2017年7月6日更新
映画『ピンクとグレー』あらすじ・キャスト・公開日【記事の最後にはネタバレ解説も】
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映画『ピンクとグレー』注目のあらすじやキャストを紹介!
映画『ピンクとグレー』はアイドルグループ“NEWS”の加藤シゲアキの同名小説が原作となっています。芸能界の真実と嘘を描いたサスペンス要素を含む青春小説です。
中島裕翔主演で、菅田将暉や夏帆など注目の若手俳優陣が多数出演することでも話題となっています。
そんな映画『ピンクとグレー』のキャスト、あらすじ、見どころなどをご紹介します。
現役アイドルが書き上げた衝撃作
ジャニーズ事務所所属のアイドルが小説を発表するのは前代未聞で、加藤のデビュー作となった本作は瞬く間に超話題作となりました。同じ渋谷と芸能界を舞台にした『閃光スクランブル』『Burn. -バーン-』と合わせて「渋谷サーガ」3部作とされています。
小さい頃から文章が好きで、自分でもよく書いていたという加藤シゲアキ。NEWSとしての活動が滞り不安に陥ったとき、自分にしかできないことを求めた結果、執筆活動を始めることを決意しました。
事務所の後押しもあり2ヶ月で書き終えた小説『ピンクとグレー』は、角川書店会長の目に留まり一気に出版が決まりました。
映画『ピンクとグレー』の作者・加藤シゲアキとは?
『ピンクとグレー』原作者であり現役アイドル
加藤シゲアキは2003年、自身が16歳のときにアイドルグループNEWSのメンバーとしてデビュー。歌、バラエティ、ドラマなど幅広く活躍しています。
アイドルとして活動する一方で、2012年に『ピンクとグレー』で小説家デビュー。これまでに4作品を出版しています。
映画『ピンクとグレー』に続き、別作品のドラマ化も決定
アイドルでありながら作家としてもその作品が高く評価される加藤シゲアキ。2016年1月からはフジテレビ系土曜ドラマにて、自身4作目の短編小説『傘をもたない蟻たちは』が桐山蓮主演でドラマ化されます。『ピンクとグレー』に続き、自身の小説2作目の映像化となり、こちらにも期待が高まります。
ドラマ『傘をもたない蟻たちは』はフジテレビ系で2016年1月9日(土)23:40より放送されます。
行定監督もその才能を絶賛!
本作の監督を務めた『世界の中心で、愛をさけぶ』などで知られる行定勲も、彼の書く物語を高く評価しています。
読む側に真実味を突きつけるいい青春小説。何かアイデアを加えれば、鮮烈な映画が誕生するのではと思った引用:mainichi.jp
とコメントしており、映画ならではの演出が加わって魅力的な作品に仕上がっているようです。
映画『ピンクとグレー』あらすじ
同じ団地で育ち、同じ青春時代を分かち合ってきた友人・白木蓮吾(中島裕翔)は、スター俳優として人気の絶頂にあるなか、突然自ら命を絶ってしまいます。死体の第一発見者となった幼馴染みの河田大貴(菅田将暉)は、親友が残した6通の遺書を手に入れる。その遺書に導かれるように大スターとなった大貴は、やがて蓮吾の自死の真相を掴んでいきます。
『GO』『世界の中心で、愛を叫ぶ』などで高い評価を得る行定勲監督がメガホンを取った本作。開幕から62分後には、世界が「ピンクからグレー」に変わる“ある仕掛け”が組まれており、この映画を極上のエンタテイメント作品に仕上げています。
映画『ピンクとグレー』キャスト
