実写映画『四月は君の嘘』あらすじ(ネタバレあり)・キャスト・評価

新川直司の漫画『四月は君の嘘』が2016年に実写映画化されました。 2014年～2015年にかけてアニメ化もされた本作は、音楽と恋と青春と最も美しい嘘をめぐるボーイ・ミーツ・ガールストーリーです。登場人物たちは原作では中学生の設定でしたが、映画では高校生の設定になっています。 この記事ではあらすじ、出演キャスト、映画のネタバレから気になる評価まで、実写映画『四月は君の嘘』に関する情報をまるっと紹介しています！

2018年3月26日(月)の21時より、フジテレビにて本作が地上波初放送されることが決定しました。 広瀬は第41回日本アカデミー賞で、最優秀助演女優賞を獲得したばかり。3月17日には代表作の続編である『ちはやふる 結び』も公開されています。 映画は21時～23時28分にフジテレビ系列で放送されます。

かつて天才ピアニストと呼ばれていた有馬公正は、母の死がきっかけで自分弾くピアノの音が聞こえなくなっていました。本格的にピアノを弾くことをやめてから数年経ったある日、公正は、幼馴染の澤部椿の紹介でヴァイオリニストの宮園かをりと出会います。 かをりは、公正に、自分の伴走者になって欲しいと頼みますが、公正は拒否します。 その後、かをりや、幼馴染の椿、渡亮太に背中を押され、公正は少しずつピアノに向き合い始めますが、かをりが体調不良で倒れてしまい……。

『四月は君の嘘』の主人公有馬公正は、かつて「ヒューマンメトロノーム」と称されていた、正確無比の演奏を武器とする天才ピアニスト。母の死をきっかけにピアノから離れており、物語スタート時では、新譜の譜面起こしのアルバイトが、音楽との唯一の接点です。 山崎賢人は、『今日、恋をはじめます』『L・DK』『ヒロイン失格』『orange』など、人気漫画の実写化にたびたび起用されている期待の若手俳優です。映画デビュー作の『管制塔』では、ギターの弾き語りシーンを自然に演じていました。本作ではピアニストを演じるということで、約半年のピアノの猛練習をして演奏シーンに臨みました。

ヒロインの宮園かをりは、明るい性格の才能溢れるヴァイオリニスト。有馬の幼馴染の椿に、同じく幼馴染の渡亮太を紹介してほしいと頼んだことがきっかけで、有馬と出会うことになります。かをりのついた最も美しい嘘が、本作の重要な要素になります。 広瀬すずも山崎賢人同様、『海街diary』『ちはやふる』と人気漫画の実写化に連続して起用されています。『海街diary』では、素人とは思えない上手すぎるサッカーシーンが話題にもなりました。広瀬すずによるヴァイオリン演奏シーンは、本作のみどころのひとつとなっています。

澤部椿は、有馬公正と渡亮太の幼馴染にして、宮園かをりの友人。ソフトボール部に所属する元気女子です。公正のことをダメダメな弟のような存在だと考えていて、ピアノをやめるにしても、ちゃんと向き合ってやめて欲しいと思っています。 石井杏奈はE-girlsのメンバーでダンサーとしても活躍する女優。2015年9月公開の映画『ガールズ・ステップ』で主演をつとめ、2016年には映画『世界から猫が消えたなら』に出演をしました。

渡亮太は、有馬公正と澤部椿の幼馴染でサッカー部の部長。性格はチャラく、女好きのナルシスト。コミュニケーション力が抜群に高く、人間関係や恋愛に関して、時折鋭い発言をします。 中川大志は、『家政婦のミタ』や『夜行観覧車』など、人気ドラマに数多く出演している俳優です。映画出演は本作が3作目になります。今回共演する広瀬すずとは、シーブリーズのCMでも共演していました。

