2017年7月6日更新

『ゴーン・ガール』が教えてくれた10のこと

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ゴーン・ガール

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1.互いのポテンシャルを最大限引き出すパートナーを見つけよう!?

ニックとエイミーに対して欠点がある人物という表現は少々控えめ過ぎるかもしれません。ニックは自分の年齢の半分ほどの生徒と浮気、エイミーは人を殺してまで欲しいものを手に入れようとするサイコパスです。 しかし、夫婦関係を保とうとしたとき、ふたりは互いのポテンシャルを最大限引き出すことになります。 “自分を愛せる瞬間は誰かに愛される自分になった時だけ。”このエイミーのフレーズがふたりの歪んだ夫婦関係を表しています。 ニックは怠惰で、自己中心的、魅力的な女性を手に入れるために紳士的で懐のデカい男を演じています。エイミーは欲しいものを手にするために外面のよい完璧な女性を演じています。 ふたりが他人から愛される自分を演じながら一緒にいる時は、ふたりは互いが最高のパートナー、ベストの状態を保つこと出来ます。 しかし、ふたりが離れてしまうと、バランスが崩れて不吉なこと、殺人事件まで起きることになってしまうのです。何はともあれ、最後にエイミーがニックのもとへ帰ったことで、秩序は保たれた状態に。これ以上のハッピーエンドは考えられません。

2. 関係がマンネリ化しても努力は必要!?

エイミーとニックが交際を開始した当時、二人は図書館でセックスしたり、プレゼントを贈りあったり、輝かしい瞬間がいくつもありました。 しかし、ニックは段々エイミーに関心がなくなり、浮気までする始末。 結婚から5年が経ちお互い一緒にいることが当たり前になると、髪を切ったことに気づかなくなったり、家で食事をとることが少なくなったりと、どんな夫婦もマンネリ化が進むことでしょう。 しかし、いくら新婚の輝きは長続きしないからといって、何の努力もしなくていいという訳ではありません。 あまりに互いに気を遣わなくなったら、殺人事件に発展することさえあるのですから。(少なくても離婚の危機は訪れるでしょう。)

3.クールガールになる必要はない!?

エイミーが車に乗っているシーンの時に流れるモノローグに何度も“cool girl”というセリフが登場します。 美しく、決して怒らない、いつも身だしなみに気を遣う、凛とした佇まいなど“cool girl”とは社会や男性が女性に抱く幻想です。 もしも、”cool girl”を演じてパートナーを手に入れてしまったら、生涯“cool girl”を演じて生きていかなければなりません。そうなれば、窮屈な思いをするだけでは済まず、本当の自分ではなく、"cool girl"(偶像)を愛するパートナーに対して怒りを覚えることになるでしょう。 生涯のパートナーを選ぶときにはありのままの自分をさらけ出す覚悟が大切です。

4.兄妹とは良い関係を保とう!?

ニックの双子の妹、マーゴ・ダンは、兄ニックが殺人容疑をかけられても彼を信じ、見放すことはありませんでした。 さらに、マーゴはバーで子供がやるようなボードゲームの相手をして少しでもニックの気が休まるように努めます。ふたりは近親相姦を疑われることになりますが、それは世間があまりに仲の良い兄妹を誤解したに過ぎません。 長い人生において、一時的な非難場所や保釈金が必要になる時があるかもしれません。そんな時のために、なるべく兄妹とは良い関係を築き、緊急時に頼れる状態にしておくべきです。

5.ひとりっ子はプレッシャーが大きい!?

“ひとりっ子だというだけで、不公平な責任を負わされる。成長するにつれて失望させたり、死ぬことさえ許されないことを知る。” エイミーはひとりっ子、親の愛情を独り占めできた点においては満足していたはずです。しかし親の大きな期待をヒシヒシと感じ、そのプレッシャーを否応なしに背負わなければならないひとりっ子の運命に大きな不公平感を抱いていました。 もしも、ニックのように兄妹がいれば、親の期待を全て背負おう必要はなく、困っている時には助け合うことが出来ます。 しかし、この世にパーフェクトな人間なんていません。ひとりっ子であろうが、なかろうが、親の期待に過剰に敏感になる必要などありません。

6.ウワキ、ダメ、ゼッタイ

浮気が殺人事件へ繋がることは極端な例だとしても、浮気された方のパートナーが大きな傷を負うことは間違いありません。 今作でエイミーが極端な行動を起こしたきっかけはニックの浮気です。しかし、エイミーはニックが生徒と寝たことによって結婚生活を終わらせたくはなかったのです。エイミーは結婚生活そのものには満足していたのかもしれません。 たとえどんなに強い人物に見えても、表に出さないだけで傷ついているものです。浮気は精神を破壊するほどの威力を誇ります。エイミーを恐ろしい行動へと駆り立てたように。

7.アメリカにも良い警察官はいる!?

アメリカでは警察官の暴力沙汰や不祥事のニュースが溢れ、警察に対して悪いイメージが定着しています。 しかし、今作に登場するロンダ・ボニー刑事(キム・ディケンズ)はアメリカの警察の希望です。ニックをエイミーの殺人犯だと皆が疑う中、彼女はニックが無実である可能性を捨てませんでした。

8.職を失う=世界の終わりではない!?

職を失ったからといって、パートナーを失わなければならない訳ではありません。職を失った後、エイミーとニックは金銭的な問題を抱えますが、ニックは妹マーゴと共同でバーを開き何とかやっていました。 職を失っても再び立ち直ることは可能です。厳しい状況を乗り切ることが出来れば、きっとパートナーとの絆がより強固になるはずです。 厳しい時こそ、夫婦が同じチームであることを忘れてはいけません。

9.ある程度の秘密は必要!?

よくパートナーのことはありとあらゆることを知っておきたいという人がいますが、それは本当に大切なことでしょうか?誰しも墓場まで持っていかなければならない秘密を持っているものです。 ある日、パートナーがサイコパスの殺人鬼だと分かったとして、そんな事実を受け入れられる人がいるでしょうか? 秘密を無理やり知ったとしても、愛が深まるどころか、関係がギクシャクするだけです。日本に昔から知らぬが仏という言葉があるように、知らない方が幸せなこともあります。

10.結婚は牢獄!?

この映画を観た人の中に、エンディングに大きな不満を持っている人がいるようです。あれだけ卑劣なことをしたエイミーが最後に悲惨な死を迎えることはおろか、刑務所にも入らず、繕いながらもニックと結婚生活を送っていくことが気に入らないようです。 しかし、この先長い間、エイミーとニックは結婚という牢獄の中で生活を送ることになります。もしかしたらそれは死ぬことや実際に刑務所に入ることよりも辛く厳しい人生かもしれません。