【ネタバレ】シャザムは別名キャプテン・マーベル?映画〜原作版まで徹底解説してみた
見た目は大人、中身は子供のシャザムってどんなヒーロー?【ネタバレ注意】
DCコミックのヒーロー、シャザムがDCエクステンディッド・ユニバース(DCEU)の一員に加わります!シャザムは他のヒーローとは一味違うと言われていますが、どんなところが違うのでしょうか。 今回は、シャザムの原作コミックでの基本情報や活躍、ヴィランを含むキャラクターの魅力、そして映画の最新情報をお伝えします。 この記事を読んで、2019年4月の映画公開に備えましょう!
※この記事には、映画『シャザム!』についてのネタバレ情報が含まれているため、鑑賞前の方は注意ください。
シャザムってどんなヒーロー?
シャザムのオリジンストーリーとは
1940年にデビューして以来様々なシャザムのオリジンストーリーが語られてきましたが、基本的なオリジンはこうです。 孤児の少年ビリー・バットソンは地下鉄のトンネルで奇妙な男に魔法世界へと導かれます。そこで出会った魔術師シャザムは、美しい心を持つビリーに自身の力をすべて授けることにしました。そして誕生したのがスーパーヒーロー“シャザム”です。
“SHAZAM”(シャザム)は神々の名前の頭文字
ビリー・バットソンは少年の姿をしていますが、魔法の言葉“シャザム”を唱えると稲光が出現してビリーは大人の姿をしたヒーローへと変身します。 “SHAZAM”(シャザム)という言葉はそれぞれギリシャとローマの神の頭文字を表していて、その能力は以下の通りです。 ◉S=ソロモン(Solomon)の叡智 ◉H=ヘラクレス(Hercules)のパワー ◉A=アトラス(Atlas)の体力 ◉Z=ゼウス(Zeus)の全能 ◉A=アキレス(Achilles)の勇気 ◉M=マーキュリー(Mercury)のスピード この6つの能力があれば、ほぼ無敵なのではないでしょうか。
シャザムは悪ガキだった!?
シャザムに変身する前のビリー・バットソンはスーパーマンのクラーク・ケントのように一般人に紛れて暮らしています。 ビリー・バットソンはフィラデルフィアに住む15歳の少年で、素行の悪さからいくつもの里親を転々としてきました。 始めは手に入れた能力をお金稼ぎのために使おうとするなどヒーローとしての自覚がなかったものの、ブラックアダムの出現によりヒーローとして生きていく決心を固めることになるのです。
実写映画で“変身ヒーロー”シャザムを演じるキャストは?
魔法で変身するヒーローであるシャザムは、変身前と変身後ではまったく見た目が変わってしまうキャラクター。そのため、主演俳優のキャスティングは難航したようです。 結局、変身前と変身後を別々の俳優が演じることに。それでは2人で1人のビリー/シャザム役のキャストを見てみましょう。
変身前のビリー・バットソンをアッシャー・エンジェルが演じる
スーパーヒーローに変身する前の少年、ビリー・バットソンを演じるのはアッシャー・エンジェル。 彼は、ディズニー・チャンネルの人気ドラマ『アンディ・マック』で、主人公アンディ(ペイトン・エリザベス・リー)のロマンスの相手、ジョナ・ベックを演じ、ティーンエイジャーを中心に人気を獲得しました。 NEXTザック・エフロンとの呼び声も高いエンジェル。今回のビリー役への大抜擢で、注目を集めています。
変身後のシャザムを演じるのはザッカリー・リーヴァイ
ビリーがシャザムに変身すると、その姿は筋肉ムキムキの大人の男性に。そんなヒーローらしい外見と子供の心を併せ持ったシャザムを演じるのは、テレビシリーズ『CHUCK/チャック』やディズニーアニメーション映画『塔の上のラプンツェル』などで知られるザッカリー・リーヴァイ。 また彼は、MCU(マーベル・シネマティック・ユニバース)の『マイティ・ソー/ダーク・ワールド』や『マイティ・ソー バトルロイヤル』にも出演しています。
あまりマッチョなイメージのなかったリーヴァイですが、今回シャザムを演じるために、撮影の何ヶ月も前から肉体改造に励んだそうです。 体重など数値的な変化は明かされていませんが、リーヴァイは自身のInstagramでその成果を報告しており、同じくDCEUでスーパーマンを演じるヘンリー・カヴィルから「素晴らしいね!!よくやった!目線はずしてるのも完璧!」とのコメントも寄せられました。
映画に宿敵ブラックアダムは登場しない?