主人公有馬公正の母、有馬早希は公正にとってピアノに向かう動機そのものと言ってもいい存在でした。本作は、早希の死をきっかけにピアノから離れてしまった公正が再びピアノと向き合う物語でもあります。 檀れいは宝塚出身の女優で、2011年に及川光博と結婚しています。金麦のCMに象徴されるように爽やかな印象のある檀ですが、本作で演じる有馬早希は影のある人物、果たしてどのように演じるのでしょうか。

瀬戸紘子は公正の母早希の友人のプロのピアニスト。ピアノから離れていた公正のピアノの師匠になります。 瀬戸紘子を演じる板谷由夏は2007年に結婚し、現在は2児の母です。母となってからも立て続けに映画、ドラマに出演しており、2017年に放送されたドラマ『母になる』では、いい母親になれずに悩んでいる西原莉沙子を演じました。

井上真央×岡田将生の『僕の初恋を君に捧ぐ』や、北川景子×向井理の『Paradise Kiss』、長澤まさみ×岡田将生の『潔く柔く』など、少女漫画の実写化を多く手掛けてきた新城毅彦監督。2013年の『潔く柔く』以来3年ぶりに、少女漫画原作でメガホンを取ったのが本作です。 映画のメガホンを取ったのは2006年の『ただ、君を愛してる』が初めてですが、映像業界でのキャリアは長く1993年放送の名ドラマ『あすなろ白書』の演出なども手掛けていました。 2017年には永野芽郁主演の映画『ひるなかの流星』や、窪田正孝主演のドラマ『僕たちがやりました』を手掛けるなど第一線で活躍しています。

映画公開前に、出演者たちが自らカメラを回し現場リポートを行った特別映像が配信されました。 映像では、作中で同級生を演じる同年代の4人の仲のいい様子を見ることができます。今をときめく人気若手俳優たちの貴重なオフショットとなっているので、ファン必見です！ また、本作は実写映画だけでなく原作漫画やアニメでも人気を博しました。ファンの心をつかんだ原作漫画、アニメについて振り返って見ましょう。

アニメ版『四月は君の嘘』は2014年10月9日より、2015年3月までフジテレビ『ノイタミナ』枠で放送され、主人公の有馬公生は、『東京喰種』の金木役などで知られる花江夏樹が声を当てました。 また、公生とかをりの演奏には実際のピアニストとバイオリニストである阪田知樹と篠原悠那の演奏が起用され、「君嘘」の物語を美しい音楽で彩りました。 本作は2クールに渡って放送され、原作の完結に合わせてアニメの完結も描かれています。

原作は、2011年から2015年にかけて『月刊少年マガジン』で連載された少年漫画。全11巻で完結しています。 少年漫画でありながら、少女漫画のような繊細さで描かれた本作は、男性のみならず、女性にもファンが多い作品です。 最も美しい嘘の内容が明かされるラストは感動間違いなし、もう一度読み返したくなること必至です。二周目には、随所に張り巡らされた伏線に気づくことになるでしょう。 また、名言、名セリフが多いのも本作の魅力のひとつです。スヌーピーの名言などがうまく引用されており、真っすぐな登場人物たちのセリフに心を打たれます。 映画を観る前に原作を読むべきかは意見の分かれるところですが、本作に関しては原作を読んでから映画を観ることをおすすめしたいです。

映画『四月は君の嘘』は原作とアニメ版が熱烈に支持されているということもあり、映画は原作のダイジェスト版と感じてしまった人が多かったようです。また、原作では全11巻、アニメでは全44話と長いスパンで登場人物たちの心情描写や季節の移り変わりを丁寧に描いています。 しかし、映画ではどうしても2時間の枠に収めなければならないため、原作やアニメで支持されている登場人物たちの名言やエピソードも突然に感じてしまった人も。 ヒロインの宮園かをりというキャラクターも原作ファンの間では完成されており、それを実在の人物が演じるというのは、誰がどう頑張っても「どこかしら違う。」という評価しか得られないだろうと言われていました。 そんな逆境の中、広瀬はこれまでで一番髪色を明るくし、表面上は明るく振る舞いながらも一瞬一瞬に切ない想いを秘めたかをりを、限りなく原作に近づけて演じ切りました。

