気弱な少年と魔法使いが世界を救う!『ルイスと不思議の時計』
ゴシック・ファンタジー映画『ルイスと不思議の時計』とは
スティーヴン・スピルバーグのアンブリン・エンターテインメント製作のゴシック・ファンタジー『ルイスと不思議の時計』が、この秋公開されます。 監督にホラー映画界の旗手イーライ・ロスを迎え、ジャック・ブラック、ケイト・ブランシェット、カイル・マクラクランという豪華キャストを揃えた、本作の解説及び見どころを紹介します。
原作はアメリカで長らく親しまれる児童ファンタジー小説
本作は、ゴシック・ファンタジーの名手として知られるアメリカ人作家、ジョン・ベレアーズが1973年に発表した児童小説「ルイスと魔法使い協会」シリーズの第1作「壁のなかの時計」の映画化です。 この「ルイスと魔法使い協会」シリーズは、ユーモアと不気味さをうまくマッチさせ、黒魔術や幽霊、墓場といったゴシック小説に使われる道具たてを絶妙に取り入れた人気作として、本国アメリカでは長らく版を重ねています。 シリーズはジョン自身による続編2作と、91年に彼が亡くなった後も別作家によって書かれた作品を含む全12作が出版され、「ハリー・ポッター」の原点ともいわれています。
『ルイスと不思議の時計』のあらすじは?
This September, you are invited somewhere timeless. Starring @jackblack, Cate Blanchett and @OwenVaccaro, THE HOUSE WITH A CLOCK IN ITS WALLS is in cinemas September 19. #HouseWithAClock pic.twitter.com/yo6sdPQJb3
— UIP Philippines (@uipmoviesph) August 21, 2018
1950年代のアメリカ。自動車事故により両親を亡くした少年ルイスは、叔父ジョナサンが住む屋敷で暮らすことに。実はジョナサンと、美しい隣人のツィマーマン夫人は魔法使い。それでも、一人ぼっちとなったルイスにとって刺激的な新生活が始まります。 ある日ルイスは、ジョナサンから屋敷に隠された秘密を告げられます。それは、この家の前の持ち主は邪悪な魔法使いアイザックで、彼によって壁のどこかに世界を破滅する力を持つ時計が埋め込まれている、というものでした。 そしてハロウィンの夜、ルイスのちょっとした出来心から、なんとその時計が動き出すことに!ルイスとジョナサン、そしてツィマーマン夫人は、時計を止めるべく屋敷を駆けめぐります。
『ルイスと不思議の時計』の主要キャスト
ジャック・ブラック(ジョナサン・バーナヴェルト)
孤児となった甥のルイスを引き取るジョナサン。実は魔法使いなのですが、少々ドジで頼りない面も……。 ジョナサンを演じるのはジャック・ブラック。2015年の『グースバンプス モンスターと秘密の書』 に次ぐ、児童向けファンタジー小説の映画主演となります。原作のジョナサンは赤ひげがトレードマークとなっていますが、映画版ではジャック本人のヒゲをそのまま活かしています。
ケイト・ブランシェット(フローレンス・ツィマーマン)
ジョナサン家の隣人である魔女のツィマーマン夫人。しっかり者でジョナサンとはケンカばかりしていますが、心優しい性格の持ち主です。 2度のアカデミー賞に輝く名優ケイト・ブランシェットが、原作通りに白髪で紫の服を着るツィマーマンを演じます。「ロード・オブ・ザ・リング」シリーズや『マイティ・ソー バトルロイヤル』などで怒らせたら怖い役をこなしてきただけに、本作の魔女役もハマっています。
オーウェン・ヴァカーロ(ルイス・バーナヴェルト)
When you show up @CatapultActing and your poster is right next to your buddy @brandonsspink @DaddysHome #daddyshome pic.twitter.com/7qMcGcRd8Y
— Owen Vaccaro (@OwenVaccaro) November 7, 2016
両親を事故で亡くしたことで、叔父ジョナサンと暮らすこととなるルイス。おとなしい性格から学校でなかなか友だちができず、それによりトラブルが起こることに……。 ウィル・フェレルとマーク・ウォールバーグのダブル主演コメディ「パパVS新しいパパ」シリーズ(日本ではDVDスルー)の子役、オーウェン・ヴァカーロがルイスを演じます。原作のルイスは小太りという設定ですが、映画版はオーウェンが演じたことでスマートな体格になっています。
カイル・マクラクラン(アイザック・アイザード)
Forgot to pack socks for this Red Room in @TelevisionAcad’s Emmy Magazine shoot. pic.twitter.com/9yEI7qqLdj
— Kyle MacLachlan (@Kyle_MacLachlan) June 20, 2018
ルイスたちが暮らす屋敷の前家主だった黒魔術師のアイザック。邪悪な心の持ち主で、世界の破滅をもたらす時計を屋敷に仕掛けます。 2017年に、25年ぶりに復活して話題となったテレビドラマシリーズ『ツイン・ピークス The Return』でのクーパー役も記憶に新しいカイル・マクラクランが、アイザックを演じます。生来のミステリアスな雰囲気を活かした悪役ぶりに注目です。
監督はホラー映画界の旗手イーライ・ロス
メガホンを取ったのは、『ホステル』や『グリーン・インフェルノ』、『ノック・ノック』といった斬新なホラー映画を次々と発表してきたイーライ・ロス。俳優としても活躍しており、『イングロリアス・バスターズ』や『ピラニア3D』などに出演しています。 本作『ルイスと不思議の時計』は、彼のフィルモグラフィーでは初のファミリー向け作品となります。
『ルイスと不思議の時計』の見どころは?
