2020年4月27日更新

デヴィッド・フィンチャー監督作一覧 映画もドラマも見応え充分の名作揃い!

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デヴィッド・フィンチャー
©Vandeville Eric/ABACA/Newscom/Zeta Image

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鬼才デヴィッド・フィンチャー監督作を一覧で紹介 映画・ドラマともに見逃せない名作揃い

デヴィッド・フィンチャーのプロフィール

■本名:デヴィッド・アンドリュー・レオ・フィンチャー(David Andrew Leo Fincher) ■生年月日:1962年8月26日 ■出身地:コロラド州デンバー 1962年にデンバーで生まれたデヴィッド・フィンチャーは、18歳のころから映画製作をはじめ、同時期にアニメーターとしても働き始めました。 1986年にビデオ制作会社を設立。マドンナ、エアロスミス、ローリング・ストーンズなどのミュージックビデオやCMを手がけています。 その後、1992年の『エイリアン3』で映画監督デビュー。あまり成功したとは言われていない作品ですが、1995年の次作『セブン』でその才能を証明します。 2013年からはNetflixオリジナルドラマ『ハウス・オブ・カード』の監督に。2014年にはベン・アフレック、ロザムンド・パイクが出演した『ゴーン・ガール』が高評価を受け、興行的にも成功をおさめました。 今回はどれも名作揃いの鬼才デヴィッド・フィンチャー監督の映画、製作に携わったドラマを一挙に紹介します。

最新作はNetflixオリジナル映画『マンク (原題)』(2020年)

待望の最新作!“あの名作”の裏側を描く伝記映画

通算11作目となる最新作『マンク (原題)』は、1941年公開の名作『市民ケーン』で一躍人気脚本家となったハーマン・J・マンキーウィッツの伝記映画。『市民ケーン』執筆の裏側で起きた確執や苦悩が描かれます。 2003年に他界した父ハワード・フィンチャーが生前に執筆した脚本を基に作り上げられました。デヴィット・フィンチャーは映画化実現に向けてこの企画を温めていたといいます。亡き父の遺作ということで、思い入れの強い作品になるでしょう。 主演は『ウィンストン・チャーチル/ヒトラーから世界を救った男』でアカデミー主演男優賞を受賞したゲイリー・オールドマン。『レ・ミゼラブル』(2012年)のアマンダ・セイフライドや『あと1センチの恋』のリリー・コリンズなどの豪華キャストが出演します。 2020年4月現在、Netflixオリジナル映画の本作ですが、公開・配信日程はまだ決定していません。

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『エイリアン3』(1992年)

デビュー作は大人気SFホラーシリーズの第3弾!

エイリアン3,リプリー
©20th Century-Fox/Photofest/zetaimage

デヴィッド・フィンチャーは大人気SFホラーシリーズの3作目、『エイリアン3』でデビューした監督です。 シリーズ1作目から作品製作に携わるデヴィッド・ガイラーらとタッグを組み、引き続き主演となったシガニー・ウィーバーは、今回坊主頭になって強い印象を残しました。 『エイリアン2』のラストで生き延びたメンバーをのせ、地球へ向かうスラコ号。実はその船内にはエイリアンが潜んでいたのです。惑星フィオリーナ161に不時着すると、男性犯罪者が収容されている労働矯正施設がありました。リプリーは、そこでエイリアンと再び対峙することに。 製作中トラブルが続き、公開後の評価も芳しくないという、苦いデビューとなった今作。しかし、エイリアンが獲物を捕食する別の生命体に寄生するなど、新しい展開は観た人に衝撃を与えました。

『セブン』(1995年)

キリスト教の「七つの大罪」をモチーフにした連続猟奇殺人事件と、その事件を追う刑事たちの姿を描いたサイコ・サスペンス

セブン
©︎NEW LINE CINEMA
Bloomin
Bloomin 5

ひさしぶりに、かなり 映画を楽しんだ。 面白かった。どきどき はらはら。 ”七つの大罪”を犯した人間を排除する、という 異常な連続殺人犯を追う ふたりの刑事。 犯人の主張は 全く理解出来ないのだけれど、 宗教的知識や関心を持たなくても 解り易く、 あれこれ想像して 引き込まれるテーマだと思う* ブラッドピットとモーガンフリーマンが演じる 刑事ふたりの 対照的なキャラクター付けと 形の違う それぞれの仕事熱が良かったなあ。 ラストが、という声を聞きすぎて わたしは あまり感情が揺れなかったけれど ブラッドピットの表情が、凄い。好き。 そんなにグロテスクでもないし、(もはやお化けだし) わりとお洒落な映画。 避けているひとがいるなら ぜひおすすめしたい♡