中島裕翔(白木蓮吾役)
ジャニーズ事務所の“Hey! Say! JUMP”に所属する中島裕翔は、本作で映画初出演かつ初主演を飾りました。“Hey! Say! JUMP”として活動を始める前、2005年からテレビドラマやバラエティ番組に出演し実力を積み、近年ではドラマ『半沢直樹』『水球ヤンキース』などに出演し俳優としての活躍も目を引きます。映画界でも注目を集める成長株となっています。
映画『ピンクとグレー』では幼馴染の大貴と、芸能界でともに活躍する夢を抱きながらも、自分だけがスターになっていく蓮吾を演じています。作品中では夏帆演じるヒロイン・サリーとのベッドシーンなど、爽やかな彼のイメージからはまた違った役どころに挑戦しています。
菅田将暉(河田大貴役)
蓮吾の友人・河田大貴を演じるのは、『共喰い』(2013)で第37回日本アカデミー賞新人俳優賞を受賞し、『そこのみにて光輝く』(2014)では国内の数々の映画賞を受賞した若手俳優・菅田将暉です。ドラマ『民王』での好演も記憶に新しく、またKDDIのCMでは「オニちゃん」を演じるなど、さまざまなキャラクターに扮するカメレオン俳優としても話題です。
本作が釜山国際映画祭で上映された際には、ピンクの髪型で舞台挨拶に登場しました。
菅田について監督の行定勲は、
僕が昔撮った『GO』に出ている窪塚洋介を彷彿とさせるくらい、フレームからはみ出る芝居でありながら、どこか繊細。引用:natalie.mu
と話し、彼の才能を高く評価するとともに今後の活躍に期待を寄せています。
夏帆(サリー役)
二人の幼馴染かつ初恋の相手であり、二人を見守り続けるサリーには女優の夏帆が擢用されています。物語のキーパーソンとなる重要な役どころです。2007年公開『天然コケッコー』での演技が高く評価され知名度を上げた夏帆は、その後『東京少女』(2008)『うた魂♪』(2008)『パズル』(2014)など多くの作品で主演を飾っています。
清純派のイメージが強い彼女ですが『ピンクとグレー』ではベッドシーンなどの大胆な演技にも挑戦しています!
柳楽優弥
配役はまだ発表されていませんが、若手実力派の柳楽優弥も本作に出演します。デビュー作『誰も知らない』(2004)で早速主演に抜擢され、同作で第57回カンヌ国際映画祭コンペティション部門男優賞を受賞しました。当時柳楽優弥は14歳で、これは史上最年少の快挙でした。
岸井ゆきの
若手女優として注目を浴びる岸井ゆきの。2009年のテレビドラマ『小公女セイラ』でデビュー後、ドラマ『Q10』(2010)や映画『銀の匙 Silver Spoon』(2014)などに出演しています。
マキタスポーツ
お笑い芸人、ミュージシャン、俳優と多数の顔を持つマキタスポーツ。ハイクオリティなパロディソングとマジ歌で人気を博すマキタスポーツは、『WOOD JOB!〜神去なあなあ日常〜』(2014)や『みんな!エスパーだよ!』(2015)などの映画にも出演しています。
清純派のふたりが過激なベッドシーンに挑戦?!
アイドルグループHey!Say!JUMPの一員として活躍しており、爽やかなイメージが強い中島裕翔ですが、本作では大胆なベッドシーンに挑戦。役者として新たな境地に挑戦しています。
相手役を演じるのはこちらも清純なイメージが強い女優の夏帆。二人の濃厚なラブシーンに注目が集まっています。
映画『ピンクとグレー』見どころ
映画に仕掛けられたトリックに注目!
