事実の方が恐ろしい!?実際の事件を元にした映画【洋画編】
実際に起こった事件を元にした映画を紹介!
連続殺人や監禁事件、はたまた息子の取り違えまで……全て映画の中の出来事ではなく、本当に起きた事件なのです。 事実を知ってから見るといっそう恐ろしい!?実際に起こった事件を元にした映画を、洋画中心にご紹介します。
『コレクター』(2012年) 黒人への捻じ曲がった復讐……/ゲイリー・ハイドニック事件
ジョン・キューザック扮する敏腕刑事マイクと、ジェニファー・カーペンター扮する彼のパートナー、ケルシーが“娼婦失踪事件”を追うサスペンス。劇中ではマイクの17歳の娘アビーが、娼婦と間違われて拉致されるという脚色がなされています。 元になったのは1980年代にアメリカのフィラデルフィアで起きたゲイリー・ハイドニック事件。犯人のハイドニックは、自分の子供を産ませる目的で6人の黒人売春婦を監禁し、暴行や虐待のすえ、うち2人を殺害しています。 ハイドニックが幼い頃、母が黒人男性と浮気したことが原因で家庭が崩壊しています。また、実の父親は子供の頃のハイドニックに対して冷たかった上に、黒人差別的な考えを繰り返し聞かせていたそうです。ちなみに母親は別の黒人男性と再婚し、新しい父親からも虐待を受けています。
『チェンジリング』(2008年) 息子が帰って来た……だけど別人!?/ゴードン・ノースコット事件
アンジェリーナ・ジョリー演じるクリスティンは9歳の息子ウォルターがいるシングルマザー。ある日ウォルターが突然失踪してしまい、クリスティンは警察に捜査を依頼します。5ヶ月後、ウォルターを発見の知らせを受ける彼女ですが、彼女の元に連れてこられた少年はウォルターではありませんでした。 人違いを主張するも、メンツを潰されたくない警察はクリスティンを精神病院送りにしてしまいます……。 この映画の下敷きになっているのが、1920年代におこったゴードン・ノースコット事件です。カリフォルニア州で養鶏場を営むノースコットが20人の少年を誘拐監禁、強いては殺害した凄惨な事件。監禁された少年たちは、犯人及び犯人の仲間の性のはけ口にされていたそうです。 実際にノースコットに息子を誘拐されたクリスティン・コリンズは、警察により全く違う少年を息子だと引き渡されています。後にウォルターも殺害されていたことが判明しますが、警察の捜査が適切であればウォルター救出の可能性があったことも問題になった事件です。
『モンスター』(2003年) 悲しき女殺人鬼/アイリーン・ウォーノス事件
主演のシャーリーズ・セロンが13キロも増量し、毎回1~2時間のメイクをかけて孤独な殺人犯アイリーンになりきったことでも話題になった作品。アイリーンが運命的な出会いを果たし、連続殺人のきっかけとなった同性の恋人セルビーはクリスティーナ・リッチが演じました。 映画のモデルとなったアイリーン・ウォーノスも、実際に1989年から1990年の間に7人の男性を殺害しています。問題ある家庭で育ち、11歳の時から売春的な行いで生きてきたアイリーン。彼女は1986年にティリアと出会い意気投合、一緒に暮らす生活費を稼ぐため、アイリーンは売春を始めます。そのことがきっかけで、客の男性を殺害してしまい、次々と殺人を重ねていくのです。 二人は逮捕されますが、ティリアは司法取引をして不起訴となり、アイリーンを裏切ります。罪を認めたアイリーンは2002年死刑に処されました。
『ブラック・ダリア』(2006年) 死して有名になった女優/ブラック・ダリア事件
バッキーとリーは、共にロサンゼルス市警所属の警官。プライベートでも友好が深い名コンビでした。ある日、腰から切断された若い女性の死体が発見され、二人は捜査に乗り出します。捜査する中で、バッキーは被害者と扮装がそっくりの女性マデリンに出会い、彼女に惹かれて行きます。バッキー役はジョシュ・ハートネット。リー役はアーロン・エッカートが担当しています。 元になったのは1947年に起こったブラック・ダリア事件。ある朝、ロサンゼルスのレイマート・パークで若い女性の死体が発見されます。激しく損壊されていたものの、洗い清められていたその死体は胴から切断されていました。 被害者は女優志望の女性エリザベス・ショート。彼女が黒い服を好んでいたことから、“ブラック・ダリア”と呼ばれるようになりました。500人にも及ぶ関係者が出頭しましたが、未だ犯人は特定されず、未解決事件となっています。
『ゾディアック』(2007年) 犯人からの謎の暗号/ゾディアック事件
『セブン』や『ドラゴン・タトゥーの女』などで知られるデヴィッド・フィンチャー監督がメガホンを取った作品。ジェイク・ジレンホール演じる風刺漫画家ロバートと、ロバート・ダウニー・Jr.演じる新聞記者ポールが、“ゾディアック”と名乗る人物が起こす連続殺人事件を追いかけます。 本作のベースとなった事件は1968年から1974年にかけて、わかっているだけでも5人の死者が出ているゾディアック事件。10代のカップルが射殺された事件を発端に次々と犠牲者が現れるとともに、警察や新聞社に“ゾディアック”と名乗る人物から暗号化された手紙が大量に届いた怪事件です。 自分の父を犯人だと訴え、本まで出版したゲーリー・スチュアートを始め、本事件の犯人候補は複数存在します。しかし、未だに犯人は特定されていない事件です。
事件について調べると、より映画を楽しめます
映画のベースになった事件について調べると、作品をより楽しむことができます。特に犯人の生い立ちや、人間関係などについての知識を得てから鑑賞すると、監督が題材を通して描きたかったことを発見できるかもしれません。 ご紹介した作品を観る際は、ぜひ参考にしてみてください。