キリスト教の教義に沿って殺人を続ける犯人と、それを追う二人の刑事の物語です。 感情で捜査を行う新人刑事ミルズは、ベテラン刑事サマセットと共に、ある連続殺人犯の捜査にあたります。犯人は「七つの大罪」に沿って1人、また1人と殺人を繰り返します。犠牲者が出るなかで冷静に捜査をするサマセットと、焦るミルズは確実に犯人へと近づいていきますが……。 モーガン・フリーマン演じる冷静なサマセットと感情任せに動いてしまうブラット・ピット演じるミルズ。退職間近のベテランと新米刑事という対照的なコンビが、事件の真相に迫る展開に釘付けになること間違いなし。 謎が残る衝撃の結末で、鑑賞後にあれこれ考えるのも楽しみ方のひとつです。

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『ゲーム』(1998年)

あるゲームに参加してしまった男を描く緊迫のサスペンス

ゲーム、マイケル・ダグラス
©Polygram Filmed Entertainment Photographer: Tony Friedkin

デヴィッド・フィンチャーが『セブン』の次に手がけた作品です。『ウォール街』でアカデミー主演男優賞を受賞したマイケル・ダグラスと、『ミスティック・リバー』『ミルク』でアカデミー主演男優賞を受賞したショーン・ペンが主演を務めました。 父の遺産を受け継ぎ投資家として成功しているニコラス。父が自殺した年齢と同じ、48歳の誕生日を迎えました。お祝いに弟のコンラッドから「CRS」という会社の紹介状を受け取ります。それはある「ゲーム」への招待状で……。 前作『セブン』ほどの成功とはなりませんでした。しかしながら、張り巡らされた伏線とその回収や飽きのこない映像はやはり流石のもの。監督ならではのスタイリッシュな映像も楽しむことができます。最後に待ち受けるどんでん返しも一見の価値あり!

『ファイト・クラブ』(1999年)

チャック・パラニュークの同名小説の映画化

『ファイトクラブ』
© Twentieth Century Fox/zetaimage
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74hisayon 4.5

友達に勧められ、DVDで鑑賞♪ 勝手にボクシングの映画なのかなと思ってましたが全然違った。 何不自由ない裕福な暮らしをしている主人公は不眠症に悩まされていたが、出張先の飛行機で出会った男、タイラーに出逢い運命が大きく変わる。 『ファイトクラブ』で1対1で殴り合い、痛みを感じる事で生きている実感を味わう。 タイラーの数々の名言。 中でも、「職業がなんだ?財産がなんて関係無い。車も関係ない。財布の中身もそのクソッタレなブランドも関係無い。」という言葉が一番好きです(*´ェ`*) とても深い。 心に潜む闇を見事に魅せてくれる傑作だと思います。

不眠症で悩む一人の男性は、ある日、自分とは真逆の性格のタイラーと出会います。人生に虚しさを感じていた主人公は、タイラーと殴り合ったことで何とも言えない充実感を得ました。 これを期に、ふたりは秘密の場所「ファイトクラブ」を作る計画を立てます。しかしタイラーは、次第に危険な計画へと歩み始めてしまい……。 単純な気晴らしだったはずが思わぬ方向に展開していくストーリーで、現代に生きる人々の心の闇を描き出した本作。「どんでん返しもの」の定番として紹介されることの多い作品ですが、それまでの過程にも多くの魅力があります。

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『パニック・ルーム』(2002年)

屋敷に侵入してきた強盗たちと緊急避難用の密室「パニック・ルーム」に立てこもった母娘を描くサスペンス映画

パニックルーム、ジョディ・フォスター
©Columbia Pictures/Photofest/zetaimage
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深夜、家に一人暇で居ると、ふとサスペンスが見たくなるもの。 今夜は借りてあったフィンチャーのパニックルームです。 いやあ面白かったですねえ! ソリッド・シチュエーションスリラー(?)的な「パニックルーム」を舞台にした設定で、終始ドキドキしながら見ていました。 別に高度な心理戦とか、めまぐるしい展開とかあったりするわけではないのですが、さすがフィンチャーともいうべきカメラワークが見る人を引き付ける、引き付ける! robber側全員が筋金入りの「ワル」ではないあたり、彼らの掛け合いが面白かったりもします。その分ラストは少しかわいそうである部分もあるのですが・・・ あと、ジョディ・フォスターは羊たちの沈黙やフライトプランでの演技があるので「切れ者」といった印象があり、どこか安心してみる事ができました。

