2020年5月11日更新

『ゴールデンカムイ』アシリパは変顔ヒロイン?強く生きるアイヌの少女に迫る

『ゴールデンカムイ』アシリパは変顔ヒロイン?強く生きるアイヌの少女に迫る サムネイル

野田サトル原作の大人気漫画『ゴールデンカムイ』。綿密な取材に基づいた本作はアイヌ関係者からも支持を得ており、ヒロインのアシリパは新時代のアイヌを自負する一風変わった少女。変顔で有名な彼女ですが、ここではその素顔について迫り解説します。

目次

『ゴールデンカムイ』アシリパは新しい時代のアイヌ民族!【ネタバレ注意】

アシリパ(正確な表記は小さい「リ」)は小樽付近に住んでいたアイヌ人の美少女です。身長からして年齢は10代前半とされ、小蝶辺明日子という日本人名も持っています。レタㇻと名付けた白くて大きなエゾオオカミとは小さい頃から仲が良く、親代わりとして育てていました。 日本語を流暢に話せることから必然的にアイヌ人達との通訳を果たすこともあり、彼女の存在自体が日本人との架け橋とも言えます。顔への刺青や家での仕事といったアイヌ女性の慣習よりも男寄りな狩猟を好み、性別による役割に囚われない「新しい時代のアイヌの女」を体現しています。 そのほか、囚人達の刺青が皮を剥ぐことを前提にされていた点を見抜く洞察力や判断力、動物達の習性を熟知した狩りなどの知識にも長けているようです。 ※本記事では『ゴールデンカムイ』のネタバレ情報を扱っています。読み進める際はご注意ください。

アシリパはなんでも食べるけど、味噌とカレーはオソマ呼ばわり

アシリパは、カワウソやアザラシの脳などを塩のみで味付けし生食することを好んでいます。動物の臓器は食べ物以外にも道具などとして余すことなく活用し、杉元達にも食べるよう勧めて怪訝な顔をされることもしばしば。 一方で、味噌やカレーなどアイヌ文化にはない茶色い食べ物をオソマ(アイヌ語で糞便の意)だと思い込んでおり、それらには拒否反応を示していました。しかし、一度その味を知ると病みつきになったようであり、杉元に度々味噌をねだるようになります。

アシリパといえば変顔!ヒロインらしからぬ顔芸を見せる

数少ない女性キャラの彼女ですが、ヒロインに相応しくないような顔芸も見どころのひとつ。シリアスな作中においても、その豊かな表情変化は読者の緊張感を和らげてくれます。 オソマと思い込んだカレーを出された時や味噌を食べる前、臭いものを嗅いだ際などのほか、無いと思われた食材が見つかった時など思わぬ場面で変顔の不意打ちを繰り出してきます。かなり種類も豊富なため見ていて飽きにくく、次はどんな顔芸が?とワクワクさせてくれます。

杉元佐一はアシリパの相棒!次第に異性として意識するように

ヒグマに襲われる危機が迫っていた杉元に、埋蔵金探しの協力を持ちかけられたアシリパ。行方をくらませ金塊を隠した父親の足取りを追うため、彼女は村を離れて杉元に同行することに。 当初は狩りの獲物を使った手料理を彼に振る舞ったり、お互いにツッコミを入れたりする気さくな間柄でした。しかし、アイヌの慣習に背いても自分を受け入れてくれる杉元には徐々に好意を寄せるようになります。インカラマッもかつてウイルクに恋心を抱いていたという話を聞いた際には、自分と杉本の関係を重ね合わせ、女性として見られているか不安になる様子も。 アシリパが何者かに襲われそうになると、杉元は理性が飛んだように暴走し何度も助けてくれましたが、敵を躊躇いなく殺すその非道を憂いてもいました。彼女は杉元に、故郷の干し柿を食べたら戦前の彼に戻れるかと尋ね、金槐を見つけて一緒に杉元の村に向かおうと約束します。 網走監獄での騒動にて杉元が死んだと知った時には号泣して深いショックを受けたものの、白石に生きていると励まされ、再会を信じて先に進もうと決意します。