ブラックアダムの合言葉も“シャザム”
コミック『シャザム』の中で特に重要なキャラクターが、シャザムの宿敵で古代エジプトの王子、テス・アダム。 テス・アダムもシャザム同様“シャザム”と叫ぶことでスーパーパワーが使用可能に。なぜならテスもまたかつて魔術師から力を与えられた1人だったのです。 ブラックアダムの“SHAZAM”はそれぞれエジプトの神を表し、Sはシューのスタミナ、Aはホルスの俊敏性、Zはジェフティの知力、Aはアトンの力、Mはメヘンの勇気を意味しています。 ブラックアダムはその強大な能力をコントロールすることが出来ずに悪の道へ突き進む事になってしまいました。
ブラックアダムはただのヴィランじゃない!
ブラックアダムは基本的にヴィラン扱いですが、アンチヒーロー的側面も持つキャラクターです。実際2011年の設定改変以前は、彼は「ジャスティス・ソサイエティ・オブ・アメリカ」というヒーローチームに所属し、シャザム(当時の名前はキャプテン・マーベル)のことを“兄弟”と呼んでいました。 しかし、彼は祖国カーンダックが独裁者により支配されていることに激怒。独裁者を抹殺し自身が王座につきます。ブラックアダムの不当な扱いを受けた人物に復讐するという動機はヴェノムやパニッシャーとどこか通じるところがあります。
『シャザム!』には登場しないブラックアダム、実は単独映画が進行中!
実は『シャザム』の映画製作が決定したとき、最初に発表されたキャストはドウェイン・ジョンソンで、メインヴィランとしてブラックアダムを演じると報じられていました。 しかしその後、彼ほどのスターが出演するなら単独映画がふさわしいという結論になり、『シャザム!』とは別に映画『ブラックアダム (原題)』が製作されることに。この経緯についてプロデューサーのハイラム・ガルシアは、Colliderのインタビューで「どちらのキャラクターもとても特別なので、2人をひとつの映画に押し込めて妥協したくなかった」語っています。 まずは単独映画でそれぞれのバックグラウンドをしっかりと描き、合流させるというスタイルになるのでしょう。
映画『シャザム!』のヴィランはマッドサイエンティストのドクター・シヴァナ
原作のドクター・シヴァナはどんなキャラクター?
原作コミックで、ブラックアダム以外にシャザムの宿敵として登場するドクター・シヴァナ。1940年のコミックWhiz Comics #2でデビューしたこのマッド・サイエンティストは、実験で生み出した奇妙なクリーチャーを続々とシャザムのもとへ送り込んできました。 また、シャザムの正体を最初に見抜いた人物でもあり、彼にとっては厄介な存在です。
演じるのは英俳優マーク・ストロング
『シャザム!』のメインヴィラン、ドクター・シヴァナを演じるのは、近年「キングスマン」シリーズでの活躍でも注目されたマーク・ストロングです。 ストロングはその演技力で悪役にも定評があり、2009年の『シャーロック・ホームズ』や2010年の『キック・アス』など多くの作品で存在感を発揮しました。
映画でのドクター・シヴァナはどんなキャラクター?
映画で描かれたドクター・シヴァナことサデウス・シヴァナは、幼いころから傲慢な父や兄に無能呼ばわりされながら育ってきました。そんなある日、彼にチャンスが訪れます。
父、兄とともに車で帰路についていたサデウス少年は、突然強い光に包まれ、気がつくと暗い洞窟のような場所にいました。そこに現れたのは、不気味な風貌の男。彼は自ら魔術師と名乗り、サデウスが“偉大な力”を持つにふさわしい人物かを見極めると言います。しかし、結果は不合格。サデウスは力を欲しましたが、それは叶わず車の中に戻されてしまいました。 それ以来、サデウス・シヴァナは魔術師が与えると言っていた力を探し求め、どうすれば手に入れることができるのか調査していたのです。 そして時は流れ、ついにあの魔術師の洞窟へ行く方法を発見したドクター・シヴァナ。再び魔術師のもとを訪れますが、やはり力を与えることは拒否されてしまいます。そこで彼は怒りに任せて魔術師が封印していた怪物たち“七つの大罪”を解き放ちました。
ヒーロー誕生の鍵を握る魔術師シャザムとは?
