Netflixドラマ『阿修羅のごとく』全話あらすじ・ネタバレ!原作小説の解説も
![阿修羅のごとく](https://images.ciatr.jp/2025/01/w_1000/7BjYczacp087q5hihfnUSoDsCUBGWelQ2DzoRDaP.jpg)
2025年1月9日より、Netflixにてドラマ『阿修羅のごとく』の配信が決定しました。主演を務めるのは宮沢りえ。1979年に向田邦子脚本のドラマが放送されて以来の、再ドラマ化となります。 この記事では、『阿修羅のごとく』のあらすじ・原作ネタバレについても詳しく解説していきます。 本記事にはストーリーのネタバレが含まれるため、未視聴の人は注意してください。 また、ciatr以外の外部サイトでこの記事を開くと、画像や表などが表示されないことがあります。
【ネタバレなし】ネトフリドラマ『阿修羅のごとく』あらすじ・作品概要
タイトル | 『阿修羅のごとく』 |
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配信日 | 2025年1月9日 |
話数 | 全7話(一挙配信) |
監督・脚色・編集 | 是枝裕和 |
原作・脚本 | 向田邦子 |
キャスト | 宮沢りえ , 尾野真千子 , 蒼井優 , 広瀬すず |
ある冬の日に、竹沢家の4姉妹は久しぶりに集まることに。4姉妹の名は、長女の綱子(宮沢りえ)、次女の巻子(尾野真千子)、三女の滝子(蒼井優)、四女の咲子(広瀬すず)です。 そんな中、滝子はある話を持ち掛けます。4姉妹の母・ふじと暮らす老齢の父・恒太郎には、なんと愛人と子どもがいるとのこと。4人はふじの耳には入れないことを約束し、愛人と子どもについて調べることにしました。 しかしこの騒ぎが始まってから、家族や4姉妹それぞれの葛藤や秘密が明らかとなり……。
第1話のあらすじ・ネタバレ
1979年1月。滝子(蒼井優)は4姉妹の綱子(宮沢りえ)、巻子(尾野真千子)、咲子(広瀬すず)に大事な話があると呼び出します。滝子は「父・恒太郎(國村準)に面倒見ている人がいる」と告白。全員が笑い飛ばしますが、滝子は恒太郎、相手の女、子供を見かけたと言います。 相手は土屋友子という女性で、小学校2年の男の子がいることも調べ上げていました。4姉妹と巻子の夫・鷹男(本木雅弘)は、母・ふじ(松坂慶子)の耳に入れないことを約束します。 後日、巻子は綱子が料亭の主人・貞治(内野聖陽)の愛人であることを知ってしまいます。巻子も鷹男に不倫されている様子。 一方咲子は、ボクサーの恋人・陣内(藤原季節)をふじに紹介。咲子はふじが思いつめないよう、あえて恋人を紹介していました。その頃滝子は戸籍謄本を調べ、男の子は恒太郎の子ではないことを突き止めます。 何も知らないはずのふじは、恒太郎の服から出てきたミニカーを襖に投げつけていて……。
第2話のあらすじ・ネタバレ
咲子は巻子に怒りの連絡。なんと新聞に主婦40歳・匿名で、恒太郎の不倫に関する投書が掲載されていたのです。文面を見ると書いたのは巻子のようですが、巻子は関連を否定。それから、誰が投稿したのかと騒ぎに発展します。 鷹男は綱子が生け花を行っている料亭にて、滝子と勝又を呼び出します。鷹男は2人をくっつけようとしますが、勝又には好きな人がいるとのこと。ですが本当は滝子が好きで、2人はいい感じに。 一方咲子は恒太郎を連れ、陣内の試合を見つめています。しかし陣内は脳震盪で倒れてしまい、咲子は目を背け会場から出て行ってしまいました。 巻子はそれとなく実家に姉妹を集め、投書の犯人を探ります。なかなか帰ってこない恒太郎を心配する4人。巻子は鷹男に友子のアパートを見に行くよう指示すると、友子の子が怪我をして病院に運ばれ、ご主人も病院に向かったと隣人から情報を得たのです。 ようやく帰宅した恒太郎を、4姉妹と鷹男は待ち構えていました。鷹男は、投書をしたのはふじだと推測。巻子はショックを受けつつ、少し納得し始めたのでした。
第3話のあらすじ・ネタバレ