尾形百之助と心の距離が縮まったかと思いきや……

登場時は敵対していたため、あまり関わりがなかった尾形とアシリパ。杉元達と合流してからは彼女に「チタタプ」するよう言われましたが、子供扱いしていたのか無視していました。 しかし、108話にて杉元の恋話を鶴のダンスで遮った彼女を見た際には笑みをこぼし、127話ではついに「チタタプ」と呟きます。周囲とは常に距離を置き、流されなかったはずの尾形が距離を縮めたと話題になりました。 網走監獄で杉元達を出し抜いてからは、ウイルクと共にアシリパを樺太島へ連れて行きます。尾形の真の目的は不明ですが、金塊を狙っていることだけは確かな様子。道中は手がかりとなる記憶を思い出してもらおうと働きかけ、やや積極的になります。 しかし、187話で杉元の遺言を嘘だと見抜かれ、信用できないとアシリパに矢を向けられてしまいました。「やっぱり俺では駄目か」と言い、尾形は父親殺しの犯行も白状して自分を殺すよう仕向けます。不殺を信条とする彼女に対し、彼は厳しい挑戦を突きつけたのです。

アシリパの母親がついに登場、その姿は瓜2つ

彼女の母親は生まれて間もない頃に病死してしまったため、思い出などは記憶に残っていません。しかし樺太の出発前、フランス人撮影技師ジュレールと出会い、偶然にも彼が10年前に小樽で撮った映像を見ることになりました。 そこにはアシリパが生まれ育った村が記録されており、若かりし頃の彼女の父親も映っていたのです。思わず「アチャ(父さん)!?」と驚いた彼女を待たず、続いてアシリパ似の女性も映し出されました。背中に赤児を負ぶっていたその女性の後ろには、我が娘を愛おしそうに見つめている父親の姿も。しかしその直後、フィルムに用いられていたニトロセルロースが過熱し発火。貴重な記録は焼失してしまいます。 両親の顔を見れたことは良かったものの、技術的な制約を実感した彼女は「自分たちで大切にする気持ちがなくては残っていかない」と言い、アイヌの存続について新たな想いを胸にしました。

アシリパの父はのっぺら坊!

ポーランド人と樺太アイヌのハーフであるアシリパの父ウイルク。彼女の青い目は父親譲りです。幼少期は彼に狩猟などの生き方を教えられ、別れてからは会えないことを寂しがっていました。 ウイルクは当初、金塊を隠した後に殺されたと思われていましたが、「のっぺらぼう」として生きていると判明。他のアイヌ人達を殺害して利益を独占しようとしたのではと疑われていましたが、網走監獄で出会った杉元に自分は殺してないと告白します。金塊の秘密を話そうとした直後、ウイルクは尾形に射殺されてしまいました。 刺青の暗号をアシリパのみが解けるよう設定したため、彼女が鶴見中尉や土方歳三など多くの人物に狙われる原因を作ってしまったウイルク。それゆえ杉元は、アシリパを金塊争奪戦に巻き込んだ彼を快く思っていないようです。

アニメ版『ゴールデンカムイ』でアシリパを演じる声優は白石晴香

白石は2011年から活動しており、少女役として出演することが多いフリーの声優です。ただ、少女役と言っても、アシリパのように低めの声から『アクションヒロイン チアフルーツ』に登場する紫村果音のようなお嬢様役など、かなり幅広い声色を使い分けることができ、作品ごとのギャップには驚かされます。 そのほか、『ぼくたちは勉強ができない』の古橋文乃役や、『山賊の娘ローニャ』のローニャ役、『あんハピ♪』の雲雀丘瑠璃役、『うちのメイドがウザすぎる!』の高梨ミーシャ役など、多くのアニメで主人公やヒロインを演じてきました。

『ゴールデンカムイ』アシリパは物語の最重要人物!強く生きる彼女の姿に注目

単なるヒロインにとどまらず、新時代のアイヌとして、そして埋蔵金の在り処を解くカギとしても、アシリパは本作の最重要人物です。若くして両親を失い歴史が激動を迎えようとするなかでも、強く気高く生きようとするその姿には憧れを抱かせてくれます。 金塊争奪戦の行方や杉元との関係がどうなるのか、次はどんな顔芸を披露してくれるのか、まだまだ期待される点は多く残っています。杉元の生まれ故郷へ行く約束が最後に果たされることを祈りましょう。