紳士諸君に捧ぐ!?童貞を題材にした映画11選 ​

2018年7月8日更新

童貞が主人公の映画は意外にも多いのです。勿論、思春期を描いた青春ドラマは言うまでもありませんが、近年は「草食系」の男子も増えていますから、必ずしも少年が主人公とは限りません。そこで、童貞が登場する映画を11本ご紹介し、「童貞」というメンタリティについて探ってみました。

悲しき童貞

童貞って悲しいですよね?情けないし、悶々とするし、「一生異性と縁がないのでは?」と絶望的な気持ちになります。 思春期の男子のほとんど全員が経験する、この何とも言えない状態は、女子には理解し難いのかもしれません。しかし、それ故に映画の題材になりやすいのも事実です。 単なる恋愛ともひと味違う、この特殊なステータスは万国共通のようです。アメリカ、ヨーロッパ、アジアを問わず、あらゆる映像作品に童貞は頻出します。 今回は、悲しくも切ない童貞を題材としたフィルムの遺産11本を辿り、童貞について考えてみたいと思います。そこには人と人との関係の架け橋となるヒントが隠されているのかもしれません。 処女編はこちら。

1. 家政婦のお姉さんに筆下ろし!イタリア式コメディの名作

1970年代から80年代にかけて大量生産された、イタリア製お色気コメディの代表作。ヨーロッパ、アメリカ、日本で大ヒットし、数々の亜流を生みました。 主演は、本作で一躍セックス・シンボルとなったラウラ・アントネッリ。この後、イタリアの巨匠、ルキノ・ヴィスコンティの遺作『イノセント』(1976)にも出演します。 内容はいわゆる「筆下ろし」もので、お母さんが亡くなった後にやって来た30代前半のメイド(ラウラ・アントネッリ)のことをすっかり好きになってしまった中学生(もちろん童貞)が、初体験を迎えるまでを描いています。 初体験を迎える闇夜の中での追いかけっこの場面は、今見てもスリリング。必見です!

2. 少年の鬱屈した思慕が爆発する!

ポーランドの巨匠・イエジー・スコリモフスキ監督の代表作。スコリモフスキはアンジェイ・ワイダやロマン・ポランスキーに脚本を提供していたことでも知られます。 舞台はイギリス。15歳の少年マイク(ジョン・モルダー=ブラウン)が、アルバイト先の公衆浴場で働く年上の女性・スーザン(ジェーン・アッシャー)に惹かれるという青春ドラマ。スーザンには婚約者がいるのですが、浴場に通っていた体育教師と浮気をしているらしいことを知って、マイクは悶々とします。やがて、悲劇的な結末へ……。 童貞少年の鬱屈とした欲望が爆発していく様を、スタイリッシュな映像感覚で綴った本作は、今でもカルト的な人気を誇る名作です。 ヒロイン役のジェーン・アッシャーは一時期ポール・マッカートニーと婚約していて、彼のミューズとなった女優。また、音楽はカンというドイツのバンドが担当しており、ボーカルはダモ鈴木という日本人です。

3. 美しい人妻は童貞の女神

脚本家・ハーマン・ローチャートの実体験をもとに、少年の一夏の体験をノスタルジックに描いたアメリカ映画。ゴールデングローブ作品賞、音楽のミシェル・ルグランはアカデミー作曲賞を受賞しています。 1942年、戦火を逃れてナンタケット島へと引っ越してきたハーミー(ゲーリー・グライムス)は、思春期真っ只中。ハーミーは、丘の上の一軒家に住む美しい人妻ドロシー(ジェニファー・オニール)を好きになります。 やがてドロシーの夫が出征すると、ハーミーはドロシーに急接近。しかし、2人に待っていたのは切ない結末でした。 『リオ・ロボ』(1970)、『イノセント』(1976)などのジェニファー・オニールが、圧倒的に美しいです。ミシェル・ルグランの切ない音楽がよく合う本作は、ジョゼッペ・トルナトーレの『マレーナ』(2000)を思わせます。

4. 好きな彼女はグルーピー

厳格な母(フランシス・マクドーマンド)に育てられ、世間知らずの少年ウィリアム(パトリック・フュジット)は、『ローリング・ストーン』誌の記者に抜擢され、人気バンドのツアーに密着取材することになります。 そのバンド、スティル・ウォーターのグルーピーであるペニー・レイン(ケイト・ハドソン)と出会い、ウィリアムは初めて恋におちるのです。ところが、ペニー・レインはバンドのギタリスト、ラッセル(ビリー・クラダップ)と付き合い始めて……。 本作は、監督であるキャメロン・クロウの実体験を基にした映画です。彼は実際、15歳のときに『ローリング・ストーン』誌の記者として、レッド・ツェッペリンやニール・ヤングを取材したそうです。 ゴールデングローブ作品賞、アカデミー脚本賞を獲得しました。

5. おじさんで童貞だけど、心は純潔

お馬鹿コメディのパイオニア・ジャド・アパドーの初監督作品です。スティーブ・カレル、セス・ローゲンといった、いつもの「ジャド・アパドー組」が出演しています。 電気屋の店員アンディ(スティーブ・カレル)は、気の良い真面目な40歳の男でした。しかし、彼には童貞という秘密があったのです。 仲間たちは彼に童貞を卒業させようとして様々なアドバイスをするのですが、彼らの粗雑な女性ナンパ術はアンディにはとうてい受け入れられませんでした。アンディは優しい奴で、しかも女性のことをとても大切に考えているのでした。 アンディがどのようにして女性と結ばれるかがおもしろおかしく描かれるのですが、映画を見終われば誰もがアンディの人柄に惹かれてしまいます。