1979年9月。咲子がバイト中に倒れてしまいます。陣内の減量に付き合ってご飯を食べていなかった咲子ですが、陣内の浮気が発覚。しかもラーメンを食べており、咲子と巻子は陣内に激怒します。 その頃勝又は滝子に、出会いのきっかけとなった恒太郎の不倫調査をなかったことにしたいと、調査資料を燃やしてしまいます。それがボヤ騒ぎとなってしまいましたが、2人は滝子の部屋で抱き合いました。 鷹男は大阪出張で、不倫相手と間違えて巻子に電話をしてしまいます。その後巻子はふじに、夫の不倫を相談。するとふじは「女は言ったら負け」と忠告したのです。 巻子が友子の家をふらっと見に行くと、そこにいたのはふじ。ふじは倒れてしまい、4姉妹と鷹男は意識不明のふじに寄り添います。 酔っぱらった恒太郎は、ようやくふじの病院へ。巻子は恒太郎の胸ぐらを掴み、ふじの苦しみを恒太郎にぶつけます。そんな恒太郎は友子に「結婚するから」とフラれていて、恒太郎はふじの傍で涙を流し……。 そのままふじは亡くなってしまいます。咲子のお腹には、陣内の子がいたのでした。
第4話のあらすじ・ネタバレ
スーパーで万引きをし、店員に捕まった巻子。巻子は鷹男が秘書の啓子(瀧内公美)と不倫していると悩んでおり、店員に説明しその場を許してもらいました。 恒太郎は寝タバコでボヤ騒ぎを起こし、姉妹たちに連絡が入ります。姉妹たちは誰かが恒太郎を引き取るか、ここに住むか話合うことに。綱子は妹たちに恒太郎の不倫は2度目だと明かし、当時ふじが石臼で小麦を引いていた姿が怖かったことを明かしました。 4姉妹は形見分けの最中、着物の中から春画を発見。昔は性教育の代わりに母が娘に持たせたようで、皆は動揺しました。 陣内はチャンピオンになり、咲子は妻として取材を受けます。一方巻子の娘・洋子(野内まる)は啓子と食事に行き、仲良くなった様子。 鷹男は巻子に、恒太郎を引き取ろうと提案。しかし巻子は恒太郎の家に勝又を住まわせ、滝子との関係をまとめようと考えていました。 その頃滝子の家にやってきた勝又。2人は最初の夜うまくいかなかったようで、「この次」と約束を交わし……。
第5話のあらすじ・ネタバレ
結局勝又が恒太郎の家に住むことになります。咲子は寿司を注文し、家にやってきました。金回りがよくなった咲子は滝子を見下すような言動を繰り返し、2人は言い合いに。 綱子の元には、息子の正樹(三浦獠太)が婚約者を連れて戻ってきます。その頃勝又は食事を喉につまらせ、「俺は最初の晩にしくじる運命だ」と滝子にこぼしました。そんな勝又を恒太郎は「いいやつじゃないか」と滝子に伝えます。 巻子は鷹男が胃カメラで体調が悪くなったと聞かされ病院へ。そこにいた啓子が、自分と同じコートを着ていることに気づいた巻子。鷹男は啓子には恋人がいると説明しますが、巻子は怒りを覚えます。 勝又は子供(友子の息子)からの電話を取ってしまい、不倫を調べたのは自分であることを正直に恒太郎に告白。その後勝又と滝子は関係を結ぶことに成功し、2人は結婚することになったのです。 結婚式当日。咲子と陣内は、新郎新婦よりも派手な恰好で登場します。しかも陣内はよろけて勝又の服にお酒をかけてしまい、滝子は「帰って!」と激怒。荒れる姉妹の中を取りもったのは、恒太郎でした。 そして式の最中、ある報告を受けた咲子は式場を飛び出し……。
第6話のあらすじ・ネタバレ
陣内は倒れて入院したものの、すぐに退院させた咲子。陣内は暴れるなど普通な様子ではありませんが、見下されたくない咲子は気丈に振る舞います。一方巻子は、啓子とテニスに行った洋子が許せない様子。 勝又は貞治の妻・豊子(夏川結衣)から、貞治の不倫調査を5万で頼まれます。その後、追いかけてきた貞治から10万を詰まれた勝又。勝又がこのことを綱子、巻子、滝子に相談すると、綱子は焦って「相手はあたし。関係はもう切れてる」と説明します。 陣内は練習に復帰したのですが、取材の受け答えも曖昧な状態。咲子は「もう辞めてもいいんだよ」と寄り添いますが、陣内は「もう少しで手が届きそうだ」と続ける意思を伝えます。 綱子はお見合い相手と雅楽を見に行きます。しかし貞治のことが忘れられず、途中で席を立ち……。結局貞治と別れられず、巻子はそんな姉を叱りました。 迎えた陣内の防衛戦。陣内は試合後に倒れ、滝子は自分が咲子を妬んだからではないかと後悔を重ねます。咲子は意識が戻らない陣内に裸で寄り添い、涙を浮かべたのでした。
最終回のあらすじ・ネタバレ
