
『ノスタルジア』とは
自殺した音楽家の足跡をたどる詩人が、自身も病に冒されながら旅を続けてゆく一大映像叙事詩。監督は『惑星ソラリス』『鏡』『サクリファイス』のアンドレイ・タルコフスキー。哲学的示唆とまるで絵画を切り取ったかのような美しい自然描写は、本作でも健在。“水”の象徴性を巧みに表現するタルコフスキーであるが、とりわけ本作では、霧や雨の描写が美しい。ベートーヴェンやヴェルディのクラシック音楽も、効果的に使われている。
『ノスタルジア』のあらすじ
イタリア中部のトスカーナ。ロシア人の詩人アンドレイは、通訳のエウジェニアを連れ立ってこの地にやって来た。2人の目的は、サスノフスキーの伝記を書くためだ。 サスノフスキーは、18世紀にイタリアを旅したのち帰国すれば農奴になると知りながら故郷ロシアに戻った作曲家。2人はまず、聖母画を見るためにシェーナを訪れる。しかし、寺院のなかで熱心に祈りを捧げるイタリア人の信仰的な習慣を、今ひとつ理解できずにいた。旅の終わりに湯治場を訪れた2人は、町の人から狂人扱いされているドメニコという男に出会う。ドメニコは世界の終末が近いと本気で信じ、7年もの間家族を閉じ込めていたという。 ドメニコの言動が意味不明で理解できないエウジェニアは、アンドレイの元を去る。だが、アンドレイはそんなドメニコに興味を抱く。ドメニコは「ロウソクに火をともして温泉を渡りきれば、世界は救済される」と、またも意味不明なことを言う。 しかし、周りから蔑まれながらも信仰に篤いドメニコに、アンドレイは共感を抱くようになる。そして、ドメニコに言われたことを実行しようとするのだった。
『ノスタルジア』のスタッフ・キャスト
『ノスタルジア』の感想・評価・ネタバレ
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まーすべての構図色彩カメラワークが芸術品。水や鏡や火や犬といったモチーフの意味を読み解くほどの知識はないが、その冷たい荒寥感、無常感がひたひたと押し寄せるのだった。ゆったり静かに流れる時間と共に、まるで美術館にいるみたいな気分。撮影そのものというか、あのロケーションがもう異世界で、奥行きある回廊や道や遺構の一つ一つが映画。
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映像と音楽がすごくきれいで、実際の時間より短く感じた でもやっぱり難しかった…… 何年か後にもう1度観てみたいな
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2015/9/18 Blu-ray観賞
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