2023年10月11日更新

『デフ・ヴォイス 法廷の手話通訳士』原作小説のあらすじネタバレを結末まで!17年前の事件の真相とは

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NHKでドラマ化、さらに韓国映画化が決定した『デフ・ヴォイス 法廷の手話通訳士』は、手話通訳士が主人公のミステリー作品です。この記事では『デフ・ヴォイス 法廷の手話通訳士』原作小説のあらすじをネタバレありで紹介していきます。 ※本記事にはストーリーのネタバレが含まれているため、未視聴の人は注意してください。

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【ネタバレなし】「デフ・ヴォイス」のあらすじ

ろう者の両親の間に生まれ自身は耳が聞こえる荒井尚人は、兄を含めた家族の中で唯一耳が聞こえることに引け目を感じて生きていました。 仕事にも結婚にも失敗してしまった荒井は現在の恋人にも心を閉ざしていますが、コーダであることを活かして手話通訳士になります。 手話通訳士になった荒井は、あるろう者の法廷通訳を引き受けることになりました。法廷通訳をすることは、荒井にとって過去の事件と向き合うことでもあったのです。 現在と過去2つの事件が交錯を始める中、荒井は事件の真相にたどり着くことができるのでしょうか。

コーダとは?

コーダとは「Children of Deaf Adults」の略称で、耳が聞こえない、もしくは聞こえにくい親のもとで育つ子どものことを指す言葉です。両親とも聞こえない場合も、どちらか一方が聞こえない場合もコーダになります。 コーダは幼い頃から手話を使って両親とやり取りし、両親と聴者の通訳者となることがほとんど。「デフ・ヴォイス」の主人公・荒井尚人もろう者の両親から生まれたコーダで手話を得意としています。

「デフ・ヴォイス」の結末をネタバレ

17年前の事件の真相とは?

最近、公園で刺され亡くなったろう児施設「海馬の家」の理事長・能美和彦。和彦の父・隆明も17年前に海馬の家で刺されて亡くなっていました。 隆明を殺したのは施設利用者の父・門奈哲郎という男性でろう者です。自首してきた門奈を取り調べを通訳することになったのは当時警察官だった荒井。供述調書は1つも訂正されておらず、荒井はきちんと取り調べを受けたのか疑問に感じますがどうすることもできません。 無力さを感じながらも門奈と家族の面会の機会を作った荒井は、面会に立ち会った際に門奈の娘に手話で問われます。 「おじさんは、私たちの味方?それとも敵?」17年経った今でも荒井の中には、この問いが残っているのでした。

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2つの事件のつながりと結末

能美和彦が殺された事件で警察がマークしていたのは門奈哲郎です。荒井は偶然、門奈を見つけますが門奈は事件への関与を否定します。荒井は門奈に娘の行方を尋ねますが、門奈は娘は1人しかいないと言うのでした。 17年前、2人いたはずの娘の存在が1人にされていることを不審に感じた荒井は、門奈を匿っていた女性が、かつて荒井に「味方?敵?」と聞いてきた門奈の娘・幸子であることに気がつきます。 17年前に理事長を殺害したのは、実は幸子だったのです。姉が理事長から性的虐待を受けているのに気がつき、幸子は犯行におよびました。そして幸子をかばって自ら出頭したのが父親の門奈。門奈は幸子を養子に出し戸籍からも消したのでした。 理事長の息子・和彦に脅された幸子を守るため、今度は姉が和彦を刺したのが事件の真相だったのです。

「デフ・ヴォイス」の見どころ

「デフ・ヴォイス」の見どころは、主人公がコーダだというところです。障がい者にスポットライトが当たることはあっても、周囲にいる人たちはあまり注目されません。「デフ・ヴォイス」では、コーダとして生きてきた主人公の葛藤が伝わってくるのが見どころ。 荒井はろう者の両親と兄の中で唯一の聞こえる者として過ごし、ろう者や家族の仲間に入れない孤独感や疎外感を感じてきました。 そんな荒井の心情が繊細に描かれ、事件を通じて成長していく様はマイノリティやマジョリティとは何なのかということを考えさせられます。