陣内の母・まき(高畑淳子)は、咲子が陣内にボクシングを続けさせて贅沢をしたと責め立てます。それでも咲子は、お見舞いに来た姉たちに強がり続けました。入院費も厳しくなり、咲子は看護師に大部屋への移動を勧められてしまいます。 その後咲子は、街中で出会った男・宅間と体の関係を持ってしまいます。 その頃恒太郎は、まだ友子の息子・省二と会っていました。もう新しいパパはいなくなったとのこと。偶然恒太郎の笑顔を見てしまった滝子は、どうしても父が許せませんでした。 巻子は夜中、綱子が心中したと隣人から連絡を受けます。幸い綱子は無事で、ただガス管が外れただけと説明。綱子の足裏には、咲子が陣内に書いたへのへのもへじの絵が。貞治の足裏にも書かれており、貞治は豊子からお叱りを受けます。 怒った豊子は、なんと綱子の生け花教室の看板にへのへのもへじを書き嫌がらせをしたのでした。 啓子は巻子の家にやってきて、今度結婚するから仲人を頼みたいと言い出します。啓子は不倫相手は自分ではない、巻子に不倫の事実を自分で確かめるよう告げたのでした。 咲子は宅間から100万円を要求され、無理していいところを見せていた滝子に弱音をこぼします。滝子は咲子を庇い、宅間を責め……。 滝子は妊娠。白菜を漬ける4姉妹を見た鷹男は勝又に、「女は阿修羅だ。外を取り繕っても裏では悪口を言い合うから気をつけろ」と告げ口をします。 その後咲子とまきは、足裏が動いた陣内の変化に喜びます。一方啓子の結婚式に参列した巻子は鷹男に、「浮気していないのは信じていないから」と笑顔で告げたのでした。
【考察】是枝版と向田版の違いとは?
セリフや話の展開は向田版とほぼ一緒
是枝が描いた本作と原作を比べてみたところ、セリフや話の展開はほぼ一緒であることが分かりました。設定も1979年、セリフも「~のよ」「~わよ」といった言葉遣いが目立ち、当時の世界観をそのまま味わうことができる展開となっていました。 ただし現代のコンプライアンス的に難しい部分は、変更があったと推測します。原作では咲子が試合前の陣内になし崩し的に抱かれるシーンがありますが、本作では咲子は拒否しています。 本作ではその他でもリアルな体のシーンは描かれておらず、現代風にアップデートして描かれていたのではないかと思います。それ以外はセリフも同じ個所が多く、ほぼ原作の完コピに近かったのではないでしょうか。
是枝版「阿修羅」で描いたものとは?
①家族の在り方
是枝はこれまで、『万引き家族』(2018年)や『ベイビーブローカー』(2022年)で“偽”の家族を描いてきました。しかし本作では“本物の家族”を描いています。 ただ家族の美しい部分だけではなく、滝子と咲子の確執、父親の不倫など一筋縄ではいかない家族の問題を取り上げています。一見幸せそうに見える家族も、蓋を開けてみればいろいろな問題が絡み合っているところがリアルでした。 また4姉妹が4人で1人のように繋がって物語を紡いでいく様子から、本作は「阿修羅」のごとく、というタイトルがつけられたのではと感じます。
②伝統的な日本文化
本作は美しいシーンが多く、懐かしさを感じる風景が多かったのが印象的です。是枝はこれまでNetflixで『舞妓さんちのまかないさん』(2023年)でも日本文化を描いてきました。 Netflixは世界配信されており、海外の方も多く視聴しているプラットフォーム。日本文化をはじめ日本の良さを海外に伝えたいという思いもあり、意識的に伝統的な作品を手掛けているのかもしれません。
【原作ネタバレ】『阿修羅のごとく』を解説
現役を引退した年老いた父・恒太郎に愛人がいることが分かった4姉妹。4人は興信所を使って、愛人の自宅を突き止めました。 相手は土屋友子という40歳ほどの女性。恒太郎は毎週火曜と木曜に友子たちの家に通っており、4姉妹は母・ふじの耳には決して入れないことを約束し合います。幸いなことに、ふじは夫の不倫など気づいていない様子。 そんな中、竹沢家の愛人騒ぎと思われる記事が新聞に掲載されます。姉妹はふじの目に入れないよう動きますが、投稿したのはなんとふじでした。ふじはだいぶ前から夫の不倫に気づいており、巻子は愛人宅前で倒れてしまったふじと遭遇し……。 巻子はふじを救急車に乗せて病院へ。その頃恒太郎は友子から結婚すると言われ、2人の関係は終わりを迎えていました。その夜、恒太郎はふじが倒れたこと、不倫に気づいていたことを知り……。ふじはそのまま息を引き取り、恒太郎は1人縁側に座り庭を眺めていたのでした。