『ピンクとグレー』は映画化に当たり、監督の行定勲と脚本家の蓬莱竜太によって脚色が加えられ、また原作にはないエピソードも追加されています。そのため、既に小説を読んだ人も楽しめますし、先に映画を観て後から原作の世界観を味わうことも可能です。
そして、映画一番の見どころが、開始から62分後に用意されている映画オリジナルの“ある仕掛け”です。世界が「ピンクからグレー」に変わる衝撃の仕掛けを、ぜひ劇場で体験してみてください。
主題歌はアジカンが担当
主題歌を担当するのは人気バンド「アジカン」ことASIAN KUNG-FU GENERATIONです。疾走感あふれるロックな新曲「Right Now」で映画を彩ります。
第28回東京国際映画祭でも上映
2015年10月22日(木)~31日(土)の期間で開催された第28回東京国際映画祭のJapan Now部門でも上映されました。上映後、満席となった会場は大拍手に包まれ、観客は傑作の誕生を祝いました。
『ピンクとグレー』の感想・評価は?“騙された!”の声【ネタバレあり】
yuki12241
主観⇔客観、主役⇔脇役、ピンク×グレー。
スクリーンに映る美しい影が鳥のように舞う中で、自ら死を選んだ青年。スター俳優として活躍し、人生の成功者のように思われた「主人公」が唐突に亡くなり、映画の中で次の「主人公」に選ばれた菅田将暉演じる売れない俳優・河田の物語。NEWSの加藤シゲアキが原作・中島裕翔主演という事もあって女性ばかりの劇場で鑑賞してきました(1人じゃなくて良かった)。
撮影監督が、backnumberの「世田谷ラブストーリー」でもタッグを組んだ今井孝博。あらゆる画が美しくて見入ってしまう様に出来ていたと思います。特に、オープニングは鑑賞時には意味が分からなかったけれど、後々考えてみるとしっかりと効いていますね。よく洋画のクラブのシーンなどで用いられる、ポリゴンショックのような過剰な光の点滅は「孤独」を表していると思うのですが、邦画でこれだけ分かり易く演出されているのが凄いし、恐らくそんな深読み映画オタクを惑わすようなミスリードになっているスマートさ。
また、序盤のカラー(ピンク)でありつつもどことなくグレーな雰囲気だけで、ある程度のクオリティは保証されているように思いました。特に、画のトーンが一瞬にしてに変わる映画(ドラマ?)撮影のシーンが最高!この映画のテーマの一つでもあるけれど、虚像としての映画や芸能界・失われるリアルを風刺的に示しています。
ストーリーの面では、幼馴染の少年2人と少女1人を描いた良くある青春を描きながら、職業としての俳優の厳しさや仕事によって揺らいでいく友情など、前半のドラマについては凄く良かったです(尺長いけど)。芸能事務所の社長の視線や微妙な仕草だったり、「俺じゃなくて横のアイツ」を意識させる演出が沢山あるのが好み。
そもそも『ピンクとグレー』というこのタイトルだけで、差し色や画のトーンを含めた視覚的な演出については何となく想像がついていたけれど(そしてそれをしっかり仕上げて来たけれど)、行定監督が仕掛けたのはそれだけではありませんでした。その仕掛けについては当然ここには書けないし、ネタバレ厳禁なので早いうちに劇場に観に行きましょう。ただ、前半と後半で全く違ったテイストの物語になるという事だけ!
個人的には後半になってちょっと失速したような気がしたのですが、普通に問題なく面白かったと思います!
※※※※※この先ネタバレ※※※※※
後半、グレーになった世界の中で、唯一「白木蓮吾」(グレーのスーツにピンクのタイ)だけがカラーで登場する。「河田大貴」の生きる色褪せた世界の中で唯一のリアルが白木であり、結局は自分が誰かすら分かっていなかったし、自らの人生を歩んでいなかった。そして、最後本当の意味で親友と向き合う事により、このしょーもない世界の中で「河田大貴」として生きる事を決意する。このアイデンティティの確立までの流れ、とても良いと思いました!世の中には沢山の色があって、その全てに個性がある。ピンクとグレーとは、決して対する2つの概念ではないんだなぁ。
あと、「白木蓮吾」を演じている時の中島裕翔の瞬きの多さが気になっていたんだけど、もしかしたらアレも本物に対して未熟で才能が劣ることを表していたのだろうか。何にせよ、邦画でこういう考察のし甲斐がある作品が出てくることに嬉しさを感じました。
公開初週末で興行収入11万人を超え、多くの人が映画に仕掛けられたサプライズを楽しんでいます。「見事に騙された!」「よく作りこまれている」などと、本作を高く評価する意見が多く聞かれています。
『ピンクとグレー』の“ある仕掛け”をネタバレ解説!
