映画『キャッチ・ミー・イフ・ユー・キャン』実話か嘘か検証!FBI捜査官カールは実在する?
スティーブン・スピルバーグ監督、レオナルド・ディカプリオ&トム・ハンクスの共演で公開当時も大きな注目を集めた『キャッチ・ミー・イフ・ユー・キャン』。実在の天才詐欺師とFBIの逃走劇をコミカルに映画化しました。 この記事では、『キャッチ・ミー・イフ・ユー・キャン』のネタバレあらすじから、どこまで実話なのかなどを紹介します。
【基本概要】映画『キャッチ・ミー・イフ・ユー・キャン』詐欺師の実話
『キャッチ・ミー・イフ・ユー・キャン』は、実在した天才詐欺師フランク・W・アバグネイル・Jrの波乱万丈な人生を、スティーブン・スピルバーグの手によってコメディ、ドラマ、ロマンス要素含めて、軽快なタッチで描いた作品です。 当時若手俳優として人気絶頂だったレオナルド・ディカプリオと名優の座を確固たるものにしたトム・ハンクスが織りなす、実話に基づいた奇想天外な逃走劇がくり広げられます。
【あらすじ】映画『キャッチ・ミー・イフ・ユー・キャン』どんな話?
1960年代。高校生のフランクは両親の離婚をきっかけに家を飛び出し、生活のため小切手偽造に手を染めますが、なかなかうまくいきません。 しかしあるとき、パイロットになりすませば簡単に人を騙せることに気づいたフランクは、各地を飛び回りながら、小切手の偽造をくり返すように。 やがてFBIのベテラン捜査員ハランティがフランクを追い始めますが、なかなか捕まえることができず、2人の逃走・追跡劇がつづいていきます。
【ネタバレ】映画『キャッチ・ミー・イフ・ユー・キャン』結末まで解説
16歳のとき、両親の離婚を機に家出をしたフランク。あるとき、パンナムのパイロットになりすませば、簡単に給与小切手を偽造できることを知り、彼は副操縦士として数々のフライトに搭乗しながら世界中で詐欺をくり返します。 しかし小切手偽造に銀行が気づき、ついにFBIが動く事態に。捜査官のカールは一度はフランクを追い詰めたものの、彼に騙され逃亡を許してしまいます。 その後も医師、弁護士と身分を偽り詐欺をくり返すフランク。彼とカールは毎年クリスマスに電話をする不思議な関係になっていました。 捜査を続けるなか、カールは偽造小切手の印刷に使われた古い印刷機がフランスにあることを突き止めます。フランクは、両親が出会ったフランスのモンリシャールの印刷所にいるところを逮捕されました。 4年後、ようやくアメリカに移送されることになったフランクは、飛行機のなかでカールから父親が亡くなったことを知らされ、取り乱します。飛行機から逃亡し母のもとへ向かいますが、母の家の前で再び逮捕。 フランクは罪の重さから未成年であることは考慮されず、12年の禁固刑に。ある日、面会に来たカールに小切手の偽造手口をアドバイスしたところ、その知識と技術を見込まれてFBIの金融犯罪課で働くことになりました。
【実話】FBI捜査官カールやアバグネイルは存在する?実話なのか嘘なのか考察
自伝小説に基づき作られた作品
『キャッチ・ミー・イフ・ユー・キャン』は実在の詐欺師フランク・アバグネイルの自伝小説『世界をだました男 Catch Me If You Can』(1980年)を原作にしています。 原作小説の主人公は、大手航空会社パンアメリカン航空(パンナム)の給与名簿に偽名で名を連ね、その特権を利用して無料で世界中を飛び回りました。その後、医者や弁護士など、社会的信用度の高い職業になりすまし、小切手偽造をつづけていきます。 しかし捜査の手が迫り、海外に逃亡したところを逮捕され、現地の刑務所に収監されました。 著者のアバグネイルは、話を誇張する傾向がある人物として知られているようです。
天才詐欺師フランクの生い立ちはほとんど事実
著者であるフランク・アバグネイルは、この映画の80%は正確だと述べており、フランク本人や他の情報と照らし合わせると、彼の生い立ちに関する描写は多くが事実のようです。 しかしフランクはひとりっ子ではなく、4人兄弟の1人でした。また両親の離婚は事実ですが、幼少期のフランクは主に父親と過ごしていたそうです。 10代で詐欺を始めたフランクの最初の被害者は、彼の父親でした。父親のクレジットカードで3400ドル以上を使い逃亡したフランクは、それ以来、父とは会っていないそうです。また母親も再婚していません。 飛行機内でFBIから逃亡を図ったときには、映画ではトイレから外に出ていましたが、実際には機内に食料品が運び込まれるサービスドアから逃亡したそうです。 またどんなズルをして司法試験に受かったのかと聞かれたシーンでは「2週間猛勉強して受かった」と答えていますが、実際には2回試験に落ちています。その後、8週間(約2か月)の勉強のすえ、3回目の受験で司法試験に受かりました。
カール・ハンラティ捜査官は実在しない
トム・ハンクスが演じたカール・ハンラティ捜査官という人物は実在しません。ハンラティは複数の捜査官を1人にまとめた架空の人物です。 実際にフランクを追っていたのは、ジョー・シェイという名のFBI捜査官でした。彼はすでに他界していますが、フランクはジョーが亡くなるまで友人として交流をつづけていたそうです。 またジョーは生前、自分の名前が映画に使用されることを拒否していました。
フランクの歴史の多くは嘘?
映画ではフランクがパイロットの制服を着て、世界中を自由に飛び回り、豪華なホテルに泊まったり、偽造チェックで大金を使う様子が派手に描かれていますが、実際には、それほど大規模なものではなかったようです。 フランクに関する刑務所で記録があるのは地元ニューヨーク州とルイジアナ州、そしてフランスでの短期間の服役のみです。映画でのフランクのFBIからの逃亡の大半は、実際は彼が国内で収監されていた期間に行われたものであるため、この短期間に彼が言うような詐欺を計画し実行することは非常に困難だと考えられます。
【その後】天才詐欺師フランク・アバグネイルの現在は?
1974年にバージニア州の連邦拘置所で12年の刑期に服すことになったフランク・アバグネイルですが、週に1度、無給で詐欺罪の調査を助けるため連邦当局で働くことを条件に、5年弱で出所を認められます。 しかしコック、スーパー店員、映写技師などさまざまな職を転々とするも、どれも犯罪歴を隠して就職したため、それが発覚すると解雇されていました。 そこでフランクは、過去に自分が行った小切手詐欺の手口を銀行員に話すことにより偽造を防ぐ手助けを行う、という合法的なビジネスに成功。企業向けに詐欺対策をアドバイスするために創設したセキュリティ・コンサルタント会社は、連邦捜査局と35年以上提携し、FBIアカデミーや現場事務所でコンサルタントや講師をしています。 現在は合法的な職に就き、妻と3人の息子と暮らしています。
映画『キャッチ・ミー・イフ・ユー・キャン』実話がモデルだがカールは存在しない
実話をモデルにした奇想天外な『キャッチ・ミー・イフ・ユー・キャン』は、その話がどれほど事実にもとづいているのかは定かではないものの、優れたエンターテインメント作品です。 唯一、はっきりと事実でないとわかっているのはカールのキャラクターですが、それでもこの作品の魅力に変わりはありません。