2018年8月23日更新

サム・ペキンパーが手掛けた名作映画6選【監督・脚本】

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サム・ペキンパー
© AVCO Embassy Pictures/Photofest

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バイオレンス映画といえばこの人!サム・ペキンパーの名作をピックアップ

映画史に残る名監督は数多くいますが、サム・ペキンパーほど個性を確立している映画監督は少ないでしょう。 キャリアの初期には西部劇を多く手掛け、後にバイオレンス映画の巨匠として数多の名作を世に送り出してきました。スローモーションやカメラの切り替えを多用する撮影技法は、後続の映画監督にも大きな影響を与え、北野武をはじめペキンパーのファンを公言する人も少なくありません。 今回は、そんな稀代の名監督が手掛けた名作をご紹介します。ハリウッド映画とは違った魅力に満ちた作品に是非触れてみてください!

宇宙人の静かな侵略を描いた、クラシックSFホラーの傑作『ボディ・スナッチャー/恐怖の街』

何度も映画化された古典SF小説の名作『盗まれた街』の最初の実写化で、原作と同じく高い評価を受けた作品です。『ダーティーハリー』などで知られるドン・シーゲルが監督し、サム・ペキンパーは脚本家として参加しました。 平穏な街が、次第に宇宙人によって静かに乗っ取られていく様子を描いています。自分の肉親や友人が、ある日突然に姿が同じ「何か」と入れ替わるという展開は、1956年の作品ながら現代のホラー映画と変わらず不気味です。 正体不明の恐怖から脅かされる緊張感と絶望感を、無駄なく描いたSFホラーの傑作です!

滅びゆく男たちの美学が胸を打つ『ワイルド・バンチ』

サム・ペキンパーが監督と脚本を担当した、代表作にして西部劇の傑作。時代に逆行するアウトロー集団「ワイルド・バンチ」が、信念を貫きながら滅んでゆく様子を描いた作品です。 乾いたバイオレンス描写が本作の特徴で、暴力を美化せずにありのままに映し出します。アクションシーンの多い映画ですが、特に終盤の銃撃戦は当時としては型破りのスケールで、映画史に残る名シーンとして多くの作品に影響を与えました。 計算されたカメラワークや演出は、1969年の映画とは思えないほど古さを感じさせません。ペキンパーを語る上で、本作は絶対に欠かせないでしょう。

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人間の秘められた暴力性を暴く衝撃作!『わらの犬』

数学者のデイヴィッドは、妻のエイミーと共に彼女の故郷の田舎へと引っ越してきます。そこで彼を待っていたのは、人々からの陰湿な嫌がらせでした。 何をされても我慢し続ける気弱なデイヴィッドでしたが、ある事件がきっかけとなり、遂に秘めていた彼の暴力性が解放され……。凄惨な暴力と人間の持つ残酷な本性を、目を背けたくなるほど克明に描き出します。 クセのある主役を見事に演じきったのは、ダスティン・ホフマンとスーザン・ジョージ。また、本作でもサム・ペキンパーは監督・脚本を手掛け、『ワイルド・バンチ』と並ぶ彼の代表作となりました。

大ヒットしたエンターテインメント作『ゲッタウェイ』

スーパースター、スティーブ・マックイーンが主演を務め、サム・ペキンパーの作品の中で最もヒットしたのが『ゲッタウェイ』です。バイオレンス満載のクライムアクションの名作であり、特にエンターテインメント性が強い作品となっています。 悪徳政治家ベニヨンとの裏取引によって出所した主人公のドクは、妻のキャロルと共に取引の条件であった銀行強盗を決行。作戦を成功させたものの、2人はベニヨンの罠にはまってしまい……。 ペキンパー自身はあまり本作を好まなかったようですが、人を選ぶような他の代表作よりも親しみやすいため、ペキンパー入門におすすめです。

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渋さとバイオレンスが融合した『ガルシアの首』

娘を妊娠させたガルシアという男を捕えるため、ある大地主が生死を問わず100万ドルの懸賞金をかけます。ピアノ弾きの男ベニーは恋人のエリータと共に、既に死亡していると判明したガルシアの首を取りに行きますが……。 『ゲッタウェイ』とは対照的に、興行的には失敗だったのにも関わらず、脚本も書いたサム・ペキンパー自身は非常に気に入っていたという作品が『ガルシアの首』です。彼の作品の中では特に渋い作風で、ペキンパーの描く男の世界を存分に味わえるでしょう。 バイオレンスの濃度も更にアップした、ペキンパー全盛期を象徴する名作です。

正に集大成!戦争映画を代表する一作となった『戦争のはらわた』

数々の作品でバイオレンス描写を進化させてきたサム・ペキンパーが、その経験を全力で注いだのが『戦争のはらわた』です。名誉に執着するシュトランスキー大尉や、彼の部下であるシュタイナーを通して、戦争の愚かさや兵士たちの関係をリアルに描きました。 本物の戦車や銃を使用し、圧倒的な迫力で再現した戦闘シーンは世界中に衝撃を与え、その後の戦争映画にも大きな影響を及ぼしています。戦争映画では美化されがちな兵士たちも、本作では非常に生々しく描かれているというのもポイントです。 ペキンパーの集大成のような作品であり、戦争映画の決定版と言っても過言ではありません!

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映画の鬼、サム・ペキンパーの作品は永久に不滅!

いかがでしたか?名監督、サム・ペキンパーが手掛けた傑作の数々をご紹介しました。 無駄を排除した無骨な雰囲気、暴力を徹底的にリアルに描写する作風から、彼の作品はアメリカではあまりヒットはしませんでした。しかし、日本をはじめとする多くの国では、彼の作品の熱狂的なファンは沢山います。 アメリカの映画監督でありながら、ハリウッドとはまるで異なる価値観を貫いた人物として、これからも彼は語り継がれるでしょう。映画製作に全てを注ぎ込んだペキンパーの作品は、決して忘れ去られることはありません!