シングルマザーになったメグ、そして娘のサラはお金持ちの住んでいた家に引っ越してきます。その家には密室で避難用の部屋「パニック・ルーム」があり、その部屋には以前住んでいた人の財産がありました。 夜になると、その財産を狙う強盗達がやってきます。しかしメグは彼らの存在に気付くとサラを連れてパニック・ルームへ。しかし強盗グループには、数々のパニック・ルームの建設に関わってきた人物がおり……。 フィンチャー作品としては珍しい、息をつく暇もない密室心理サスペンス。限られた空間を舞台に、テンポよく展開していく、手に汗握るストーリーが魅力の作品です。あの手この手で親子をパニックルームから出そうとする強盗たちと、なんとか彼らを出し抜いて脱出・警察に通報しようとする親子の攻防にハラハラドキドキさせられます。

『ゾディアック』(2007年)

アメリカで実際に起きた連続殺人事件を追う男たち

ゾディアック
© Paramount Pictures Photographer: Merrick Morton/zetaimage
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k1ller_aka_tKo 3.5

実在の未解決事件「ゾディアック事件」を基に製作されたクライム・サスペンス作品。監督はデヴィッド・フィンチャー。 実話をベースにしていて且つ犯人が捕まっていないということもあり、観る側も誰が犯人か分からない状況にあれこれ推測することになる。そして今作最も面白いのは事件に溺れてゆく人間模様。ゾディアック事件を追う刑事、新聞記者、漫画家。まるで何かに取り憑かれたかのように日常生活を捨て執念を燃やし傾倒してゆく。そんなある意味奇妙な魅力を秘めた未解決事件を、デヴィッド・フィンチャーの素晴しい構図とカット割で進む2時間半。あなたにはこの謎が解けますか?

殺人の証拠を自ら警察に、そしてメディアに送りつける「ゾディアック」と名乗る連続殺人犯。必死に捜査をする警察を嘲笑うかのように、犯人は暗号文を送りつけ殺人をくりかえします。手紙を受け取ったサンフランシスコ・クロニクル紙の記者ポールと、彼の同僚で風刺漫画家のロバートは、事件に強い関心を持ちますが……。 アメリカで実際に起きた「ゾディアック事件」を題材にした本作。犯人は殺人を行った場所などを警察に告げたり、メディアに暗号文を送りつけたりと、犯行の残忍さだけでなく、その演劇性で世間を騒がせました。しかし、犯人を捕まえられないまま捜査は打ち切られています。 未解決事件を題材にした本作では、サスペンス以上に人間ドラマに比重が置かれています。徹底的なリサーチで、リアルに描かれる4人の男の生きざまに注目。『セブン』とは対照的な結末を迎える、フィンチャーのキャリアのなかで最もチャレンジングな作品といえます。

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『ベンジャミン・バトン 数奇な人生』(2008年)

ベンジャミン・バトン 数奇な人生
©Paramount Pictures/Photofes/zetaimage
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#eiga 老人として生まれて年々若返って行くというのは設定としてどうなんだろうと思ってたが、素敵なファンタジー映画だった。結構切ない。人は誰しも老いて死に向かっている。今この状態はいつまでも続くわけではない。時間というのは万人に対して平等である…。秀作だと思います。167分と長尺だけど長さを感じなかったのは、最初の1時間をうまーくそして丁寧に状況を把握させるために使ったからでしょうか。一つ残念だったのが、ケイト・ブランシェットの20代前半の設定時のメイクがちょっと無理があった気が…。ブラッド・ピットのCGは結構凄かっただけに、こちらももう少し上手くできたんじゃないかな、と。

老人の体で生まれ、年を重ねるごとに若くなる病をもつベンジャミンの、壮絶で切ない人生を描いた物語です。 生まれてすぐに老人施設の前に置き去りにされ、そこを運営する夫婦の子供として育てられたベンジャミン。成長するほどに若返っていく彼は、ある日施設に遊びに来た少女デイジーと出会います。しかし特別な病を持つ彼は、彼女とともに成長し年老いていくことはできません。 そんなどうにもならない障害を前にしても、デイジーの彼への愛は変わりませんでした。 時間と人生をテーマとしたファンタジー作品。ベンジャミンとデイジーの間に生まれた愛と絆、そして彼の送った特別な人生が切ないながらも美しく描かれます。また、20代から老年期を演じたブラッド・ピットとケイト・ブランシェットの特殊メイクにも注目です。

『ソーシャル・ネットワーク』(2010年)

