『泥濘の食卓』ネタバレ&感想!純粋な女性がバイトの店長と不倫 そしてストーカーに……
『泥濘(ぬかるみ)の食卓』は、ピュアな愛で不倫相手の家庭を蝕んでいく背筋がゾッとする系の愛の物語です。 本記事では広告でも話題の本作のあらすじをネタバレありで解説。各話のポイントを抑えながら、ストーリーの流れを追っていきましょう。 ※この記事は2023年1月現在までのネタバレを含みますので、読み進める際は注意してください。またciatr以外の外部サイトでこの記事を開くと、画像や表などが表示されないことがあります。
『泥濘の食卓』のあらすじ【ネタバレ注意】
伊奈子が描く『泥濘の食卓』は田舎町を舞台に繰り広げられる、歪んだ愛の物語です。自己肯定感が低く育った主人公の深愛(みあ)は、家庭を持つバイト先の店長と不倫関係にあります。 大好きな店長と一緒に幸せになりたい、ただそれだけを願う彼女は店長の家庭の問題に首を突っ込むように。なぜなら家庭の問題が解決すれば、きっと店長は自分と一緒にいられるから。 崩れかけた家庭を、彼女はさらに泥濘(ぬかるみ)へと引きずり込んでいきます。
1話~5話ネタバレあらすじ
1話ネタバレ感想
取り柄がないと育てられた捻木深愛(ねじきみあ)。彼女のモットーは人に親切にすること。そうすれば不出来な自分でも、誰かに認めてもらえると信じているのです。 そんな彼女はバイト先の店長と不倫をしていましたが、ある日突然別れを切り出されます。それでも店長と幸せになりたい深愛は、店長を苦しめているものを取り除けば彼が戻ってくるのでは、と半ストーカー化。 ザ毒親といった言動を繰り返す母親も登場し、深愛の闇の深さを予感させる1話ですね。
2話ネタバレ感想
深愛の亡き父親がDV男だったことが明らかに。父の死にホッとした自分をひどい人間だと表現する深愛の言葉から、彼女の自責的な認知の歪みが感じられます。 店長は深愛の不気味さを悟ったのか、嫌いになったわけじゃないとフォロー。それを聞いて深愛は店長への愛を募らせていきます。2人の表情の差が怖い……! 店長のストーカー中、深愛は以前お店で出会った高校生ハルキと再会。友達ができたと喜ぶ深愛ですが、相変わらず店長からLINEの返信はありません。
3話ネタバレ感想
3話はハルキ目線の話です。ハルキの幼なじみ・ちふゆは以前から毛髪入りのチョコを渡すなど、彼に対して異常な執着を見せていました。またやばい女の子が登場しちゃいましたね。 ちふゆはハルキが彼女をレイプしようとしたという噂を広め、ハルキの味方がいなくなるように仕向けます。家には鬱の母、学校では居場所のないハルキには深愛が心の支えでしたが、彼女もバイト先を辞めていました。 そんなハルキの父親は、深愛と付き合っていた店長だったのです。
4話ネタバレ感想
店長からようやくきた連絡に浮足立つ深愛は、偶然店長の家族写真を見てしまいます。居ても立ってもいられず深愛は店長の妻が通う病院へ。そこには妻を甲斐甲斐しく世話する店長の姿がありました。 心を病んだ深愛は激ヤセ。ついに仕事を辞めるのでした。久々に呼び出されて店長に会うと、彼は深愛に優しい言葉をかけます。店長もうやめて……。 深愛はやはり店長のために自分が動くべきだと考え、家族を救おうと決意。深愛の空回りが本当に怖いです。
5話ネタバレ感想
奥さんの鬱を治したい深愛は、偶然を装い彼女に接近。身分を偽って奥さんとのメール交換を始めます。悪気なくやっているのが本当に恐怖ですね。 店長との不倫関係も継続していました。深愛は生活支援の職についたと嘘をつき、仕事関係で偶然店長の奥さんからの相談にも乗っていると打ち明けます。 店長の役に立てていると感極まった深愛が涙をこぼすと、店長は彼女を抱きしめキスをしました。ところがこの様子を息子のハルキが目撃してしまいます。
6話~10話ネタバレあらすじ
6話ネタバレ感想
店長の妻・ふみこの信頼を得た深愛は、ついに彼女のSOSに応えて自宅にも招かれます。ふみこは深愛とのやりとりのおかげで、鬱の症状も次第によくなっていました。 ついにふみこからランチに誘われるほど、2人は仲を深めます。深愛の人当たりのよさが存分に発揮されていますね。 一方で父と深愛の不倫現場を目撃したハルキは、父親を詰問。しかし父は事実を認めません。 快方に向かうふみことは対照的に、ハルキは父への憎悪を募らせます。
7話ネタバレ感想
ふみこは深愛を家族に紹介したいと提案します。深愛にとっては交際相手の店長と、偶然友達になったハルキを紹介されるわけです。普通なら臆してしまいそうな場面ですが、深愛はその提案を承諾。メンタルが強い……。 以前からの知り合いだったというていで、堂々と食事会に参加をします。不倫関係がふみこにバレることもなく、一見すると穏やかな食事会が催されました。 帰り道、深愛を見送りにきたハルキは、父親との関係を問い詰めます。
8話ネタバレ感想
浮気を問いただされた深愛は、最終バスを言い訳に連絡先の交換だけしてなんとか逃げ切ります。こんな状況になっても、深愛は偽の支援職員としてふみこと向き合い、度々自宅への訪問も続けました。 その様子を見ていた人物がいます。ハルキに粘着質な愛を向けるちふゆです。以前ハルキがこぼした好きな人を探るべく、ちふゆは彼の家を見張っていました。 深愛と一家の関係性をなんとなく察したちふゆは、ついに深愛に声をかけます。危ない女同士の直接対決の予感!
