹介します。

『羊たちの沈黙』(1991年)

ハンニバル・レクターを生み出したサイコホラーの金字塔

アカデミー賞主要5部門(作品、監督、主演男優、主演女優、脚本・脚色)を総なめにする快挙を達成した、映画史上に残る名作です。 サイコホラー映画の代表作に必ずあげられますが、スリラーの要素もふんだんに取り入れられています。 連続殺人犯を追跡する女性FBI訓練生と、彼女に助言を与える凶悪犯・レクター博士の愛憎入り交じる関係がドラマの主軸です。

『オーディション』(2000年)

日本を代表するサイコホラーの傑作

村上龍の小説を三池崇史監督が映像化したサイコホラー映画。欧米の映画関係者から高く評価され、特に『ホステル』のイーライ・ロス監督に大きな影響を与えました。 前半の日常的な展開と、後半からラストにかけて一気にエスカレートする暴力描写のコントラストが鮮烈。ヒロイン役の椎名英姫の「キリキリキリ」というセリフの恐さが強く印象に残ります。

『ソウ』(2004年)

綿密なプロットが恐怖心をそそる低予算ホラー映画

低予算映画にもかかわらず、綿密に仕組まれた脚本と演出でジェームズ・ワン監督の名前を一気に映画界に知らしめた作品です。 残酷な殺人鬼・ジグソウによって密室に監禁され、生き残るために殺人ゲームを強制される2人の男性の恐怖が描かれます。 精神異常者に監禁されるというホラー映画の常套テクニックが大好評で、続編が次々に制作されました。

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『セブン』(1995年)

7つの大罪とサイコパス

『羊たちの沈黙』と同じく、スリラーの色彩の強いサイコホラー『セブン』。 ブラッド・ピットが演じる新米刑事と、モーガン・フリーマンが扮する退職間近のベテラン刑事が連続殺人犯を追跡するストーリーです。 キリスト教の7つの大罪をモチーフにした凶悪殺人事件と、ラストのどんでん返しに手に汗握ります。

『エスター』(2009年)

養子で引き取った女の子はサイコパス?それとも……?

『エクソシスト』や『オーメン』といった、子どもの狂気を題材にした映画の系譜に連なるサイコホラーです。 流産の悲しみを癒やすため、ケイトとジョンが引き取った孤児・エスター。しかし彼女の行く先々では、なぜか不思議な事件が続発するのでした……。 日常生活でありそうな夫婦や親子の心理的緊張を、ホラーにまで盛り上げる演出が見事です。

『ミザリー』(1990年)

熱狂的なファンの恐ろしさ

モダンホラーの帝王スティーブン・キングの小説を映像化した作品『ミザリー』。ロマンス小説「ミザリー」シリーズの作者・ポール・シェルダンが、彼のナンバーワン・ファンと自称する中年女性に監禁される恐怖を描きます。 パラノイアに双極性障害が加わったような主人公・アニーを演じきったキャシー・ベイツは、本作でアカデミー主演女優賞を受賞しました。

『ムカデ人間』(2010年)

口と肛門を繋げる史上最悪のサイコホラー

3人の人間の口と肛門を手術で繋げて一体の「ムカデ人間」を作るという奇抜な発想のため、賛否が大きく分かれる作品です。 本作の見どころは、「ムカデ人間」を作ろうとする外科医(ドイツの演技派俳優・ディーター・ラーザー)の狂気と執念にあると言えます。 ムカデ人間の先頭にされる日本人を演じた若本規夫の渾身の演技も必見です。

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『クリムゾン・リバー』(2000年)

フランスの大学町を舞台にしたサイコスリラー

2001年公開、ジャン・レノとヴァンサン・カッセル共演のフランス製サイコスリラー『クリムゾン・リバー』。フランスのアルプスの麓の大学町で、目玉をくり抜かれた変死体が発見される猟奇殺人事件が発生。パリ市警のニーマンス警視がこの事件の捜査をするため派遣されます。 同時期、フランスの田舎町で子供の墓が荒らされる不可解な事件が頻発し、駐在員のマックス警部補が捜査に挑みます。関連性のないと思われた2つの事件には驚くべき接点があり……。 ちなみにリュック・ベッソンが脚本を手がけた続編『クリムゾン・リバー2 黙示録の天使たち』は、本作よりアクション性が高くなりました。

『サイコ』(1960年)

アメリカ映画の常識を打ち破ったサイコホラー映画

「サスペンス映画の神様」とも呼ばれるアルフレッド・ヒッチコック監督が、1960年に完成させたサイコホラー映画。 それまでアメリカ映画で取り上げられることの少なかった、性的倒錯や異常心理を大胆に描写したことで話題になりました。シャワー中に女性がめった刺しにされる場面も、映画史に残る名シーンと言われています。

『CURE』(1997年)

連続殺人とマインドコントロール

日本を代表するホラー映画監督の1人である黒沢清が、国際的ブレイクを果たすきっかけとなった作品です。 猟奇殺人事件の搜査にあたる刑事(役所広司)と事件の鍵を握る謎の男(萩原聖人)との奇妙な関係が軸になります。 日本独特の狂気が内在する映画で、ロケ・美術も雰囲気のある作品です。

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『悪の教典』(2012年)

サイコキラー教師の殺人的学級経営

悪の教典
© 2012 「悪の教典」製作委員会

貴志祐介による小説の映像化作品で、監督は前述の『オーディション』も手がけた三池崇史が務めました。 伊藤英明演じる教師・蓮実聖司は、生徒や保護者から信頼される高校の英語の先生。しかし彼には冷血な連続殺人犯という裏の顔があったのです。 主人公が自分の学級経営の邪魔になる人たちを無感情で殺し続けていく姿に、背筋が凍ります。

『シャイニング』(1980年)

世界最高峰のホラー映画

スタンリー・キューブリック監督の映画史に残る名作ホラー映画。 雪が深く積もるロッキー山脈で、冬季は閉鎖されるホテルの管理の仕事を引き受けたジャック(ジャック・ニコルソン)。彼と家族以外は無人のホテルで、一家はさまざまな怪奇現象を体験することに……。 次第に心の平衡を失っていくジャックの姿がとにかく怖いです。

『アス』(2019年)

“わたしたち”そっくりの謎の存在に襲われるサイコホラー

夏休みに米西海岸サンタクルーズを訪れた黒人一家が、自分たちに瓜二つの4人組に襲われる恐怖を描くサイコホラー。主人公を演じるのは『それでも夜は明ける』のルピタ・ニョンゴです。 監督と脚本のジョーダン・ピールは『ゲット・アウト』でアカデミー賞脚本賞を受賞し、話題となりました。本作も、驚愕のラストまで予測不可能な物語が展開されます。

現実にも起こり得る?普通の人の心に内在する狂気を描くサイコホラー

黒沢清監督は『CURE』のDVDのインタビューで、普通の善良な人が何かのきっかけで人を殺してしまうことがあるのではないか、と述べています。 身近にある恐怖、自身に降りかかるだけではなく、自身もそんな狂気に陥るかもしれない恐怖を描き出すのがサイコホラーの特徴です。 このジャンルに人がひきつけられる名作が多い理由は、このような点にあるのかもしれません。ただ怖いだけでなく人間の心の闇や社会問題をテーマにしている作品もありますので、気になる作品はぜひチェックしてみてください!