【ネタバレ】映画「アングリースクワッド」2人の復讐の結末は?「公務員と7人の詐欺師」は伏線回収が痛快
『カメラを止めるな!』(2017年)の上田慎一郎監督が、内野聖陽、岡田将生を主演に迎え、平凡な公務員が詐欺師とともに脱税王に挑む痛快クライム・エンターテイメント『アングリースクワッド 公務員と7人の詐欺師』。 この記事では、本作の結末までのネタバレあらすじ、感想を紹介します。
【ネタバレなし】映画『アングリースクワッド 公務員と7人の詐欺師』のあらすじ
公開日 | 2024年11月22日 |
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キャスト | 内野聖陽 , 岡田将生 , 小澤征悦 , 森川葵 , 川栄李奈 , 真矢みき , 吹越満 |
監督 | 上田慎一郎 |
韓国ドラマ『元カレは天才詐欺師〜38師機動隊〜』(2017年)を原作とした本作。平凡な公務員が、天才詐欺師とともに、巨額脱税王に挑みます。 メガホンをとったのは『カメラを止めるな!』の上田慎一郎。平凡な公務員・熊澤役に内野聖陽、天才詐欺師・氷室役に岡田将生を迎え、そのほか豪華キャストが壮大な騙し合いバトルをくり広げます。
『アングリースクワッド 公務員と7人の詐欺師』のあらすじ【ネタバレなし】
税務署に勤める真面目な公務員・熊澤二郎(内野聖陽)は、あるとき天才的な詐欺師・氷室マコト(岡田将生)が企てた巧妙な詐欺に引っかかり、大金を失ってしまいます。刑事である親友の協力で氷室を追い詰めますが、彼は「脱税を徴収するために協力するから見逃してほしい」と持ちかけてきました。 犯罪の片棒を担ぐわけにはいかないと葛藤する熊澤でしたが、ある復讐のために氷室と手を組むことを決意。氷室は腕利きでクセ者ぞろいの詐欺師たちを集め「アングリースクワッド」を結成します。 仕掛けるのは土地の売買をめぐる「地面師詐欺」。チームは緻密で大胆な計画を練り上げ、壮大な税金徴収ミッションに挑みますが……。
【ネタバレ】映画『アングリースクワッド 公務員と7人の詐欺師』の結末
気弱な公務員が復讐を決意
氷室マコトが、動かない時計だけを持って刑務所から出所します。 税務署に勤める熊澤と望月は、ある大企業のチャリティーパーティーを見学していました。社長の橘は8億円もの脱税を疑われながら、税務署は動いていません。望月は橘に食ってかかり、彼は望月に暴力を振るわれたと嘘をつきます。その後、謝罪した熊澤は処分されませんでしたが、謝罪しなかった望月は国税局への栄転が取り消しになってしまいました。 ある日熊澤は妻から車の購入を急かされ、詐欺にあってしまいます。親友の刑事・八木に相談すると、彼は犯人が氷室マコトであることを突き止め、熊澤は氷室を捕まえました。 すると氷室は彼から騙し取った80万円を返し、被害届を取り下げる代わりに、橘が脱税した税金を奪ってやると持ちかけます。犯罪の片棒を担ぐわけにはいかないと躊躇する熊澤。氷室は自分の居場所のメモを置いて立ち去りました。 熊澤が橘の会社に出向き、望月の処分を取り消しにしてほしいと嘆願したところ、橘はかつて彼から税金を徴収しようとした職員がクビになり、その後自殺したと匂わせます。それは熊澤の同期の岡本のことでした。怒りに駆られた熊澤は、氷室のメモにあった劇場を訪れます。 熊澤は氷室に、「被害届を取り下げる代わりに、橘から脱税額8億円と追徴課税2億、計10億を本当に奪えるか?」と聞きます。すると氷室は、「仲間を信じて」と言います。
詐欺師の仲間たち
その後氷室は、変装のプロである白石美麗、当たり屋の村井達也を紹介。そして橘に土地を横取りされた恨みを持つ闇金業者の五十嵐ルリ子に会い、スポンサーになってくれるよう頼みます。氷室は詐欺師たちを集め、橘に土地取引詐欺「地面師詐欺」を仕掛ける計画を話します。狙うのは熊澤が徴収したい税金10億と、全員の取り分4億をあわせた14億円。 橘に取り入るため熊澤はビリヤードを猛特訓し、クラブのVIPルームで対決。メカニック担当の丸がボールを操作し、熊澤を勝たせます。熊澤は橘に不動産投資で儲けていることを匂わせ、ある土地を購入するよう仕向けます。 氷室が不動産業者、白石が占い師で相続人の孫娘、ルリ子が顧問弁護士に扮し、橘と取引を進めます。しかし不審に思った橘が不動産業者を訪ねると、担当者は全くの別人でした。詐欺だと悟った橘でしたが、しばらく氷室たちを泳がせることに。
いよいよ一世一代の詐欺計画を実行!