原作でもメインテーマとなっている、公正のピアノとかをりのヴァイオリンのセッションシーン。映画ではそれを忠実に再現するために、山崎と広瀬は半年前からピアノとヴァイオリンの猛特訓を積んできました。 その甲斐あって、公正とかをりのセッションシーンには高評価が相次ぎました。 新條監督の持ち味である後半にかけて登場人物たちの心情をエモーショナルに巻き込んでいく演出と、公正とかをりの演奏と感情が音を奏でるごとにぐんぐん上昇していく化学反応は見事としか言いようがなく、厳しい目線の原作ファンをも納得させました。 特に、二人の演奏シーンとラストの手紙のシーンで涙した観客が多かったそうです。 邦画は興行収入10億円を突破すれば成功と言われていますが、本作もなんだかんだで14億2000万円の興行収入を記録しており、様々な評価が挙がるということはそれだけ多くの人が作品を観に劇場へ足を運んだということでしょう。

有馬公正はかつて天才ピアニストと言われていましたが、母の死をきっかけでピアノから離れ、2年半が経ち、中学3年生になっていました。そんな公正を友人の澤部椿は遊びに誘います。宮園かをりという女の子が公正と椿の共通の友人である渡亮太を紹介してほしいと言っているというのです。公正と椿と渡とかをりは、4人で土曜日に会うことになります。 かをりはヴァイオリニストで、その日はコンクールで演奏をすることになっていました。同じ課題曲を違う演奏者が繰り返し演奏するため、椿と渡は退屈し始めますが、かをりが演奏を始めると、ホールの空気が一変します。かをりの演奏は楽譜の指示を完全に無視したもので、それは楽譜を忠実に弾くことを重視するコンクールではご法度とされることでした。 審査員から高い評価を受けることはできませんでしたが、かをりは聴衆推薦で二次予選に進むことになり、伴奏者に公正を指名します。公正は、ピアノの音が聴こえないから無理だと断りますが、かをりはそれでもやってほしいと言って聞きません。公正は自分にむかって泣きながら頭を下げるかをりを見て、伴奏者になることを了承します。

二次予選で演奏を始めたふたりでしたが、途中で音が聴こえなくなった公正は演奏を中断してしまいます。うなだれる公正に、かをりは「アゲイン」と言い、ふたりは演奏を再開。公正は音が聴こえないままイメージだけで演奏をし、かをりと殴り合っているような演奏を披露、会場を呑み込んでいきます。演奏が終わり、会場は拍手と歓声に包まれるのでした。 観客にはスタンディングオベーションを受けたふたりの演奏でしたが、途中で中断してしまったため二次予選を突破することはできず、さらに演奏終了後にかをりは倒れてしまい、入院することになってしまいます。 退院後、かをりは公正に「ピアノのコンクールに出て」と言うのでした。

公正はコンクールに向けて練習を開始しますが、相変わらず音は聴こえません。自分の演奏を録音して、演奏を終えた後に聴くという練習を行っていましたが、自分の下手さに辟易する日々を過ごしていました。 一方、ソフトボール部に所属する椿とサッカー部に所属する渡はそれぞれ中学最後の大会を迎えていました。部のエースとして活躍するふたりでしたが、試合には惜しくも敗れてしまいます。 コンクールにむかった公正を小学生時代のライバル相座武士と井川絵見が待ち構えていました。

武士と絵見の演奏は最高と言えるものでした。ふたりは、久しぶりにコンクールに出場した公正に刺激を受け、普段以上のパフォーマンスを発揮したのです。 そんなふたりに触発され、公正はステージに向かいます。はじめのうちは調子よくピアノを弾いていましたが、途中で音が聴こえなくなってしまい……。

