漫画『捨てられた妻に新しい夫ができました』最終回まで全話ネタバレあらすじ＆感想！奴隷にされた妻の再生物語

『捨てられた妻に新しい夫ができました』は、lobsterとAliceがcomicoで連載していた女性漫画で、76話で完結済みです。Renta!なら1月9日まで14話無料で読むことができます。 この記事では『捨てられた妻に新しい夫ができました』のストーリーをネタバレ込みで解説していきます。どんなお話なのか気になっている人も、結末だけ知りたいという人も、ぜひ最後までチェックしてみてください！

200年もの歴史を持つカタナシュ帝国では、女は結婚すると男の所有物と見なされ、他の財産と同じように妻にも税金が課せられます。さらに、離婚には莫大な金がかかるため、よっぽど裕福な家でないと離婚はできないようになっています。 そんなカタナシュ帝国で黙認されているのが、妻競売という仕組み。妻を競売にかけ、落札者に所有権を引き渡すことで離婚と再婚の代わりにするというものです。主人公のクロエも、この妻競売にかけられようとしていました。 15歳年上のジョセフと結婚してからは、殴られ罵られ奴隷のように扱われる日々。そして最後には売り払われてしまうことに、感情さえも殺されてしまったクロエは悲しむこともできません。しかし、そこに裕福そうな謎の男が現れ、決まりかけた競売額の15倍以上もの金額でクロエを落札し、豪邸に連れ帰ります。 クロエを落札したのは、アッシュ・ブリニクル。建国の功労者で皇族の血を引くとも言われている名門貴族でした。

アッシュの妻として貴族夫人の教育を受けることを決めたクロエ。しかし、家庭教師の1人であるキャサリン・ラビランは、自分よりも身分が低いクロエを見下し、遠回しに何度も侮辱します。それを知ったアッシュは、表向きの場では見せたこともないほど冷たい表情でキャサリンの追及を始めました。 キャサリンは必死で弁解しますが、クロエはキャサリンが思っていたほどバカではありませんでした。許しを請うキャサリンを上品に、しかし冷酷に追い詰め、復讐を果たします。アッシュは予定されていたラビラン家との取引を停止することを決め、キャサリンのことも屋敷から追い出しました。 しかし、キャサリンの頭に反省という文字はありません。すべてをクロエのせいだと思い込み、憎しみを募らせていきます。 一方、クロエの前の夫ジョセフは、クロエを売ったお金を使い果たしていました。後妻のカミラにそそのかされ、クロエの嫁ぎ先である貴族を強請って大金をせしめようとします。

改めて幸せな結婚生活の第一歩を踏み出したアッシュとクロエ。クロエはアッシュが与えてくれる愛に戸惑いながらも、少しずつありのままの自分の人生を取り戻していきます。 そんなある日、クロエは過去と決別するため、両親の死後に売り飛ばされ働くことになった孤児院を訪ねます。そして、狭い世界で院長に洗脳され、じわじわと自尊心を破壊されていたことに気付くのです。さらに、院長はクロエをジョセフに売ったお金も着服していました。 密かに証拠を集め、院長を追い詰めるクロエ。院長は、正当な罰を受けることになり、愛する婚約者も失うことになります。 孤児院への再訪の間もずっと側で支えてくれていたアッシュに対して親愛の気持ちが高まっていくのを感じたクロエは、勇気を出してアッシュと寝室を共にすることを決めます。ジョセフに暴力的なセックスを強要されていたクロエにとって、これはかなり勇気が必要なことでした。

ヌルボン伯爵家でのお茶会に招待されたクロエは、突然現れた皇太后のキャロライン・エルセ・リディゲア2世からひどい言葉を浴びせかけられます。平民出身である以上、ある程度の覚悟はしていたものの、やはりショックなのはたしか。 そんなクロエを励ましてくれたのが、礼儀作法の家庭教師として以前からクロエの先生をしてくれていたエルロイン・ヘイウッド伯爵夫人でした。エルロインのおかげでクロエはなんとか社交界デビューを乗り切ることができたのです。 一方、ブリニクル家では屋敷に忍び込んだジョセフをアッシュが捕らえていました。アッシュはジョセフをどうとでも処分できる立場にありますが、クロエが自分の手で処遇を決めたいだろうからと一旦は見逃すことにしました。 そして、クロエと同じく幼い頃に両親を亡くしたアッシュが、敵ばかりの社交界でどうやって生き残ってきたのかが明かされます。