アイドル・作家として活躍するNEWSの加藤シゲアキによる『ピンクとグレー』を原作とし、芸能界の嘘、そしてリアルを風刺的に描いた注目の邦画である本作。何といっても、その見どころは開始62分後の“ある仕掛け”にあります。公開前から宣伝でもほのめかされていた、その衝撃の仕掛けについてネタバレ込みで解説をします。
ピンク色だった世界がグレーに変わる
本作は、開始62分以前の「ピンク」パートは、ジャンルで言えば青春映画と言えます。幼ななじみとして十数年来の仲である3人の若者を主な登場人物として、彼らの人生の道筋を描いています。
菅田将暉が演じる河田大貴(リバちゃん)と中島裕翔演じる白木蓮吾(ごっち)が芸能界に足を踏み入れ読者モデルや役者として活動していくうちに、運やタイミング・行動力の違いなどから次第にその実力や仕事内容に差が出て行ってしまい、次第に関係に亀裂が入っていきます。そして、2人の幼馴染のサリー(夏帆)とのほのめかされる三角関係など、3人の若者の関係性が次第に変化していくドラマになっています。
そして、ごっち(中島)は次第に若手人気俳優として活躍し、雑誌や広告・テレビ・映画などで多くの人の目に触れるようになるのに対し、リバちゃん(菅田)には仕事が入って来なくなり、嫉妬や悔しさによって人生に嫌気が差してきてしまいます。同じ夢を追っていた2人の関係はどんどん悪化していき、同居も解消することに。そして、いつの日かリバちゃん(菅田)とサリー(夏帆)は付き合うようになりました。
しかしある日、彼らの関係に転機がやってきます。ケンカ別れをしてしばらく経った後、同窓会で再会した2人は酒を酌み交わし、幼い頃の思い出を語るうちにかつての友情を取り戻します。順調に見えたごっち(中島)の人生ですが、彼は彼なりの悩みを抱えていたのです。酔いつぶれたリバちゃん(菅田)は翌日の朝ごっち(中島)の自宅で目を覚ますと、「今日の夜に会おう」という内容の置き手紙と共に合鍵が置かれていました。その日の夜、リバちゃん(菅田)がごっち(中島)の遺体を見つけてしまうのです。
灰色に染まったモノクロの画面から始まる後半の「グレー」パート。河田大貴(中島裕翔)は仕事が上手くいかず、売れない俳優として日々を過ごし、成功していく親友の白木蓮吾(柳楽優弥)を羨ましく思っていました。そう、前半の「ピンク」パートで描かれたドラマの全てが、実は「映画の中の映画」の物語だったのです。
この映画は、途中で俳優たちが演じるキャラクターが180°変わる特殊な作品なのです。映画(ピンク)の中でごっち(中島裕翔)を演じていたのは本当はリバちゃんであり、リバちゃん(菅田将暉)を演じているのは若手の人気俳優でした。「グレー」のパートで描かれる過去では、自殺してこの世を去った本物のごっちを柳楽優弥が、本物のサリーを岸井ゆきのが演じています。
リバちゃん(中島)は、自殺によってこの世を去った親友のごっち(柳楽)が遺した遺書に従って、ごっちの生きた証を伝記として発売したところ、それが大ヒット。リバちゃん(中島)自身がごっち役としてその伝記映画に主演することになったのです。実は、ごっちは実の姉(小林涼子)と姉弟以上の関係にあり、姉が亡くなったのと同じ歳でこの世を去ることを前から決めていたのでした。
加藤シゲアキ、行定勲監督がカメオ出演!
『ピンクとグレー』の監督を務める行定勲と原作者であるNEWSの加藤シゲアキが、作中に登場しているのも本作の見所です。映画撮影のシーンや試写室のシーンでよく目を凝らすと、見つけられるかも知れませんよ。
映画『ピンクとグレー』は2016年1月9日(土)公開しました!
芸能界の嘘とリアル。禁断とも言えるテーマを扱った衝撃作『ピンクとグレー』。行定監督が描く若手俳優たちの繊細な物語は必見です。