2020年2月25日更新

おすすめバレエ映画9選 繊細なヒューマンドラマからサイコスリラーまで描き方は様々【2020最新】

ジェイミー・ベル『リトル・ダンサー』
© USA Films/zetaimage

実写映画『キャッツ』の主演をバレリーナが務め、バレエ映画『ロミオとジュリエット』も注目を集めているバレエと映画の融合。ここではおすすめのバレエ映画を、劇映画編とドキュメンタリー編に分けて紹介していきます。

目次

バレエと映画の相性が気になる

2020年公開の最新のバレエ映画『ロミオとジュリエット』やミュージカル映画『キャッツ』が注目を集めていますが、バレエと映画が融合した素敵な作品がこれまでにも製作されてきました。 バレエは舞台で見るものと考えていた人も、スクリーンの中で美しく舞う姿を見れば思いが変わるかも!2000年代には『ブラック・スワン』や『リトル・ダンサー』などの傑作バレエ映画も誕生しています。 ここからはバレエ映画『ロミオとジュリエット』の最新情報をお伝えしつつ、おすすめのバレエ映画を劇映画編とドキュメンタリー編に分けて紹介していきます。最後に一流バレエダンサーが主演を務めるおすすめ映画もお届けします。

2020年最新バレエ映画『ロミオとジュリエット』を紹介

日本では2020年3月6日から公開されるバレエ映画『ロミオとジュリエット』。ケネス・マクミラン振付で英国ロイヤル・バレエ団が舞台で長年披露してきた「ロミオとジュリエット」が映画として新たに生まれ変わります。 キャストはすべて英国ロイヤル・バレエ団のダンサーたち。ジュリエット役には『キャッツ』で白猫ヴィクトリアを演じたプリンシパルのフランチェスカ・ヘイワード、ロミオ役にはファースト・ソリストのウィリアム・ブレイスウェルがキャスティングされています。 英国ロイヤル・バレエ団の元ダンサーであるマイケル・ナンが監督、ウィリアム・トレヴィットが撮影監督を務め、16世紀のヴェローナの街を再現したセットで撮影されました。 運命に引き裂かれるロミオとジュリエットの情熱的な恋を、言葉を超えた表現と劇場版ならではのカメラワークによってスクリーンに映し出したバレエ映画です。

おすすめバレエ映画【劇映画編】

まずは数あるバレエを題材にした劇映画の中から良作を5本紹介します。

『Girl/ガール』(2019)

バレリーナを夢見るトランスジェンダーのララの葛藤を描いた青春ドラマ。2018年のカンヌ国際映画祭「ある視点」部門で、ルーカス・ドン監督が新人監督賞、ララを演じたビクトール・ポルスターが最優秀俳優賞を受賞したフランス映画です。 男の体で生まれてきたトランスジェンダーのララは、バレリーナになる夢を諦めず、強い意志と努力によって難関バレエ学校への入学を認められます。しかし思春期の身体の変化で思うように踊れなくなり、ライバルからも嫌がらせを受けて心身とも追い込まれていきます。 男性の身体に変化していく15歳のララの苦悩を、ベルギーのロイヤル・バレエ学校出身のダンサーであるビクトール・ポルスターが華麗な舞とともに見事に表現しています。

『ブラック・スワン』(2011)

ダーレン・アロノフスキー監督、ナタリー・ポートマン主演のサスペンス映画で、バレエ「白鳥の湖」に舞台としたサイコスリラーです。ライバルの新人バレリーナをミラ・クニス、振付師トマをヴァンサン・カッセルが演じました。 ニューヨークのバレエ団で「白鳥の湖」のプリマを演じるチャンスを手にしたバレリーナのニナ。しかし新人ダンサーのリリーが現れ、役を争うライバルに。ニナは次第に心の闇に囚われ、幻覚や妄想に悩まされるようになります。 白鳥と黒鳥の二役を演じるプレッシャーで精神が崩壊していくニナを、ナタリー・ポートマンが熱演。4歳から始めたダンスの経験を活かし、一年ものバレエ特訓も行なって役作りに努め、アカデミー主演女優賞を獲得しました。

『リトル・ダンサー』(2001)

スティーブン・ダルドリー監督による青春音楽映画で、性差を超えてプロのバレエダンサーを夢見る少年ビリーの物語。ビリーを演じたジェイミー・ベルは約2000人もの候補者から選ばれ、本作のヒットで一躍有名になりました。 イギリス北部の炭鉱町に住むビリーは、炭鉱夫の父にボクシングを習わされていましたが、ふと目にしたバレエに惹かれていきます。バレエ教室で少女たちに混じって練習するうち夢中になりますが、父は激怒してしまいます。 音楽に合わせて踊ることの楽しさを知ったビリーがバレエに夢中になる姿をユーモアを交えて描きつつ、ビリーの夢を信じる真摯な心に胸打たれます。

『ボリショイ・バレエ 2人のスワン』(2018)

名門ボリショイ劇場のプリマを目指す二人のバレリーナの青春を描いたロシアのバレエ映画。裕福な家庭で育ったユリアをマルガリータ・シモノバ、貧しい炭鉱町出身のカリーナをアンナ・イサエバが演じました。 生まれ育った境遇が正反対の二人のバレリーナ、ユリアとカリーナ。彼女たちはボリショイのバレエ・アカデミーに入学し、プリマを競うライバルに成長していきます。 二人の憧れであるプリンシパルのアントワーヌを、パリのオペラ座の元エトワールで、バレエ映画『オーロラ』(2006)に出演したニコラ・ル・リッシュが演じています。