映画『阿修羅のごとく』の感想・評価
映画版は4姉妹だけでなく脇役も豪華すぎた。桃井かおり、仲代達矢、八千草薫。すごく深みのある作品だし、若き日の中村獅童や木村佳乃もいい味出してる。これが2025年にドラマ化とは、この難しい時代に不倫をどう描くのだろうと期待。是枝監督は向田の良さをどう活かすのか、4姉妹の演技にも注目したい。
2003年に森田芳光監督で映画化された本作を見ました。映画での4姉妹は大竹しのぶ、黒木瞳、深津絵里、深田恭子と超豪華。テンポよく進むし森田らしい明るい展開になっていたのですごく見やすかった。女の執念を強く感じる、ゾクゾクする作品です。
ドラマ『阿修羅のごとく』キャスト・登場人物一覧
長女・綱子役/宮沢りえ
![阿修羅ごとく、ドラマ、宮沢りえ](https://images.ciatr.jp/2024/12/w_828/MX2b2mNa5nmH9SSLd64ZX1IUdRxN3UL8D4R1rlxC.jpg)
生け花を教える長女・綱子(つなこ)を演じるのは、宮沢りえです。綱子は夫に先立たれ、生花の師匠として生計を立てています。 演じる宮沢は、『全裸監督2』(2021年)以来のNetflix作品への出演。近年は舞台への出演が多く、2025年には三谷幸喜演出の舞台、『昭和から騒ぎ』への出演も控えています。
次女・巻子役/尾野真千子
![阿修羅のごとく 尾野真千子](https://images.ciatr.jp/2025/01/w_828/dWhtmwCed8mQjsrklVZCWQLlJWIMxo8KGPsWPt7L.jpg)
会社員の夫や子どもたちと平穏に暮らす次女・巻子(まきこ)を演じるのは、尾野真千子です。巻子は専業主婦で一見穏やかに暮らしており、中学生の一男一女がいます。 演じる尾野は、2024年10月期にはドラマ『ライオンの隠れ家』に出演。女優としてだけでなく、2024年の朝ドラ『虎に翼』での語りも大きな話題となりました。
三女・滝子役/蒼井優
![阿修羅のごとく 蒼井優](https://images.ciatr.jp/2025/01/w_828/MKEWUa8vq0xtk01keSNnm0tXixc3RsmNqfrwIq2P.jpg)
図書館の司書として働いている三女・滝子(たきこ)を演じるのは、蒼井優です。滝子は男っ気が全くなく、恋愛に不器用な一面を持っています。 演じる蒼井は、2022年8月に第一子を出産。2023年後期のNHK朝ドラ『ブギウギ』で女優業に復帰し、本作で初めてNetflix作品への出演を果たします。
四女・咲子役/広瀬すず
![阿修羅のごとく 広瀬すず](https://images.ciatr.jp/2025/01/w_828/6rUo9NOlhwfGly7lAgaOG9HI5UGFX7snLtTQbk4U.jpg)
喫茶店のウエイトレスとして働く四女・咲子(さきこ)を演じるのは、広瀬すずです。咲子は親兄弟にも内緒で、現在無名のボクサーと同棲中です。 演じる広瀬は、2025年1月期にドラマ『クジャクのダンス、誰が見た?』で主演を務めます。また2025年には映画『ゆきてかへらぬ』を含め、なんと4作品への映画出演を控えています。
ドラマ『阿修羅のごとく』監督・脚本家を紹介
本作で監督・脚色・編集を務めるのは、是枝裕和です。是枝は『そして父になる』(2013年)『怪物』(2023年)などこれまで数々の名作で監督を務めており、世界的名匠として語られています。 原作・脚本は、1981年に惜しくもこの世を去った向田邦子。向田は1979年に『阿修羅のごとく』を執筆。その他にも多くの名作を世に残しており、現在も名脚本家として語り継がれています。『阿修羅のごとく』は1979年にドラマ化、2003年に映画化もされており、何度もリメイクされている名作であることがよく分かります。
ドラマ『阿修羅のごとく』の配信日は2025年1月9日!
Netflixドラマ『阿修羅のごとく』は、往年の名作が再ドラマ化されます。令和の時代に向田邦子の名作がどのように光るのでしょうか。 配信は2025年1月9日に、全7話が一挙に配信される予定です。時代を経ても色あせない名作を、一気見したいですね。