サイモン・ペッグが語る、ベンジーのアクションと魅力『ミッション:インポッシブル/フォールアウト』来日インタビュー
今回の「ミッション:インポッシブル」もすごい!何がすごいって、トム・クルーズは空から飛び落ちるわ、ビルからビルを猛ダッシュで渡っていくわで相変わらずなのですが、今回はベンジーのアクションも光っている!? 3作目『M:i:Ⅲ』で初登場し、椅子に座りながらエージェントをサポートする“椅子の男”だったベンジー。前作『ローグ・ネイション』では、『フォールアウト』にも登場する悪党シンジケートに攫われるといった、“囚われの姫”として活躍しました。しかし、本作『フォールアウト』ではベンジーが拳を握って戦う!?けどやっぱり、誰かに助けられるオチ!? そんなことを含めて、役の見所や撮影の裏側などをベンジー演じる俳優のサイモン・ペッグにインタビューで伺いました。
皆が『フォールアウト』で出会うベンジーは、4作の間で多くを吸収した男だ
ベンジーが初めて登場した3作目から今作にかけて振り返って、ベンジーの成長をどう思いますか?
「彼を演じるのはとても楽しかったよ。彼は最初現場という表舞台にでることなく、“椅子の男”として頑張っていた。しかし、彼は今回はじめて現場にエージェントとして出動するんだ。イーサン・ハントは1作目の『ミッション:インポッシブル』の時からすでに敏腕エージェントとして出来上がっていた、行ってしまえばマシンみたいな男だ。 しかし、ベンジーは違う。彼は組織内部にいたテクニシャンから、フィールドエージェントにまでなる過程で人間的な成長を僕らに見せてくれるし、そこから学べる。今回『フォールアウト』で皆さんが出会うベンジーは4作の間で多くを吸収してきた男なんだ。でも、いつもハートは同じ男だよ」
さらに、サイモン・ペッグは『ミッション:インポッシブル』シリーズにおけるベンジーの立ち位置を語ると同時に、この役を演じる心境を語ってくれました。
「ベンジーは僕が演じてきたキャラクターの中で最も人間らしいキャラクターなんだ。イーサンは常にスーパーヒーローで、そういう姿であるべきでもある。彼は正直機械的でもあったりするけど、『フォールアウト』ではもっと彼の人間性が垣間見れる。 しかし、ベンジーはいつも観客が言うであろうことを言うんだ。「なんだって!?」「一体何を考えているんだ!?」「無茶だ、危険だろ!」って具合にね(笑)それがベンジーの基本を作っているんだ。彼は観客の1人でもある。 僕が『スター・トレック』で演じているモンゴメリー・スコットも似ているかもしれない。周りがクールでいるときに、ベンジーと同じように観客を代弁してくれるようなタイプだ。そういうキャラクターを演じることはとても嬉しいし、観客の代表的な立場にいられるのは良いことだと思う。」
サイモン・ペッグが語る、アクションシーンの真髄
今回ベンジーはアクションシーンが今までのものに比べて増えていましたね。どのシーンが一番撮影する際に苦労しましたか?
「恐らくクライマックスの、僕がずっと吊るされていたシーンだ(笑)本来あのシーンは2日の撮影で予定されていたんだけど、実際7、8日かかったんだ。いつも格闘シーンを撮る際はかなり気をつけなければならないんだ。互いに本当にぶつかって傷ついたりしまうから、注意深くしなければいけない。 あのシーンでは僕は吊るされていただけだったけど、ハーネスをつけて首に一切の体重がかからないようにしていたんだ。僕は本当に首が締まって死にかけているように見せなきゃいけなかったけど、あれは本当に大変だった。他はすごく楽しかったよ、下水道を潜るシーンとかね。何より好きなシーンは、トム(・クルーズ)にヘンリー(・カヴィル)をはじめ“みんな”が集まって地下で会話をする重要なシーンだ。アクションシーンは僕にとって遊んでいる感覚で演じるから、真剣な会話術に惹かれる。」
吊るされているとき、他の出演作品にはあまりないような必死な姿でした……!
「だろう!?実は僕が吊るされるのは2回目なんだ。緊迫感のある15分のクライマックスシーンは、何が起きるのかわかっている僕でさえ観ているだけで神経が高ぶってしまう。それが本作のポイントなんだ。 それぞれが、それぞれの理由をもって限界点で戦っている。イーサンは黒幕と対峙するし、イルサはレーンとの因縁を晴らそうとする。ちなみに、レーンはベンジーのことを『ローグ・ネイション』で吹っ飛ばそうとしていたし、うざがっていて嫌いなんだ(笑) 」
「この全てのことがあちこちで起きていて、理想は観客を緊迫感で酔わせることだ。空ではデカいことが起きていて、陸ではもう少し規模の小さいものがいくつかで起きている。本作におけるこれら全ては、引きのあるアクションというより、誰がどのように誰を巻き込んでいるのかという点が重要なんだ。 最近は映画作りにおいてクレイジーでド派手なことは簡単できる。しかし、実際に何が起きているのかを観客に理解させなければ、それは空虚なものでしかないんだ。その文脈で、このクライマックスシーンは意味深いと思っているよ」
サイモン・ペッグ、次回作では「相手をノックアウトさせたい」
『ミッション:インポッシブル/フォールアウト』は恐らく、続編の製作もあるでしょうし、ベンジーも再びスクリーンに戻ってきてくれるはず。次回作では、どのようなアクションに挑戦したいか、サイモン・ペッグは意欲的な姿勢をしめしてくれました。
「ベンジーがしっかり自分自身で戦い抜けるようにしたいね。今まで彼はあらゆる戦いに巻き込まれているものの、いつもイルサのような誰かに助けられている。 彼はファイターではなく、テクニシャンなんだ。だからそういう状況に陥っても彼が戦えないことは仕方ないし、当たり前だよ。でも、今やその彼の立場にはルーサーがいる。だから今度は、ベンジーがしっかり拳で相手をノックアウトさせるところがみたいよ!」
サイモン・ペッグ演じるベンジーがシリーズ史上最も活躍(!?)している『ミッション:インポッシブル/フォールアウト』は大ヒット&日本の夏休みを席巻中です!