音が聴こえなくなり、途中で演奏をやめてしまった公正でしたが、かをりの「アゲイン」という言葉を思い出し、演奏を再開します。かをりだけに届けばいい、と思いを込めた演奏は、かをりに涙を流させました。演奏を中断した公正は予選通過をすることはできませんでしたが、後悔はしていない表情をしていました。 そんなときかをりの元にガラコンサートの招待状が届き、かをりと公正は再びタッグを組みことになります。時を同じくして、公正の母の親友にしてプロのピアニストの瀬戸紘子が公正の家を訪ね、公正の後見人になることを申し出ます。公正は紘子にピアノの指導を依頼するのでした。

かをりと練習をするとともに、紘子に指導も受ける公正。ガラコンは1日1日と近づいてきます。 ガラコン当日、会場にかをりは姿を現しません。順番になっても、かをりと連絡がとれず、伴奏者の公正はひとりで舞台にあがることに。依然、音が聴こえない公正でしたが、演奏の中で何かをつかみ、観客を魅了していきます。それは、公正にとって、母親との精神的な別れを意味していました。

ガラコンに来なかったかをりは、当日、頭をぶつけて出血し入院していました。かをりは検査入院だと話しましたが、公正は、母親とかをりを重ね合わせ、本当に検査入院だろうかと疑いを持ちます。 中学3年の公正は進路を決めなくてはならない時期になり、家を出て、音楽科のある高校に進学することを決意するのでした。

公正が紘子のレッスンに向かっていると、木の上から女の子が落ちてきました。気を失った女の子を紘子の家に運んだ公正。目を覚ました女の子は藍里凪と名乗り、紘子に弟子入りを志願します。紘子は弟子入りを許可し、公正に指導をすることを命じました。 公正は、2学期になっても学校に姿を見せなかったかをりと久しぶりに再会します。かをりは公正を買い物に誘い、荷物持ちをさせ、学校に置いてきたカバンを取りに行こうと言います。教室で、実は病院から1日だけ退院させてもらったことを告白するかをり。公正はかをりを自転車の後ろに乗せ、病院まで送るのでした。

かをりの病態がよくないことを知った公正は、かをりの見舞いに行くのを避けるようになっていましたが、渡に背中を押され、かをりに会いに行くことにします。元気のないかをりを見た公正は、自分の演奏を聞かせることを決意。凪の学校の学校祭で演奏させてくれと、凪に頼み込みます。 凪と連弾をすることになった公正は、渡の携帯で、演奏をかをりに届けます。演奏を聴いたかをりは、ヴァイオリンの弾けないヴァイオリニストにこんなのを聴かせるなんて外道だと言い、公正は、きみと心中はできない、もう一度自分と一緒に演奏をしてほしいと思いを伝えるのでした。

公正の言葉を聞いたかをりは、手術を受けることを決意します。危険な手術でしたが、再び公正と舞台に立つため、かをりは決意したのでした。 公正は、音楽科のある高校に入学するため、コンクールで結果を出す必要があり、2月の東日本コンクールにむけて猛練習を開始します。本選を控えた公正に、かをりは、もう病院に来なくていいと言いますが、公正は、君に会いたいから病院に行くとこたえます。 渡とともに病院に行った公正でしたが、かをりの容態が急変し……。

一度は集中治療室に入ったものの、なんとか出ることのできたかをりは、公正の本選と同じ2月18日に手術を受けると公正に言います。 ボロボロの精神状態で本選にのぞんだ公正でしたが、演奏中に思いがあふれ、観客総立ちの演奏を披露することができました。 本選を終えた公正の元に、かをりから手紙が届きます。そこには、かをりがついた嘘が書かれていました。かをりは、5才の時から公正のことを知っており、公正に会うために、渡のことが好きだと嘘をついたのです。自分の命が長くないこと知っていたかをりは、死ぬ前に、公正にピアノを弾かせ、公正と演奏をしようと考えたのでした。 手紙には、かをりの宝物が同封されていました。一枚の写真です。そこには、友人とふたりでピースをしている小さい頃のかをりと、その後ろを横切る公正が写っていました。