取引当日、橘は自分がハンコを押したら部屋に踏み込むよう部下に言いつけます。司法書士の酒井がバッグに隠しカメラを仕込み、外から様子が確認できるようにしました。ルリ子が14億を確認し、橘が判を押そうとしたところ、部屋に緊張が走ります。すると突然、氷室が「今日は仏滅では?」と叫び、白石たちは日を改めねばと、そそくさと部屋を後にします。 3人が車に乗ろうとすると、ドアには鍵がかかっており、安西が鍵を持っていました。3人は手錠をされ、パトカーに乗せられて連行されてしまいます。しかしパトカーは近くの倉庫に入り、3人は手錠を外されました。パトカーに乗っていたのは、八木とルリ子の部下だったのです。
熊澤たちは橘に復讐することができるのか?
橘が札束の入ったジェラルミンケースを車に載せようとすると、ケースが開いてしまいます。中に入っていたのは偽札でした。橘が取引の部屋に行くと、床に穴が空いていました。ルリ子が札を紙幣計数機に入れると下の階に落ちる仕組みになっており、薫と丸が偽札に入れ替えていたのです。地面師詐欺が橘にバレることを見越した作戦でした。 劇場で熊澤たちが祝杯をあげていると、酒井がやってきます。彼女は1年半前から橘のもとに潜入していた氷室の仲間だったのです。八木は熊澤に電話をかけ、「俺はなにも見てない、なにも知らない」と言います。 その後、熊澤は橘のもとへ。橘は「金を返したら1億やる。1億5000万でもいい」と言います。熊澤は橘を殴り倒し、その口にビリヤードの玉を詰めます。……というのは熊澤の空想。彼は「公務員として言っておく。脱税と追徴課税、合わせて10億3000万円、たしかに納付されました」と言い放ちました。
【氷室の結末】止まった時計は再び動くのか?
氷室は熊澤が家族に最近の行動を怪しまれたとき、誤魔化すために、彼が社会人劇団に入ったのだと嘘をつきます。熊澤の家で彼の家族とともに食事をしたとき、彼は練習している演目のあらすじを次のように語っていました。 刑事の父と弁護士の母、息子の3人家族がいた。父は悪事を暴こうとして逆に罪を着せられ逮捕されてしまう。母は父を助けられなかったことを後悔した。息子は詐欺師になった。 これは実際に氷室の身に起きたことなのでしょう。彼の父をはめたのも橘だったと思われます。氷室は劇中、何度か刑務所にいる父に会いに行っていますし、出所時に持っていた動かない時計も父のものでした。 見事に橘を引っ掛け、復讐は完了。その後氷室は熊澤に時間をきき、動いていなかった時計を動かしました。復讐に囚われ、時間が止まったような生活をしていた氷室でしたが、彼の時間は再び動き出したのです。
【熊沢の結末】怒りか職務か?熊沢の判断
気弱で真面目な公務員の熊澤。かつて同期の岡本が橘にはめられ、自殺に追い込まれていたことを思い出し、復讐を決意します。 怒りを抱えながらも、それを見せまいと笑顔を作る彼の姿は痛々しく胸に迫ります。しかし氷室たちと共謀するなかで、彼は活き活きとした表情を取り戻していきました。最後の空想シーンから、今後も彼は怒りを外に出すことはなさそうですが、人としての誇りを取り戻したようでもあります。 職務のためとはいえ、詐欺に加担するのは許されないことです。しかし彼は、そうでもしないと倒すことのできない巨悪に挑みました。これから彼はどのような人生を歩んでいくのでしょうか。正義感と怒りに駆られて氷室たちと行動をともにした熊澤は、自信を取り戻しました。
【感想】ポップなのに「復讐の先」を考えさせられる
