2018年9月2日更新

リドラー【DCも負けてられないぞ!キャラクター連載】

「リドル(なぞなぞ)」を出すから「リドラー」。とても単純なキャラクターのようで、DCコミックスの長い歴史に寄り添い、愛されてきたヴィランです。シンプルな能力に秘められたリドラーの複雑さに迫ります。

単純なようで複雑!?なぞなぞ大好きリドラー!

DCコミックスのキャラクターを取り上げて紹介していく本企画、今回はリドラーです。 イメージカラーはグリーン、シンボルはクエスチョンマーク。「リドル(なぞなぞ)」を出してくるから「リドラー」と呼ばれる彼は、天才的な頭脳を武器にバットマンを翻弄してきました。 なぜリドラーは、なぞなぞに拘るのか。たとえ自らの立場が危うくなったとしても、なぞなぞを残すのは何故なのか。そこには底知れぬ狂気と、狂気を生んだ過去がありました。 とくに、テレビシリーズ『GOTHAM/ゴッサム』で明かされた彼の人間性に注目します。

リドラーの正体はエドワード・ニグマではない。

リドラーことエドワード・ニグマがコミックスに初登場したのは1948年発売の『Detective Comics』141号。強盗などの犯行現場になぞなぞを残して、バットマンに推理させるヴィランとして活躍します。また、なぞなぞに執着し、ズルをしてでもなぞなぞを解こうとする人物でした。 1985年以降、リドラーというキャラクターは徐々に掘り下げられていきました。なんと、エドワード・ニグマという名前すらも本名ではなく、エドワード・ナシュトンという人物がリドラーの真の正体だとされています。

なぜ、なぞなぞに執着したのか?

エドワード・ナシュトンに母親はおらず、乱暴な父親のもとで育ちました。世界のあらゆることについて疑問を抱き、どんなことも知りたいと思っていた彼は、とても賢い子供でした。ところが、殴られるばかりだった彼は、なぐられるほどに自分の非力さを痛感し、頭脳が他人より優れた人間でありたいと願うようになるのでした。 そんな中、学校でパズル大会が開催されることを知った彼は、そこで優勝しようと考えます。夜中に学校へ忍び込み、密かに出題されるパズルを練習していた彼は、見事大会で優勝。商品としてなぞなぞの本を貰ったこともあって、なぞなぞに興味を持ち始めました。 頭のいい彼は、学校のテストでも良い成績をおさめる優秀な生徒でしたが、彼の父はその才能を全く認めることなく、虐待を続けるだけでした。やがて彼は狂気の犯罪者と化すわけですが、その背景には恵まれない幼少期に父から虐待を受けた過去があるのです。

「愛」に関するコンプレックス

テレビシリーズ『GOTHAM/ゴッサム』はエドワード・ニグマがリドラーへ豹変するまでを丁寧に描いた作品です。 ゴッサムシティの警察で鑑識として働いていたニグマ。頭脳明晰ではありましたが、ニヤニヤしながら急になぞなぞを仕掛けてくる態度は、周囲の人々から気味悪がられていました。職場での疎外感や人気者への劣等感を抱える彼でしたが、資料整理係のクリングルという女性に恋をしていました。けれども、その彼女からも気持悪がられる日々を送ります。 ある時、ニグマはクリングルに激しく言い寄っていた男を殺してしまいます。彼はそれを上手く隠蔽し、ついに夢にまで見たクリングルとの交際をスタートさせるのです。順調に思えた2人の関係も束の間、クリングルはニグマが人殺しだと気づきます。問い詰められた彼はカッとなって、愛していたはずの女性までも殺害してしまうのでした。 「人をきちんと愛せなかった」という事実は彼を苦しめ、コンプレックスになっていきます。

ペンギンとの屈折した友情

『GOTHAM/ゴッサム』の見所の1つは、リドラーとペンギンの間にある目の離せない関係。それぞれゴッサムシティの表社会と裏社会にいた2人がおずおずと距離を縮め、次第にコンビとして行動するようになっていきます。 なかでもドラマシーズン3では、ペンギンがリドラーに恋心にも似た感情を抱いていることが示され、話題になりました。 クリングルに瓜二つのイザベラという女性に2度目の恋をしたリドラーは、嫉妬心からイザベラを殺したペンギンを憎み、彼の元を離れます。より大胆で危険な悪事をするようになっていったリドラーは、口ではペンギンを罵りますが、ペンギンの代わりになる人物を探し始めるのでした。 過去の恋に縛られながら、拒絶されることを恐れ、真の愛を探し求めるリドラーは、なんとも物悲しい人物に映ります。

リドラーはとても手強い

天才的な頭脳をもつリドラーは、なぞなぞを作って残すのも得意なら、なぞなぞを解くのも得意。ゴッサムシティ市民の大きな疑問「バットマンは誰か?」という問いにも答えを見つけることができました。 彼はバットマンがブルース・ウェインだということだけでなく、バットマンのサイドキックをしていたロビンがジェイソン・トッドだということも見抜きます。そうして、バットマンを揺さぶっていくのですが、このエピソードから、彼がゴッサムシティを混乱に巻き込みかねない重要な人物だとわかります。 誰よりも賢いという彼の能力は、ほかのキャラクターたちに比べればシンプルでつまらないと思われるかもしれません。しかし、彼には奥深い人間性があり、偉大なヒーローを倒しかねない脅威を秘めているのです。