両親の死後、クロエは隣人のラマン夫妻によって孤児院に売り飛ばされます。しかし、ラマン夫妻は表向きは善良な友人を装っていました。クロエが両親の遺産をラマン夫妻に横取りされ、孤児院に厄介払いされたことに気づいたのは、アッシュと結婚してからでした。 クロエがブリニクル侯爵夫人として再び自分たちの前に現れたことで、スティーブン・ラマンは動揺します。事の重大さをよくわかっていない妻のグレイスがクロエに父親の事務所の鍵を渡してしまったことに怒りを覚えますが、考え方を変えればブリニクル侯爵家とお近づきになるチャンスでもあると再びクロエに接触することを決めるのでした。 しかし、ラマン夫妻の詐欺の証拠を掴んだクロエは、アッシュと共に大勢の場でラマン夫妻を断罪します。クロエは、2人が心を入れ替え、素直に謝罪するなら許そうと思っていましたが、ラマン夫妻にそんな気配が1ミリもなかったのが決断の理由になったようです。

アッシュとの結婚式を1週間後に控えたクロエは、結婚前の花嫁が行う慈善活動を開催します。貴族の間で伝統的に行われている花嫁の慈善活動は、領地に住む平民たちに施しを与えるというもの。驚くべきことに、施しを受けに来た者の中には元夫のジョセフがいました。 こっそりとクロエを呼び出したジョセフは、厚かましくもさらなる大金を無心してきました。今でもクロエを思いのままに操れると信じて疑っていないジョセフに、毅然と立ち向かうクロエ。しかし、心の中では必死に震えと戦っていました。 クロエの変わりように怒りと驚きを隠せないジョセフに近づいてきたのは、クロエの元家庭教師キャサリンでした。クロエを逆恨みしているキャサリンは、ジョセフを使ってクロエを引きずり降ろしてやろうと企みます。 そして迎えた結婚式当日、ジョセフが式に乱入し「自分こそがクロエの夫だ」と叫んだのです。しかし、アッシュはキャサリン共々ジョセフを返り討ちにしてーー。

結婚式の後、ブリニクル侯爵家にはテオドール皇子が遊びにやってきました。幼い頃からアッシュを知っているテオドール皇子との会話を楽しむクロエ。そして、ブリニクル侯爵家にはかつて娘がいたこと、その娘が幼い頃に少しだけクロエの家で育てられていたアリンだということを知ります。 アリンの情報を探すことにしたクロエは、アッシュから「絶対に入ってはいけない」と言われていた部屋の扉を開けてしまいます。そこは、両親と暮らしていたころのクロエの部屋を完璧に再現した部屋でした。 そこにアッシュが現れ、自分がアリンだということを打ち明けます。アッシュは、10年前からずっとクロエの側に戻ってくることだけを夢見ていたのです。 両親を毒殺した叔父が、自分が大きくなったら妻として迎えようとしていることに気付いたアリンは、クロエの両親の家に逃げ込みました。しかし、叔父はクロエの両親をも殺してしまいます。真実を知ったクロエはーー。

すべてを知った上でアッシュと共に生きていくことを選んだクロエは、何か自分にできることがしたいと、妻競売の制度撤廃のために動き出します。法律改正のため、貴族への根回しに精を出すクロエ。そんな妻を優しく見守りつつ、水面下で助力を続けるアッシュが素敵です。 クロエの言葉は多くの人の胸を打ち、妻競売の廃止が正式に決定しました。そして物語はハッピーエンドへーー。 73話からは外伝で、幼いクロエとアリンだったころのアッシュの話が描かれています。これまでのストーリーに隠された伏線の裏側も明かされ、最後は2人の子どもに恵まれたアッシュとクロエのその後の人生に少し触れたところで物語は終わりを迎えます。

『捨てられた妻に新しい夫ができました』は、女性の人権が認められていない世界で夫から奴隷のように扱われていた主人公が、幼い頃から彼女に恋焦がれていた貴族の青年に救われ、幸せな人生を切り開いていく物語です。 でもそれだけじゃないのがおもしろいところで、女性の権利獲得まで描かれているのがすごいんです！夫のアッシュは、いつでもクロエの意思を尊重し、復讐に手を貸すことはあってもクロエの見せ場を奪うことは決してしないのがすばらしいです。