漫画『中卒労働者から始める高校生活』ネタバレあらすじ＆感想！ビターな現実×甘酸っぱい青春物語

『中卒労働者から始める高校生活』はタイトルの通り、ワケあって中卒後働いていた主人公が高校に通うことになるお話。通信制高校を舞台にしており、一筋縄ではいかない学園ドラマが展開されていきます。 本記事ではそんな『中卒労働者から始める高校生活』のあらすじを18巻まで紹介していきます！どんなストーリーか気になる人はぜひチェックしてみてくださいね。

主人公の片桐真実は、母親を亡くし、父親は刑務所にいるという複雑な家庭環境で育った青年。中学校を卒業してからは妹の真彩の保護者代わりとして物流会社で働き始め、18歳という若さで家計を支えていました。 しかしある日、学歴がないことを馬鹿にされたのをきっかけに、真実は妹とともに通信制高校に通うことに。そこにはそれぞれ事情を抱えた生徒たちが集まっており、真実は彼らとともに青春を取り戻していきます。 なかでも重要な人物が、お嬢様でありながらワケあってこの学校に進学した少女・莉央。真実と彼女はお互い第一印象が最悪でしたが、やがて惹かれ合いお付き合いを始めることになるのでした。

真実や莉央を中心にクラスの皆が関係を深めていく中、いよいよ文化祭という一大イベントが訪れます。しかしそこに真実に想いを寄せていた中学時代の同級生・あかりが登場！真実に抱きついたり、莉央の悪口を言ったりと、散々場をひっかきまわしました。 それでもふたりの関係は揺らぎませんが、あかりは真実の痛いところを突きます。実は真実は引かれるのが怖いという想いから、莉央に自分の父親が刑務所にいることを伝えていませんでした。そのことについてあかりは、“付き合っているのに本当のことを言えないなんて”と詰め寄るのです。 その後も真実と莉央は恋人として距離を縮めていきますが、真実の中にはやはり父親の存在が常に影を落としています……。

7巻と8巻では、真実たちのクラスメイトでシングルマザーである若葉にスポットが当てられます。彼女の元カレであるトミーが突如転入してきたり、若葉とヨリを戻そうとしたりとバタバタしますが、若葉にその気は一切ありません。彼女は真実に惹かれており、トミーにもそのことをほのめかします。 一方、莉央は周りに苦労人が揃っている中、自分がお嬢様育ちであることを引け目に感じるようになっていました。彼女は悩んだ結果、ファミレスでのバイトという新たな挑戦をすることに！真実は心配でしかたがないようですが、本人は慣れないながらも一生懸命です。

莉央のバイト先の大学生・岬のちょっとした発言がきっかけで、またも上の空になりがちな真実。そのせいで莉央ともすれ違いかけますが、周りのサポートもあって再びお互いへの理解と思いやりを深めていきます。 そんな中、またしても父親の存在が障害に……！ひょんなことから真実は父親について莉央に明かす羽目にになるのですが、莉央はもちろんまったく気にしませんでした。それでも当の真実本人が、そんな父親を持つ自分を許せずにいたのです。 すでに出所している父親が周りをうろついていることもあって、ピリピリし始める真実。おまけに真彩が父親に会いたいなどと言いだして……！？

真実と真彩は莉央を交えて父親と会うことになりますが、そこで父親が酔って暴れたうえ、莉央に怪我を負わせるという事態になってしまいました。 この事件のせいで真実は莉央の父親から娘と別れるよう要求されてしまい、本人もそれを受け入れます。こうしてふたりは別れることになってしまいますが、当然まだ想い合っているのでどちらも割り切れていません。 甘酸っぱい恋愛はどこへやら、家庭の事情絡みですっかり重い展開が続きます。真実が父親の呪縛から逃れられる日はいつかやってくるのでしょうか。

相変わらず真実と莉央は別れたままで、真実はずっと莉央を避け続けていました。しかしとある出来事をきっかけに精神的なタフさを身につけた莉央は、彼のことを決して諦めないという強い決意を見せます。当初の姿と比べると別人のように強くなっていて、非常に頼もしいです！ そんな彼女の想いも通じたのか、真実は久しぶりの再会を果たした際、「待っててほしい」と告げて彼女を抱きしめます。どうしようもない父親とすっぱり縁を切ることを誓ったようですが、果たして……？

本作は通信制高校を舞台としており、通常の学園モノとは一味違った雰囲気の作品です。主人公の真実をはじめとして、複雑な事情を抱える生徒が少なくないため、ときには気分が重くなるようなシビアな展開が繰り広げられることもあります。 しかしだからこそ、真実と莉央のラブコメ描写が余計に尊くきらめいて見えるという一面も。厳しい現実の中でも懸命に日々を生き、青春を味わう姿を追っていると、彼らを心から応援したくなってしまいます。