2024年12月2日更新

映画『牛首村』結末までのネタバレあらすじと感想考察!最後の意味とは?エンドロール後を解説

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『牛首村』
©2022「牛首村」製作委員会

『呪怨』(2003年)などを手掛けた清水崇の「恐怖の村シリーズ」第3弾として公開された『牛首村』。 この記事では実在する心霊スポットを舞台に起きる恐怖体験が描かれた本作を、ネタバレや考察も交えて解説していきます。

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映画『牛首村』のあらすじ

牛首のマスクを被せられた女子高生が廃墟に閉じ込められる心霊動画。ここに映るマスクの女性の素顔があまりにも自分に似ていて驚愕する奏音(かのん)は、言い知れぬ不安に襲われその動画が撮影された坪野鉱泉へ向かいました。 そこで彼女は「牛首村」と呼ばれるおぞましい土地、そしてそこに隠されている恐ろしい慣習に出会うことになります。牛首村とは何なのか。動画の少女と自身の関係は何なのか。様々な謎を孕みながら、目を背けたくなる恐怖体験が描かれます。

映画『牛首村』の結末までのネタバレあらすじ

【起】悪ふざけから始まる本当の恐怖

アキナ・ミツキ・詩音の女子高生3人組は、肝試し配信をするために心霊スポット「坪野鉱泉」を訪れます。顔出しを嫌がる詩音は牛の顔のマスクをかぶせられ、異世界に繋がると噂のエレベーターに閉じ込められてしまいました。 するとエレベーターのなかに何者かの手が現れ、詩音に絡みつきます。恐怖にかられた彼女は天井から降りてくる誰かの手を必死に掴もうとしますが、その手に引っかき傷を残しただけで掴めませんでした。 詩音の様子を伺おうとエレベーターを開けようとするアキナとミツキ。しかし突然そのエレベーターが落下。急いで中を確かめますが、そこにはいるはずの詩音の姿はなかったのです。

【承】同じ顔を持つ奏音と詩音

朝起きると手に不審な引っかき傷ができていた奏音。不思議に思うもいつも通りに過ごす彼女でしたが、同級生に見せられたアキナ達の動画に自分そっくりの詩音を見つけ驚愕します。 自分の傷をはじめ不審な出来事に関係あると感じた奏音は、友人と共に動画が撮影されたとされる坪野鉱泉へ出発。そこで動画撮影の現場と思われるエレベーターを探索する奏音たち。すると鏡が勝手に割れるなどの怪現象に襲われます。 めぼしいものが見つけられなかった彼女たちは、アキナ達がSNSに投稿したと思われる海岸へ。そこで詩音の恋人だった将太と出会い、詩音の実家へ案内されます。しかしそこには出張していたはずの奏音の父が。なんと奏音と詩音は、ある理由により生き別れになった双子の姉妹だったのです。

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【転】もう1組の双子

奏音は自身に隠された秘密を知り、少しずつ過去を思い出し始めます。小さいころに自分は誰かに連れ去られそうになったこと、そしていなくなった自分を詩音が見つけてくれたこと。 そのまま詩音の家に泊まった奏音の枕元に、牛の首をかぶった女が現れます。詩音かと思いマスクを取ると、そこにはかつて自分をさらおうとした女の顔が。その顔を見た瞬間、彼女のなかにタエコとアヤコという双子の姉妹の記憶がフラッシュバックします。 かつてこのあたりでは双子は不吉とされ、片方は7歳になると牛の首をかぶせ穴に捨てるという恐ろしい慣習があったこと。そしてタエコとアヤコはかつてこの村に住んでいた双子で、本来捨てられるはずではなかったアヤコが間違えて捨てられてしまったことを知ります。

【結末】様々な憶測を呼ぶ恐怖のラスト

呪いを恐れて逃げようとする奏音たちですが、同行していた友人が双子の亡霊たちに殺されてしまいます。そしてその手には牛首地蔵の首が。 すると奏音と将太は過去の時代、双子が捨てられたという穴に飛ばされてしまいました。2人はそこで詩音を見つけますが、そこに村の男たちと彼らを襲おうとするアヤコが現れます。 村人がかけた梯子で脱出する奏音たち。しかしアヤコも穴の外へ脱出。アヤコを何とか別の洞窟へ閉じ込めた3人ですが、次は双子の亡霊たちが襲い掛かります。ついに崖際へと追い込まれた奏音たち。そこで亡霊にとりつかれ苦しみだす詩音を抱き閉め、奏音は崖から飛び降りました。 そして目が覚めると、彼女たちは坪野鉱泉のエレベーターのなかにいたのです。無事に帰還し牛首地蔵に手を合わせる詩音。しかし戻したはずの牛首地蔵の首は、勝手に転げ落ちてしまうのでした。

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映画『牛首村』の感想・評価

牛首村
ⓒ2022「牛首村」製作委員会
牛首村』の総合評価
3 / 2人のレビュー
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30代男性

実際にある心霊スポットなどを題材にした王道的なホラー作品だと思います。少々難解な部分や説得力に欠ける部分はありましたが、最後までジャパニーズ・ホラーの恐怖感をキープし続けた作品で楽しむことができました。

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20代女性

清水崇監督の「恐怖の村シリーズ」では1番面白い作品だったと思います。ただ所々に不可解な部分があり、そこに引っかかると楽しめない点は残念でした。映画初出演のKoki,さんの演技が素晴らしかったと思います。

【解説】実在する牛の首と坪野鉱泉

『牛首村』
©2022「牛首村」製作委員会

映画『牛首村』は子捨てや引き離される双子などをテーマに作られたホラー作品です。これはかつての日本で実際にあった、子どもの間引きや双子を忌み子とするなどの恐ろしい慣習がベースになっていると思われます。 またタイトルに使われている「牛首」は聞いただけで死んでしまう怪談にまつわる都市伝説「牛の首」が題材とされ、そして舞台になる坪野鉱泉は1996年に失踪事件も起きている北陸随一の心霊スポットです。 『牛首村』は古くからの恐怖と現代にある恐怖、そして想像上の恐怖と実在する恐怖を混ぜ合わせて作られたジャパニーズ・ホラーの集大成的作品と言えそうです。

【考察】ラストシーンに込められた意味

『牛首村』のラストシーンでは戻した牛首地蔵の首が勝手に落ちたあと、一瞬詩音の顔がアヤコの顔へと変化。そして「1人ぼっちじゃかわいそうでしょ?」と意味深な言葉を残し終わっています。 この「1人ぼっちじゃかわいそう」というセリフは、亡霊にとりつかれた詩音を抱きしめて崖から飛び降りた奏音が放ったセリフでもあります。 おそらくは亡霊にとりつかれた際に詩音のなかにアヤコが入り込んでおり、そのまま現世へと戻ってきてしまったのでしょう。ラストの「1人ぼっちじゃかわいそう」はアヤコが奏音へ向けた言葉なのか。それともこの映画を見ているあなたへ向けたものなのか。 このシーンには「ひとがいる限り恐怖は終わらない」という恐ろしいメッセージが込められているように思えます。

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映画『牛首村』をネタバレ解説・考察でおさらい

映画『牛首村』は捨て子や忌み子など人間のタブーとも言える恐怖を描いた作品です。 解説と考察を読んだ後に見返すと、改めて意味のあるシーンが見つかるかもしれません。この機会に是非見直して、自分なりの考察を探ってみてください。