9話ネタバレ感想
ちふゆに何者かを問われた深愛は、人当たりのよい笑顔でうまく切り返します。このあたり、25歳の深愛と高校生のちふゆの差が顕著ですね。 深愛がハルキではなくその母親に会いに来ていると聞いて安堵するちふゆですが、彼女の勘は冴えていました。ハルキの深愛を見る様子から彼は騙されていると判断し、ちふゆはハルキを救おうと決意。 そこでハルキを呼び出したちふゆは、彼の前で深愛の悪口を言うのですが、逆にハルキを怒らせてしまいます。
10話ネタバレ感想
深愛のおかげで、ふみこには笑顔が戻ってきました。ハルキも深愛を送っていく束の間の時間をデートのように楽しんでいます。 帰り道、学校での辛いことを思い出して弱っているハルキを深愛が抱きしめて慰めていると、突如ちふゆが現れました。奇声をあげながらカッターを取り出す姿に背筋がゾッとします。 深愛に「死んじゃえ」とカッターを振り下ろすちふゆを、ハルキは咄嗟に突き飛ばしました。彼女は階段を転げ落ちていきます。
11話~15話ネタバレ感想
スーパーを辞めてから昼間は図書館で勉強している深愛。そんなある日店長の奥さんであるふみこから、「トイレが詰まっている」と連絡を受けます。 鬱病なため業者に会いたくないふみこのため、トイレを直しに向かう深愛。そのことからふみこと深愛の仲は深まります。 一方父親である店長が浮気しているのでは?と睨むハルキは、深愛へ疑いをかけます。食事会の帰り道ハルキは深愛を問い詰めますが、スマホの連絡先を交換しただけではぐらかされます。 そしてハルキに片想いするちふゆは、ハルキの漏らした「好きな人」への怒りが溜まっていくのでした……。 幸せそうに見えて、徐々に今の関係が爆発する要因が溜まっていってる感じが怖いですね……。
16話~20話ネタバレ感想
ハルキに片想いするちふゆは、ハルキ達の家の人の出入りをチェックするようになります。その結果深愛が頻繁に出入りしていることを突き止めました。 またハルキは深愛に好意を寄せていて、深愛はハルキの父親と不倫しているのでは?と勘繰るようになります。そして一度は深愛を問い詰めますが、軽くいなされてしまいます。 しかしちふゆは、それにより深愛に対する疑念をより確固たるものにします。そしてハルキを呼び出し深愛への疑念を告発するのですが、ハルキには激怒され拒絶されてしまいました。 女の勘は当たるといいますが、女の執念もまた凄まじいものがありますね。
21話~25話ネタバレ感想
ハルキに突き飛ばされてしまったちふゆでしたが、幸いにも軽傷でした。しかしハルキはこの怪我が元で、しばらくちふゆの良いように動かされることとなります。 登校しなければ自身の怪我の理由をバラすといったり、放課後にはカラオケに付き合わせるなど、ハルキには地獄の時間です。そしてとうとう耐えかねたハルキは、授業中に教室を飛び出してしまい……。 そして店長の那須川に関しても動きがありした。どうやら以前から女子学生のバイトなどとも、肉体的にも親密な関係になっていたことが発覚。 どうやら彼の不倫問題は、深愛だけ排除しても解決する話ではないようです。
26話~30話ネタバレ感想
以前から不倫常習犯だった那須川ですが、その中でも深愛の愛の深さは沼のようだったそうです。 一方夫の不倫に薄々気づいていたふみこは、当の不倫相手とも知らず深愛に相談します。愛しの人の妻であるふみこへの嫉妬も大きい深愛ですが、その場は普通にやり過ごします。 嫉妬はしているものの、「嫌われたくない」という感情が先行する辺りに、深愛の人間性が垣間見えます。 一方ハルキと初体験を済ませたいと考えるちふゆは、カラオケで強引にハルキに迫ります。ちふゆの行動に限界を感じ始めたハルキは、偶然鉢合わせた深愛に助けを求めるのですが……。
