2020年4月5日更新

【ネタバレ注意】死がテーマの名作映画7選 映画史に残る死亡シーンも紹介!

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君の膵臓をたべたい ロゴなし
©️2017「君の膵臓をたべたい」製作委員会 ©️住野よる/双葉社

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【ネタバレ注意】死について考えさせられるおすすめ映画7選

人間は誰しもがいずれ死にゆくもの。一般的に死は悲しいものですが、映画ではあえて描くことで、観客にメッセージを投げかけます。 この記事では死について考えさせられるような、死生観を問いかける作品を紹介。受賞歴などを参考に、広く知られている名作を中心に選出しました。 さらにciatr編集部が選んだ、映画史に残る死亡シーンがある作品もお届け。有名なあの映画から意外なあの映画まで、幅広い作品を紹介します。 ※死を扱った映画という性質上、ストーリーの多大なネタバレを含むのでご注意ください!

『最高の人生の見つけ方』(2007年)

余命半年の2人が「やりたいこと」

『最高の人生の見つけ方』ジャック・ニコルソン、モーガン・フリーマン
© WARNER BROS./zetaimage

仕事に人生を捧げた大富豪のエドワードと、家族のために地道に働き続けたカーターは、入院先の病室で出会いました。共に余命6カ月を宣告されていた2人は、死ぬまでにやりたいことを全てやりつくすことを決意。病院を抜け出し、「やりたいことリスト」の項目を全て実行するため、人生最後の旅に出るのでした。 名優のジャック・ニコルソンとモーガン・フリーマンが初共演を果たし、あらゆることが正反対の2人をリアルに、それでいてとても魅力的に演じています。本作では死をマイナスなものとしては描いておらず、改めて生に向き合うことのできるものとして、ポジティブに捉えられていました。 やりたいことリストの項目が伏線となって感動的なラストに繋がっており、観終わった後に主人公と同じ充実感を得られる作品です。

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『ミリオンダラー・ベイビー』(2004年)

死を選ぶことは間違っているのか

『ミリオンダラー・ベイビー』クリント・イーストウッド、ヒラリー・スワンク
© WARNER BROS./zetaimage

クリント・イーストウッドが監督・製作・主演を務めた作品で、アカデミー賞では作品賞を初めとする複数の賞を受賞しました。 優しかった父親を亡くし、貧しい生活を送っていたマギー。彼女はプロボクサーとして成功を収めるため、ある寂れたボクシングジムの門を叩きます。ジムのオーナー兼トレーナーのダンは一度は彼女を拒みますが、その真剣さに打たれ、トレーナーを務めることに。 トレーニングを通じて歩み寄っていき、親子よりも強い絆が芽生えていく2人。しかし物語終盤で起きた試合中の事故により、マギーは全身不随となります。家族にも見放された彼女は人生に絶望し、ダンに安楽死を懇願。 ダンは自身の宗教観と異なる望みだったこともあり、深く苦悩します。その後マギーの思いを叶えますが、果たして彼の選択は正しいものだったのでしょうか。人の尊厳が問われる、愛を描いた物語です。

『海を飛ぶ夢』(2004年)

尊厳死に向き合った問題作

『海を飛ぶ夢』ハビエル・バルデム、ベレン・ルエダ
© FINE LINE/zetaimage

アカデミー賞の外国語映画賞など、いくつもの映画賞を受賞した作品。25歳の時に頸椎を損傷し、以来30年にわたって全身不随と戦ったラモン・サンペドロの手記「地獄からの手紙」を基にしています。 全身麻痺に陥ったラモンは介助され続けることに絶望し、自らの死を望むように。弁護士フリアの協力を得ますが、彼女自身も病に侵されており、共に尊厳死を迎えるための死の計画を立てます。 しかしフリアは認知症を発症してしまい、ラモンは自身に付きまとっていたロサという女性の手を借り、青酸カリを服用し死亡しました。 物語の舞台となるスペインで一般的に信仰されているカトリックのように、何があっても生きることを最優先とする考え方があります。しかしラモンのように死ぬことに希望を見出す人間もいるため、一概に死を避けるべきとは言えません。 映画を観て、自分なりにその答えを考えてみてはいかがでしょうか。

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『リメンバー・ミー』(2017年)

死者の国で明かされる真実

『リメンバー・ミー』
©2017 Disney/Pixar. All Rights Reserved.

