「カーズ」シリーズのあらすじ・見どころをネタバレ解説!
2006年公開の長編アニメーション映画『カーズ』は、若きレースカーが田舎町の住民たちと出会ったことで、本当に大切なものを見つけていく物語です。本作のグッズは世界中で大ヒットし、2011年に続編の『カーズ2』が公開。2017年には『カーズ3(クロスロード)』が公開され、同年に実写ドラマ化されました。 この記事では、子どもから大人まで熱中できる「カーズ」シリーズについて、各作品のあらすじや見どころ、シリーズにまつわるトリビアなどをご紹介します。
「カーズ」シリーズってどんな物語?
2001年より制作が始まった『カーズ』は、当初は『Route 66』というタイトルでした。しかし、1960年代に同名のテレビドラマがあったことから、タイトルを現在の『カーズ』に変更されました。 『カーズ』の世界には人や動物が一切登場せず(なんと虫も車!)、代わりに意思を持った乗り物たちが登場します。登場キャラクターは実在の車をモデルにしており、瞳の色は声優の瞳と同じ色に設定されています。 同シリーズで主人公を務めるのが、天才レースカーのライトニング・マックィーン。原語版では俳優のオーウェン・ウィルソンが声優を務めており、自分勝手な性格のマックィーンが、数々の出会いやレースの中でどう変化していくかが物語の大きな鍵になっています。 シリーズには本物のレーサーが声優として参加しており、『カーズ2』に出演したルイス・ハミルトンは声の出演だけでなく、自身が声を当てたキャラクターの車体の配色も考案しています。
個性溢れるキャラクター一覧!
1作目『カーズ』
あらすじ
ライトニング・マックィーンは、「ピストン・カップ」史上初の新人チャンピオンを目指す若きレースカー。彼はカリフォルニアに向かう道中でトレーラーのマックとはぐれ、ルート66沿いの田舎町「ラジエーター・スプリングス」に迷い込みます。 マックィーンは町の道路をボロボロに壊してしまい、道路の舗装を命じられます。当初は町の住民たちを「田舎者」と見下していましたが、住民たちの優しさに触れ、次第に心の中が変化。レッカー車のメーターとの友達になり、弁護士のサリーと惹かれ合うようになります。 しかし、実は伝説のレーサーだったドックが、裏でマスコミにマックィーンの居場所をリーク。町に大勢のマスコミが押し寄せる中、マックィーンはメーターたちに別れを言えないまま町を去ってしまいます。
ルイジは『ルパン三世 カリオストロの城』へのオマージュ
本作には『ルパン三世 カリオストロの城』のオマージュとして、フィアット500のルイジが登場します。これについてジョン・ラセター監督は、自身が子どもの頃に『ルパン三世 カリオストロの城』を観て宮崎駿監督のファンになり、後に親友となった宮崎へのオマージュとしてルイジを登場させたと明かしています。 ジョン・ラセター監督は日本好きであることも公言しており、『カーズ2』における東京のシーンは、彼が愛する街・東京へのラブレターとして制作したそうです。
2作目『カーズ2』
あらすじ
マックィーンは「ワールド・グランプリ」に招待され、メーターと日本の東京へ向かいます。しかし、マイペースなメーターにマックィーンは恥をかかされてばかり。さらに無線でメーターが余計な発言をしたことで東京での勝利を逃し、激怒したマックィーンはメーターを責めてしまいます。 責任を感じたメーターは1人帰ろうとしますが、そこでイギリスのスパイであるフィン・マックミサイルとホリー・シフトウェルに遭遇。スパイと勘違いされたメーターは彼らに協力し、ザンタップ教授率いる「レモン・ファミリー」が、新燃料のアリノールを使って悪事を企んでいることを掴みます。 次のイギリスレースでマックィーンが標的になると知り、そのことを彼に伝えに向かうメーター。しかし仲間と共に敵に捕まり、メーターは時限爆弾を取り付けられてしまいます。
マックィーンとメーターの友情が熱い!
