湊かなえ『落日』あらすじネタバレを結末まで解説!相関図を紹介【ドラマ・原作小説】
作品が次々と映像化され話題の湊かなえ。2023年には『落日』がWOWOWでドラマ化され、各サブスクでも配信がスタートしています! この記事では『落日』の原作あらすじやドラマ最終回までのネタバレを解説!さらに北川景子×吉岡里帆など、ドラマの豪華キャストについても相関図つきで紹介します。 ※本記事には『落日』のネタバレが含まれているため、未視聴の人は注意してください。 >原作小説の結末ネタバレはこちら
【ネタバレなし】『落日』のあらすじ
あらすじ
自分の信念に基づき行動し人に迎合することのない長谷部香(北川景子)は、新進気鋭の映画監督。香は同じ笹塚町出身の新人脚本家・甲斐真尋(吉岡里帆)に映画の脚本の相談を持ちかけます。 香が興味をもったのは、笹塚町で実際に起きた「笹塚町一家殺害事件」です。「笹塚町一家殺害事件」は15年前に起きた、引きこもりの男性が自宅で高校生の妹を刺殺し、その後放火し両親も死なせてしまったというもの。 妹の沙良(久保史緒里)を殺し、死刑囚として服役をする立石力輝斗(竹内涼真)は、どうして家族を殺さなければならなかったのでしょう。判決も確定している「笹塚町一家殺害事件」を香はなぜ撮りたいのでしょうか。 事件を調べるうちに香と真尋がたどり着いたのは、衝撃の真実だったのです。
原作は湊かなえの小説『落日』
湊かなえは、これまでに『告白』『Nのために』『リバース』などが映像化したことで知られる人気作家です。どの作品も、原作・ドラマ共に話題となっており、今最も勢いのある作家の1人。WOWOWではこれまでに『贖罪』が映像化されており、『落日』は2作目のドラマ化作品となります。 『落日』は2019年に発行され、第162回直木三十五賞候補作となった長編ミステリー作品です。湊かなえの作家デビュー10周年を記念する作品で高く評価され、映像化にも注目が集まりました。
WOWOWで放送決定!
湊かなえが作家生活10周年として書き下ろした『落日』がWOWOWで連続ドラマ化されました。WOWOWでは7年ぶりの主演となる北川景子、その北川と初共演となった吉岡里帆などキャストも大注目。 脚本・篠﨑絵里子、監督・内田英治によって重厚感のあるミステリーが生み出され、2024年日本民間放送連盟賞の優秀賞に選ばれる傑作となりました。 ここからは『落日』のストーリーについておさらいしていきます!
【ネタバレ】真尋がたどりついた真実と結末は?
長谷部香・真尋の生い立ち
長谷部香には、暗い過去があります。幼少期にいわゆる「毒親」であった母親からDVを受けていました。怒られると長時間ベランダに締め出されていたのです。そして、そんな母から暴言を吐かれていた父も「映画に行く」と言って、灯台のある崖から飛び降りてしまいます。 一方、真尋にも隠したい過去がありました。15年前、ピアニストとして将来有望であった姉・千穂が交通事故で亡くなっていたのです。 しかし、真尋の両親は姉の死後も「千穂は留学している」と、現実を受け入れないために「嘘」を通していました。家族の一員である真尋もまた、親族以外には「姉は留学している」と偽って生活を続けます。
食い違う立石沙良の人物像
立石家の隣に住んでいた香は、殺された沙良と同い年。言葉を交わしたことはありませんが、以前隣に住んでおり虐待に耐える仲間として支え合っていた過去があります。香は沙良のことを命の恩人だと思っていましたが、聞き込みを開始すると、もう1つの顔が明らかになりました。 沙良は、優秀な同級生を信用させてから突き落とす「クラッシャー」だったのです。生徒会長の森下広哉と付き合った沙良は、すぐさまバスケ部キャプテンとも恋愛関係になり、森下の精神を壊してしまいます。 さらに沙良は、陸上部で好成績を収める橘イツカを屋根の上から突き落とし、選手生命を絶ってしまいました。 また虚言癖があり、「両親が死亡」「心臓病がある」など気を引くための嘘もついていたと発覚。卒業後は「アイドルとして上京する」と周囲に語っていましたが、これもオーディションで落ちていました。
立石力輝斗と千穂の出会い
力輝斗は酔っ払った父親から虐待を受けていたと聞き込みで判明します。さらに「毎日のようにベランダに出されていた」という証言もありました。沙良にも「生きる価値がない」と、容赦ない暴言を浴びせられていました。 同じようにベランダに出されていた香が、命の恩人だと思っていた隣に住む子供は、沙良ではなく力輝斗だったのです。香は、父の死亡後に親族に引き取られ、2人のベランダの交流は終わってしまいます。 また調査をするうちに、真尋も姉・千穂の死と向き合うことを決めます。 姉のメールや日記を読むうちに、ピアノレッスンに行く途中の公園で出会った男性とやりとりをしていることが判明しました。
千穂の死の仮説
真尋の姉・千穂がやりとりをしていた男性こそ、立石力輝斗だったのです。ピアノの上達に悩む彼女と、家に居場所がない力輝斗はお互いを励まし合い、100通もの手紙でやりとりをしていました。2人は付き合っていたのです。そして、香と真尋はある仮説にたどり着きました。 千穂が兄に宛てた手紙を、自宅で見つけた沙良。容姿端麗でピアノの才能があり、さらに馬鹿にしていた兄の彼女である千穂は、沙良にとって格好の獲物です。沙良は千穂に近づき、連絡先を交換しました。 ある日、アイドルオーディションの不合格通知が届き怒りに震えていた沙良は、その矛先を千穂に向けます。「兄の自殺を止めてほしい」と嘘のメールを送り、沙良を呼び出しました。 2人は自転車で合流し、立石家に向かいます。途中、黄色から赤に変わる交差点を猛スピードで突っ切った沙良。千穂も後に続きますが、信号はすでに赤へと変わっており、車は千穂に激突しーー。
事件の日
事件のクリスマスイブ、沙良はケーキと包丁を持って自室へと戻ります。途中、力輝斗の部屋を通った沙良は、包丁を持って「オーディションに落ちた原因は、引きこもりの兄がバレたせい」と罵ります。 力輝斗は「(原因は)顔だよ。常に誰かを貶めようと企んでいる顔。その裏の表情を審査員が見抜いたんだよ」と諭しました。キレた沙良は「千穂が死んだ理由は『あんたが自殺しそう』と、呼び出したからだよ」と、明かします。さらに、千穂が焦って事故死したことを挙げ「バカの彼女はやっぱりバカ」と挑発。 「あの子のあとを追えや」と、渡された包丁を手にした力輝斗は、沙良を刺してしまったのでした。
結末
力輝斗は香たちの仮説を手紙で読み、刑務所で泣き崩れました。そしてついに香との面会を決意。死刑を求める理由について「千穂が死んだのは自分のせい」という自責の念からだと明かしました。自白を聞いた香は、ベランダの相手が自分だったと明かし、2人はあのときのようにガラス越しに指を合わせます。 さらにその後、香は真尋から「香の父親が、自殺ではなく事故で死んでいた」と聞かされました。父は、映画仲間から聞いたきれいな夕日を見るために、灯台のある崖に行って足を滑らせて死んだのです。崖に向かう前、娘・香とスターウォーズの続編を見ることを楽しみにしていると語っていたそう。 父が自殺ではなかったと知った香は、事実を知れてよかったと涙を流します。父が最後に見たであろう美しい夕日を見ながら、香はこれからも映画を取り続けることを心に誓いました。
【相関図】『落日』登場人物の関係をおさらい

