映画『セプテンバー5』はどこまで実話?あらすじをモデルとなった事件と比較解説
1972年のミュンヘンオリンピックで起きたテロ事件の実話を基にしたヒューマンサスペンス『セプテンバー5』。第82回ゴールデングローブ賞のドラマ部門作品賞にノミネートされた話題の1作です。 この記事では、本作のあらすじを紹介し、基になったテロ事件も解説します。
映画『セプテンバー5』のあらすじ
公開年 | 2025年2月14日 |
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メインキャスト | ピーター・サースガード , ジョン・マガロ , ベン・チャップリン |
監督 | ティム・フェールバウム |
1972年9月5日、ミュンヘンオリンピックが開催されている最中、選手村でパレスチナ武装組織「黒い九月」によるイスラエル選手団の人質立てこもり事件が発生。情報が錯綜する現場でテレビ中継を担うことになったのは、スポーツ番組の放送クルーたちでした。 テロリストの要求は次第にエスカレートしていき、現地のドイツ警察は冷戦の中で機能せず。全世界の人々が異様な緊迫感の中で事件の行方を見守る中、テロリストの交渉期限が近づいていました。
【実話】映画『セプテンバー5』のモデルは現実の事件
1972年9月5日、西ドイツ(当時)のミュンヘンで行われていたオリンピックで起きたテロ事件「ミュンヘンオリンピック事件」。パレスチナ武装組織「黒い九月」が選手村でイスラエル選手団を人質にとって立てこもった実際の事件です。 オリンピック競技が行われる最中、8人のテロリストが2人のイスラエル選手を殺害し、9人を人質にとって選手村の宿舎に立てこもりました。交渉条件は、イスラエルで拘束されているパレスチナ人囚人及び西ドイツで投獄されている赤軍派メンバーの解放。全世界が中継で事件の行方を目撃する中、交渉は決裂してしまいます。 テロリストは海外逃亡を図りますが、西ドイツ警察による空港での救出作戦によって銃撃戦に発展。人質9名は銃撃戦に巻き込まれ、結果的に警察官1名と犯人5名を含む計17名が死亡する大惨事となりました。 映画では事件を客観的に追う報道側の視点で語られている点が最大の特徴。さらに実際のニュース映像も挿入されており、その融合が作品によりリアリティを生んでいます。
映画『セプテンバー5』のキャスト
ピーター・サースガード
テレビプロデューサーのルーン・アーレッジを演じたのは、アメリカ出身の俳優ピーター・サースガード。雑誌編集長を演じた2003年の映画『ニュースの天才』では、全米映画批評家協会賞で助演男優賞を受賞しています。
ジョン・マガロ
「ABCスポーツ」チームの若きプロデューサー、ジェフリー・メイソンを演じたのは、アメリカ出身の俳優ジョン・マガロ。2023年の映画『パスト ライブス/再会』の出演で知られています。
ベン・チャップリン
オペレーション・マネージャーのマービン・バッダーを演じたのは、イギリス出身の俳優ベン・チャップリン。『シン・レッド・ライン』(1998年)や『完全犯罪クラブ』(2002年)などの映画に出演しています。
映画『セプテンバー5』の監督
本作の監督・脚本を務めたのは、スイス出身の監督ティム・フェールバウム。いずれも終末世界を舞台にしたディストピアSF映画『HELL』(2012年)と『プロジェクト:ユリシーズ』(2022年)を、ローランド・エメリッヒ製作総指揮のもとで監督・脚本を務めています。
映画『セプテンバー5』のあらすじは実話がもとになっていた
平和の祭典オリンピックで起きた実際のテロ事件を基にしたヒューマンサスペンス『セプテンバー5』は、日本では2025年2月14日に公開。実話との違いも含め、ぜひ劇場で事件の行方を追ってみてください!