
『ストレイト・ストーリー』とは
70歳の老爺が、トラクターを運転して遠い町に住む兄に会いに行くことに。その道中で出会う人々との交流を描いたロードムービー。ニューヨークタイムズ紙に掲載された実話を元にしており、『イレイザーヘッド』や『ツイン・ピークス』など、カルト的な人気をほこるデヴィッド・リンチがメガホンを取っている。それまでの難解かつ奇妙な作風が持ち味の監督らしからぬ感動作になっているが、作品のテンポやユーモアは紛れもなくリンチ監督ならでは。主演は本作でアカデミー主演男優賞にノミネートされたリチャード・ファーンズワース。共演に『キャリー』のシシー・スペイセク、『エイリアン』のハリー・ディーン・スタントン。
『ストレイト・ストーリー』のあらすじ
アメリカ、アイオワに住むアルヴィン・ストレイトは73歳の老人。娘のローズと一緒に暮らしているが、ある日家で転倒してしまい、杖に頼って歩かざるを得なくなる。そんな生活を送るアルヴィンに、兄のライルが心臓発作で倒れたとの知らせが。仲違いして以来十年余り、お互いに連絡を絶っていた兄弟だったが、アルヴィンは兄の元を訪ねる決心をする。だが、兄ライルの住むウィスコンシン州までは350マイル。車の免許も持たないアルヴィンは、娘の反対を押し切り、無帽にも時速8キロのトラクターで出発する。道中での様々な人との出会いを重ね、アルヴィンの歩みは急ぐことなく、ゆっくりと進むのだった。
『ストレイト・ストーリー』のスタッフ・キャスト
『ストレイト・ストーリー』の感想・評価・ネタバレ
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おじいちゃんのホノボノ旅。 歳をとることの大変さと大切さを考えさせられる映画。
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じーんとした。人として筋を通す人間の凛々しさ逞しさ気高さを感じた。 他者に対して誠実であることは、実に実に地味なことで、ひょっとすると誰かからは非効率的だと打ち捨てられるかもしれない。でも、誠実さを向けられたたった一人には深く残る。心が揺さぶられる。 ラストの掛け合いが堪らない。言葉が少なくても表情がすべてを語っているようで、見ている自分にも感動が伝播してきた。喜びとも申し訳なさとも言えない、切ない気持ち。清々しい感動があった。 驚いたことが二つ。 一つ目。デヴィッド・リンチ監督!?うそだぁって思った(笑)確かに一瞬、鹿のお姉さんのとこで異世界に迷いこみそうになったけど。ストレイトじいさん強し。ただ、ご年配の役者さんに対して腰を痛めそうなトラクターに延々乗せ続ける監督のメンタル…、やっぱり鬼才っていうか鬼の所業だわって思った(苦笑)。 二つ目。これ大筋は実話らしい。ニュースに取り上げられて(映画にもなるほど)時の人になったのに、モデルとなった本物のストレイトじいさんは「注目されるような人間ではないんだ」て言って表には出てこなかったらしい。なんてかっこいいんだ。
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兄弟は兄弟だ。
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