終始テンポよく、笑いと伏線を散りばめながら、中だるみせずにストーリーが展開していく「アングリースクワッド」。痛快なエンターテイメントではありますが、「復讐」について考えさせられます。 氷室は熊澤に協力する以前から橘に恨みがあり、ある意味で熊澤をも利用していました。しかし熊澤も復讐のために氷室たちを利用していたので、これはお互い様です。 過去の悲劇に囚われていた氷室は、復讐することで止まっていた時間が動き出しました。彼は今後、詐欺師を辞めるのでしょうか。一方で、今回職務と復讐のために犯罪に手を染めた熊澤は、そのことで自信を取り戻しました。正攻法で敵わなかった相手に裏の手段で復讐できたことは、今後の熊澤にどのような影響を与えるのか気になるところです。
映画『アングリースクワッド 公務員と7人の詐欺師』の登場人物・キャスト
熊沢二郎役/内野聖陽
税務署に務める真面目で気弱な公務員・熊澤二郎。あるとき氷室に騙され大金を失いますが、親友の刑事の協力で彼を捕まえることに成功。すると氷室から巨額脱税の徴収に協力すると持ちかけられ、葛藤しながらも過去のある復讐のために彼と組むことになります。
氷室マコト役/岡田将生
天才詐欺師の氷室マコト。熊澤を詐欺にかけるものの捕まってしまい、見逃す代わりに彼が追っている脱税王から巨額の税金を徴収するのに協力すると持ちかけます。
アングリースクワッド
白石美麗役/森川葵
白川美麗は、どんな役にもなりきれる抜群の演技力を誇る元役者で、変装のプロです。氷室とは詐欺師仲間以上の関係のようです。
村井竜也役/後藤剛範
強靭な肉体を持つ「当たり屋」の村井達也。わざと車に接触し弁償を要求する、文字通り体を張って稼ぐ詐欺師です。
丸健太郎役/上川周作
どんなものでも偽造する「偽造屋」の丸健太郎。そのほかにハッキングやメカ作りもこなす、詐欺の裏方のような人物です。
五十嵐薫役/鈴木聖奈
母のルリ子とともに債権者を追い詰める闇金業者の娘・五十嵐薫。いつも債権者の指を詰める用の金槌を持ち歩いています。
五十嵐ルリ子役/真矢ミキ
闇金業者の五十嵐ルリ子。娘の薫とともに、債権者を追い詰める、極道も恐れる過激な女性です。かつて橘に狙っていた土地を横取りされ、恨みを持っています。
中野北税務署
望月さくら役/川栄李奈
熊澤の部下で税務署職員の望月さくら。血気盛んで野心的な性格ですが、もうすぐ国税局への栄転が決まっている有能な人材です。
安西元義役/吹越満
熊澤と望月が勤める税務署の署長である安西元義。橘とつながりがあり、彼の脱税を見逃してきました。熊澤の不審な動きに気づき、彼を怪しみます。
警察署
八木晋平役/皆川猿時
熊澤と学生時代からの親友である八木晋平。詐欺にあった熊澤のために、犯人は氷室であることを突き止め、捕まえるのに協力します。
橘コーポレーション
橘役/小澤征悦
10億円もの巨額脱税の疑惑がある大企業・橘コーポレーションの社長。逆らう者は徹底的に排除する冷酷な性格です。熊澤の上司である安西も手懐けており、自分に歯向かった望月の異動を取り消しにさせます。
酒井恵美子役/神野三鈴
酒井恵美子は、脱税王・橘の司法書士です。橘の有能な部下として、熊澤たちの詐欺を暴く手伝いをしますが……。
監督は「カメ止め」の上田慎一郎
『アングリースクワッド 公務員と7人の詐欺師』でメガホンをとったのは、『カメラを止めるな!』が世界的大ヒットを記録した上田慎一郎です。 実は本作は「カメ止め」以前から企画していた渾身のプロジェクトだったそうです。舞台挨拶では、「歴戦の猛者ばかりのキャスト陣。現場で次々とアイディアを出してくれ、自分のプランが良い意味で壊れる経験ができて幸せでした」とキャスト陣を褒め称えました。
『アングリースクワッド 公務員と7人の詐欺師』の結末をネタバレ解説しました
『アングリースクワッド 公務員と7人の詐欺師』のネタバレ・あらすじ、キャスト、感想を紹介しました。 気弱な公務員がクセ者ぞろいの詐欺師たちと組んで、巨悪に立ち向かう痛快クライム・エンターテイメントをぜひ楽しんでください!