本作はピクサーとディズニーによるアニメーション映画。メキシコの伝統的な「死者の日」を題材としています。 主人公のミゲルは音楽が大好きな少年。しかし音楽の道に進んだ先祖が家族を捨てた過去があったため、家には音楽禁止の掟がありました。死者の日にミゲルが伝説的ミュージシャン、デラクルスのギターに触れると、彼は死者の国へと迷い込んでしまいます。 日の出までに元の世界へ帰るため、自分の先祖だと思われるデラクルスを探すミゲル。死者のヘクターと共に大冒険を繰り広げた先で、驚くべき真実にたどり着くのでした。 作中では、生者の国で存在を覚える者がいなくなった場合、死者には二度目の死が訪れました。裏を返せば、誰か1人でもその人のことを覚えていると、死者は記憶の中で永遠に生き続けることができます。 つまり本作は、全ての人から忘れ去られることこそが本当の死だと伝えているのです。

『湯を沸かすほどの熱い愛』(2016年)

母の愛が家族を救う

宮沢りえが主演した本作は、モントリオール世界映画祭や日本アカデミー賞など、多くの賞を受賞しました。 ある日、主人公の双葉は病院で末期がんと診断され、2~3カ月の余命だと知ります。そこで彼女は残された時間で、家出していた夫を連れ戻し、いじめられていた娘を立ち直らせるために奮起。さらに元々営んでいた銭湯を再開します。 双葉は溢れんばかりの愛によって家族を立ち直らせるだけでなく、出会った人々までも救ってしまうのです。死に向かっているにも関わらず、パワフルな彼女の姿は生命力に満ちており、生きる気力を与えてくれます。

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『君の膵臓を食べたい』(2017年)

余命わずかな女の子が「僕」に残したもの

浜辺美波 君の膵臓をたべたい
©︎2017「君の膵臓をたべたい」製作委員会 ©️住野よる/双葉社

住野よるの同名小説を原作とした作品。ダブル主演を果たした浜辺美波と北村匠海が日本アカデミー賞新人俳優賞に輝くなど、複数の賞を獲得しています。 「僕」はある日、病院で共病日記というタイトルの本を見つけました。それはクラスメイトの山内桜良(やまうち さくら)の秘密の日記帳で、「僕」は彼女が膵臓の病気に侵され命が長くないことを知ります。 偶然、彼女の家族以外で病気のことを知る人物となった「僕」。正反対の性格の2人でしたが、次第に憧れを抱くようになり、心を通わせます。 しかし桜良は余命を全うすることなく、通り魔に襲われ命を落とすのでした。「僕」は彼女の死から時間が止まったように過ごしていましたが、12年後に遺書が見つかります。そこで大切な人の心の中で生きたいという桜良の想いを知り、「僕」は涙しました。 死が避けられないものとして描かれた本作。しかしそれ以上に、誰かが想いを抱き続けることで、死んだ人間も残された人間も救われると伝えているのではないでしょうか。

『おくりびと』(2008年)

納棺士の仕事を通して、死と向き合うヒューマンドラマ

『おくりびと』本木雅弘、山崎努
© REGENT RELEASING/zetaimage

滝田洋二郎が監督を務めた本作は、小規模な作品ながらも、アカデミー賞外国語映画賞受賞という快挙を達成しました。 職を失い、ひょんなことから納棺士となった小林大悟。初めは大悟自身も戸惑いますが、社長の思いを知り、様々な死と出会うことで仕事に誇りを抱くようになります。妻や親友からは反対を受けていましたが、親友の母を納棺するその仕事ぶりを見たことで、周囲からも理解を得られるようになるのでした。 穢れたものとして考えられることもある死。しかし納棺士は葬式に欠かせない存在であり、その匠の技は美しさをも感じさせます。生きる上では避けて通れない、死と向き合うことを考えさせる一作です。

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ciatrおすすめ!映画史に残る「名死亡シーン」がある作品5選

ここからは映画史に残る、名死亡シーンがある映画を紹介。ciatr編集部が選出した印象的な作品ばかりで、どの死の場面も色あせない魅力を持っています。

『リリーのすべて』(2015年)

身も心も女性になろうとした人間の物語

『リリーのすべて』アリシア・ヴィキャンデル、エディ・レッドメイン
© UNIVERSAL PICTURES/zetaimage

本作の原作は、世界初の性別適合手術を受けた人物リリー・エルベを描いた小説です。 アイナーは女装をしたのをきっかけに、女性になりたいという思いを強めていきます。リリーとして生きようとする夫に戸惑う妻のゲルダ。しかし彼を愛していたゲルダは、手術を受けた後も献身的に支えようとします。 手術が成功し、2人で生きていこうとした矢先に、アイナーは息を引き取りました。当時は技術が確立されていなかったため、術後のケアも十分でなかったのかもしれません。しかしアイナー自身は「やっと本当の自分になれた」と、幸せそうな表情を浮かべていたのでした。