Facebookを創設したマーク・ザッカーバーグらを描いた映画

ソーシャルネットワーク,ジェシー・アイゼンバーグ
©Columbia Pictures/zetaimage
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taichimachima 3.5

ようやく、ようやく観ることができたこの作品。デビット・フィンチャーの作品は本作で3本目であるが、これまでに観た2本(ファイトクラブ、セブン)と比べるとやや見劣りするが、それでもとてもおもしろかった。曲はあまり好みではなかったが、暗めの色調や早口なセリフのおかげで、淡々としてそれでいてテンポのよい作品に仕上がっていたと思う(いい意味で)。 注目すべきは若々しい俳優陣。ブラピやジョニデもいいが、こういった若い人たちが活躍していくような映画をもっと観てみたい。 総合的にとてもよかったが、昔観たパイレーツオブシリコンバレーの衝撃には及ばなかった。また観たいな。

2003年、ハーバード大学2年生のマーク・ザッカーバーグは、失恋の腹いせで同大学の女子学生の顔を格付けするサイトを立ち上げます。サイトはまたたく間に話題になり、4時間で大学のサーバーがダウン。 後日、マークは双子のウィンクルヴォス兄弟と、その友人ディヴィア・ナレンドラに声をかけられます。彼らはマークのプログラミング技術に目をつけ、ハーバード大学の学生ドメインを利用して他大学の女子学生と出会うためのサイトの作成を依頼します。 そのアイディアにヒントを得て、マークは「The Facebook」を作り上げました。 マーク・ザッカーバーグがFacebookを開設したいきさつの回想と、裁判のために証言録取を行う現在進行系のシーンが同時進行していく本作。ジェシー・アイゼンバーグやアンドリュー・ガーフィールド、ルーニー・マーラなど、当時のフレッシュなキャストの演技にも注目です。

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『ドラゴン・タトゥーの女』(2011年)

スティーグ・ラーソンの推理小説『ミレニアム1 ドラゴン・タトゥーの女』が原作

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© Columbia Pictures
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デヴィッドフィンチャー監督作ということで観てきました。二時間半、フィンチャーらしい陰鬱な映像美を堪能することが出来ました。スウェーデンを外側から描くとこうも無機質で美しくなるのかと惚れ惚れするばかり。我らがトレント師匠の音楽との相性もやはり抜群で、映像として只者ではない感覚はオリジナル版を遥かに上回っていたかと。オープニングのやりたいことやっただけの映像は笑えます。 ただ、ストーリーの緩急の付け方はオリジナル版の方が巧かったですかねー。セブンやゾディアックもそうですがミステリー路線となると尻すぼみな印象になる感は否めません。ヒロイン・リズベットに関してオリジナル版のミステリアスな魅力が損なわれていたのもあって、終盤は普通の男女の物語にしか見えないのが残念でした。 続編が製作されるのかは分かりませんが、フィンチャー監督にはこういういかにもな題材よりもソーシャルネットワークのような新たな視点を期待します。

2010年に公開されたスウェーデン映画『ミレニアム ドラゴン・タトゥーの女』のハリウッド・リメイク。原作は世界中でベストセラーを記録したスティーグ・ラーソンの推理小説「ミレニアム」シリーズ第1作目です。 記者ミカエルとドラゴンのタトゥーが入った天才ハッカー、リスベットは、ある一族が裏組織の武器密売に関係していたことをスクープします。しかし名誉毀損で訴えられ、裁判で敗訴に。そんなとき彼に一本の電話が入り、40年前に行方不明になった少女が一族の何者かに殺され、その真実を明らかにして欲しいと依頼されます。 ミカエルとリスベットのタッグで行う謎解きが見どころです。また、同じ原作をもとにしているスウェーデン映画「ミレニアム」シリーズと比較してみても面白いでしょう。

2018年には続編『蜘蛛の巣を払う女』が公開に

本作の続編『蜘蛛の巣を払う女』は、2019年に公開されました。「ミレニアム」シリーズの生みの親スティーグ・ラーソンの死後、デヴィッド・ラーゲルクランツが執筆したシリーズ4作目が原作となっています。 本作でミカエルとリスベットのコンビは、スパイやサイバー犯罪者、腐敗した政府が複雑に絡まり合う事件に立ち向かいます。そんななか、リスベットの過去が明かされ……。 フェデ・アルバレスがメガホンをとった本作で、フィンチャーは製作総指揮を担当しています。

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『ゴーン・ガール』(2014年)

