山の音

山の音

1954年製作 日本 94分 1954年1月15日上映
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『山の音』のスタッフ・キャスト

『山の音』の感想・評価・ネタバレ

  • southpumpkin
    southpumpkin 3 2019年12月3日

    冷え切った息子の夫婦関係。息子の身を息子の父が案じる。 この息子というのがとにかく酷い。献身的な妻を家に置いておいて、自分は外で女を作る。そしてその女も傷つける。酷い息子の父はそんな息子に強く言うことができない。元来そう言う性格なのだろうか、温厚で自分の妻にも尻に敷かれ気味だ。この父親が物語を俯瞰し、感情的にならず展開していく。原節子演じる菊子にとって、自分の身を労ってくれる唯一の存在である義父に特別な思いを抱くかいだかぬか、反対はどうか。この結ばれてはいけない男女がお互いを心の底から思いやり、労わりあう様子はとても美しい。 川端康成原作の成瀬巳喜男監督作。題材が成瀬巳喜男に寄っているのか、自らの作家性を遺憾なく発揮している。

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