マックィーンがラジエーター・スプリングスで街作りに勤しむ頃、メーターはテレビ番組で出演者がマックィーンの悪口を言うのを観ます。メーターは我慢できず電話受付のコーナーに電話し、「彼は世界一だ」と力説。出演者に休んでいる理由を聞かれると「何が大切か分かっているから」と答えました。 他にも、イギリスのスパイ組にボディーのへこみを直されそうになった際「マックィーンとの思い出だから消さないでいい」と言うなど、メーターがマックィーンを親友として真っ直ぐに好いていることが作品の随所で伝わってきます。 一方のマックィーンも「友情より大切な喧嘩はない」と語り、メーターが自信をなくした時には「そのままでいいんだ」と伝えています。マックィーンとメーターの互いを思いやる真っ直ぐな友情に、思わず胸が熱くなることでしょう。
日本の空港のシーンで、『となりのトトロ』のサツキとメイの名前が登場
『カーズ2』は舞台の1つが東京ということもあり、日本車をモチーフにしたキャラクターが多数登場します。中でも注目したいのが、東京国際空港で受付嬢をしている双子の姉妹・サツキとメイ。彼女たちの名前は、ジブリ作品『となりのトトロ』のサツキとメイが由来になっています。 本作で監督を務めるブラッド・ルイス監督は、『千と千尋の神隠し』以降のジブリ作品の英語吹き替え版制作に携わっており、尊敬するジブリ作品へのリスペクトとしてサツキとメイを登場させたそうです。
3作目『カーズ3(クロスロード)』
あらすじ
マックィーンは新しいライバル・ストームの登場により、レースで勝てない日々が続いていました。悩むマックィーンはシーズン最終戦、ストームに負けまいと猛スピードを出して大クラッシュを起こしてしまいます。 事故から4ヶ月後、今後を考えるマックィーンはサリーに自身の気持ちを話し、これまでとは違うレースの仕方を探すことに。マックィーンがスポンサーに連絡すると、新スポンサーのスターリングから最新鋭の施設と新トレーナーのクルーズ・ラミレスを紹介されます。 しかし、マックィーンは訓練でシュミレーターを全く操作できずに壊してしまい、様子を見ていたスターリングから、レーサーを辞めて会社のブランドの顔としてグッズ販売をするよう誘われます。 マックィーンはフロリダのレースで勝利したら引退の時期を自分で決め、負けたらスターリングのビジネスに従うと約束。クルーズと共にフロリダまで特訓の旅に出るのでした。
ドック・ハドソンが再登場!
『カーズ』でマックィーンの成長のきっかけとなったドックですが、2008年に彼の声優であるポール・ニューマンが死去したため、続編の『カーズ2』では故車という設定に変更。登場も展示館での過去の写真のみとなりました。 しかし、『カーズ3』でマックィーンの回想や現役時代のレースシーン、自身の引退のきっかけとなった「54年の大事故」の映像の中に再登場。前2作では語られなかったドックの過去や真相などが明かされ、彼の人生がマックィーンの決断に大きく関わってきます。 ドックの声優の交代は行われておらず、1作目『カーズ』の制作段階で未公開となったポール・ニューマンの音声から、使用できそうな音声を『カーズ3』で使用しています。
本編で『リメンバー・ミー』の予告がされていた
実は『カーズ3』の作中で、『リメンバー・ミー』の予告シーンが密かに登場しています。クルーズがトレーニングを指導中、ホームシックのレーサーに音楽をかけてあげるシーンがあり、そこで流れる映像が『リメンバー・ミー』の主人公・ミゲルの故郷であるサンタ・セシリアになっているのです。 隠し演出での予告は『リメンバー・ミー』でも行われ、デラクルス広場に飾られたポスターに『インクレディブル・ファミリー』のパー家が骸骨姿で登場しています。
「カーズ」シリーズの見どころはまだまだ沢山!
「カーズ」シリーズには他にも見どころやトリビアがたくさん詰まっているので、気になる方はぜひ同シリーズをチェックしてみてはいかがでしょうか?