ビリーにスーパーヒーローの力を与えた魔術師。彼は、世界のあらゆる魔術を支配する強力な者たちの1人で、古代の「魔術師たちの評議会」の唯一の生き残りです。自分の力の衰えを感じ、魔法の力を託す事ができる善良な人物を探していました。そしてその人物を何十年も探し求めたすえに、やっとビリーに出会ったのです。 実はこの魔術師は、以前力を与えた者が間違ったことにその力を使ってしまったため、今度は同じ失敗をおかさないよう、魔力を授ける相手を慎重に選んでいました。 ややこしいですが、この魔術師の名前も“シャザム”。ビリーは彼の杖を握り、その名を唱えることで力を得ました。
シャザム/ビリーの頼れる相棒?オタク少年フレディ・フリーマン
多くのアメコミヒーローに相棒がいるように、シャザム/ビリーにも頼れる相棒がいます。悪さばかりをして里親のもとを転々としていたビリーを受け入れた7番目の里親、バスケス家。彼らのもとにはすでに5人の里子がおり、個性豊かな子供たちが暮らしていました。 そのなかのひとりがフレディ・フリーマン。彼は生粋のアメコミオタクで、部屋の中はヒーローグッズでいっぱいでした。同い年のビリーは、その部屋で彼と一緒に生活することになります。 魔術師から力を授けられても、ヒーローのことなど全く知らないビリーはパニックに。子供の姿に戻ることもできずフレディに助けを求めます。筋肉ムキムキでスーパーパワーを身につけたビリーを見てフレディは大興奮。 そこからフレディは、スーパーヒーロー“シャザム”がどんな力を持っているのか、本人とともに実験していきます。
【ネタバレ注意】映画『シャザム!』の解説
子供の心を持った純粋なヒーロー、シャザム
映画冒頭、ビリーは警察官たちに対してひどいいたずらをします。いきなり「この子が“純粋な心”を認められてヒーローになるの!?」と疑いたくなるシーンですが、このときビリーは、生き別れた母親の行方を必死で探していました。そんないじらしい事情を知ると、彼の純粋さが伝わってきます。 また、バスケス家にやってきた当初はひねくれた態度を取り、フレディとも仲良くしようとしなかったビリーでしたが、スーパーパワーを手に入れフレディの助けを得て能力に目覚めていく過程では、本当に子供のように(子供ですが)はしゃいだりと、ここでも純粋さを見せてくれます。 これまでのDCヒーローの多くが持っていたシリアスさ、ダークさは微塵もありません。
スーパーパワーを得たことで居場所を見つけていくビリー
スーパーパワーを得たことでフレディと仲良くなり、人気YouTuberにもなったビリー/シャザム。しかし、彼が調子に乗って稲妻ビームを撃ちまくっていると、そのひとつがバスを直撃する事故が起こってしまいました。そのことがきっかけでフレディとケンカしてしまったビリー。ドクター・シヴァナはその隙を突き、フレディを誘拐します。 ここでビリーは、自分にとって大切なものがなにかを考えることに。
そのときになって彼は相棒であり、親友であり、義理の兄弟でもあるフレディの大切さに気づくのです。ビリーは自分にヒーローとしての能力を教え、側にいてくれた親友を助けるためにスーパーヒーローとしての自覚が芽生えます。 私たちにとってこの世界での居場所は大切なものです。孤児で家庭もなく、居場所を見つけられなかったビリーは、ヒーローとして「守りたいもの」を持つことで居場所を見つけたのではないしょうか。
コミックファンの予想は的中!?でも、それだけじゃない……
本作の情報を事前にいろいろ見ていた人なら、ひとつ予想していたことがあると思います。それは、メアリーのこと。実はコミックのシャザムには、生き別れた妹がいるのです。彼女の名前はメアリー。
コミックでのメアリーは後に兄ビリーと同じく魔術師から魔法の力を授かり、「メアリー・マーベル」として活躍するキャラクターです。 しかし、グレース・フルトン演じる映画でのメアリーは、ビリーと同じくバスケス家の里子の1人として登場します。彼女はビリーよりも年上なので、義理の“姉”ということになるのでしょう。もちろん血のつながりはありません。 そして映画終盤、ドクター・シヴァナが持ってきた魔術師の杖を奪うことに成功したシャザムは、5人の義理の“兄弟姉妹”とともに杖を握り、自分の名前を唱えさせます。するとメアリーも、他の里子たちもシャザムのようなスーパーヒーローに変身!みんなで力を合わせてドクター・シヴァナ、そして“七つの大罪”と戦います。 ちなみに、フレディもコミックでは「キャプテン・マーベルJr.」として活躍していますので、メアリーとフレディがヒーローになると予想していた人は少なくなかったでしょう。しかし、里子全員がスーパーヒーローになることを予想していた人はあまりいないのではないかと思います。
名前の紆余曲折もネタに!?