【ドラマ】『落日』のキャスト
長谷部香役/北川景子

『落日』の主役・長谷部香を演じるのは北川景子です。WOWOWで主演を務めるのは『ヒポクラテスの誓い』以来7年ぶりとなります。 自分の信念で行動する芯の強さを持った香の雰囲気は、北川景子ならバッチリ。香は強いだけではなく、さまざまな事情を抱えた女性です。
甲斐真尋役/吉岡里帆

新人脚本家・甲斐真尋を演じるのは吉岡里帆です。北川景子とは初共演でしたが、徐々にお互いを理解し合う香と真尋の関係性を上手く表現していました。 姉の死を直視できなかった真尋が、香と関わることでだんだんと変化していく様子に注目。『落日』という作品の繊細さを吉岡里帆が見事に表現しています。
立石紗良役/久保史緒里(乃木坂46)
兄に殺された被害者・立石沙良を演じるのは、WOWOW初出演となる久保史緒里です。乃木坂46として活躍する久保史緒里がアイドル志望の女子高生を演じました。 最初は被害者として描かれる沙良ですが、徐々に悪女であったことが発覚。現実ではトップアイドルとして活躍する久保史緒里が、憎たらしい悪女を見事に演じきりました。
立石力輝斗役/竹内涼真

家族を殺し死刑囚となった立石力輝斗を演じるのは竹内涼真です。*香から届いた手紙を呼んで泣き崩れる姿は、本作の名シーンの1つとなりました。 明るく爽やかなイメージのある竹内涼真とは真逆の役柄ですが、本人も初挑戦の役柄に意気込み十分です。「どのような感情を伝えたいかを意識した」とのことなので、画面から力輝斗の感情を感じ取りましょう。
大畠凛子役/黒木瞳

真尋の師匠である大物脚本家・大畠凛子を演じるのは黒木瞳です。北川景子・吉岡里帆とは初共演となり、さらに脚本家を演じるのも初めて。 真尋の背中を押してくれ、さらに自身も「笹塚町一家殺人事件」に興味を示す役柄です。画面を引き締めてくれる黒木瞳の存在感に注目してみてくださいね。
『落日』原作小説&ドラマあらすじ!最終回までネタバレ

『落日』はストーリーが進むほどに絡まり合った糸がほどけるような良質なミステリー作品です。 WOWOWで放送されたドラマ版『落日』は、各配信サイトで好評配信中。結末を知ってからドラマを深掘りするもよし、何も知らないまま衝撃の展開を体験するもよし。ぜひ傑作ミステリードラマ『落日』を、配信でチェックしてみてください。