31話~35話ネタバレ感想
不安そうにしているハルキを想い、深愛はハルキを自分の家に呼びます。そして2人は一晩を一緒に過ごします。 翌朝軽やかな気分で深愛の家を出たハルキは、ちふゆとの違いを実感して、ますます深愛のことを好きになってしまいます。 一方ちふゆの方は、ますますハルキへのアプローチが過激になっていきます。保健室で熱を出し寝ているハルキに必要以上にくっつき、更にハルキを困らせます。 そしてちふゆのアプローチに精神を蝕まれるハルキは、足繁く深愛の家に通うようになっていくのです。 そして最後には深愛の叔母であるあかりが登場します。それをきっかけに、母である美幸の過去が明かされていくのです。
36話~40話ネタバレ感想
義母と義父に散々いじめられていた美幸は、2人に「早く死んで欲しい」と願いながら生きていました。美幸が娘である深愛に強く当たる理由が、明らかになりましたね。 ただ愛情があったとしても、実の娘にキツくあたっていい理由にはなりませんが。加えて中学生まで暴力的な父親に虐待されていたため、深愛は自己肯定感がとてつもなく低いのです。 その為深愛は自身に優しくしてくれた男性である、那須川にハマってしまいました。 そんな那須川の息子であるハルキに、今度は想いを寄せられています。そして雨の中ずぶ濡れでやってきたハルキを放っておけず、母に内緒で家に連れ込む急展開に! 果たして美幸にバレず、この場をやり過ごすことは出来るのでしょうか……?
41話~45話ネタバレ感想
深愛の家に泊まったハルキは2人同じベットで寝ます。深愛に特別な想いを抱くハルキは、当然若い情欲を抑えきれず、一線を越えようとします。 一方那須川はスーパーの店員に深愛と不倫関係にあるのでは?と疑われます。しかしそこは妻が鬱病であることを利用して、深愛をカウンセラーの勉強として来てもらってると誤魔化します。 病んでいる自身の妻を不倫を隠すための言い訳に使うなんて、カスっぷりも来るとこまで来てますね。当然そんな父親をハルキは、「俺たちにとっての癌」呼ばわりします。 この物語は店長の不倫から始まってるので、癌呼ばわりはむしろ優しいくらいだと筆者は感じます。
46話~48話ネタバレ感想
仕事終わりにオシャレをした深愛を拾い、ホテルに向かおうとする店長。これだけ状況が悪化してるのに、まだこのカス男は懲りる気配がありません。 しかしそんな時にハルキが家に帰ってこないと、ふみこから電話がかかってきます。2人で車を走らせ、思い当たる場所を探すのですが……。 そしてふみかは店長に残った甘い香りで、また浮気してるのでは?と勘づき情緒不安定になってしまいます。その時心の中で深愛に助けを求めるのですが、深愛の姿と先ほどの残り香が結びついて……? 元々ギリギリの綱渡りをし続けてきた作品でしたが、店長と深愛の不倫が明るみに出る日も近いかもしれません。
『泥濘の食卓』の感想&レビュー
最終回はハッピーエンドなるか?
そこでそんな行動力を発揮しないでもいいのに、と何度も突っ込みたくなる作品です。本人としてはポジティブな心持ちで、ずんずんとぬかるみに進んでいてくのですが、そのギャップがまた作品の湿度をグッと上げている気がします。 好きな人と一緒にいたい、という思いの行き着く先はハッピーエンドであってほしいです。が、ここまで泥沼に囚われた人々が幸せになるには、もう互いに縁を切るしかないような気がします。少なくとも深愛は実家を出ることで、少し救われてくれたらいいですね。
『泥濘の食卓』あらすじをネタバレ解説しました
好きな人と幸せになりたいというシンプルな思いが、1つの家庭を抜け出せないぬかるみへと導く『泥濘の食卓』のあらすじを紹介しました。 伊奈子の絵柄で、よりねじれた愛の怖さがじっとりと感じてみてください!