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「デフ・ヴォイス」のスピンオフを紹介

第2巻『龍の耳を君に』

手話通訳士として活動する荒井尚人は、前作から引き続きコミュニティ通訳や法廷や警察で被疑者となったろう者の通訳を続けています。そんな生活の中である場面緘黙症の少年に手話を教えることになった荒井。 荒井が手話を教えたことでめきめきと手話の腕を上げた少年は、ある日殺人事件について手話で話し始めるのでした。少年の自宅前で起きたNPO職員が殺害された事件。場面緘黙症の少年の手話による証言は認められるのでしょうか。 2巻でもろう者と聴者の間で苦労することになる荒井は、前作では交際中で心を開けなかった恋人と再婚しています。

第3巻『慟哭は聴こえない』

手話通訳士の荒井尚人はろう者の妊婦から医療通訳の依頼を受けました。医療通訳は専門知識が必要で、妊婦を相手にするということで丁寧に対応した荒井でしたが、翌日彼女からSOSが届きます。ろう者による緊急通報の困難を描いた作品です。 荒井自身も再婚した女性との間に娘を授かりますが、娘に聴覚障害が発覚。人工内耳の手術を受けさせようか悩む姿が描かれます。障がい者の子どもとして育った荒井が障がい者の娘を受け入れ、親としての成長も見せ、読む人に勇気を与える作品です。

第4巻『わたしのいないテーブルで』

4巻の舞台はコロナ禍の2020年春。荒井家もコロナによるさまざまな影響を受けていました。刑事の妻・みゆきはコロナに怯えながらも仕事をせねばならず、荒井は2人の娘の世話をするため手話通訳の仕事ができません。 そんな荒井のもとに女性ろう者が起こした傷害事件の弁護団への通訳依頼が届きます。些細な口論の末、聴者の母親をナイフで刺してしまったろう者の娘。2人の間にはいったい何があったのでしょうか。 コロナ禍におけるろう者の苦悩と実態、現代社会の問題を描いた作品となっています。

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ドラマ「デフ・ヴォイス」のキャスト

荒井尚人役/草彅剛

草彅剛

「デフ・ヴォイス」の主人公であり耳の聞こえない両親・兄に囲まれて育った荒井尚人を演じるのは草彅剛です。手話の演技は初めてだという草彅剛ですが、手話指導を受け自然な手話にチャレンジしています。 コーダとして育った荒井は心の中に傷を抱えており、自分が何者か悩むという役柄です。草彅剛の持つ演技力と雰囲気なら、悩み多き荒井の心情を見事に表現してくれるでしょう。 「デフ・ヴォイス」ではろう者・難聴者役を実際のろう者や難聴者が演じている点もポイント。草彅剛もろう者の方との演技を楽しんでいると語っています。

手塚瑠美役/橋本愛

橋本愛

ろう者支援活動のNPO団体「フェロウシップ」の代表である手塚瑠美を演じるのは橋本愛です。法廷で手話通訳を行っていた荒井を見て、手話通訳士の専属契約を依頼する重要人物。 ろう者の尊厳を守りながら表現していくためにはどうすればいいかと悩みながら演じたという、橋本愛の演技に期待が持てます。手話も本物に見えるように練習したということで、自然な手話にも注目。 ろう者やコーダをテーマとしたドラマは観る人に新しい気づきを与えてくれます。橋本愛が考えに考えた演技で、視聴者も新しい発見があるはずですよ。

安斉みゆき役/松本若菜

松本若菜

荒井の元同僚の警察職員で会計課に勤め、荒井が交際している女性・安斉みゆきを演じるのは松本若菜です。荒井はみゆきになかなか心を開けませんが、愛情深く見守っている姿が印象的な役柄。 松本若菜の持つ優しい雰囲気が、緊張感が高くミステリー要素の多いドラマの癒やしパートとなってくれるでしょう。安斉みゆきはろう者と関わる役柄ではありませんが、松本若菜は出演者のろう者と簡単な手話でコミュニケーションをとったとのこと。 荒井の心の傷と向き合い、近づき家族になろうとするみゆきの姿は、観る人に家族の在り方を考えさせてくれます。

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『デフ・ヴォイス 法廷の手話通訳士』原作小説の結末をネタバレ解説

『デフ・ヴォイス 法廷の手話通訳士』は、コーダの手話通訳士が主人公のミステリー小説です。ドラマ化も映画化も決定している「デフ・ヴォイス」の原作小説は涙なしには読めない感動の物語。ネタバレをチェックして、映像化を楽しみにしていてくださいね。