テルマ&ルイーズ

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「テルマ&ルイーズ」のHM world-travellerの感想・評価・ネタバレ

HMworldtraveller
HM world-traveller 3 2016年3月11日

女2人の破滅型ロードムービー。友達って、似た者同士故に話が合い意気投合するケースと、正反対で自分に無いものに惹かれ親しくなるケースがある。テルマとルイーズの場合は明らかに後者。姉御肌でテキパキと事を進めるルイーズに対して、ふわふわしている上に旦那の顔色を伺いながら言いたいことを飲み込むテルマ。 前半ルイーズに感情移入した私はテルマにイライラ。彼女の軽率な行動や あり得ないほどの無防備さが事件や被害の引き金になる。映画で見ているぶんには「憎めないキャラだわ」で済むけれどこれが現実の友達だったら、、うーん、やってられない(笑)。それでもルイーズがテルマと行動を共にするのは 「あんなことが起きた以上は一連托生、運命共同体」という気持ちだろうけど、事件以前については、男性に関する苦い経験という同種の痛みから来る親近感が大きいのかもしれない。 鳥籠の鳥のように妻を支配下に置きたがる夫、レイプ、レイプ未遂、一夜を共にした後の持ち逃げ。本作に出てくる男はどいつもこいつもロクでもないのである (笑)。けれど男に翻弄されて人生を台無しにしたなどとは言いたくない。ルイーズのトラウマのレイプのいきさつは不明だけど、テルマの場合は自分の意思による行動が発端なので責任の一端、いや大半は自分にあると思う。 この映画のテーマについて「抑圧からの解放」「自分らしさを取り戻す」というのを見かける。それは否定しないし、多様な見方があっていいと思うけれど私はこれが解放だとは思わない。すべては男のせい?すべては旦那のせい?籠の中の鳥が心から嫌なら、子供もいないんだし離婚して自立すればいい。仮に「男が一方的に悪い」と仮定して、それならばなおさらその悪い奴らのせいで 死を選択することはないと思ってしまう。 リアルな目で見ると、人物描写にリアリティが無さ過ぎだし女はこんなに弱くないわ〜、とも思うし、一方どこまでもエンタメとして見て 犯罪は抑圧からの解放の極端なメタファーだと解釈すると 峡谷に飛び込むくらいならいっそ酷い目にあわせた男達と刺し違えて死ぬほうが納得感あるな、と思う(笑)。女の私から見ると、これは男性目線で作った映画に見えて仕方がないのであった。 モニュメントバレーやグランドキャニオン(の一部)の映像と若きブラピの見事なチンピラぶり(褒めてます)は見どころ。