『ゴッドファーザー』(1972年)

これぞ蜂の巣!壮絶な最期

ゴッドファーザー
©︎PARAMOUNT PICTURES

イタリア系アメリカ人マフィアを描いた『ゴッドファーザー』。アカデミー賞では作品賞など複数の賞を受賞しました。裏社会を舞台としているだけあって死者も多いですが、一際印象的なシーンを紹介します。 ニューヨークの大マフィア「コルレオーネ・ファミリー」は「タッタリア・ファミリー」との抗争に突入。ボスの息子のソニーはハイウェイの料金所で、白昼堂々の襲撃を受けます。車内にいたところを、取り囲んだ殺し屋たちからマシンガンで銃撃されるソニー。 血だらけになりながら車の外へ出るも、文字通り蜂の巣にされてしまいます。壮絶なその死に様は、映画史に名を刻む最期と言えるでしょう。

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『ハリー・ポッターと謎のプリンス』(2009年)

予期せぬ恩人の死

ハリー・ポッターと不死鳥の騎士団 シリウス・ブラック
©︎WARNER BROS/Zeta Image

J・K・ローリングによる同名の小説を基にしたファンタジー映画。魔法学校に通うハリー・ポッターと因縁の魔法使いヴォルデモートの戦いを描いています。シリーズ6作目となる「謎のプリンス」では衝撃の展開が訪れました。 両親を失っているハリーのことを温かく見守ってくれたのが、ホグワーツの校長ダンブルドアでした。2人はヴォルデモートを倒すために「分霊箱」の捜索へ向かいますが、そこに仕掛けられていた罠によってダンブルドアは衰弱してしまいます。 その後ホグワーツに戻るも、学校はすでにヴォルデモートの手先である死喰い人に襲われていました。追い詰められるハリーとダンブルドア。教師の1人セブルス・スネイプによって、ダンブルドアは殺されてしまいます。 スネイプの裏切りとダンブルドアの死という、二重の意味で驚きの展開でした。

『キル・ビルVol.2』(2004年)

男の死に様を見よ

『キル・ビル vol.2』
© Miramax/Photofest/zetaimage

クエンティン・タランティーノは監督を務めた映画だけで、死亡のリストが作れてしまうのではと思えるほど、数多くの名死亡シーンを作り出してきました。 その中でも印象的なのが、『キル・ビル Vol.2』に登場するデビッド・キャラダイン演じる殺し屋界のドン、ビルが死ぬシーンです。 ユマ・サーマン演じる主人公ベアトリクス・キドーから五点掌爆心拳を受けながらも、キドーに背を向け歩き出すビル。しかし数歩歩いた所で崩れ落ち、そのまま死んでしまいます。これぞタランティーノ映画とも言える、素晴らしい死亡シーンです。

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『ミスト』(2007年)

霧の中で死と直面する

映画『ミスト』
© The Weinstein Company

誰がこんな衝撃的なラストシーンを想像したでしょうか。『ミスト』には衝撃度マックスの死亡シーンがラストに登場します。 突然街を襲った霧に逃げ惑う人々。その中にはデヴィッドとその息子ビリーがいました。霧が酷くなる中、スーパーへと買い出しに出かける二人。すると店に着くなり、外が全く見えなくなるほど霧が深くなります。 そして人々はその霧の中に「なにか」がいることに気付きます。 恐怖で普通の考えができなくなってしまった人たちから逃げるため、デヴィッドとビリーは大人3人と共にお店を脱出することに成功。しかしデヴィットたちが目にしたのは絶望以外の何ものでもありませんでした。 最後の望みを失ったデヴィットたちは、見つけた銃で自殺を図ります。 自分の息子であるビリーを含めた4人をデヴィットが殺害するシーンは映画史の中でもとても印象に残るシーンです。そして1人残された彼が見たものとは……。

映画の死から命について考えよう!作り手の込めた思いとは

映画では死がテーマになっていることも多く、また死に様が印象的な作品も数多くあります。この記事で紹介した作品も、作中での生を際立たせるために、死を効果的に用いていました。 どの作品も作り手のメッセージが込められた上で、観客に考える余地も残されているため、命について考える良い機会となるのではないでしょうか。