デヴィッド・フィンチャーが人間心理の怖さを描く

ゴーン・ガール
©Twentieth Century Fox Film Corporation/Photofest/zetaimage
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異色のサスペンス! 中盤で種明かしがあり、ここからどう持って行くのかと思いましたがなるほど…!! このハラハラ感たまりませんでした。 人間の狂気に文字通り背筋が凍る。 結局伏線じゃなかった〜ならいらないでしょ!と突っ込みたくなるシーンもありましたが、そんなミスリードも全く白けさせず、其々の心理描写が丁寧なのにミステリアスな空気を保ちながら進む展開が凄い! 見始めとラストで、観客が抱くニック、エイミーの印象がジワジワと、確実に変わっていく様子が見事。 それにしてもエイミー役の女優さん…もう、スゴイとしか言いようがない。

突然失踪した主人公ニック・ダンの妻エイミー。警察の捜査が進むにしたがって、夫婦の間には問題があり、ニックが妻を殺したのではないかという疑惑が浮上します。しかしこの事件には裏があり……。 二転三転するサスペンスのなかで、人間の複雑な心理が描かれる本作。前半は、登場人物たちと同様に観客の私たちも騙されてしまうほど、巧妙な罠が仕掛けられています。メディアに振り回される大衆、人目にさらされない真実、作り上げられた人物像など、鑑賞後もさまざまなことを考えさせられます。

フィンチャー製作のドラマも見逃せない

数々の名作映画を世に生み出してきた鬼才デヴィッド・フィンチャー。2013年からはドラマの製作にも関わっています。ここからはフィンチャーが手掛けるドラマを紹介していきます。 映画からドラマへと場所を変えても、生み出される作品はファンの期待に応えてくれています。独特の世界観と映画での手法を持ち込み、他では味わうことのできないドラマを作り上げているのです。 ドラマ『ハウス・オブ・カード 野望の階段』では、ネット配信で初公開されたドラマシリーズとして史上初のプライムタイム・エミー賞を受賞する快挙を果たしました。フィンチャー映画のあのドキドキを味わいたいなら、ドラマも忘れずチェックしましょう!

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『ハウス・オブ・カード 野望の階段』(2013年〜)

プライムタイム・エミー賞受賞の政治サスペンス

ハウス・オブ・カード、ケビン・スペイシー
©A-Pix Entertainment/Photofest/zetaimage

Netflixで配信されている政治サスペンス・ドラマです。デヴィッド・フィンチャーは製作総指揮として参加し、シーズン1の1話、2話では監督も務めました。シリーズはシーズン6まで続き、既に最終話まで配信されています。 1990年放映のイギリスのドラマシリーズ『野望の階段』を原案とし、『セブン』にも出演したケヴィン・スペイシーが主人公の下院議員を演じました。シーズン1では、出世の約束を裏切られた主人公フランクが、大統領への大掛かりな復讐を実行していく姿が描かれています。 政治が題材というと、難しく感じてしまう人も多いでしょう。しかし、話のテンポが良く、1話ごとに着地点があるため見やすいドラマです。デヴィッド・フィンチャー作品の特色である思わず騙される演出や独特の画作りは、このドラマでもしっかりと活かされていますよ。

『マインドハンター』(2017年)

若きFBI捜査官が連続犯罪者の心理に迫る

犯罪者プロファイリングを題材とした、ノンフィクションがベースのクライム・スリラーです。こちらもNetflixで配信され、デヴィッド・フィンチャーが監督総指揮と監督の一人として作品を手掛けました。 1970年代後半、殺人犯の心理を研究しようとするFBI捜査官がいました。まだプロファイリングという操作方法が確立されていない時代です。彼らは研究のためにサイコパスやシリアルキラーに直接会い、その危険な内側を知ろうとします。 捜査官フォードを演じるのはドラマシリーズ『Glee』のジェシー役で人気のジョナサン・グロフ。フォードは熱心に研究を進めますが、犯罪者とのやりとりは危うく不安定で、まるで綱渡りのよう。 物語が進むにつれ、じわじわと不穏な空気が広がっていきます。見ているうちに自分の中の連続殺人犯やサイコパスへの好奇心に気付くのも怖いです。

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世界中にファンを持つ鬼才デヴィッド・フィンチャーの作品を堪能しよう!

暗く陰鬱な画面づくりと、テンポの良いストーリー展開が特徴のデヴィッド・フィンチャーは、「鬼才監督」と呼ばれながらも、多くの映画ファンに愛される作品を生み出しつづけています。 サスペンスから感動作までさまざまなジャンルの作品がありますが、その根底に共通するのは人間ドラマ。人の心の闇や機微を描き出すのを得意としています。 2020年配信予定のNetflixオリジナル映画にも大きな期待がかかりますね。