ニカ・ナナウラはシャディクと通ずる裏切り者？目的や闇堕ちの未来を考察【ガンダム 水星の魔女】

衝撃の1期ラストを迎えファンの考察熱が加速する『機動戦士ガンダム 水星の魔女』。裏切り者説が浮上したニカ・ナナウラも、その正体や目的について注目が集まっています。 本記事ではいまだ生い立ちや素性がはっきりしていないニカについて考察。闇堕ちの可能性や学園へ来た理由などを軸に、彼女の素顔に迫ってみたいと思います！

ニカ・ナナウラは1話から登場する生徒です。彼女は右も左も分からず浮いていた主人公・スレッタに真っ先に声をかけました。穏やかな雰囲気の人物で、アーシアンだからと他の生徒から差別を受けても、笑顔で受け流す大人びた一面もあります。 彼女はメカが大好きで、整備の腕前もかなりのもの。スレッタの愛機エアリアルにも強い好奇心を抱いており、メカのこととなるとテンションが上がり年相応な表情を見せることも。 彼女が暮らす地球寮においては、3年の寮長が別にいますが、実質的にはニカがみんなをまとめています。

ニカは7話はあたりからじわじわと動向が怪しくなり、1期終了時点で裏切り者である可能性がかなり高くなっています。その疑念が浮上した経緯や出来事をここから整理していきましょう。

7話のパーティーにてニカはグラスレー寮の寮長シャディクと会話をします。シャディクは「この前はありがとう」とニカにお礼を言いました。ニカの怯えた表情から、2人のただならぬ関係が匂わされます。 シャディクの言う「この前」は、6話のスレッタ対エランの決闘のことでしょう。ニカは地球寮の生徒が用意するにはあまりに立派なエアリアル用のフライトユニットを用意していました。 後にシャディクがニカを「連絡係」と呼んだことから、ニカはスレッタやエアリアルの情報を流すスパイ説が濃厚に。フライトユニットの出どころについて言葉をつまらせていたことを考えるに、ニカは情報を渡す交換条件で資材や資金を得ていたのだとこの時点では考えられました。

10話では地球を拠点とするアーシアン勢力「フォルドの夜明け」が登場。ここでニカの「連絡係」の本当の役割が、学生をスパイしてシャディクに情報を流すことではなく、「フォルドの夜明け」とシャディクをつなぐ連絡役であることが判明します。 普段は「フォルドの夜明け」の代表ナジ・ゲオル・ヒジャとシャディクは、ニカを通してやりとりをしており、ニカはナジが学園に送り込んだ工作員のようです。反スペーシアン組織の人間として、組織の理想を実現させるためにニカが地球寮の仲間を裏切る結末は十分に考えられます。

ニカはスレッタやチュチュと異なり、学園に来た理由が明言されていません。ただメカが好きなことのみがフューチャーされています。ここからは彼女が学園に来た理由を考察していきましょう！

ニカはメカニックとして人一倍強い関心をガンダムに寄せています。エアリアルへの食いつき方を見ても、それは間違いないでしょう。 ニカ姉がいい人であってほしい身としては、当初は組織の駒として入学したのかもしれませんが、純粋にガンダムをはじめとした高水準の技術や知識に魅了されて、学ぶ楽しさを学園で感じていてほしいと思ってしまいます。 エアリアルの性能を目の当たりにして、ニカはメカニックとして刺激されるものがあったはずです。次々と新たな可能性を広げてくれるエアリアルとの出会いを通じて、彼女の学園に来た目的が組織などは抜きにして、純粋にガンダムの整備や仲間との夢の実現になっていたらいいですね。

「フォルドの夜明け」はアーシアンの孤児を保護する代わりに兵士や工作員として使っている可能性が大。ニカにとって組織が家族であり、ナジは父親代わりと言えます。 組織が有するMSのことはニカは知らなかったようなので、連絡係として学園に潜入させられたニカは組織のなかでも末端の存在なのかもしれません。 学園の経営元はベネリットグループです。ニカの家族もスペーシアンの差別によって命を落としたのであれば、ニカはベネリットグループひいてはスペーシアンへの復讐のために組織の駒として望んで学園に入ったのかもしれません。

ニカはスペーシアンの生徒からご飯の上にガムを吐き捨てられました。スペーシアンの教師からは、生徒手帳を返却される際にアーシアンは黙って勉強だけしてろと罵られています。 いずれもニカは笑顔で受け流しているのですが、学食では飲み物を回収し忘れ、教師に説教された際には生徒手帳を強く握っていました。表面上は取り繕っていますが、感情を必死に抑えているようにも受け取れます。 優しいゆえに感情を内側に溜め続けるキャラは、闇堕ちリスクが高め。裏切り行為への罪悪感、連絡係にしかなれない劣等感などが噴出した際、危うい方向に行ってしまいそうです。

いい人そうな笑顔が演技という可能性もあります。笑顔は周りを信頼させるのに便利なもので、実際にニカの働きかけにより、スレッタ(エアリアル)とミオリネ(ベネリットグループの総裁の一人娘)との信頼関係を見事に構築しました。 彼女が組織に完全に染まっていてすでに闇堕ち済みだった場合、1期で見せてきたいい人なふるまいやスパイ活動への葛藤も、すべて周りを欺くための演技となります。 そうであってほしくないのですが、本作は「ガンダム」です。12話で描かれた非情な世界を思うに、ニカが実は怖い本性を隠し持っている可能性もゼロではありません。

ニカ役を演じるのは宮本侑芽(みやもとゆめ)です。子役時代から活動する彼女は『SSSS.GRIDMAN』の宝多六花役や『すのはら荘の管理人さん』の風見ゆり役などが有名。 2022年11月、彼女の体調不良による一時休養が発表され、本作の10～12話は白石晴香(しらいしはるか)が代役を務めました。白石は『ゴールデンカムイ』のアシㇼパ役や『ヒーリングっど♥プリキュア』のラテ役などが有名ですね。 2023年2月、体調回復に伴い宮本のニカ役への復帰が発表されました。そのため2023年4月から放送される13話以降は、再び宮本の演じるニカとなります。

スレッタやミオリネをはじめ個性が強いキャラが多いなかで、いい人で大人で笑顔のかわいいニカは「水星の魔女」の癒し枠として人気を得ています。 ところが1期ラストにかけて波乱＆不穏の波にニカも飲まれてしまいました。果たして彼女はいい人のまま最終回を迎えられるのか、『機動戦士ガンダム 水星の魔女』第2期も見逃せません！