Find your weird, unlock your magic. #WeirdIsWonderful #HouseWithAClock ????️ pic.twitter.com/MvfizzzC8g
— The House with a Clock in Its Walls (@housewithaclock) August 20, 2018
この『ルイスと不思議の時計』が「ハリー・ポッター」と大きく違うのは、主人公のルイスが魔法を使えない普通の人間という点です。 気弱な性格で友だちができずに、学校でもいじめられるルイス。そんなごく平凡な少年が、知恵と勇気をふりしぼってトラブルに立ち向かう――つまり本作は、ルイスの成長物語でもあるのです。 そんなルイスを助ける2人の魔法使いも魅力的です。お人よしでドジなジョナサンと、冷静沈着なツィマーマン夫人という両対象なキャラクターが、ストーリーに深みを与えています。 また、イーライ・ロス監督によると、ギレルモ・デル・トロやサム・ライミ、ティム・バートンが過去に手がけたゴシック・ホラー映画を意識したビジュアル作りをしたと語っているだけに、楽しくもあり、ちょっと怖くもあるファンタジー作品となっています。
なぜイーライ・ロスが『ルイスと不思議の時計』を撮ったのか?
In ONE MONTH, visit a place where magic lives. #HouseWithAClock ????️ pic.twitter.com/3rUQXFiMK1
— The House with a Clock in Its Walls (@housewithaclock) August 21, 2018
ところで、これまでホラーを中心に撮ってきたイーライ・ロスが、なぜ子ども向けファンタジー映画を監督することになったのか。イーライによると、以前からファンタジー映画を作りたいという思いがあったのと、アンブリン・エンターテインメントが製作を手がけるというのが大きな要因となったようです。 というのも、彼は少年時に、『グレムリン』や『グーニーズ』といったスピルバーグ製作のアンブリン映画を観て育ちました。また、下積み時代に『ロストワールド/ジュラシックパーク』にエキストラ出演もするなどアンブリン映画とは縁があったことからも、今回、自分が監督としてアンブリン映画に携われることを大いに喜んだといいます。 「『ホステル』のファンが、自分たちの子どもと一緒に観られる作品になったと思う」と豪語するほど、イーライの『ルイスと不思議の時計』への並々ならぬ自信がうかがえます。
『ルイスと不思議の時計』は10月12日公開!
This house knows what makes you tick. #HouseWithAClock ???? pic.twitter.com/VC0RIAoDeG
— The House with a Clock in Its Walls (@housewithaclock) June 28, 2018
『ルイスと不思議の時計』は、アメリカでは2018年9月21日、日本では10月12日に公開されます。 本作の映画化企画は2011年ごろから進められており、それがようやく具体化したのは2017年でした。もしヒットすれば、「ハリー・ポッター」のようなシリーズとなる可能性も秘めているだけに、大いに期待したいところです。
10月はイーライ・ロス祭り!もう一本の新作『デス・ウィッシュ』も公開
なお、日本ではもう一本のイーライ・ロス監督作『デス・ウィッシュ』が、『ルイスと不思議の時計』とほぼ同時期の10月19日に公開されます。 妻子を強盗に殺された平凡な男が、拳銃を手に悪事を働く連中を始末していくという、1974年の『狼をさらば』のリメイクにあたる本作。かつてからイーライ自身がリメイクを希望していただけあって、彼お得意のバイオレンス描写が満載となっています。 『ルイスと不思議の時計』と『デス・ウィッシュ』。全くタイプの違う2作品ではありますが、“イーライ・ロス祭り”としてあわせて観てみるのはいかがでしょうか。