6. ゾンビも怖いが女も怖い

ゾンビものですが、コメディです。ゾンビ映画お決まりのウィルスに感染して、アメリカの国民が半数以上ゾンビと化し、文明はほとんど壊滅状態、という設定です。 そんな中、引きこもりの童貞大学生・コロンバス(ジェシー・アイゼンバーグ)は、「32のルール」を厳密に守りながら生き残っていました。 そんな童貞のコロンバスの最初のゾンビとの接触も女性でした。ゾンビに襲われた隣人の女性(アンバー・ハード)が部屋に逃げ込んできたのです。ですから、「異性の誘惑には注意」という項目をルールに加えつつも、旅先で出会ったウィチタ(エマ・ストーン)には騙されてしまいます。

7. 彼女できちゃったら男と遊べないじゃん!

こちらもジャド・アパドー製作のお馬鹿映画。監督は『宇宙人ポール』(2011)のグレッグ・モットーラです。 へたれのエヴァン(マイケル・セラ)、おデブのセス(ジョナ・ヒル)、そしてナヨナヨしたフォーゲル(クリストファー・ミンツ=ブラッセ)の童貞3人組が主人公。ジュールズ(エマ・ストーン)の家でパーティーを催すので、そこにアルコールを持っていけば童貞を捨てられると信じて、3人は奮闘します。 フォーゲルは偽の免許証(しかも「マクラヴィン」という変な名義)で酒を買おうとしますが、不良警官2人組(ビル・ヘイダーとセス・ローゲン)に面白がられて、3人で無茶苦茶に遊び回るのです。 一方、エヴァンとセスは苦労の末、酒を手に入れるのですが、セスが酔っ払ってジュールズにゲロを吐きかけたり、警察の手入れにあったりと大変。最後は男同士の友情を確認して終わります。

8. 食べ物で遊ぶのはやめましょう。

このアメリカ製セックス・コメディは、シリーズ作品が8つも作られるほどの大ヒットを記録しました。記念すべき第1作は、プロムまでに童貞を捨てようとする高校生4人組の行動が描かれます。 ジム(ジェイソン・ビッグス)、ケヴィン(トーマス・イアン・ニコラス)、オズ(クリス・クライン)はどうにかこうにか相手を見つけて上手くいくのですが、問題はフィンチ(エディ・ケイ・トーマス)です。 フィンチは女友達に200ドルを払い、「フィンチはスゴい」という噂を広めてもらおうとするのですが、嘘がバレてしまいます。最後は友達のお母さんと良い感じになり、めでたしめでたしです。 タイトルは、ジムがオナニーの時に使用するものに由来するのですが、それは各自で映画を鑑賞して確認しましょう。

9. 生命の神秘を目撃してしまった童貞

『THE LIMIT OF SLEEPING BEAUTY-リミット・オブ・スリーピング ビューティ-』(2017)で商業映画デビューした二宮健監督が、大阪芸術大学映像学科に在学中に制作した作品。二宮健はYouTubeや映画祭などを中心に作品をリリースしてきました。 主人公は童貞の大学生(アベラヒデノブ)。冴えないルックス、これと言って取り柄もない二十歳の童貞男である彼が、とあるきっかけで校内きっての人気少女、仁美(立花直子)に猛アタックします。そして、事態は思いもしない方向へ……。 ポップな楽曲とアベラヒデノブの怪演が光ります。果たして、童貞は思いを遂げることができるのか!?

10. 体は清いが心は熱い!

もともと日本ではビデオスルー。『電車男』(2005)に便乗する形で『バス男』というタイトルでソフト化された、いわく付きの作品です。「最悪の邦題」と言われ、後に『ナポレオン・ダイナマイト』に戻されました。 主人公のナポレオン・ダイナマイト(ジョン・ヘダー)は、見るからにモテない不器用な高校生。お金がないのでスクールバスで高校に通って馬鹿にされます。 しかし、ナポレオンは熱い性格で、転校生のペドロ(エフレン・ラミッツ)を生徒会長に当選させるべく孤軍奮闘します。 アメリカでは小規模公開されていましたが、口コミで大ヒットし、カルト的な人気を誇ったスクール・コメディです。

11. 異教徒の儀式に欠かせないモノ

「ウィッカーマン」とはケルト人の土着宗教であるドルイド教の祭祀および、それに使用される人間型の檻のことです。その中で人間を生きたまま燃やして、生贄とするのです。 主人公のニール・ハウイー巡査(エドワード・ウッドウォード)は、スコットランドのサマーアイル島でローワンという少女が行方不明になったという手紙を受け、捜査に乗り出します。 島の住民は太陽を信仰し、全裸で性的な儀式に耽るという、厳格なキリスト教徒であるハウイーには受け入れがたい風習を実践していました。 捜査を続けるうちに、ローワンは島民たちに人身御供として犠牲になったのではないかという疑惑を抱き始めますが……。 ん?童貞要素はどこ?と思ったあなた。最後までぜひご覧ください。これぞ、童貞映画なのです。