漫画『クイーンズ・クオリティ』ネタバレあらすじ＆感想！女王になった少女が繰り広げるラブファンタジー

物語の舞台は人の心に巣くう悪意「ムシ」を祓う存在、掃除屋が暗躍する世界。平凡な女子高生だった文はその才能を見込まれ、掃除屋を生業とする堀北家で住み込みで働き始めます。 そんなある日のこと、文の中に強力な精神支配の力を持つ「クイーン」の能力が眠っていることが明らかに。しかしその力は一歩間違えれば世界を滅ぼしかねない危険なものでした。 今のところクイーンをコントロールできるのは文の相棒である玖太郎だけ。自分で力を制御できるよう試練に挑む文でしたが、力を悪用しようと企むムシ使い・アタルに狙われ、悪意にまみれた黒のクイーンを覚醒しかけてしまうのでした。 玖太郎のおかげで暴走せずに済んだ文は、真のクイーンの力を手に入れるべく、更なる試練に立ち向かいます。ムシに憑かれた人の精神に入り、自分の力と向き合う文。すると今度は黒でも真でもなく、白のクイーンがあらわれて……。

白のクイーンと契約を交わし、女王の力を使えるようになった文。しかし力を使うには失った過去の記憶を思い出すという代償を払わなければなりませんでした。さらに白の力は非常に希少なもので、文は他の掃除屋やムシ使いから狙われる存在になってしまいます。 最初に動いたのは組織のひとつ・青龍でした。そして文は彼らに捕らえられ、拷問を受けるはめに。助けにきた玖太郎まで傷付けられ、とうとう文の中の黒のクイーンが表にあらわれます。 瞬く間に青龍の人々を圧倒するクイーン。そんな彼女を玖太郎が一言で鎮めたのを見て、青龍の人々はひとまず堀北家も属している玄武の者たちに女王を委ねると決めたのでした。 この事件をきっかけに黒の女王が自分の悪意だと気が付き、支配する側となる資格を得た文。そして真のクイーンを覚醒させるには黒と白、2人の女王を従わせる必要があることを知ります。 そんな中、ムシ使いのアタルが再び文に接近。玖太郎を傷付け、文の中に眠る黒のクイーンを完全に覚醒させようとしてきます。

自分の中にいる黒のクイーンを殺すという試練を課せられた文。ムシ使いアタルの精神(ウチガワ)に入った彼女は、そこで自分自身の心の中と向き合い、彼女の正体が自尊心であることを突き止めます。 そして黒のクイーンの悪意だけを殺すことに成功。解き放たれた女王は文と1つになり消えていきました。 こうして鈍色のクイーンという新たな力を手に入れた文は、ムシに支配されてしまったアタルと再び対峙します。そして「悪意を元の本来の感情に還元し生かして救う」という鈍色の力で、壊れかけていたアタルを助けるのでした。 場面は変わり、旧白虎の隠れ里でもある聖地で修行をすることになった文と玖太郎。そこで文は自分の出自が白虎と深く関係していると知ります。さらに母親の死に白のクイーンが関わっているのでは、と考え始めるのでした。 一方、ウチガワによく似た場所・聖地に入った玖太郎は、文たちとはぐれてしまい、突然襲い掛かってきた「自分によく似た敵」と戦うことになってしまいます。

玖太郎が戦っていた相手は、呪いによって大きな悪意の幽霊になってしまった蝙蝠。そしてその正体とは、10年前に起こった「白虎門の大病」という大事件で死んだと言われていた玖太郎の父・弥太郎でした。 そして鈍色の力を使った文は、10年前の真実へと辿り着きます。10年前の事件で弥太郎とその妻、つまり玖太郎の母親である灯子は死んだとされていましたが、実際には死んだのは灯子だけ。 弥太郎は玖太郎にとある術をかけ記憶を奪い、灯子の兄であるタカヤに「灯子は俺が殺した。」と告げました。 さらに「玖太郎にかけた術を解けるのはこの娘だけだ」とその腕に抱えた小さな女の子を見せると、そのままどこかに消えてしまったのです。この時、弥太郎が連れて行った娘が文でした。 自分が玖太郎から父親を奪ってしまったと知りうろたえる文。さらになぜ弥太郎が灯子を殺さなければならなかったのかも明るみになって……。