映画『シャザム!』に興味があり、この記事をここまで読んでくれた方はすでに知っていると思いますが、このヒーローの名前が「シャザム」になるまでには紆余曲折がありました。 映画内では、この複雑な経緯をネタとして扱っています。 それは、ビリーとフレディがヒーロー名を考えるのにああでもないこうでもない、それはダサい、変な意味みたい、といくつもアイディアを上げていくセリフ。こんなシーンが随所に散りばめられています。
さらに原作のシャザムを深掘り
元々はDCのヒーローではなかった!?昔の名前は“キャプテン・マーベル”
現在はDCユニバースに加わったシャザムですが、元々はDCコミックではなくフォーセット・コミック社が生み出した“キャプテン・マーベル”というヒーローでした。しかし1950年、DCコミックはキャプテン・マーベルがスーパーマンに酷似していると主張。フォーセット・コミックに対して訴訟をおこし、「キャプテン・マーベル」は出版差し止めになってしまいます。 それからおよそ20年後、がDCコミックが『キャプテン・マーベル』を出版。 しかしその頃には、ライバル会社マーベルコミックに同名のキャラクターが登場していました。そのためDCはタイトルに“キャプテン・マーベル”が使用できず、苦肉の策として“シャザム”名義のコミックが発売されることになったのです。
シャザムには双子の妹がいる!?
他のDCコミックヒーロー同様、シャザムのコミックにも様々なサポートキャラクターが登場しています。 その中でも重要なのがビリーと生き別れた双子の妹メアリー。 メアリーも魔術師シャザムから能力を引き継いだ人物の1人で、“シャザム”を唱えることで成人女性の姿をしたメアリー・マーベルに変身し、ビリーと同じ能力を使うことができます。
シャザムの強さを考察 スーパーマンとどっちが強い?
シャザムはDCコミックの中で「スーパーマンと並ぶ地上最強の男」とされています。では、2人が戦った場合、どちらが強いのでしょうか? スーパーマンは、神にも等しい能力の持ち主として知られています。しかし、意外にもスーパーマンは魔法や魔術に対する抵抗力が非常に弱く、特に精神操作系の攻撃が苦手な様子。そのことを本人も自覚しており、自分が洗脳された場合に備えて盟友のバットマンにクリプトナイトの指輪を渡しているほどです。 一方シャザムは、魔法で神の力を手に入れたキャラクター。なかでも魔法で稲妻を発生させる攻撃を得意としており、これを使われてしまったらスーパーマンには打つ手なしでしょう。また、まさに“超人”であるスーパーマンができることは、6つの神の力を持つシャザムにもできてしまいます。 しかし、シャザムの弱点は中身がコドモであるということ。綿密に練られた作戦や策略には簡単に引っかかってしまうという面も。 それぞれの得意技と弱点を考えると、2人の強さはほぼ互角と言っていいのではないでしょうか。
新たなDCヒーロー映画『シャザム!』は2019年4月19日公開!
見た目はオトナ、中身はコドモという異色のヒーロー、シャザムはその強大な能力と子供っぽさのギャップが魅力です。 これまでダークなイメージが強かったDC映画ですが、近年は『ワンダーウーマン』や『アクアマン』など、軽快な雰囲気の作品も増えてきました。『シャザム!』はそのなかでもさらにコミカルな要素が多い映画になることが期待されています。 新たにDC実写映画ヒーローの仲間入りをするシャザム、その活躍は見逃せませんね! 『シャザム!』は2019年4月19日から全国公開です。