2023年1月19日更新

Netflix映画『ほの蒼き瞳』結末までのネタバレあらすじと感想考察!ラストのどんでん返しを徹底解説

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『ほの蒼き瞳』
SCOTT GARFIELD/NETFLIX © 2022

ルイス・ベイヤードのサスペンス小説『陸軍士官学校の死』を映像化したNetflix映画『ほの蒼き瞳』(2022)。 猟奇的な殺人事件をミステリアスに描いた本作は、様々な考察も飛び交うミステリーファンにはたまらない作品。この記事ではネタバレも交えて、本作のあらすじや考察について紹介していきます。

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Netflix映画『ほの蒼き瞳』のあらすじ

1830年。雪深き街にある陸軍士官学校で1つの遺体が発見されます。その死体は安置所に運ばれたあと、何者かの手によって損壊され、心臓がくり抜かれてしまいました。 騒ぎを大きくしたくない学校の幹部たちは元刑事のオーガスタ・ランド―に調査を依頼します。調査を任されたランドーは風変わりな士官候補生エドガー・アラン・ポーと協力し、この事件に隠された謎を追っていくことに。そしてそこには想像を絶する悲劇が隠されているのでした。

Netflix映画『ほの蒼き瞳』の結末までのネタバレあらすじ

【起】心臓のない死体

1830年の雪深い森の中。元刑事のオーガスタ・ランドーは陸軍士官学校の校長に呼び出され、渋々学校へと向かいました。学校に到着すると校長のセアー大佐は重々しく口を開きます。 なんと士官学校に在籍する士官候補生リロイ・フライという青年が首を吊って死んでいたと言うのです。しかも死体安置所に保管していた際、その死体が損壊され心臓がくり抜かれてしまったとのこと。 学校側としては騒ぎを大きくしたくなく、元刑事のランドーに捜査を依頼したのでした。ランドーはその依頼を受け入れ、医師とともにフライの死体を確認します。そして彼の手に握られた、1枚の紙切れを発見。彼はそれをヒントに少しずつ捜査を進めようとします。 そんなランドーへひとりの青年が接触。彼の名はエドガー・アラン・ポー。フライと同じ学校へ通う、陸軍士官候補生でした。

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【承】相棒は風変わりな青年

ポーは詩を愛する、風変わりですが聡明な青年でした。彼はフライの殺された事件について持論を展開。フライと同室だったラフバラーという青年を調べたほうがいいとランドーに進言します。ランドーはポーと協力し、事件の捜査を進めることにしました。 ポーの進言を受けてラフバラーに話を聞くと、フライが悪党たちと関係を持ってていたことが明らかに。さらにフライを最後に見た士官候補生は、彼が将校に頼みごとをされて出かけると言っていたことを話しました。 ランドーはフライの死体が握っていた紙切れをポーに渡し、解読を依頼。ポーはそこに書かれたわずかな文書からフライは誰かに呼び出されたと推理し、ランドーはおそらく女性に呼び出されたのだと予想。事件の糸口を少しずつつかみ始めていました。

【転】殺人の裏に隠された祈り

事件解決のため、くり抜かれた心臓を探すランドーたち。彼らは心臓の保管に貯氷庫を使っていると推理しそこへ向かいます。そしてその地下で、なんとロウソクの痕跡と血痕を発見。オカルト学の教授に確認すると、それは魔法陣であり、消えた心臓は何かの儀式に使用されたようでした。 ポーが調べたところ、そういったものに興味を持ちそうな人物として、医師の息子アーティマス・マークウィスの名前が浮上。彼の姉であるリアは医療では治せない病を患っており、マークウィス家は彼女を治療するために黒魔術へ手を出してしまったのです。 実はポーはリアを知っていて、淡い恋心を抱いていました。ですがリアに薬を盛られ、ポーも儀式の生け贄にされそうになります。そこへ危機一髪で助けに入ったランドー。その際に倒れた灯りで建物は燃え上がり、リアとアーティマスは命を落としてしまいます。 犯人の死亡により、この事件は解決されたかに見えました。