過去の記憶を取り戻し、ずっと昔からお互いに想い合っていたことを知った文と玖太郎。さらに弥太郎にかけられた呪いも取り除くことに成功し、一行は白虎の里へと帰ってきました。相変わらず問題は山積みになってはいるものの、やっと平穏な時がやってきたのです。 とはいえ玖太郎の中に白虎門の大病を引き起こした原因でもある、悪意を生み出す思念体・蛇が封じられていることが明らかになり、どうしてもそのことが気がかりになってしまう文。 そんな中、以前文を襲った青龍の蘭丸が堀北家へやってきます。そして玖太郎の中の蛇を使って、青龍の次期当主である碧唯に蛇が憑いていないか確認して欲しいというのです。 蛇のことをそれほど気にしていなかった玖太郎でしたが、蘭丸の話を聞いてからというもの自分の中で何か変化が起こっていると感じ始めます。そしてついに玖太郎の中の蛇が表に現れてしまい……。

一時は蛇に体を奪われた玖太郎でしたが、青龍の蛇憑きに会わせるという条件で蛇と契約を結び、正気を取り戻します。玖太郎に有利な条件に蛇は激怒しますが、文のクイーンで殺されかねないと察し条件を呑んだのです。 そして文たちは蘭丸の案内で青龍の次期当主・碧唯と対面することに。玖太郎の蛇によって、碧唯にも蛇が憑りついていることがわかりました。 しかし碧唯の蛇に対してあまりにも玖太郎の蛇が弱すぎたため、手も足も出ず文たちはその場から逃げ帰ることに。蛇とは依り代の強い願いや、周囲の人間の生気を糧に強くなる存在。文を守るため強くなりたい玖太郎は、自分の蛇に願いを食わせてやることにします。 思いがけない方法で人格を乗っ取られることもなく、逆に蛇を支配する道を見つけた玖太郎。その一方で、既に蛇に人格を奪われてしまっていた碧唯は、贄となり自我を無くした青龍の者たちを操り文たちに攻撃を仕掛けてきました。

碧唯を利用して青龍を内側から壊そうとしていた黒幕の存在に気が付いた文。その正体とは同じ掃除屋一門のひとつ・朱雀でした。青龍に潜り込んでいたスパイは逃がしたものの、碧唯は蛇から開放され一命を取り留めます。 一方、碧唯の蛇を取り込んだことで玖太郎の蛇は失った記憶を思い出しかけていました。蛇にはどうしても思い出したい過去があったのです。文の協力で無事に記憶の一部を取り戻した蛇でしたが、それがどんな思い出なのか口を開くことはありませんでした。 そんな中、堀北家に身を寄せていたアタルが朱雀の術によって強制的にウチガワの世界に連れ去られるという事件が起こります。 パートナーも無しに1人でウチガワに入れば、いずれ精神が融解してアタルは死んでしまいます。朱雀の罠とわかりながらも、玖太郎は協力を申し出てくれた青龍の人たちと救助へ向かうのでした。

玖太郎の蛇の贄になったことでアタルは一命を取り留めました。しかし蛇の力を使い過ぎた代償は大きく、玖太郎は己の精神を差し出すことになってしまいます。 精神を損ない憔悴する玖太郎を見て、自分を贄として食べて欲しいと懇願する文。しかし蛇は贄を食ったとしても失った精神が戻ることはないと告げるのでした。玖太郎は力を使うリスクを玄武の人たちに話し、今後の戦い方について模索を始めます。 一方、朱雀から救い出されたアタルは暫く入院した後、やっと退院の日を迎えていました。そして自分のため犠牲を払った玖太郎に何かできないかと考えていた矢先、目の前に朱雀の一員であるツバサが姿を現します。 ツバサはなぜかこれから朱雀がやろうとしていることをアタルに告げ、その場から去って行きました。どうやら朱雀の次なる狙いは白虎の里に隠された、とある「棺」らしく……。

ファンタジー少女漫画『QQスイーパー』の続編となる本作。見どころは全作よりもさらにパワーアップした壮大な世界観と、読めば読むほど謎が深まっていく骨太ストーリーです！ またストーリー自体はシリアスかつヘビーですが、所々コメディ要素もあるため読み味は軽快。もちろん胸キュンたっぷりのラブストーリーも繰り広げられ、多彩な展開で読者を飽きさせません！本格的なファンタジーも少女漫画らしい爽やかさも一気に楽しみたい人はぜひ！