『フェリシーと夢のトウシューズ』(2017)

バレリーナを夢見る少女フェリシーの姿を描いたフランス・カナダ合作のアニメ映画。フェリシーの声をエル・ファニング、親友のヴィクターをデイン・デハーン、元バレリーナのオデットを歌手のカーリー・レイ・ジェプセンが担当しました。 舞台は19世紀末のフランス。施設に暮らすフェリシーはバレリーナとしてパリのオペラ座で踊ることを夢見ていました。ヴィクターとともに憧れのパリへ出たフェリシーは、ミラノ座で元バレリーナのオデットと出会い、夢を叶えようと特訓を始めます。 振付を担当したのは、パリ・オペラ座のバレエ団芸術監督オーレリ・デュポンと、エトワールのジェレミー・べランガール。アニメならではの大胆な身体表現も見どころです。

おすすめバレエ映画【ドキュメンタリー編】

ここからは世界的バレエコンテストや伝説的プリンシパルの素顔など、バレエの世界の裏側に迫った名作ドキュメンタリーを紹介します。

6.『ファースト・ポジション 夢に向かって踊れ!』(2012)

世界最大級のバレエ・コンクール「ユース・アメリカ・グランプリ」に出場するダンサーたちを追った密着ドキュメンタリー。バレエ経験を持つ女性ジャーナリストのベス・カーグマンが監督を務め、撮影と編集に2年を費やしました。最終選考に残った6人のダンサーたちの素顔を切り取っています。

『ダンサー、セルゲイ・ポルーニン 世界一優雅な野獣』(2017)

バレエ界の異端児と呼ばれるセルゲイ・ポルーニンの本当の姿に迫ったドキュメンタリー作品。英国ロイヤル・バレエ団で、19歳で史上最年少のプリンシパルとなりながら、2年後に突然退団を発表。その後ホージアの「Take Me To Church」のMV出演で大きく注目されるなど、常にニュースを振りまくポルーニンを、本人や家族などのインタビューから解剖しています。

『エトワール』(2002)

「エトワール」と呼ばれる最高位を頂点とした階級社会であるパリ・オペラ座バレエ団。その舞台裏をダンサーたちの素顔や日常からとらえたフランスのバレエ・ドキュメンタリー映画。ニコラ・ル・リッシュやオーレリ・デュポンなど著名なエトワールのほか、世界的に有名な振付師のイリ・キリアンやモーリス・ベジャールも出演しています。

『Pina/ピナ・バウシュ 踊り続けるいのち』(2012)

2009年にこの世を去った舞踏家ピナ・バウシュを、『ベルリン・天使の詩』のヴィム・ヴェンダース監督が追った英独仏合作のドキュメンタリー。「春の祭典」や「フルムーン」などバウシュの4つの舞台や、彼女が芸術監督を務めたブッパタール舞踏団のパフォーマンスを3Dで撮影。バウシュの映像やダンサーたちの追悼メッセージも収められています。

ciatr厳選!一流バレエダンサーが俳優として登場する映画

この見出しではバレエが主題ではないものの、著名なバレリーナが出演している映画を紹介していきます。

『Shall we ダンス?』(1996)

日本バレエ界を代表するバレエダンサー・草刈民代を主演に迎えたハートフル・コメディ。『カツベン!』の周防正行が監督・原案・脚本を務め、作品は大ヒットして社交ダンスブームを巻き起こしました。平凡なサラリーマンがあるきっかけで社交ダンスに夢中になり、そこから人生を見つめ直していく物語。草刈民代はダンス教室の先生役で、華麗なダンスを披露しました。

『キャッツ』(2020)

世界中で長年愛され続けているミュージカル「キャッツ」を、『レ・ミゼラブル 』のトム・フーパー監督が映画化。英国ロイヤル・バレエ団プリンシパルのフランチェスカ・ヘイワードが主演を務め、ジェニファー・ハドソンやテイラー・スウィフトなど豪華キャストが個性豊かな「ジェリクルキャッツ」たちを演じて素晴らしいダンスと歌声を披露しています。

『ハートビート』(2016)

クラシックやヒップホップなどジャンルを超えた音楽とダンスに乗せ、夢に向かって奮闘するニューヨークの若者たちを描いた青春映画。プロダンサーを目指すルビーを演じたのは、ロシア名門バレエ団で活躍したキーナン・カンパ。ともに夢を追うバイオリニストのジョニーをミュージシャンでもあるニコラス・ガリツィン、ルビーの親友ジャジーを英国ロイヤル・バレエ学校出身のソノヤ・ミズノが演じました。

バレエ映画の最大の魅力は言葉を超えた身体の表現

一口にバレエ映画といっても、ミュージカルや音楽映画にバレエダンサーが出演したり、バレエそのものをテーマにしたりと様々なものがあります。さらにはバレエダンサーたちを追うドキュメンタリーもあり、バレエの世界の魅力を多様な角度から知ることができますね。 バレエ映画の最大の魅力は、なんといっても言葉を超えた身体表現に尽きます。しなやかな身体から繰り出される美しいダンスは、いつまでも見入っていたいほど魅力的です。紹介した作品から、その素晴らしさを存分に受け取ってください!