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【結末】予想を裏切る衝撃のラスト

犯人はリアとアーティマスと判明し、すべてが解決したように見えた事件。しかしポーはある事実に気付き、ランドーの家を訪れます。 ポーはフライの握っていた紙切れの筆跡と、ランドーがポーに書いた手紙の筆跡が一致していることを指摘。なんとフライを殺していたのはリアたちではなく、捜査を任されていたランドーだったのです。 フライたちはかつてランドーの娘を強姦。彼女はそれから自殺し、ランドーは復讐のために殺人を犯したのでした。リアたちは偶然にもその死体を発見し、心臓を抜き出しただけの存在だったのです。 ランドーはポーに対し、この真実を告発するかどうかは君に任せると語ります。ポーはランドーとの日々や彼の悲しみを思い涙を流しながら、しずかに証拠となる手紙を燃やしたのでした。

Netflix映画『ほの蒼き瞳』の感想・評価

ほの蒼き瞳
ほの蒼き瞳』の総合評価
3.5 / 2人のレビュー
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20代女性

全体的にスローテンポでしずかに語られる映画でした。淡々としているので退屈なひともいるかもしれません。しかし内容は丁寧かつ王道のミステリー作品であり、そういったジャンルが好きなひとはきっと楽しめると思います。どんでん返しのラストも素晴らしかったです。

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30代男性

ランドーを演じたクリスチャン・ベールをはじめ、俳優陣の重厚な演技が非常に魅力的な作品でした。ミステリーでありながら上質なヒューマンドラマとしての側面もあり、様々なメッセージを汲み取ることのできる映画。見応えがあり、何度も見返したくなる作品です。

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【解説】事件のなかに隠された事件

『ほの蒼き瞳』
SCOTT GARFIELD/NETFLIX © 2022

この作品の醍醐味はなんといってもラストのどんでん返しでしょう。猟奇殺人と思われた事件が、実は殺人と、それとは別の死体損壊が合わさった事件というトリックは非常に面白く、またそれを匂わせない演出により衝撃のラストを用意してくれます。 また犯人であったランドー自身も、自分が殺した死体から心臓を抜き取った犯人を見つけ出したいと考えており、捜査に真剣に取り組んでいた点もストーリーに整合性を与える重要な要素となっていました。 加えてランドーを演じたクリスチャン・ベールの、うちに狂気を秘めた重厚な演技もこのラストに大きな影響を与えていることは間違いありません。本作はトリック・演出・ストーリー・俳優、そのどれもが高レベルで融合した上質なサスペンス映画と言えるでしょう。

【考察】ランドーとポーの絆

『ほの蒼き瞳』
SCOTT GARFIELD/NETFLIX © 2022

心に深い傷を負っていたランドーと、純粋な心を持つ青年のポー。2人はともに事件を捜査するなかで、次第にお互いを信頼し絆を深めていくことになります。 おそらくランドーはポーと出会っていなければ、自分の罪を認めることはなかったのではないでしょうか。それを示すように、ランドーは自身が犯人と推理される証拠となる、自筆の手紙をポーに渡しています。 ランドーは自分の罪を告白する機会を得るために、ポーに自身の罪を推理させたがっているのではないでしょうか。そして彼の思惑通り、映画のラストでその罪は暴かれることに。 ランドーは自身の罪とその理由を告白し、ポーへ自身の正義と苦しみを伝えます。ポーの涙はそれが悪事だとわかっていても、正しい側面があるということ。そして何よりランドーの悲しみを想い、葛藤して流したものだったのでしょう。 手紙を燃やしたポーの選択を責める人も少なくはないと思います。しかしここには2人にしかわからない、友情とも親愛とも違う深い絆があったことは確かでしょう。正義とは何か。正しさとは何か。本作はミステリーでありながら、重大な問題を提起するヒューマンドラマでもあるのです。

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Netflix映画『ほの蒼き瞳』をネタバレ解説・考察でおさらい

重厚なサスペンス映画『ほの蒼き瞳』。解説や考察を見たうえで見返すと、また新たな発見があるかもしれません。 この機会に是非、本作を見返してみてはいかがでしょうか。